にんにくは感染症予防の救世主?|ヨーロッパの伝染病の歴史から学ぶウイルスと戦う方法!
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にんにくは、感染症予防の救世主?ヨーロッパの伝染病の歴史から学ぶウイルスと戦う方法!
ニンニクは、抗菌・抗ウイルス特性を持っていると言われている
すぐれもの食材です。
古代エジプトのツタンカーメン王の墓では、乾燥ニンニクが防腐剤に
使用されていたそう。
また、ピラミッド建設ための労働者は疲労回復やスタミナをつけるために毎日にんにくを食べていたことから“ピラミッドはニンニクによって作られていた”という言葉があり、ピタミッドの壁画にも、にんにくを食べる労働者たちの姿が描かれているそうです。
さらに、ヨーロッパではかつて、感染症のペスト(※)が何度も流行しました。
※ペスト:危険性が極めて高い感染症として定められており、感染症法では一類感染症に指定されている。
このペスト流行の際の逸話に『4人の泥棒の酢』というものがあります。
当時、ペストが流行する町で盗みを働き続けていた4人の泥棒がいましたが、不思議なことに彼らはペストに感染しなかったといいます。
結局4人は捕まってしまったのですが、後に彼らに話を聞いたところ、酢にセージなどのハーブエキスを混ぜ合わせ、「消毒剤」として全身に塗っていたそう。
この逸話は時代を経て語り継がれ、その100年後にマルセイユで伝染病が流行した際は、
・酢
・ハーブエキス
・ニンニク
の3つを伝染病の感染予防に役立てたといいます。
古くから滋養強壮だけでなく、感染症の予防にも利用されていた食材「ニンニク」。
新型コロナウイルスが世界各地で猛威を振るう今、感染予防対策にも役立つのでは、と大きな注目を集めています。
そこで今回は、そんなニンニクについてのお話をお伝えしようと思います。
ニンニクの「アリシン」が体にもたらす効能
ニンニクには含硫アミノ酸である「アリイン」という臭いの元成分があります。
しかし、アリインそのままでは、にんにく特有の臭いはしません。
ニンニクを
・刻む
・すりおろす
などして傷をつけることで、アリインに対してアリナーゼという酵素が働き、臭いの原因成分である「アリシン」が産出して初めて、ニンニクの臭いは発生するのです。
そして、このアリシンには、
・殺菌作用
・免疫力UP
・疲労回復
などの効果があると言われています。
ニンニクが新型コロナウイルス感染症に効力を発揮するのでは、と期待されているのはこのためです。
そして、もうひとつ、ニンニクの無臭有効成分に「スコルジニン」という成分があります。
このスコルジニンには新陳代謝を高める働きがあり、
ビタミンB1と一緒に食べることで腸内での吸収率がアップすると言われています。
この他にもニンニクには、
・体力のUP
・筋肉痛の緩和
・神経痛の緩和
・腸の蠕動(ぜんどう)運動の向上
・コレステロールの低下
などの健康効果が期待できるいわれています。
しかし実は、ニンニクにはこれ以外にも素晴らしい成分を豊富に持っています。
続いては、それらの栄養成分についてもご紹介することにしましょう。
ニンニクの栄養成分がもたらす、
計り知れない健康効果
「アリイン」や「スコルジニン」以外にも
ニンニクに含まれている栄養成分はいくつもあります。
その代表的なものには、
・ビタミンB1
(不足すると、食欲減退、消化障害が起こり、イライラしやすくなる)
・カリウム
(不足すると、細胞の活性化機能が低下する)
・食物繊維
(不足すると腸内環境が悪化し、便秘などを引き起きす)
・トリプトファン
(不眠症や抑うつ状態を予防する)
・リジン
(唇の荒れや皮膚炎を予防する)
などがあげられます。
ニンニクと一緒に食べると良い食材とは?
