座っているだけでも悪化する腰痛。理学療法士がオススメする自宅でできる治療法お伝えします。
ただ日常で座っているだけなのに腰に痛みを感じたことはありませんか?
腰痛は、私達日常生活の中で最も身近な痛みと言われ、
約80%の人が一度は経験すると言われています。
これは肩こりよりも多い割合です。
ではなぜ、ここまで腰痛は多いのでしょうか?未然に防ぐことはできないのでしょうか?
一言で腰痛といっても様々なタイプの腰痛があります。
その中でも今日は、「座った姿勢と腰痛」に焦点を当てたいと思います。
ここでは今までの研究結果なども含めて、これらの原因と対策についてご紹介します。
座り姿勢と腰痛について
腰椎椎間板について
椎間板とは、背骨の1つ1つの骨の間にある軟骨をいいます。
直接ダメージが骨に行かないように衝撃を和らげてくれるクッション作用があります。
しかし、30歳くらいからこの椎間板のクッション作用が低下していきます。
それに伴い、椎間にヒビが入ったり避けてしまったりすることがあります。
それが椎間板ヘルニアです。
この症状は腰痛だけでななく、足全体のしびれや足先の感覚が鈍くなり、
また足首や足の指の力が入りづらくなります。
なかなか日常生活の中では気づきにくいですが、
「そういえば最近良くつまずく」と言う声をよく聞きます。
腰の骨は5つあり、中でもヘルニアになりやすいのは、
上から4番目と5番目の間にある椎間板です。
ここの椎間板が座っている姿勢と関係しているのです。
なぜ座っているだけで悪化するの?
スポーツ中や無理な中腰姿勢で腰が痛くなるのはわかりますが、何もしていないで座っているだけなのに痛くなるのはなぜでしょう?
この理由が「椎間板」なのです。
椎間板にとって苦手な姿勢が「座位」になります。
とくに猫背で座っているときが一番ダメージが蓄積されます。
姿勢別にストレスのかかり方についてご紹介します。
普通に立っている時に椎間板にかかるストレスを「100」だとします。
仰向けは「25」
背筋を伸ばした座った姿勢は「140」
猫背の座った姿勢は「185」
よって、座っているときは、立っているときよりも、椎間板にストレスは大きいということになります。
ここでのポイントは、椎間板へのストレスと私達の感覚の違いです。
つまり、私達にとっては座っているときは感覚的に楽な印象ですが、
椎間板にとっては悲鳴をあげたいほどつらい状態なのです。
これが私達が気づかないうちに腰に悪影響を与えている原因です。
では実際、腰が痛くなったらどうすればよいのでしょうか?
腰が痛くなった時の対処法
専門医
けっして自分で判断して長時間放置しないことが1番大事なことです。先程も述べましたが、腰痛には様々な種類があります。
筋肉を痛めたことによりる腰痛や、上記で述べた椎間板由来の腰痛、
または、骨の問題による腰痛(脊柱菅狭窄症、すべり症など)などあります。
腰痛の種類・タイプによって治療法が変わってきますので、
まず何が問題の腰痛かを専門医に見てもらいましょう。
検査
一般的にはレントゲンを撮影し、腰の骨に問題がないかをチェックします。
このレントゲンをとることで、骨折、脊柱菅狭窄症、すべり症など骨の異常を知る事ができます。
また症状から椎間板が疑われれう場合はMRIをとります。
MRIにより、椎間板に亀裂がないか、
また、どのくらいクッション性が残存しているかをチェックすることができます。
日常生活でやって良いこと、いけないこと
長時間の座位はなるべく避けましょう。
おそらくこれが一番椎間板にとって負担になります。
お仕事で長時間座ることが強いられる人でも、
30分-1時間に最低1回は、立ち上がりましょう。
一度立ち上がるだけで、椎間板へのストレスが緩和されます。
前述しましたが、立っている時の椎間へかかるストレスは座っているときよりもずっと少ないのです。
もし、立ち上がることができない状態でしたら、少なくとも猫背にならないように意識しましょう。
治療方法
ここでは、椎間板ヘルニアの人への治療方法をご紹介したいと思います。椎間板のストレスを緩和させる運動
専門医からの診断で椎間板由来の腰痛と診察された場合、ポイントになってくる治療は「椎間板にかかっている負担を緩和させる」ことです。
では、どのように緩和させましょう。
椎間板は猫背など背骨が前に曲がる動作や姿勢で負担が増大しますので、
その逆の動きが大事になってきます。
つまり「背骨をそらす」ような動きが椎間板にとっては心地よい運動になります。
方法としては、うつ伏せに寝た状態から両腕で上半身を支えながら背骨を沿っていきます。
この姿勢を5秒位保ったあと、ゆっくりともとの姿勢に戻していきます。
これを10回ほど繰り返しましょう。
そうすることで、椎間板を負担からま休ませてあげる時間を作ることができます。
とくにお仕事中の合間や猫背を長い時間撮っていた後には必要な運動です。
稀に、腰を反ると痛みが悪化する方がいらっしゃいます。
椎間板由来ではない方や、椎間板ヘルニアはあるが、
それ以外にも骨や筋肉に問題がある方などは腰を反っても痛むことがあります。
その場合は、痛みが悪化する運動、動作、姿勢を避け、
何が自分にとって楽になるかを探してみてください。
椎間板を守るための運動
椎間板の周りには腹筋や背筋があります。つまり、これらの筋肉をトレーニングすることによって負担を和らげることができるようになります。
しかし、腹筋ときくと、仰向けから起き上がるような運動をイメージする方が多いかもしれません。
もうお気づきだと思いますが、この運動は猫背を誘発しますので椎間板にとっては負担になります。
では、椎間板のためにはどのような運動が効果的なのでしょうか?
それは「腹式呼吸」です。
腹式呼吸は腹筋の中でも深い位置にある「腹横筋」と関連しています。
つまり、一番椎間板に近い位置にある筋肉に刺激を加えることで、衝撃緩和の役割を果たしてくれます。
またこれは背骨の動きがないため、椎間板に係る負担はほとんどありません。
安全に且つ、効果的な運動をすることができます。
腹式呼吸の方法としては、まず仰向けになります。
両膝を立てた状態でゆっくりと鼻から呼吸をして口から吐いていきます。
吐くときに、なるべくゆっくりと長い時間吐くようにしましょう。
つまり、普段の呼吸より努力しながら吐くことになります。
そのときに「腹横筋」が活発に働いています。
これを10回、1日3セットほど行うと「腹横筋」の使い方がわかりやすくなってきます。
その後は、仰向けの姿勢ではなくても日常の様々な姿勢で腹式呼吸ができれば椎間板への負担が減っていきます。
「腹横筋」は背筋とも連結しているため、
トレーニングを通して、筋肉でコルセット(前が腹横筋、後ろが背筋)のような働きをすることができるようになります。
これが治療にも予防にも繋がります。
生活習慣の改善
姿勢を注意することが1番です。猫背や中腰、長時間の座った姿勢は椎間板にとって悪影響でしかありません。
いかにこの負担を1日の中で減らせるかがポイントになります。
まとめ
座っているだけで腰痛が悪化する原因は「椎間板」由来の可能性があります。ここで、椎間板の特徴を知り、
何をして良いのか、何をしてはいけないかを知っているだけで腰痛になる可能性は防げるかもしれません。
腰痛にならない為の知識の1つとして、お役に立てればうれしいです。
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