1週間にたったの2時間?運動よりも簡単にできる健康療法とは|研究で明らかになった自然がもたらす驚くべき心身への影響とは。
近年ではストレスを抱えている現代人がとても多いです。
毎日忙しく、仕事や家事育児に追われている人が多いということですね。
しかしストレスを放置していると、健康には程遠い体になってしまいます。
できるなら、毎日健康に元気に過ごしたいですよね。
健康のためにと運動をしている方や、
運動をしなければいけないな・・・と考えている方に朗報です!
運動をしなくても健康に近づく、
驚きの方法をお伝えします!
たった2時間、座っているだけでもメンタルヘルスは向上する。イギリスの研究結果が証明した自然の恩恵
2019年6月13日付の英ガーディアン紙にこんな記事が掲載されました。
A two-hour “dose” of nature a week significantly boosts health and wellbeing,
research suggests, even if you simply sit and enjoy the peace.
The physical and mental health benefits of time spent in parks,
woods or the beach are well known, but the new research is the first major study
into how long is needed to produce the effect.
中略
The finding is based on interviews with 20,000 people in England about their activity
in the previous week. Of those who spent little or no time in nature, a quarter reported
poor health and almost half said they were not satisfied with their life,
a standard measure of wellbeing. In contrast, just one-seventh
of those who spent at least two hours in nature said their health was poor,
while a third were not satisfied with their life.
これはイギリスで2万人の人々を対象に行われたNatural Englandの
調査結果に基づく結果と考察に関する物。
この記事に書かれている調査結果は
A 1週間のうち自然の中で全く過ごさなかった人々
B 1週間のうち2時間からそれ以上を公園、森、ビーチなどで過ごした人
の2種類に分け、解答結果を示しています。
Aのグループの人々は1/4が健康状態の悪さを訴え、
ほぼ半数が自分の生活に満足できていないと回答しました。
対してBのグループでは健康状態の悪さを訴えた人は1/7、
自分の生活に満足してない人は1/3という調査結果が得られたのです。
しかも注目したいのは、
年齢や経済力、住んでいるのが都市部か農村部であるかは結果には関係なかったという点。
加えて長期的な病気、障害を持つ人たちを対象にした調査でも同様の結果だったのです。
この調査結果か空らかになった特徴は三つです。
①特別な運動や行為をする必要はない。
ただボーっと座っていてもよいし、のんびりと本を読んでいても構わない。②場所は公園でもいいし、もちろん山や森、ビーチでもいい。
日常空間から少し離れた自然の中に身を置きさえすればいい。③一度に2時間でも細切れに2時間でも構わない。
2時間が閾価で、もちろん2時間以上を過ごすことに利益こそあれ何の問題もない。この研究を指揮したホワイト博士は、調査に参加した人々の中から
さらに4500人ほどの人々を追跡調査しました。
すると、風景が素晴らしく自然がより豊かで深い地域、特別な関心(動植物への科学的な興味、
登山やカヌー、写真などの趣味や好きな遊びなど)があるほど、ストレス軽減効果が高いという
結果が得られたそうです。
正確な調査は今回行われなかったものの、自宅の庭の場合は効果が期待できないだろう
というコメントも併せて記載されています。
半数以上の人にとって自宅の庭は雑用や作業の多い場所と認識されているから
という理由のようです。
これは大きな発見です。
