ストレスをためると必ず身体に現れる？精神保健福祉士が教えるストレスコントロール法

ストレス社会と言われる今、
理不尽と感じたけれどぐっと我慢したり、
自分の感情を押し殺した経験は、
誰しもが持っているのではないでしょうか。

「ストレスが溜まる」と言いますが、
果たしてそれはどこに溜まっていくのでしょうか。

今回は、実体がつかみにくい「ストレス」についてお伝えしようと思います。

2年間悩み続けたら、たまったストレスが突然の蕁麻疹になって現れた！

20代の頃、仕事にまい進した私は妊娠出産を機に会社員を辞め、
子育てに専念する事にしました。

ちょうどその頃、家族の中でとある健康問題が生じて、
それに伴う人間関係の問題が私を悩ませる事になったのです。

慣れない子育てと夜間授乳による睡眠不足が続く中、
悶々と悩む日々が続きました。

ひたすら感情を押し殺し、
子育てに集中しようと努める日々が続いたある日。

ひざ下に真っ赤な蕁麻疹が浮かび上がっていました。

目に見えない、実体のつかみにくい「ストレス」ですが
私の身体に変化を及ぼしていたのです。

ストレスが原因と言われる身体的不調

ストレスは身体の免疫力低下を引き起こします。

私は蕁麻疹という形で表れてきましたが、人によっては、
突発性難聴、睡眠障害、自己免疫疾患
などの形で出てくる場合もあるようです。

ストレスがかかる時身体にはどんな変化が起こっている？

ホルモンバランスが乱れる

ストレスがかかると、副腎という臓器から
コルチゾールというホルモンが多量に放出されます。

一説によると、ストレスがかかる事で
通常の2～3倍のコルチゾールが放出されると言われています。

コルチゾールが長期間にわたって多量に放出される事で、
脳の海馬が委縮する事や
炎症のコントロールを悪くする事
うつ病や更年期障害患者はコルチゾールが高いという事も指摘されています。

ストレスを感じると、多量のビタミンが消費される

先ほどのコルチゾールを作る際、
ビタミンCが多量に消費されます。

ビタミンCの役割は非常に多岐にわたりますが、
その一部をご紹介すると

◆汚染物質
◆重金属の解毒
◆知能指数上昇
◆活性酸素除去
◆コラーゲン合成

などがあげられます。

ビタミンCが不足する事で、
これらが上手く機能しない可能性が考えられるのです。

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その他にも、ストレスがかかると消費されるビタミンに
ビタミンB群があげられます。

大学生に難解なテストを受けてもらい、
ビタミンB群の消費を調べた調査では
テストを受けた直後から翌々日にわたって、
ビタミンB群が多量に消費されたという結果がでています。

