何でも「使い捨てが当たり前」の日本が学びたいイギリスのオーガニック事情。私たちが今変わるべき姿とは。
街を歩けばあたりまえにあるORGANICという文字。
オーガニックが普及するイギリスはお水を大事につかっている。
今回は、現在イギリスのコッツウォルズ地方のチェルトナムに留学中の私が感じた日本とイギリスのオーガニック事情の違いについて考えてみました。
イギリスはもともとオーガニックが普及している国ですが、3年ほど前からさらにオーガニックに対する消費傾向が高まったといいます。
町を歩くとORGANICという文字があちこちにある・・。
この光景に、いったいどのような背景があるのでしょうか。
イギリスのオーガニック事情と日本との比較、またオーガニックが多く普及しているイギリスについて様々な視点から紹介したいと思います。
まずイギリスに来てから食べ物はもちろん自然環境に優しいライフスタイルを送っている人々が多いことを実感しました。
例えばイギリス人の、水を大切にする習慣。
トイレの水圧は弱く無駄に水を使わないように節水を徹底しています。
ゴミのリサイクルのシステムもしっかりしており、日本と比較して、エコに対する意識の高さが見受けられます。
週末になればチャリティーイベントが開かれ、街のメインストリートの至る所にはチャリティーショップが必ずあります。
*イギリス人の食と環境に対する意識の高さ
~イギリスの薬局にはオーガニック食品が溢れている~
食べ物で体の内側から整える
イギリスの普通のスーパーに足を運んでみるとオーガニック野菜と果物が数多く並んでいることに気が付きました。
日本と比べると値段も手ごろな価格。
オーガニックに対する意識が特になくとも、普通にオーガニック食材を選び買っている人の姿も。
薬局の隣にはこのように様々なオーガニック食材や、天然のサプリメントがお店を埋め尽くしています。
イギリスでは対症療法ではなく体の内側である食事を大切にしている印象が強く見受けられます。
もちろん意識の個人差はありますが日本よりも気軽にオーガニック食品が手に入れることができることからも、あまり特別視されていない印象です。
ロンドンから離れた郊外のチェルトナムにも至る所にこのようなオーガニックスーパーが数多く並んでいます。
日中足を運ぶと多くのお客さんがお店を出入りするのが分かります。
こちらのオーガニックスーパーに食料品から衣料品まで品ぞろえも豊富に数多く取り揃えてあります。
*イギリスの最新オーガニックトレンド事情
日本とイギリスとの比較
《日本とイギリスのオーガニックに対する意識の違いとは?》
イギリスは単に健康のためだけにオーガニックを選択しているわけではない。
日本の場合
オーガニックや自然食品は健康に良いイメージがあるものの価格が海外と比べると高いため手が届きにくい人が多くいますよね。現に日本でオーガニック食品を買わない理由のほとんどが無関心であることに加え、
一番は、「高いから」という理由だということがわかっています。
日本ではまだまだ
オーガニック商品=高級&特別なもの
といったイメージが根強くあるのが現状です。
でも本当にそうなのでしょうか?
一方イギリス人のオーガニックに対する意識は異なります。
イギリスの特徴その1
オーガニックな食べ物を選択するということは、
健康、環境、継続可能な未来にとってもより良い食べ物であるという考え方
オーガニックな食べ物を選択するということは、健康、環境、継続可能な未来にとってもより良い食べ物である。
という考え方が根底にあります。
イギリスでオーガニックを選ぶ理由をきいた、あるデータがあります。
そこでは
1健康にいいから 55%
2環境にいいから 44%
3おいしいから 35%
という結果が出ており、
半数近くの人が環境のためにオーガニックを選択していることが明らかになっています。
イギリスではすでに
オーガニック=環境と人に優しい選択
といった認識が根付いているのです。
そのためイギリスでは環境保護や動物のためにオーガニック食品を選択する人も多い印象です。
オーガニック農場の動物たちは丁寧に手間暇かけて大切に育てられています。
一般的な家畜とは違い、不自然なおりの中に閉じ込められていません。
広い空間の中、歩き回りオーガニックの穀物などを中心とした自然な食べ物を食べて育っています。
それと比較してオーガニックではない従来の家畜では、習慣的に抗生物質や、ホルモン剤が大量に使用されています。
自然環境への意識が高いイギリスの人々は環境保護の目的でオーガニックなライフスタイルを送る人が多い、といえます。
イギリスの特徴 その2
子供に与える食事についての心がけが違う
イギリスである面白いデータがあることがわかります。
それはイギリスにおけるオーガニックなベビーフードの売り上げです。
なんと全体の売り上げのうち約54パーセントを占めているというのです。
それだけ子供に与えるものはいいものにしたい、という考え方が見受けられます。
日本でも同じように思うお母さんはたくさんいると思いますが、
まだまだ離乳食やベビーフードやお子様ようのおやつをオーガニックにしている、という人は少ない印象です。
添加物入りの市販のお菓子を泣き止ませるために与えるのは当たり前。
白砂糖のたっぷりはいった飴玉を常備・・・。
そんな方も多いように見えます。
ひどいケースでは100円ショップのお子様用カレールーをまとめ買いしてお子さんに与えている・・・ということまであります。
さらに、オーガニックベビーフードを扱う業者もまれです。
イギリスの特徴 その3
特別な専門店にいかなくてもオーガニックのものがたくさんある。
ロンドンは都会のせいか時代最先端のオーガニックが取り入れられています。
ごくありふれた本屋に足を運んでみるとごく普通にオーガニックライフの本やマクロビオティック、ベジタリアンの本や雑誌が多く存在していることがわかります。
日本のコンビニエンスストアに似たお店にもオーガニックのアイスクリームやお菓子が置いてあることも驚きです。
アイスクリームにはGMOフリー、添加物フリーなどの様々な表示がしっかりとされています。
現在日本ではオーガニック食品は自然食品などに足を運ばないと手に入れることは難しいのが現状。
日本のコンビニで「オーガニック」とかかれた食品がいったいいくつあるでしょうか?
