整体に通っても治らない！ その首の痛み、心からのヘルプサインかも？首の痛みとストレスの関係性。その緩和方法

首は言わずもがなですが、頭と体をつなぐ重要な部位です。
人の頭は体重の１０％前後の重さがあり、体重５０ｋｇの人なら約５ｋｇにもなります。

日常的に約５ｋｇもの重さを支えているということは、
無意識のうちに大きな負荷を常にかけているということになります。
それを支えるために、首は多くの筋肉が集まってできています。

あまり気に留めたことはないと思いますが、
首はかなり繊細な動きにも対応しているうえ、常にかかる負荷にも耐えています。
ですから体の中でもコリが起こりやすい部分で、
肩、腰と合わせて三大コリなんて言われたりもしますね。

トラブルの起きやすい部位でもある首。
その原因が物理的なものだけではないことをご存知ですか？

病院や整体に通っても原因が分からず、痛みをぶり返す方必見です！

首の痛みの原因は？

首の病気

首の痛みの原因にもさまざまあり、病気が原因のものは
やはり病院で治療が必要だったり、プロの施術が必要だったりします。
下記は代表的な首の病気になります。

●　頸椎捻挫・外傷性頚部症候群
→　いわゆる「捻挫」。
●　頸椎症
→　頸椎（けいつい）という骨が加齢などにより潰れてしまう状態。
●　椎間板ヘルニア
→　頸椎と頸椎の間にあるクッション材の役割のある椎間板（ついかんばん）がずれて飛び出している状態。
●　胸郭出口症候群
→　首から腕に続く脊髄が、首の付け根から鎖骨周辺で何らかの原因で圧迫されてしまう状態。
●　後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症
→　首の骨を支えている靭帯が骨化してしまう状態。
●　外傷性頚部症候群
→　いわゆる「むちうち」。

首以外の病気で痛みが起きることも！

首が痛いからと言って、すべて首に原因があるわけではありません。

「高血圧」や「緊張性頭痛」、細菌やウイルスが感染して起こる脳の病気「髄膜炎」などでも
首の痛みが起こりますので、注意が必要です！

生活習慣からくる首の痛み

病気が原因の痛みも多々ありますが、やはり生活習慣が原因で痛みを感じる方が多いでしょう。

「姿勢の悪さ」は猫背や正しくなく無理な体勢での作業を続けることで、
頭の重みを支える負荷がより大きくなってしまいます。

現代ではスマートフォンやパソコンを仕事だけでなく、遊びのためにも使用するのは当たり前になりました。
仕事だけでなくゲームをしていれば、なおさら熱中してしまい首に負担をかけた姿勢の悪い状態を
長時間続けてしまっていることも多いと思います。

その他にも「寝ているときの姿勢」も重要です。


一日７～８時間睡眠時間をとっているとすると、
単純計算で人生の３分の１を寝具の上で過ごすことになります。
体に合わない寝具を使用していると首はもちろんのこと、
体のあちこちに負担がかかり痛みの原因となってしまいます。
引用：メディカルノート

「ストレス」が原因の首の痛み

病院や整体院に通っても痛みが消えない

あまりに痛みが続いたり、耐えられないくらいの痛みになったりしている方は、
病院や整体院に通っている、もしくは通った経験があるのではあるのではないでしょうか。

ただ施術を受けたときは楽になったような気がするけれど、
結局すぐにまた痛みが出てきてしまい根本的には痛みを取りきることができず、
お困りの方はいらっしゃいませんか。

痛い個所をポイント的に施術したからといって、痛みが取れるわけではありません。
痛みを取るために重要なのは、その原因をハッキリさせることです！

ストレスと「心身相関」

首の痛みが起こる原因は前述の通りさまざまありますが、
それ以外にも原因に深く関係するのが「ストレス」です。

ストレスと聞いて思い浮かべる病気といえば、「うつ」のような心の病気ではないでしょうか。

しかし、精神的なストレスを受けたとしても、肉体的な症状が出ることがあります。
人の心と体はつながっているという考え方があり、これを「心身相関」といいます。

精神的ストレスからの症状にもさまざまありますが、
その代表的なものが体のあちこちに出る「痛み」なのです。

ストレスがかかったときの首の状態

ではなぜ、ストレスがかかると首に痛みが出るのでしょうか。

ストレスは「自律神経」と深く関わり合っています。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、
この2種類の神経のバランスがとれていると人の体は健康的に生活することができるのです。

交感神経は主に活動できるような状態に体をととのえるため、
心拍数の増加、血管の収縮、発汗、瞳孔の散大、
などのはたらきがあることで知られています。
一方、副交感神経は逆に体を休ませるために、心拍数の減少、血管の拡張、瞳孔の縮小、
消化器官のはたらきを増進させるなどのはたらきをします。

ストレスを受けると交感神経が活発になり、なかなか休息モードに入れなくなります。
筋肉も血管の収縮から血の巡りが悪くなり、老廃物がたまりやすい状態になります。
ですから、体のいたるところで筋肉はコリを起こし痛みにつながってしまうのです。

だったら全身のコリとストレスとの関係だけをお伝えすればよいのでは、ということになってしまいますが
「首とストレス」は他の筋肉にはない関りがあります。
実は、首の筋肉の異常は副交感神経のはたらきを弱める、ということが分かってきているそうです。

