世界幸福度ランキング上位の北欧。幸福度の低い日本は54位。日本は幸福度が低く、北欧諸国の幸福度はなぜ高いのか。日本と税金の使い方や国民性を比較しながら考えてました。
世界幸福度ランキング上位を占める北欧諸国。日本は54位
2012年から始まった「世界幸福度ランキング」。
3月20日を「世界幸福デー」と定め毎年国連が幸福度調査を行っています。
データでは150以上の国や地域を対象としていて、それぞれの国の幸福度は0~10の値からなる各個人の回答の数値の平均値です。
皆さんは、
(1)人口あたりGDP(対数)
(2)社会的支援(困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
(3)健康寿命
(4)人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
(5)寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)
(6)腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)
2018年世界幸福度ランキング
1位 フィンランド
2位 ノルウェー
3位 デンマーク
4位 アイスランド
5位 スイス
6位 オランダ
7位カナダ
8位ニュージーランド
9位 スウェーデン
10位オーストラリア
◆北欧諸国は消費税25%国民負担率70%の高負担高福祉国家
◇日本は消費税8% 国民負担率40%の中負担中福祉国家
◆アメリカは消費税0% 国民負担率30%の自立型国家
*アメリカでは消費税の代わりにお店で消費者が商品価格
に上乗せして払う「小売売上税」があります。
「国民負担率」とは、国民の収入や国内企業の利益の合計額である「国民所得」に対して、
消費税や所得税、法人税などの国や地方の租税負担と年金や健康保険などの社会保障負担の合計額が占める割合を示すものです。
つまり、国民が稼いだ金額の内、何%を税金や社会保険料に使っているのかという数値で、その値が増えれば増えるほど、個人が消費できる額が減るということです。
国民負担率が70%であれば30%が自由に使えるお金ということ。
国民負担率としては、
日本の場合は40%(60%が自由に使えます)。
ヨーロッパは50%
アメリカは30%。
欧米だと、健康保険も個人で加入するため、盲腸の手術で、自己破産という話も聞きます。
自己責任の国アメリカですよね。
国は自分たちを守ってはくれない、自分の身は自分が守るという意識が強いようです。
◆皆で支えあう国民性。平等の精神が根ついている北欧
◇家族で支えあいたい。自己達成感や成長に重きを置く日本
◆アメリカンドリーム。自分の力で夢をかなえるアメリカ
医療費や教育費が無料である、北欧。
子供を持つ人たちにとって有利な制度だと思いきや、案外子供を持たない人達からは特に不満の声もでないようです。
その根底には、老若男女、
国民で支えあっていくという考えが根底にあり、国が一つの家族のような安心感が国民の多くにあるように感じました。
日本は核家族が進んでいますが、根底には親の面倒は子供が見るもの
という意識がまだまだ残っています。
海外ではベビーシッター制度も充実しており、子供がいても働きに出る人がほとんどです。
日本はベビーシッター制度も普及していませんし、親を持った母親は、仕事を辞め、働きに出ることすら困難ということが珍しくありません。
日本人に染み付いた親と子供の関わり方が、核家族と言う家族の形が変化してきている時代にマッチしなくなってきています。
それにより大きな歪みが生まれてきているように感じます。
北欧では高校生くらいになれば家を出ていくのが当たりまえ。
家族の絆は強いようですが、親子で依存はしないという考え方です。
アメリカは開拓スピリットが根底にあります。自分の身は自分で守るという意識や、国へは期待をしない自立した考え。
自由度が高いので、その気さえあれば、何かのきっかけで大成功を収めることも出来る国です。
「和」を大切にする日本とは大きく違うように感じます。
北欧では税金の使い道もとても分かりやすいのが特徴。
政治家の信頼も厚く、国民が要望を言いやすい、また国民の要望が政治に反省されやすい仕組みであることも、負担額が高負担であっても不満がでない大きな要因です。
スエーデンやデンマークでは「政治家」とは別にそれぞれの「職業」をもっている。
北欧では、なんと政治家以外に別の仕事を持っているケースが珍しくありません。
兼業議員が多く、政治家としての給料は、公的な会議へ出席した「時間」で計算されます。
市議会は月に1度、各委員会の会議が毎週あるとしても、政治家だけの給料ではとても生活できませんよね。
「政治家はそれぞれの職業に従事する人々の声を政治に反映させることが大きな役割」として
「政治家も現場で一緒に汗を流していなくてはならない」と考えているそうです。