はっきりいってほぼ、見当たらない、買うものがない。
のが現状だと思います。
しかしイギリスではわざわざオーガニック専門店に行かなくても日常の生活範囲内で、安心安全な食べ物が手に入れることができるわけです。
では、一体なぜイギリスと日本の間でこのようなオーガニックや環境問題の意識の違いの差が生まれるのでしょうか?
そこには国の政策と環境問題への教育の取り組みがありました。
*オーガニックが普及している理由はここにあった。
《~環境問題の意識の高さがオーガニック思考を生んでいた~教育×オーガニック》
さて、イギリスでオーガニックが普及したと考えられることには様々な理由があります。
そのひとつが、教育です。
イギリスの教育では、実は環境問題への教育に力を入れています。
日本の小学校では、知識を体系的に学ぶ方法をとることが多いのが一般的ですよね。
一方イギリスでは活動的な環境問題への授業が推進されていて、
環境問題について積極的に話し合う場を設けたり、自然と触れ合う授業を取り入れるなど、小さなころからより広い視野を身に着けるための教育がなされているそうです。
また、イギリスではチャールズ皇太子自らがプロデュースを手がけるオーガニックブランドである ダッチーオリジナルズ
などが広く人々に知れ渡っており、オーガニックがより一般的なものとして認識されつつあります。
オーガニックを推進企業もいくつも存在します。
さらにEUの諸国だったイギリスは、EUが定めた厳格なオーガニック基準が適用されており、政策面においても国を挙げて積極的にオーガニックを普及させようとする動きが高まっていました。
使い捨て文化が進んだ、便利すぎる日本が学ぶことは何か。
イギリスと日本を比較して分かるように
日本人はエコに対する意識を今以上に持つことが必要であると思います。
日本はなんでも使い捨てをしたがります。
ペットボトルはもちろんのこと、ビニール袋、サランラップ、紙コップ、プラスティック容器・・・・
あらゆるものが使い捨て。
それが当たりまえ。
だから使うものの質が下がる。
安いものを買って、捨てる。この繰り返し。
24時間営業のコンビニやチェーン店も使い捨て文化のいい例です。
水も使いたい放題ですし、
一部の方が自分の体のために選ぶことはあってもエコのためにオーガニックを選ぶ、という価値観がそもそも非常にレアであると感じます。
《オーガニック食品を選ぶこと》
~未来の健康と自然環境を守ること~
小さなころ、「オーガニック」について学んだ。
という人は何人いるでしょうか?
もしいたのなら、とてもラッキーだと思います。
少なくとも義務教育の現場でオーガニックについて、また食べることについて深く学んだことがある・・という人は少ないかと思います。
日本でも、今後
教育の場でも子供たちが環境問題に関心を持てるような取り組みが必要です。
何を食べるのか、ということは同時にどう生きるのか、ということでもあります。
自然環境への知識や学ぶ機会、教育の場を増やすことでオーガニックに対する意識がより身近になるはずです。
食育という言葉がありますが、
大人が子供に食べることについてをしっかり教えることも大事ですし
日ごろからあらゆる教育の場においてさらに食品やオーガニック、農業のことについても早い段階で教えていくことが重要だとイギリスの事例をみて痛感しました。
それくらい幼いころに与えられる影響は計り知れません。
私たち日本人が変えねばならない意識。
それはオーガニックへの特別視です。
オーガニック食品とは高級品ではなく、食品の本来あるべき姿。
当然、それを選ぶことで、自分の健康と次世代の環境を守ることにもつながります。
私もイギリスから学んだ環境問題の意識の高さを見習い、自分のしている選択がエコなことなのだろうか?と、今一度見直すことができました。
日本ではまだオーガニックが高級なものですが、でも、それを選ぶ理由があなたにもきっとあるはずです。
子供を守りたい
大切な人をまもりたい
おいしく食べたい
健康で楽しくいきたい
10年後も笑って生きられる日本にしたい
理由はなんでもいいでしょう。
でもオーガニックを選ぶことで様々なことが実現可能です。
オーガニックは継続持続可能な方法を用いているため、次の世代へのよりよい環境にいい効果をもたらすことがわかっています。
オーガニックを選択するということは、たんに健康になるばかりではないのです。
継続持続可能な未来をサポートする手助けをすることなのです。
一人でも、オーガニックライフを取り入れる人が増えることを願っています。
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