私たちは心身の健康の向上を図るために特別な運動やエクササイズをしなくてもよいのです。
それが都市部のそれほど大きなものでなくても、公園や緑地にただ行きさえすれば、
私たちは心身の健康に大きな恩恵を受けることが出来ると判明したのです。
自然の何が私たちに作用するのか?科学的に解明され始めた恩恵
自然音あるいは静寂は副交感神経の活動を促す
昔からせせらぎや鳥の声、波の音などがリラックスや癒し、場合によっては画期的なひらめきやアイデアをもたらすことは経験として認められてきました。
文豪ゲーテや司馬遼太郎、哲学者カント、アイザック・ニュートン、最近ではスティーブ・ジョブスなど、
森や公園への散歩を日課としていた文人・著名人・科学者は枚挙に暇ありません。
歩くことで血行が良くなる、自然の気が脳を活性化するなど色々と言われてきましたが、
近年はより科学的なデータとして自然の効用がはっきりと裏付けられ始めています。
2017年に科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された実験と結果がその一つ。
英国のブライトン・サセックス・メディカル・スクールが行ったMRIを用いた実験では、
自然音を聞いている状態のとき、心身のリラックスを示す副交感神経の反応がはっきりと
強まることが確認されたのです。
最初から緊張している人でも、然程緊張していない人でも変化は同様に見られ、
逆に人工音を聞いた状態では脳ははっきりと緊張やストレスを示す結果に。
これより古い実験では2006年にルシアーノ・ベルナルディ医師が「静寂が与える影響に関する論文」で
音楽を含む人工音よりも静寂の方が脳に深いリラックス状態を与えるようだという見解を
研究論文サイトheart journalで記しています。
参考資料 2015/4/5 アメリカHealth誌
自然はストレスホルモンを低下させる
過度のストレスを受けると増加するホルモンにコルチゾールというものがあります。
このホルモンはうつ病患者で高い値を示すことから、ストレスホルモンの代表格の一つとされています。
このストレスホルモンが、都市部の人間よりも自然に近い場所で居住する人間の方が
低い値を示しているという研究がアメリカで発表されているのです。
類似する研究として日本でも森林浴をした人たちでは、血圧・心拍数の低下、半数以上の人で
免疫力の上昇が見られ、森林浴が物理的に作用することが明らかになっています。
また窓から森や何かしらの自然が見える部屋の患者とそうでない患者とでは手術後の回復や
苦痛を訴える割合に明らかに違いが生じたというデータもあります。
自然には明らかに免疫力をアップし、ストレスによる緊張状態を緩和する働きが
多方面で認められているのです。
参考日本における森林浴の効果
日本における森林医学研究
微生物がストレス耐性や性格にも影響する
さらに最近は私たちにとって最も身近でありながら、
見過ごされてきた体内外の微生物についての研究も進んでいます。
6月18日付けのNewsweek日本版では以下のような記事が掲載されました。
米コロラド大学ボルダー校のクリストファー・ローリー教授は、
細菌とメンタルヘルスとの関係について、長年、研究に取り組んできた。
2018年4月には米国科学アカデミーの機関誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で
「田園地域で家畜とともに育った人のほうがペットのいない都市部で育った人よりも
ストレスに対して良好な免疫反応を備えている」という研究論文を発表。
また、同年6月にその成果を発表した研究プロジェクトでは、自然の土壌にも
含まれる細菌「マイクロバクテリウム・バッカエ」を雄マウスに3回注入したところ、
認知機能や不安をつかさどる脳の海馬で抗炎症タンパク質「インターロイキン-4」が
増加し、外的ストレスにさらしてもストレス誘導性タンパク質「HMGB1」のレベルは
低く、この細菌がストレス耐性を高める可能性があることが示されている。
引用Newsweek日本版2019/6/18
土いじりや田舎で色々な動植物と身近に接して育った人の方がストレスに強いというものです。
腸内の細菌バランスがストレスや精神状態、脳の健康と密接に相互で影響しあっていることは、
昨今研究も進んでよく知られているところですね。
虫歯や歯周病の原因となる菌と、脳卒中や認知症との関連性の研究も近年盛んです。
体内外の様々な微生物は、時に病原体や恐ろしい感染症の原因になるものもいますが、
体を外敵から保護したり、私たちの性格や行動にまで実は深く影響を及ぼしているのです。