ニンニクは単独で利用される以外にも、
「ニンニク味噌」のように他の食材と組み合わせた加工食品が多く作られます。
ではこのような組み合わせからは、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
「ニンニク味噌」を例に考えると、まず味噌には
ニンニク特有の臭いを抑える働きがあります。
また味噌は加熱することで健康効果が知られる総イソフラボン(抗酸化物質のひとつ)量と
アグリコン(美肌、月経随伴症状や更年期症状の緩和、骨粗しょう症の予防、体脂肪改善」
などの効果があるとされる)の量が減少してしまいますが、
ニンニクを加えることで、その減少を抑制できるといいます。
参考:味噌の種類・調理法および添加香辛料による抗酸化力の変化
また「ニンニク酢」、「ニンニク醤油漬け」、「ニンニクはちみつ漬け」についてですが、
ニンニクを酢や醤油、はちみつと共に一緒にしておくことで、ニンニクだけを室温状態で保存する場合よりも
消化やホルモンの分泌などに関係する酵素「プロテアーゼ」の活性度合いが高いまま保たれてそうです。
参考:ニンニクプロテアーゼ活性の加工・貯蔵による変化
黒ニンニクは白ニンニクと何が違う?
一般的な白いニンニク(白ニンニク)とは見た目が大きく違う、真っ黒いニンニクを
スーパーなどでも見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
我が家でも黒ニンニクが冷蔵庫に入っていますが、臭いは白ニンニクと違ってありません。
黒ニンニクは白ニンニクを加熱熟成したもので、
ニンニクに含まれている糖質とアミノ化合物を高温下で化学反応(メイラード反応)を
起こさせた結果、黒ニンニクが出来上がります。
この黒ニンニクは白ニンニクと違ってそのまま食べることができ、
まるでプルーンのようなフルーティーな香りと甘みが特長。
特有の臭いの白ニンニクとは比べ物にならないほど、ごくわずかです。
また黒ニンニクには白ニンニクが持っている栄養素に加えて、
・アルギニン(白ニンニクの3倍含有):血管拡張作用がある一酸化窒素の材料
・ポリフェノール(白ニンニクの5〜10倍含有):抗酸化作用がある
を含んでいると言われています。
さらに、黒にんにくは柔らかいため、簡単にペースト状に加工出来ます。
私はそれをカレーに入れてみましたが、個人的にはとても美味しくいただけましたよ。
パスタや焼き飯などにもよく合うので、ぜひ、いろいろとお試しくださいね。
沖縄の島ニンニクと白ニンニクとの違いは?
国産にんにくは青森県で全国の70%以上が生産されていますが、
南の島・沖縄にもニンニクがあります。
沖縄のニンニクは「島ニンニク」と呼ばれ、どこでも簡単に購入することができます。
通常のニンニクと異なる点は、香りと辛味の強さ。
そのため、白ニンニクでは物足りない方におすすめです。
ニンニクの食べすぎには要注意!
いくら体に良いと言われてる食材も食べ過ぎは逆効果という場合があります。
ニンニクの場合、人にもよりますが、1日1片程度にしておくと良いでしょう。
生のニンニクを食べすぎてしまうと、
・口臭
・体臭
・胸焼け
・胃のむかつき
・アレルギー反応
が生じてしまうと厚生労働省のHPには書かれています。
参考:厚生労働省のHP
またニンニクには血液を固まりにくくする作用があるので、
・手術前後
・歯の治療中
・出血性疾患の罹患中
は大量出血を予防するため、控えるようにしてください。
ニンニクのある食生活で元気に過ごしましょう!
感染症予防(ウイルス対策)の観点から、「免疫力アップ」ということが盛んに言われている昨今です。
これを機に日々の食事にニンニクなど高い健康効果が期待される食材を
積極的に取り入れてみてはどうでしょう。
そして、そのような食生活を習慣化することがもし出来たならば、
今回の新型コロナウイルスのような問題が再び突如発生した際にも
それほど慌てなくて済むようになるはずです。
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