つまり、
ストレスを受ける　→　交感神経が強くはたらく　→　首コリが起きる　→　副交感神経が弱まる
→　交感神経がより強まり常に体の緊張状態が続いてしまう
という、悪循環を引き起こしてしまうのです。
引用：花王ヘルスケアナビ

ストレスによる首の痛みを助長する「頭」との関係

そしてもう一つ、首の痛みを助長するのが「頭」とのです。
あまり意識したことがないかもしれませんが、頭蓋骨の周りにも筋肉は存在しますし、
首の筋肉の一部は頭蓋骨につながっています。
ストレスを受けると脳の血管も収縮するので、頭蓋骨周辺の筋肉はダイレクトにその影響を受け緊張し
いわゆるコリを起こします。

ただ頭蓋骨周辺の筋肉は痛みなどの症状が出ることが少ないので、そのコリに気付く方は少ないと思います。
しかし、このコリは思った以上に首への影響があり、首コリを助長してしまうのです。

ストレスを受ける　→　交感神経が強くはたらく　→　頭蓋骨周辺の筋肉にコリが起こる
→　気付かないから放置する　→　首コリを助長する　→
原因が断たれないので首の施術だけでは痛みが取れない

だから、首はストレスを受けると他の部位以上に悪影響を受けてしまうのです。

ストレスによる首の痛みを和らげるには？

東洋医学からみた、首の痛みや頭痛のサイン

頭痛や、首の痛みをうったえる人は、東洋医学では、陰虚陽亢と言われます。

陽亢とは？

陽亢とは、陽(気)の高ぶっている状態。
陽(気)とは、上のことを指します。体のエネルギー源。
体の各機能を動かし、血液や水分の流れをスムーズにし、新陳代謝を促す働きを持っています。

陽亢は、ストレスや運動不足により、気(活動力)が潤滑に動かなくなり、停滞。
これを気滞と言いますが、こうなると、体の上下・左右での循環に滞りができ、バランス差が生まれます。
軽症の段階では、左右差のみでの症状ですが、それも限界になると、上下のバランスが崩れ出します。
そして、上下差がおこると、上部に気が集中し、下部はガラガラに。

陰虚とは？

この下部がガラガラの状態を陰虚と言います。
陰虚とは、陰(血)が不足した状態。
無理のし過ぎ・老化は、陰虚の原因になります。
また、ストレスがひどく、気滞のレベルが強いと、
気(陽)と血(陰)の平衡関係がくずれ、気を支えていた血が弱ります。

陽亢と陰虚は相関しており、一方が強くなると、他方が弱くなります。
そのため、自分の首の痛みが陽亢と陰虚どちらが原因なのか知る必要があります。
そのうえで、ストレスを軽減して、痛みを取り除きましょう。

ストレスの元を取り除く！

当たり前ですが、原因がストレスにあると分かったのであれば、真っ先にそのストレスを解消、
もしくは発散できる術を見つけることが一番です！

また気を付けていただきたいのが、意識的にストレスにはなっていない、
と思い込むタイプがいらっしゃることです。
こんな小さなことで、自分はストレスを感じるはずがない。
こんなことでストレスを感じていたら恥ずかしい。
というような気持ちから、体はストレスとして感じているのに自己暗示でもかけるように
ストレスから目を背けてしまうのです。

こういう方の場合、ご自身で原因に気付くことはかなり難しいと思いますが、
もし心当たりがある方はまずは自身にとってのストレスが何なのかもう一度考え直してみてください。

相性の良い医師や整体師に巡り会えればラッキー！

そうはいっても、やはり真っ先に頼ってしまうのは病院や整体院ではないでしょうか。
最近は特に整体院が増加傾向にあり、その技術にも格差があったり、施術方法も多様化しています。

全ての人にあった施術ができる神の手を持つ方は極々稀ですので、
合わないと思ったらあちこち試してみるのも方法の一つでしょう。

中にはメンタル面のケアも併せて行ってくれるような方もいらっしゃるようですので、
運任せにはなってしまいますが気になる施設を見つけたら、
試してみる勇気も大切にしていただきたいと思います。

ストレスが原因ならストレッチも効果的！

首の痛みくらいで病院や整体院に通うのはちょっと抵抗がある、という方もいらっしゃると思います。
そんな方はまずはセルフケアから始めてみましょう。

首のストレッチ方法はいろいろありますが、まずは体育の時間に準備運動でしたような
首回しをとにかくゆっくりご自身が気持良いと思う程度に行ってみてください。
ポイントは筋肉が固くなっていると感じた場所は回すのを止めて痛くない程度に伸ばしてみること、
そしてゆっくり回し気持ち良く感じる程度にすること、です！

痛みが出るほどには絶対にしないこと！
副交感神経がはたらけるるような、リラックスした気分になれるくらいがベストです。
「心身相関」の力は面白いもので、ストレッチをするだけでも気持ちが穏やかになれることもあるのです。
何がきっかけで好転できるかは分かりませんから、ぜひ騙されたと思って一度試してみてください。

おわりに

最近では多くのメディアで心と体の関係について伝えていますが、
それを自身に置き換えて考えられる方というのはもしかしたらまだまだ少ないのかもしれません。

細分化された医療技術が必要な時もありますが、
日常的な体の悩みにはもっと広い視野を持ち自身の体に耳お傾け本当の原因を見つけることが重要になります。
体に変化が起きた時は、ぜひゆっくりとその原因を見つける時間をとってみてくださいね！

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