山や森、海、都市部の公園であってもそこに一定量の植物が茂っていれば、昆虫や鳥が生息し、
それこそ無数の微生物も存在しています。多様性を持つ自然に触れることは自身の体内外に
やはりストレスや変化に強い微生物群を持つことにつながるのかもしれません。
過度の除菌や清潔信仰、偏った食事を含め人工的過ぎる環境は、そうした多様性を
私たちから失わせている故に、ストレス性の病気や精神疾患を引き起こしている
可能性が多くの研究によって明らかになってきているのです。
参考資料
心を操る寄生生物 : 感情から文化・社会まで
インタ―シフト刊 キャスリン・マコーリフ著 西田美緒子訳
脳機能と腸内細菌叢
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特別な場所でなくて大丈夫。神社や公園、身近な自然に身を置く時間を
自然と共にあった伝統的な日本の暮らし
もうすぐ夏休み。普段は触れられないきれいな海や川、あるいは山登りなど
お子様を連れて自然に触れ合う旅を計画されているご家庭も多いでしょうね。
私の住む鹿児島の離島にも、夏ともなれば家族連れは勿論、
多くの方が海や山を目指して旅行に来られます。
川の護岸工事、道路工事などで往時に比べれば砂浜も随分痩せて問題になってきているようですが、
歩いて3分でウミガメが泳ぐ海があり、30分も歩けば真夏でもキンと冷たい谷川での
水遊びを楽しむことが出来ます。
都会の方からは羨ましがられる環境ですが、残念ながら最近は安全性の問題から、
なかなか子供たちだけで海や山に行くことは出来なくなっています。
伝統的な木造家屋は壊され、
鉄筋コンクリートや最近の建材を利用したモダンな外観の家にするお宅も少なくありません。
立地が田舎というだけで、生活そのものは都会と大差ない家庭も多いのが現状です。
しかし本来の日本の暮らしは、わざわざ自然浴や森林浴に行く必要のないものでした。
暮らしそのものが自然の一部に間借りしているようなものだったからです。
スマホもゲームもないころは田舎ですと本屋すらありませんから、
子供たちにとっては本当に海や川や山が遊び場でした。
初夏には木苺や桑の実を取り、海に行けば小さなアワビの仲間や海藻が
おやつ代わり。夏にはヤマモモなど小腹を満たす食べ物も自然の中にありました。
整備された遊技場ではなく、文字通り自然のままですから勿論危険もあります。
子供たちはちゃんと何が危なくて、どうすれば危険が少ないのか、自然との
付き合い方のルールや知識も年上の子供や親から教わって知っていました。
今は子供たちの川遊びに口うるさく反対する村の年寄りたちですが、
昔話を聞けば映画に出てきそうな子供時代をみんな送っていました。
家や暮らしも同様です。
南九州の高温多湿な気候に合わせた伝統家屋は気密性ゼロ。
百足やアリが入ってくることは普通ですし、場合によっては
イタチや蛇が天井を走り回ることだってあります。
冬はそれなりに寒いのですが、夏を基準に家は作られていますから隙間風だらけで、
屋内はポカポカ半袖でも大丈夫なんてことは絶対にありません。
手入れ・管理を怠れば蜂が軒下に巣を作ることもありますし、
植物だってあっという間に庭を覆い、木は必要以上に影を作って
家を湿っぽくしてしまいます。
戸締りをしたところで、台風の時以外は板戸一枚、障子一枚きり。
家も暮らしも限りなく自然と一続きの物だったと言えるでしょう。
味噌樽もあれば醤油壺もあります。
家の中であっても微生物や昆虫たちもびっくりするほど住んでいる、
多様性の中での暮らしだったのです。
物の怪や小さな妖怪や妖精の類だって本当に住んでいたとしても
不思議はなかったでしょう。
畑や田んぼで泥や草まみれになることは普通でした。
我が家では家族全員で田植えも稲刈りも全て手で行います。
田植えの時は全員裸足で泥田に入ります。
カメムシやバッタが飛び跳ね、トンボが無数に飛び交う田んぼで稲刈りもします。
現代の感覚では泥んこ=不衛生と考える人も多いようですが、子供たちはアレルギーもなく、
毎年流行するインフルエンザにもほとんどかかることなく丈夫です。
丈夫過ぎて、幼児期から小学校の時には済ませておきたいおたふく風邪や水ぼうそうすら
かかってないので、中学校になった今は本気でワクチン接種を考えているくらいです。
村の人々でも生活習慣病で苦しんでいるのは、家や食生活をすっかり現代風に
変えてしまった50代から70代の人が一番多い印象を受けます。
現代の精神疾患や様々な病気のほとんどは戦後の経済成長後に問題となってきたものばかり。
