マイクロプラスチック・ナノプラスチックは身近な食品からも検出されている!コロナ禍で停滞するリサイクルの現状と生体への悪影響とは
マイクロプラスチック・ナノプラスチックは身近な食品からも検出されている!コロナ禍で停滞するリサイクルの現状と生体への悪影響とは
先日、IN YOUでは人の胎盤からマイクロプラスチックが検出されたというニュースをお届けしましたが、非常に衝撃的でしたね。
今回は、マイクロプラスチックよりもはるかに小さいナノプラスチックの影響についても言及していきます。
プラスチック汚染をはじめ、環境汚染は巡り巡って私たちのもとへ跳ね返ってきます。
実は、私たちの身近な食品からもマイクロプラスチックやナノプラスチックが検出されています。
一つは環境汚染が原因となっており、もう一つは化学物質からの曝露です。
今回は身近な2つの食品を取り上げてご紹介します。
皆さんもすでにご存知の通り、プラスチック汚染は既に深刻化しており、他人事としてではなく、自分事としてひとりひとりが考える必要があります。
身近な食品から検出されたマイクロプラスチック・ナノプラスチック
プラスチックを減らそう。
脱プラ生活をしよう。
多くの方がプラスチック製品を減らしていこうと取り込んでおられると思います。
IN YOUでもプラスチックが環境に及ぼす悪影響に関する記事をたくさんお届けして参りました。
地球環境は循環しています。
環境を守ることは、私たちの命の存続にも影響しているのです。
冒頭でもお伝えしたように、環境汚染を無視し続けると巡り巡って私たちの生活に跳ね返ってきます。
それはどういうことかをご説明するために、2つのニュースを取り上げてみましょう。
マイクロプラスチック、ナノプラスチックとは
ニュースをご紹介する前に、マイクロプラスチックとナノプラスチックの定義をご説明します。
国連の海洋汚染の専門家会議では、マイクロプラスチックを「直径5mm未満のプラスチック片」、ナノプラスチックを「直径0.001mm未満のプラスチック片」と定義しています。(※)
ナノプラスチックはマイクロプラスチックよりさらに細分化され、ナノ(1億分の1)レベルの大きさを指します。
これらの小さなプラスチックが河川や海に流出し、水中の有害物質となり生態系や環境に悪影響を与えています。
プラスチックの発生源は主に不適切に廃棄されたプラスチックごみです。
この不法投棄されたプラスチックが長時間太陽光にさらされ、波で浸食されながら風化して細かくなり、最大ナノプラスチックのサイズに変化します。
世界で販売される9割の食塩からマイクロプラスチックを検出
2018年10月に韓国の研究者グループと環境保護団体「グリーンピース東アジア」の合同チームによる研究によって、世界の市販の食塩9割からマイクロプラスチックが検出されたとの発表がありました。(※)
分析された塩ブランドは39種類、その中でも最も多くのプラスチックが含まれていた食塩は海塩、次に湖塩、岩塩だったということです。
この衝撃的なニュースは世界中で報道され、既にご存知の方もおられるでしょう。
このニュースを受け、日本の多くの食塩販売を行う企業が食塩の生産者へマイクロプラスチック残留検査を依頼するという動きが見られました。(※)
河川や海へのプラスチック流出は兼ねてから警告され、海で暮らすクジラのお腹からも多くのプラスチックゴミが確認されており、魚介類からも検出されている、ということはご周知の通りです。
プラスチック片が確認されたという魚介類の報告はどこか遠い国の話ではありません。
東京農工大学農学部環境資源科学科の高田教授は、環境で見つかる残留性の高い人口物質について幅広く研究をされています。
研究の中で、2015年に東京湾で釣ったカタクチイワシを調べたところ、8割の消化管の中からプラスチック片を発見したと公表されています。(※)
プラスチック汚染の影響は海の生態系だけでなく、海水にも浮遊していることが先ほどの2018年の食塩の残留異物の研究でわかってきました。
もはや事前に視覚確認して取り除くことは困難であることは明らかです。
さて、食塩に微粒のプラスチックが含まれている、ということは、人体にプラスチックが入っていくということになります。
グリーンピースの研究チームによると、仮に1日あたり10gのマイクロプラスチック汚染の塩を摂取すると、平均的な成人は塩のみで年間役2000個のマイクロプラスチックを摂取していることになると示唆しています。(※)
研究責任著者であるキム・スンキュ教授は、マイクロプラスチックの曝露を制限するためにはプラスチックゴミを削減することが必要と言及しました。
