ちょっと待って!ガーデニングで使っている殺虫剤は大丈夫?あの地下鉄サリン事件に使われた「サリン」と同じ有機リン系農薬とは
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すっかりと春めいて、ガーデニングを趣味としている方たちにとっては楽しい季節になりましたね。
そろそろ虫たちも活動を始める頃となり、大切な花や木が虫に食われてしまっては大変です。
虫を見つけては殺虫剤を「シュシュ」と気軽に散布することはありませんか?
実は、ホームセンターで簡単に手に入る殺虫剤の中には、「有機リン系農薬」を主成分とする殺虫剤があります。
有機リン系農薬って何?
スミチオン、オルトラン、マラソン、カルホス等々、沢山の種類の有機リン殺虫剤が低価格で売られています。まだ記憶に新しいと思いますが、
日本中を震撼させた「サリン事件」(1995年3月)
に使われた「サリン」も有機リン系農薬
なのです。有機リンは第二次世界大戦時、毒ガスとしてドイツで開発された、サリン、ソマン、ブタンなどが起源となっており、
極めて毒性の高い有機リン系農薬が化学兵器として使われるようになりました。
実は私たちの身の回りにも…
有機リン系農薬は田んぼ・畑・公園・街路樹などに使用される殺虫剤だけではありません。
私たちの身の回りの至る所に溢れていることをご存じない方も沢山いらっしゃると思います。
飲食店・学校・病院・電車・バスなどでもゴキブリ対策や伝染病予防として散布されています。
ワックスやプラスチック製品の可塑剤、カーテン・カーペット・パソコン・壁紙などの難燃剤としても使用されており、その危険性を知らずに使ってしまっている現状があります。
有機リン系農薬を使用するとどうなるの?
ラットを使った研究では、有機リン系農薬とそれ以外の農薬を長期間ラットに暴露させた結果、有機リン系農薬に暴露されたラットのみ神経洋突起の伸長阻害が確認されました。
この結果からも有機リン系農薬の慢性暴露によって、
神経系統に異常を来たすということが証明されています。
これまで有機リンは体内で分解・排出されるため、
比較的早い段階で回復するというのが医学界の常識でした。
しかし
実際には後になって多様な精神症状や神経系の障害が現れることがわかってきました。
症状としては、
倦怠感
頭痛
吐き気
めまいなどの自律神経系の症状
視力低下や眼のピント調節機能の異常
抑うつ症状
情緒不安定
思考力・記憶力の低下といった精神機能系の症状
などが現れます。
有機リンは体内の様々な酵素の働きを阻害し、
脳や神経系の機能に障害を来たす
ということが研究により明らかになっています。胎児や子供は代謝酵素や脳神経の発達が未熟なため、
有機リン系農薬に対する感受性が高く、大人に比べてより大きな影響を受けると考えられています。
子供は地面に手をついて遊び、その手を口にもっていく習性があり、
大人に比べて環境中の殺虫剤を吸収しやすいという特性があります。
また子供は体内の臓器も未発達のため、殺虫剤を解毒・排出する能力が低く、脳や神経にダメージを受けやすいのです。
キレやすい子供たち、学習障害、多動症、自閉症、発達障害、アトピー、喘息、アレルギーなどの子供たちが爆発的に増えているのも有機リン系農薬が大きく関わっています。
生命を脅かす空中散布
近年、
環境中に存在する農薬の暴露により、体調不良を訴える人が増え、社会問題
にもなっています。有機リン系農薬は、これらの疾患の主たる原因物質と考えられており、
その病態は生体内における種々の代謝障害、神経障害及び免疫障害に起因すると言われています。
特に注意しなければならないのは、無人ヘリによる田んぼの農薬空中散布です。
ラジコンヘリには、最大で8リットルしか農薬を積載することができないため、
通常1000倍に希釈するところ、5倍程度に希釈した高濃度の有機リン系農薬を散布
しています。霧状になった農薬は大気中に拡散し、
その後も2~3週間はガス化して滞留するのです。
田園地方の子供たちはその中を登校しなければなりません。
自分の子供だったらと考えると恐ろしくなります。
<田園地方にある病院に駆け込んできた患者の様子です>
例1.小学生の男の子。顔の発疹で来院したが、登校することもできない。眼がうつろで、異常な動きをして、焦点が定まらない。明らかに有機リン中毒の症状である。
例2.近くの田んぼで、ラジコンヘリによる農薬の空中散布に遭遇した中学生。呼吸困難で駆け込み、救命治療を行ったが記憶障害が残り、自分が誰で、今どこにいるのかもわからない。
例3.田んぼの側に住む小学生。来院すると足をパタパタさせたり顔をしかめたり、とにかくどこか筋肉を動かしていないといられない。顔中アトピー、カビ、おまけにヘルペスまでも。
眼球運動にも異常がみられ、目つきがおかしい。
農薬は空気から?