一つにはもともと自然の一部としてあった暮らしそのものが、余りにも人工的なものへと
切り離されてしまった事が大きな原因の一つと考えるのは間違いではないと思います。
公園・神社・お寺、特別な場所でなくても身近にある自然
個人的な経験から言えば、人はやはり田舎のような自然と距離間の近い環境に住まうべきでしょう。
ちょっとした散歩も森や海辺で、休日には土や泥にまみれて菜園をすることもできます。
何よりきれいな水や空気を高価な浄水器や清浄機なしで存分に味わい、
お風呂や料理に使うことが出来ます。
山村留学で都市部から来た子供たちのほとんどは喘息やアレルギーの症状が緩和され、
すっかり治ってしまう子もいます。
けれど都市部にも随分縮小されたとはいえ、まだまだ自然は残っています。
それは神社やお寺、ある程度の規模と面積の都市公園です。
中でも神社は元々が自然の樹木や山、岩などをご神体としているものが大半ですから、
社殿ではなく社殿を擁する森や山そのものが信仰の対象として守られてきました。
都会の中にあっても小さな緑地としてスポット的に存在している所が多くあります。
明治神宮のように100年、200年先の生態系まで考慮してデザインされ育てられた
広大な鎮守の森もあります。
有名な大神社でなくとも、境内に10本ほどではあっても木々が茂って涼しい木陰を作っている。
そんな町の小さなお社は、新興住宅地でない限りは身近にあるものです。
お寺も神社ほどではないにしろ敷地内に森や山を持つところもありますし、
元々が神社とセットで作られた神宮寺と呼ばれるお寺も数多くあります。
バードウォッチングやジョギングコースとして親しまれる都市公園も身近な自然です。
鳥や虫が鳴き、手入れされたものであっても多くの花や木々が息づく場所は、
電磁波が飛び交い、人工的な空調で整えられた室内よりもはるかに多様性に富んだ場所です。
生き物や植物の音や気配が作り出す生気に満ちています。
特別に遠い場所に行く必要はありません。
そうした身近な場所にある自然にまずは足を運びましょう。
その時にぜひ実践していただきたいことはたった一つ。
スマホやタブレットは思い切って電源を切ることをお勧めします。
そして可能なら
素足で草や土の上に立ってください。
泥にはデトックス効果があることが認められていますが、土にも同様に人体への
様々な好影響は効果が研究・実証されています。
電化製品はアースと言って
余分な電気や漏電時の電気を大地に逃がす為のコードがついています。
日本語では接地と表記されることもありますね。
人体も同様です。ごく簡単に言えば、大地に裸足で立つことで人体にたまった
余分な電気を大地に流し、体に帯びている電気を大地が調節してくれるのです。
余分な電気は人体にとって良い影響がないことも多くの研究で明らかになってきています。
そしてもうひとつ、大事なことがあります。
それはただボーっとすること。
あれこれ心配事や仕事を抱えている人も、
そこにいる時間だけは頭の中で言葉を紡ぐことを止めるのです。
現代人は特にスマーとフォンの普及によって常に何らかの刺激や情報を脳に送りこみ、
脳は休む間もないフル稼働状態。
ボーっとする暇がないから脳が極度に疲労を起こしている脳過労の状態なのだとか。
過労では記憶力はじめ能力も低下、イライラやだるさを感じるのが普通です。
最近キレる人が多いのも、この脳の過労状態が大きな原因でしょう。
ボーっとすると言われても出来ない、という人はガーデニングや土いじり、
単純作業がおススメです。
陶芸や泥遊び、編み物、畑仕事、置物やアクセサリー用の木や金属を磨くなど、
手先を動かす単調な作業は脳にリラックスした集中状態をもたらすことがわかっています。
所謂アルファ波に近い状態を生み出す方法は様々。
身近な自然や大地に触れると共に、スマホやPCを離れた手作業時間を
今年は親子で作ってみてはいかがですか?
なかでも休日菜園は土に触れると共に、正真正銘オーガニックな自家製野菜を
手にいれることが出来る最高の手段。
心身の健康の向上と安心な食材の両方を手に入れることが出来るのです。
毎日の食卓にどれだけの手間暇、作業過程を経て食材が届いているのかを
頭の知識だけではなく実体験として理解することが出来ます。
一週間のうちのたった2時間でも大きな違いを生む自然浴。
特別なグッズも、高価な健康食品を買う事も不要です。
是非積極的に取り入れていきたいですね。
参考サイト:接地:人体を地球の表面電子に再接続することの健康への影響
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