これらの言葉から理解できるように、プラスチック汚染は危機的な状況にあり、私たちの体内にも既に入ってきている可能性が高いのです。
もっと根本的な部分、発生源を止めない限り生態系および環境への悪影響は拡散し続けるのです。
市販のティーバッグから検出された大量のナノプラスチック
プラスチックの曝露は、こんな意外なところからも。
市販のティーバッグから約116億個のマイクロプラスチック、約31億個のナノプラスチックが検出されたとアメリカ化学会(American Chemical Society 2019年9月)の調査で明らかになりました。(※)
研究対象となった市販のティーバッグは4種類、いずれも合成繊維で作られたティーバッグでした。
電子顕微鏡を用いて、茶葉の抽出温度を95度に設定してティーバッグ1袋から放出されるプラスチック量を調査した結果、
◆約116億個のマイクロプラスチック
◆約31億個のナノプラスチック
がお茶の中に放出されたのです。
さらに、ティーバッグから放出されたこの2種類のプラスチックをミジンコに投与したところ、身体構造や行動に異常が確認されたことがわかりました。(※)
ここでティーバッグに使われる合成繊維(化学繊維)はどのような素材なのか、また意識するポイントはあるのかという点に触れていきましょう。
プラスチック体内流出を防ぐ対策としては、以下のようなものがあります。
・不織布、ポリプロピレン、ナイロンの表記のティーバッグは避ける
・生分解性のあるバイオマスプラスチックでできたティーバッグを選ぶ
・素材チェックの方法がわからない場合、茶葉はティーバッグを使わずにステンレスフィルターで淹れる
・天然素材のティーバッグを選ぶ
・生分解性のあるバイオマスプラスチックでできたティーバッグを選ぶ
・素材チェックの方法がわからない場合、茶葉はティーバッグを使わずにステンレスフィルターで淹れる
・天然素材のティーバッグを選ぶ
今回の調査は茶葉のティーバッグでしたが、出汁パックも同様です。
バイオマスプラスチックは生物に由来する再生可能なバイオマスを原材料とする製品です。
詳しくはこちらをご覧ください
★タピオカ大ビームが招いた根深いプラスティックゴミの問題|代替ストローは脱プラ加速のきっかけになるか?
環境汚染問題とプラスチック
化学繊維で作られた素材を使わない、というのは個人で意識ができることです。
けれども食塩に関しては、気をつけようにも気をつけようがありません。
なぜここまでプラスチックによる海洋汚染、環境汚染が進むのかというお話に少し触れてみます。
プラスチックがどう流れるのかは2種類あります。
一つは、心無い人によって不法投棄されたプラスチックが海に流れつく。
二つ目は、スクラブ入り歯磨き粉などのマイクロビーズと呼ばれるものが排水をたどり海へ流れ着く。
二つ目に関しては、人工的に回収することは難しくなります。
気がつかないところでプラスチックは流れているのです。
「リサイクル=元の形に生まれ変わる」だけではない。リサイクルの裏側で起こる環境問題
もちろんペットボトルはリサイクルとして回収されます。
日本のリサイクル率は84%と言われています。
そこで、みなさんは日本のペットボトルはどのようにリサイクルされていると思いますか。
元の形に再生される、とお思いになられるかもしれませんが、必ずしもすべてがそうではありません。
使い捨てプラスチックの行く末
日本のプラスチックリサイクルは世界的に見ても進んでいる、と言われる方もおられますが、実際のところ7割以上が燃やされています。
回収されたプラスチックは、きっとリサイクル工場で新しいプラスチックに生まれ変わって環境に優しい、と思われがちですが実際のところは燃やされて大気汚染につながっているのです。
また、ケミカルリサイクルも問題視されています。
日本のリサイクル率は84%と言われています。
リサイクル率の内訳は、
「マテリアルリサイクル23%」
「ケミカルリサイクル4%」
「サーマルリサイクル56%」
の3つがあります。
使い終えたペットボトルはマテリアルリサイクルとして新しいペットボトルに生まれ変わります。
しかし何度も繰り替えることにより分子の劣化が起き、使い捨てであればあるほど品質が劣ってきます。
ケミカルリサイクルは何度でも再生できる方法としてプラスチック自体の劣化を防げると言われていますが、莫大なエネルギーを放出します。
その中でももっとも多いサーマルリサイクルは、名前の通り、熱を加えてゴミ焼却炉で燃やすということです。
衝撃ですね。生まれ変わる、のではなく、燃やされることもリサイクルと呼ばれるのです。
サーマルリサイクルの目的は、燃やされることで発生する熱をエネルギーとして回収するということです。