農薬を使用した野菜やお米を食べないように気を付けることは当然のことで、注意している方も多いと思います。しかし、人間が食品から体内へ農薬を取り込んでいるのは、全体の僅か10数%に過ぎません。
残りの80数%は空気から肺に入り、血液へと運ばれるのです。
人間が1日に吸う空気の量は1万リットル(ドラム缶50本に相当)以上と言われており、
空気がいかに重要なのかを知って頂きたいと思います。
光化学スモッグで倒れて病院に運ばれる患者の中には、
実は有機リン中毒の患者が多数含まれていることが知られてきました。
光化学スモッグは主に、車の排気ガスに含まれるOX(光化学オキシダント)と呼ばれる物質が紫外線と反応して発生します。
当然に患者の大多数は晴天高温の日中に発生するのですが、一部の患者は早朝や夜間に救急搬送されています。
有機リン中毒の症状は直ぐに出ることは稀であり、時間の経過とともに出てくるが特徴です。
規制はどうなっているの?
欧州連合(EU)では、人の健康と環境に脅威となる有機リンの使用に関する見直しが行われ、2007年にはほとんどの有機リン系農薬の使用が禁止されました。
一方、日本の農薬に対する安全基準はどうなっているのでしょうか?
農薬取締法という法律があり、製造・販売から使用方法に至るまで厳しい規制が設けられています。
原則として厳しい審査を通過した農薬だけがその使用を認められているのです。
しかし、
残念ながら有機リン系農薬の使用を規制することはしていません。
農薬を吸入した場合など、長期間に亘る慢性毒性の基準が設けられていないのが実情です。
有機リン系農薬による健康被害が後を絶たない現実に目を向けようとはしません。
私たちにできること
国は水俣病の誤謬を学ぼうとはしません。
有機リン系農薬が第2の水俣病になる日も、そう遠くはないかもしれません。
私たちが動かなければ、国は動きません。
国を動かすことは簡単なことではありません。
私たちが住んでいる市町村から都道府県へ。
都道府県から国へと、その危険性を訴えていかなければなりません。
悲しいですが、それが現実です。
田んぼの空中散布・街路樹の殺虫剤散布・道路脇の除草剤散布などは行政の仕事です。
少しでも体調に異変を感じたら、役所に相談しましょう。
千葉県野田市では、市内全域の田んぼに「黒酢」を散布しています。
千葉県流山市、八千代市、印西市などを中心に街路樹への殺虫剤散布を中止するようになり、人体に全く害のない「セルコートアグリ」(セルロースを主成分とする)という液体を散布するようになりました。
どうしても除草剤が必要な場合は、重曹水や塩水で雑草は枯れます。
行政が自発的に動いたわけではありません。
私たち一人一人の声が行政に届いた結果です。
未来ある子供たちのためにも、一人でも多くの人に有機リン系農薬の危険性を理解して頂き、一人でも多くの人が声を挙げて下さることを願って止みません。
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