カルシウムの吸収を良くする身近な食べ物〇〇が最適!?「組み合わせ食」で効率よく栄養補給するオススメ食材3選
20世紀後半から現在にかけて、日本は世界に例を見ないほどの飽食時代を迎えています。
自分が栄養不足に陥っていると考えている人は少ないのではないかと思います。
ですが、そんな戦後からの80年近くの間、
日本人の食糧供給量は安定していても、一貫して不足している栄養素があります。
それは、カルシウム。
欧米のカルシウムの1日摂取量の目安が1000㎎なのに対して、
日本の成人1日当たりの推奨摂取量は600㎎です。
かなり少ない基準ですね。
しかしそれすら満たされていないのです。
特に20代、30代の若年世代は、平均して460㎎程度と7割程度でとどまっています。
しかもそれが何世代にもわたって。
カルシウムが不足すると、イライラしたり骨が弱くなるなどのイメージが強いと思いますが、
体への影響はそれだけではありません。
実は、生活習慣病の原因にもなる、深刻な状態なのです。
カルシウムは体内への吸収率が20%と低く、カルシウムのサプリメントや、
カルシウムを多く含む食材だけでは十分な量が補えないことも要因として挙げられます。
そこで、注目したいのがカルシウムの吸収を良くしてくれるビタミンDの存在。
身近な食物の中ではえのきに多く含まれています。
安定供給で低価格、手に入りやすいえのきとカルシウムを多く含む3食材を合わせて、
吸収を良くしたレシピを紹介しましょう。
「カルシウムパラドックス」が引き起こす生活習慣病
欧米に比べて日本人のカルシウム摂取量や基準が低くなっているのは、水質も関係しています。
ヨーロッパの天然水は硬水で、ミネラルの含有量が多いのに対し、
日本は軟水ですから飲み水からのミネラル摂取量が少ないのですね。
また伝統的な食文化の差もあるでしょう。
ヨーロッパやアメリカなどの地域と比べて古くからの和食には乳製品食が根付かなかったからです。
このようなことも関係して、日本人は伝統的にカルシウムが不足しているので、効率の良い吸収方法を考えなくてはいけません。
カルシウムが不足すると、カルシウムが増える?
「カルシウムが不足することで、血中のカルシウム濃度が増える」。この状態を「カルシウムパラドックス(逆説)」と言います。
不思議な状態ですね。
なぜこんなことがおこるのでしょうか。
体内のカルシウムが不足すると、細胞は当然足りない分を補おうとします。
そのため、副甲状腺ホルモンの分泌が盛んになり、
骨からカルシウム取り出してしまいます。そして細胞へと補給します。
そのため血液の中でカルシウムの濃度が濃くなります。
この働き自体は生命活動維持のために不可欠なものです。
カルシウムパラドックスは血管系疾患を引き起こす
足りない分は骨から取り出してまで補おうとする。カルシウムがいかに人体に必要とされているかが分かりますね。
ですがこの働きによって、高血圧、動脈硬化、血管自体の老化などの症状が現れてしまいます。
血中にあふれたカルシウムは、血管の壁に吸収されていきます。
そして血管壁が収縮して硬くなり、そこを無理に血液を流そうとするので血圧が上昇するのです。
骨以外の細胞で使われるカルシウムは微量ですが、
心臓の筋肉や脳の神経細胞の働きをコントロールするなど、
生命にかかわる非常に重要な役割をしています。
そのためカルシウム摂取量が不足すると、体が危機感をおぼえ、
副甲状腺ホルモンを分泌させて骨からカルシウムを取り出し、体内(細胞)に補給します。
カルシウム不足が続くと骨からの補給量がどんどん増加し、
その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまうのです。
引用オムロン
更に動脈硬化も併発することで血管が傷つきます。
そこへコレステロールが付着することで、血管が老化してしまい、もろくなってしまうのです。
このような動脈硬化や高血圧の原因は、ストレスや喫煙などもありますが、
カルシウムパラドックスは中でもより直接的な原因として危険視されています。
組み合わせることでカルシウムの吸収を良くする栄養素、ビタミンD
カルシウム自体の吸収効率は20%程度と述べました。そのためたくさんの量を食べないと必要量に追いつかないということになりますね。
ですが、例えばカルシウムの多い食品の代表ともいえるめざしなどの小魚を必要量食べようとすると、
1日に約300g必要になります。ちょっと現実的な数字ではないですね。
そのため、吸収を助けてくれる栄養素と一緒に食べることが重要になるのです。
カルシウムの吸収を促す栄養素はいろいろありますが、
その中でも不足しがちなものがビタミンDです。
ビタミンDは日光浴をすると増加する性質を持っていますが、
仕事や家事などで定期的に日光を浴びる生活をすることが難しいこともあるでしょう。