燃料として生まれ変わるということですね。
日本ではこの燃やすという方法が56%と半数に占めています。
考えられる利点は、埋め立てが減る、エネルギー量が高いということでしょう。
しかし問題点は微量のダイオキシン発生、燃焼後の灰に残る毒性問題、大量の鉛や水銀の発生です。(※)
さらなる追い討ち。コロナ禍によりプラスチックのリサイクル工場が停止
コロナ禍によって需要が高まった使い捨てプラスチック製品、と同時にプラスチックリサイクルは困難に直面しています。
要因のひとつとして新型ウイルスの影響があります。
実は2020年のパンデミックの影響により、世界の重工業の稼働が一部停止しているという状況です。
日本でもリサイクル製品の受け入れが一時停止となり、処理が滞っているという問題がありました。
環境省では、家庭からの排出の抑制、廃棄物が適正に処理されるよう検討するようにと対応しています。(※)
一方で、見方によっては環境問題改善にもつながったことがあります。
それは、工場の稼働が減ったことで、温室効果ガスの排出量が激減しているということで大気汚染の面では大幅に改善されているようです。
ここから読み取れることは、なんでもリサイクル、という視点で物事を見ればいいという考え方からプラスチック自体を削減していく考え方も必要なのです。(※)
ナノプラスチックの危険性はマイクロプラスチックを上回る!人体へ与える影響
マイクロプラスチックとナノプラスチックがいかに身近なものであるかが理解できますね。
人体への影響に関しては、マイクロプラスチックが有害であるかははっきりわかっていません。現在も研究段階とのことです。
マイクロプラスチックは水道水からも見つかっています。
危険視されているのは、ナノプラスチックの存在です。
ナノサイズは消化器系だけにとどまらず、循環器系に入る可能性があるほど小さなものです。
魚類実験によると、ナノプラスチックが脳組織に蓄積し、行動力の低下が見られたという結果が出ています。(※)
マイクロプラスチック汚染の研究をし続けてこられた高田秀重先生はマイクロプラスチックの影響は2つの側面があると示唆しています。
一つ目はプラスチック自体が物理的異物であること、
二つ目はプラスチックに吸着した化学物質による影響。
物理的な面では、ポリスチレン微粒子の曝露によって牡蠣の再生産能力が低下しているという報告があり、ナノプラスチックに関してはさらに細胞膜を通過して生物組織へ影響を与えるということです。
化学物質が吸着したものは、メダカ実験の結果、肝機能障害、肝臓に腫瘍ができると確認されています。
生態系の食物連鎖の中でも、有害化学物質を摂食した鳥類の体内から化学物質であるポリ塩化ビフェニルが検出されたと報告されています。(※)
プラスチック問題を通じて、自分と地球は共同体という考えを持つ
何度も申し上げますが、環境は循環しています。
すべてはつながっていると基本の考えが根底にあれば、自分と地球環境は共同体であるという感覚になります。
自分さえ良ければいい、自分の生活が便利であれさえすればいい、ではなく、
私たち消費者が声を上げて、
「これはおかしいんじゃないか」
「これは間違っているのではないか」
と発信しない限り、おそらくプラスチック汚染の発生源を削減することは難しくなるのではないかと考えます。
海外に比べて、日本はまだまだ環境問題に対しての意識が遅れている、と言及する専門家の方もおられます。
IN YOUでも、ヨーロッパと日本の環境への意識の違いをお伝えしたばかりです。
★膨大なプラスチックごみで出来た「世界で7つ目の大陸」!汚染対策活動が進むヨーロッパと遅れを取る日本との大きな差
確かに、日本の食品スーパーを見ると、プラスチックでがっちりと個包装されているカット野菜、果物、そこまで過剰包装しなくてもいいのではないかと思われるほどぴっちりとラップで包まれた食材が見受けられます。
そうした過剰包装に違和感を感じる人がどれほどいるでしょうか。
その過剰包装されたプラスチックは、調理前に一瞬でゴミとなります。
日本でも脱プラスチック、ゼロウェイストを進める団体が増えてきている、とはいえ至るところに使用されるプラスチック、まだまだ減る段階ですらないのかもしれません。
おそらく、周りと同じがいい、周りがそうだから、という他人軸の状態ではなかなか変えられません。
自分はどう考えるか、どう行動すべきか、すべての行いを自分軸で考える習慣をつけなければなりません。
便利さを与えられるだけではなく、私たちが考え方、消費の仕方をアップデートする必要があります。
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