「議員が一生の仕事であってはならない」ということ。
日本の政治家さんとは大きく違いますよね。
日本では税金の使い方が不透明で、「消費税を上げて社会保障に使います」と言われても本当に使われているのかがわからない状況。
頭の良い官僚さんたちは巧みに国民が分かりずらい税金の仕組みを考えているようにも感じます。
平等が良い事ばかりではない
平等と言うと聞こえはいいですが、高収入の人達からはすれば不満が生まれます。
例えば、収入がほとんどない人も平等に社会的資源を利用することができます。
ですから、高額納税するようなスポーツ選手や優秀な経営者は海外へ出ていくケースが多くなります。
また、教師のレベルが低い、病院の診療までの時間が長い、ドクターのレベルが低い。
そのような課題もあるそうです。
仕事における人材のレベルに関して言うと、
北欧は、日本やアメリカのように働く=お金のモチベーションとして強く結びつかないことも、理由として考えられます。
お金をモチベーションにしなくても、しっかり働き、「人のために働くことが喜び」という人間性の高い人たちが多いことも北欧諸国の特徴のように感じました。
色々な課題があっても、学力レベルは世界トップレベルですし、
救急医療のレベルも高いのは人間性の高い人達が多い事が挙げられます。
教育や医療の効率が良いシステムが作られているのです。
ちなみに、アメリカの教育は小学生でも飛び級や留年があったり、親が積極的に学校に関わります。
親のボランティアがなくては学校は成り立たないくらいだそうです。
教育や医療の観点から見ると、北欧は平均平等、日本は選択肢が多い。
アメリカは自己責任の傾向が強いんですね。
寛容さがなく、腐敗認識が強い日本人。なぜこんなことになったのか??
世界幸福度ランキングは主観的な世論調査
この「世界幸福度ランキング」で毎回上位を占めるのが北欧諸国。
幸福の国のイメージが定着していますよね。
幸福度ランキングはそれぞれの国1000人にアンケートを取っています。
調査における幸福度とは、自分の幸福度が0から10のどの段階にあるかを答える世論調査によって得られた数値の平均値であり、主観的な値なのです。
GDPや健康寿命は客観的データですが、社会的支援(困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)は、個人的主観です。
日本は特に寛容さがなく、腐敗認識が強い回答結果になっていました。
寛容さ(過去1か月の間にチャリティ等に寄付をしたことがあるか)は、寄付の文化があまりない日本の姿が表れています。
そして、腐敗の認識も強くでています。
税金の使い方が不透明で納得できないため、社会や政治家に不満や怒りを覚え精神が安定しないことも考えられます。
とにかく現代の日本人は不安定なのです。
国は守ってくれないから、自分で貯蓄をし、何かあった時は自分でなんとかしなくてはいけないという意識が強いのでしょうか。
そのため寄付はしないのかもしれません。
心の余裕がないのです。
だから国民たちは、良質なものよりも、安物ばかり追い求め、安物ばかり買う。
他人のためにお金を使うのではなく、自分のために使う。
北欧の人たちが日本で生活を送ったら幸せと思うかもしれない。
北欧の人たちが日本で生活したら...ふとそんな事を考えました。
日本のGDPや健康寿命が高いということは、環境的には恵まれているということです。
その状態で寛容さ、腐敗的認識が低いというのは、日本人の国民性や、心の問題が大きいのではないでしょうか?
信用されていない政治家も日本人です。
信用できない国民も同じ日本人・・・・。
日本にも社会的な問題はつきませんが、北欧の人が日本で生活したら、もしかすると、自由度の高さに喜びを感じる人もいるかもしれません。
逆に日本人が北欧に住んだら、むしろ選択肢のないこと、平均的教育や医療しか受けられないことに不満を持つかもしれません。
世界幸福度ランキングを見て私はそう思いました。
日本は54位でしたが、心も持ち方や、意識の変化、行動の変化でもう少し上位へいけるのではないでしょうか。
北欧の高負担高福祉が上手くいっているのは、国民の意思がしっかりしていて、その意思が政治に反映されやすいシステムがあるからです。
目に見える形で福祉サービスが戻ってくるので国民に安心感があるのですね。
日本のように国民の声が聞こえない(意見を発言する人も少ない、投票率も少ない)、
国民の意見が届かない、結果政治にも何も反映されない、という文化ではないのです。
さて、皆さんはこのランキングを見てどう思いましたか?
今後、どんな国になって欲しい、そして税金をどのように使って欲しいと思いましたか?
そしてこれから、どんな心持ち方でこの日本で生きていきたいと思いましたか?
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