ビタミンDを多く含む手軽な食材、えのき
えのきを含むキノコ類は、ビタミンDを多く含む食品の代表です。生鮮食品の中ではキノコからでしかビタミンDを補給できないという見解もあります。
えのきにビタミンDが多い理由は、生育環境に由来します。
えのきを栽培するために、農家の方は紫外線の照射を行っています。
これがつまり日光浴と同じ意味を持ち、えのきの中のビタミンDを増やしてくれるのです。
更にえのきはキノコの中でも特に価格帯が低く、
安定供給されているため、日常的に手軽に摂取することができます。
毎日の食事からカルシウムの摂取量を上げるものとして、えのきはベストパートナーと言えるのです。
骨密度を増やす、もしくは維持するためには
カルシウムだけあれば大丈夫という訳ではありません。
骨は、負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活発になるため、適度な運動を心がけましょう。
また、カルシウムの吸収を高めるビタミンD、骨の形成に関わるビタミンKもあわせてとるようにしましょう。
引用ハウス食品
カルシウムを多く含む身近な3食品とえのきのマッチングレシピ
カルシウムの吸収率を考えると、乳製品が40%と最も高くなっています。特にコップ一杯の牛乳を毎日飲むと骨粗鬆症の対策になるともされています。
ですが、今日本で流通している牛乳のほとんどは、過剰に飼料を与えられて搾乳量を増やした結果、
脂肪分過多になってしまったもの、あるいはそこから脂肪を取り除いた乳飲料です。
それに牛乳は日本人の体には合わないとされています。
そこで、今回は長期保存にも向いていて
買いだめ、作りだめが出来て便利、という観点から3食材を選んでみました。
それが、干しエビ、切り干し大根、鮭中骨水煮缶です。
干しエビや中骨は、カルシウムの本体とも言える骨をそのまま食べられますし、
切り干し大根は干すことで栄養価が凝縮されており、うま味も増しているのでどんな料理にも使えます。
この3つの材料で作り置き、毎食のメニューにピッタリな料理のレシピを紹介します。
干しエビ入りなめたけ
市販のなめたけに、トッピング感覚で加えても構いませんが、
塩分量などのバランスを考えると、手作りがおすすめです。
ご飯に合う甘辛味の中に、香ばしいエビがアクセントになって一味違うなめたけが作れます。
材料
有機干しエビ 大匙2
有機えのき 大一株
有機しょうゆ、みりん 各大匙1
作り方
1 フライパンに油をひいて、1㎝幅に刻んだえのきを炒めます
2 水分が出てきたら調味料を加えます
3 十分火が通ったら干しエビを入れて炒め合わせて完成です
甘め、薄目が好みの方は、みりんとしょうゆの量を調節して、お好きな味付けで作ってください。
干しエビは炒めても香りが立っていいものですが、
このレシピでは水気を抑えるために最後に加えます。
えのきの切り干し大根の炊き込みご飯
切り干し大根を水で戻すこともなく、そのまま炊き込んで作ります。
味付けはめんつゆで簡単に。
えのきからも切り干し大根からもしっかり出汁が出るので、醤油で代用してもいいでしょう。
材料
有機米 1合有機えのき 半株
有機切り干し大根 一掴み(水で絞って大匙1程度)
作り方
1 米を研いで1合より少し少ない水加減で1時間置く
2 えのきはみじん切りにする
3 切り干し大根は、水で軽く洗ってから絞り、えのき同様に刻む
4 えのき、切り干し大根、めんつゆ小匙2提程度を入れて炊飯
5 炊きあがったらよく混ぜる
出来上がりは少しお焦げができますが、そこがまた香ばしくておいしいです。
おにぎりにしてお弁当などにどうぞ。
鮭中骨とえのきの味噌汁
カルシウムの塊、中骨と、同じくカルシウムを多く含む味噌を同時に取れる優等食です。缶詰にしっかり出汁が出ているので、
缶詰とえのき半株(小さな袋ならひとパック)を鍋に開けて水で煮立て味噌を溶くだけの簡単レシピ。
出汁を取る必要がないので時短でお味噌汁が作れます。
スープジャーの中に缶詰半分、刻んだえのき、味噌を入れて、
お湯を注いでお弁当に持っていけば、お昼ごろには余熱で火が入っているのでこれもおいしく頂けます。
毎日の食事に気をつけよう
骨や歯が弱くなるだけでなく、血管や神経の働きまで悪くしてしまうカルシウム不足。日本人が長年解消できていない深刻な問題でもあります。
今回はできるだけ手に入りやすい、価格もリーズナブルなものを選んで組み合わせてみました。
お味噌汁も時短で作れますし、
炊き込みご飯は多めに作って冷凍し、その都度解凍しても問題なく食べられます。
栄養バランスを整えやすいよう、米飯を念頭に置きました。
和食材の中にもカルシウムの多いものはちゃんとあります。
上手に日常に取り入れてください。
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