つまり1回のストレス刺激でも、その後数日にわたって
通常より多くのビタミンが消費されているのです。

ビタミンB群が不足する事で

・疲労感
・集中力の低下
・睡眠障害

などが出てきます。

東洋医学から見たストレスの影響

東洋医学の考え方では、
特定の感情と内臓が密接に関係していると考えます。

例えば、
くよくよ悩んでしまうと、
「脾」つまり消化器系を痛めると言われています。

悩みすぎると、胃がキリキリ痛くなったり
食欲がなくなるのは、そのためです。

また、イライラする事で、
「肝」つまり肝機能を含めた自律神経系や
精神活動に影響を与えると言われています。

身体の中のめぐりが悪くなる事で便秘や頭痛が生じたり、
神経が興奮する事から不眠症などが出てくるのです。

これらは先にご紹介した西洋医学的な考えとも一致するものと言えるでしょう。

物質的刺激もストレスの原因になる

ストレスというと、
精神的なものをイメージしてしまいがちですが
物理的な刺激もストレスになるのです。

例えば、
気温の変化や騒音、排気ガス、
食品に含まれる農薬や添加物などです。

このように考えると、
現代社会で暮らす以上、ストレスとは無縁になる事は
かなり難しいという事がお解りいただける事でしょう。

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ストレスをため込みすぎる人のタイプはこれだった！

同じ環境、同じ刺激であっても
ストレスをため込む人と、
ストレスを感じにくい人がいます。

ここでは、その差を
3つのコミュニケーションのタイプに分けて考えてみたいと思います。

攻撃的なアグレッシブタイプ

これは自分の事を最優先にするタイプです。

自分の言い分やメリットを確立するために、
威嚇したり強引に相手を言いくるめたりします。

一時的には自分のメリットが得られるかもしれませんが
次第に周囲から人が離れていき
無力感や自己肯定感の低下を招きます。

つねに受け身のノンアサーティブタイプ

これは先ほどと反対に、
常に自分より相手を優先するタイプです。

必要以上に相手の機嫌を伺い、
決断を相手にゆだねてしまうのです。

一見人当たりもよく、おとなしい人に見られるかもしれませんが
相手にゆだねてしまう態度は責任のない人という風にも見えます。

自分の主張を過度に控える事から、
内面でストレスをため込んでしまうのです。

ストレス回避におすすめ「アサーティブな態度」とは？

お勧めしたいのは、自分の事も相手の事も尊重する
アサーティブな態度です。

仮に自分の主張と相手の主張が違ったとしても、
その中から合意点を探っていく努力を惜しみません。

こうした態度は相手との関係性も良好にし、
過度に我慢するという事もないため
ストレスが溜まりにくいとされています。

必要以上に攻撃的だったり受け身なのは、
自分に自信がない事が一つの要因です。

自分のやってきた事をしっかりと評価するなどして、
事実に目を向け、フラットでアサーティブな態度を目指しましょう。

ストレスコントロールのスキルをあげよう

ストレスがかかったとしても、上手くコントロールする事ができるなら
安心ですよね。

上手くストレスをやり過ごせる人は「気分転換が上手」です。

逆に、ストレスのコントロールが苦手な人は
「気分転換」をしているつもりでも
上手くできていないケースが多いように見受けられます。

「気分転換」が苦手な人ほど、
例えば1日10分、週1日などペースをあらかじめ決めて
気分転換の時間を設けると良いでしょう。

ストレスがかかっている時の行動パターンや体調、
精神状態を把握しておく事も重要です。

ストレスがかかるとやけ食いする、という人は多いかもしれませんが
逆に「やけ食いしたくなる」のはストレスがかかっているサインです。

身体にエネルギーの余力がある実証タイプは、
こうした発散するストレス対処を求め勝ちですが

エネルギーにかける虚証タイプは

・食欲不振
・頭痛
・吐き気
・肩こり

といった体調不良や

・不安感
・自己不全感
・急に悲しくなる
・被害的

などの感情の変化を伴う場合もある事でしょう。

そうした身体が発するサインを察知して、
早め早めに「気分転換」や「休息」の時間をとる事をお勧めします。
また、「話す」という行為には浄化作用がありますから
人に話を聞いてもらったり、相談するのも効果的です。

話せない内容なら、紙に書きだして最後はゴミ箱に捨てるというのも
一つの方法です。

自らの経験を振り返り、ストレスに柔軟に対応しよう

ストレスとは、現代人とは切っても切り離せないものですが、
小さなサインに気づくことができて早めに対処すると、
結果的にストレスにも強くなっていく事でしょう。

私はその後、
家族にも協力を得て、
週1日はリフレッシュの時間を作るようにしています。

すると、感情的にならず余裕のある心で
日々を過ごす事が出来る様になったと感じています。

皆さんも、どうか限界まで頑張りすぎず
ストレスには柔軟に対応していただきたいです。

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(参考)
『(最新版)うつは食べ物が原因だった』溝口徹
http://www.genkipolitan.com/a/asa/3type.html
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2016/87-column-2.html
https://www.medicalonline.jp/news.php?t=review&m=topics&date=201807&file=20180718-JAMA-319-2388-T.csv