市販エナジードリンクの恐ろしさ|カフェイン中毒で命を落とす可能性も。
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市販エナジードリンクの恐ろしさ|カフェイン中毒で命を落とす可能性も。
今やすっかりおなじみとなったエナジードリンク。
昔から瓶入りの栄養ドリンクというものは存在しましたが、なんとなくオッサン臭いイメージでしたよね。
見た目も味も薬みたいな感じで、実際に医薬品・医薬部外品として分類されています。
嗜好品というよりは疲労困憊の時や風邪を引いた時に飲む人が多いのでは?
対してこの10年ほどで目にすることが多くなったいわゆるエナジードリンクは、
スタイリッシュな缶に入っており若い人も手に取りやすくなったのではないでしょうか。
私が通っていた大学の門の前でもよく宣伝カーが停まってサンプル缶を配っており、
学生たちは喜んでもらいに行っていましたから、主なターゲット層は若者なのでしょう。
(恥ずかしながら私もしっぽ振ってもらいに行ってました・・・)
ここぞという時に飲む、というよりは、
休憩する時にお茶やジュースのような感覚で飲んでいる人が多い印象です。
エナジードリンクには何が入っているの?
エナジードリンクの原材料を見てみましょう。※砂糖は原材料表示では「炭水化物」と表示されています。
炭水化物=糖質+食物繊維ですが、
エナジードリンクには食物繊維がほとんど含まれないため炭水化物=糖質=砂糖と考えましょう。
<エナジードリンクA(A社)>
砂糖類(砂糖、ぶどう糖)、高麗人参根エキス、L-カルニチン、L-酒石酸塩、塩化ナトリウム、ガラナ種子エキス、クエン酸、香料、クエン酸Na、甘味料(D-リボース、スクラロース)、L-アルギニン、保存料(安息香酸)、カフェイン、ナイアシン、着色料(アントシアニン)、イノシトール、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンB12★100mlあたりの砂糖とカフェインの量
砂糖:13g カフェイン:40mg★355ml缶1本あたりの砂糖とカフェインの量
砂糖:46g カフェイン:142mg<エナジードリンクB(R社)>
砂糖類(砂糖、ぶどう糖)、酸味料、香料、L-アルギニン、着色料(カラメル)、カフェイン、ナイアシン、パントテン酸Ca、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンB12★100mlあたりの砂糖とカフェインの量
砂糖:10.8g カフェイン:32mg★250ml缶1本あたりの砂糖とカフェインの量
砂糖:27g カフェイン:80mg<エナジードリンクC(R社)> ※シュガーフリータイプ
酸味料、香料、L-アルギニン、着色料(カラメル)、カフェイン、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、増粘剤(キサンタンガム)、ナイアシン、パントテン酸Ca、ビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンB12★100mlあたりの砂糖とカフェインの量
砂糖:0g カフェイン:32mg★250ml缶1本あたりの砂糖とカフェインの量
砂糖:0g カフェイン:80mg注目したいポイント
・A、Bの原材料のうち最も多いものは砂糖類・A、Bでは1缶あたりの砂糖の含有量がWHOが推奨する砂糖摂取量の上限25g
(成人・1日当たり)を超えている
・いずれもカフェイン含有
・いずれも合成食品添加物を多数使用(Cに至っては原材料が水と食品添加物のみ)
とてもじゃないけど体に良いとは言えないものですね。
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でもカフェインの量はコーヒーの方が多いのでは?
主な飲料100mlあたりに含まれるカフェインの量は以下の通りです。
コーヒー:60mg
紅茶:30mg
煎茶:20mg
ウーロン茶:20mg
上記でご紹介したエナジードリンクのカフェイン量は100mlあたり32mgと40mgであるため、
単純に量で見るとコーヒーの方が遥かに多いことがわかります。
しかし、コーヒーやお茶に含まれるカフェインは元々の原材料に含まれる成分であり、
エナジードリンクに含まれるカフェインは人工的に合成したものであること
が大きな違いです。合成カフェインの危険性とは?
安価であることから加工食品・清涼飲料水に使用されている合成カフェイン。
製造過程ではジクロロメタン、酢酸エチルなど有害な化学物質に曝露しています。
また、天然のカフェインと比べて遥かに吸収スピードが速いため、
摂取してすぐに強力な効果を発揮し体にエネルギーがみなぎるように感じさせるのです。
元々自然界になかったものを体に入れ、通常ではありえない反応が起こる。
これを繰り返したら体に大きな負担がかかることは言うまでもありません。
エナジードリンクを飲むと元気になる?
エナジードリンクを飲むとすぐ元気になるから、
と疲れた時のリフレッシュ目的に飲む人もいるでしょう。
たしかに、飲んだ直後はなんとも言えない爽快感があり、疲れが取れたように感じます。
しかし本当にそれは疲れが取れて体が回復しているのでしょうか?
エナジードリンクで元気になった気がするのは、
砂糖とカフェインが起こした錯覚!
エナジードリンクで元気になるのはなぜか考えたことはありますか?
砂糖による血糖値の乱高下
甘いエナジードリンクを飲むと体はどうなるのでしょうか。
精製された砂糖は体にすぐ吸収されるため、血糖値が急上昇します。
その血糖値を下げるために膵臓からインシュリンが大量に分泌され、今度は逆に血糖値が急下降。
血糖値が低い状態の時はだるさや疲れを感じるため、さらに糖分を欲し甘いものを摂り、また血糖値が急上昇・急下降の繰り返し。
エナジードリンクを一度に何本も飲んでしまうという人はこの血糖値の乱高下により低血糖状態にあるのです。
疲れを取るためにエナジードリンクを飲むのに、
そのエナジードリンクが疲れの原因となっているなんて皮肉な話です。
甘いものがやめられず血糖値の乱高下を繰り返していると、
やがて通常の食事をした時もインシュリンが過剰分泌し、
血糖値が下がりすぎて常に低血糖状態になります。
低血糖状態だとイライラする、怒りっぽくなる、不安になる、だるくなる、疲れやすくなる、眠くなる、朝スッキリ起きられないなどの症状が慢性化。
自分が精神不安定なのはそういう性格だからだ、疲れやすいのは体質だと思っているみなさん。
普段甘いものを飲んだり食べたりしていませんか?
カフェインによる覚醒作用
カフェインを摂取することにより眠気が覚め、疲れが取れたように感じるため、
一時的に体を奮い立たせるためにはエナジードリンクは有効でしょう。
ただし、カフェインには多くの副作用があります。
不安になる、怒りっぽくなる、イライラする、落ち着かないといった精神症状から眠気や頭痛など。
禁断症状として震えが止まらなくなることもあります。
(アルコールとの同時摂取ではカフェインを分解する能力が低下しさらに危険!)
大量摂取した場合は幻覚、意識障害を伴い、ひきつけを起こし最悪死に至ります。
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エナジードリンクによる死亡例
実際にエナジードリンクを飲んだことが原因で命を落とした事例があります。
例1)イギリスで40歳男性が心臓発作により死亡(2006年)
この男性はスーパーマーケットでの夜勤を終えた時に倒れ、そのまま亡くなりました。彼は毎晩エナジードリンク(前述の商品B)を4缶飲んでいたとのこと。
検死によると心臓が肥大しており、全身に血液を送るポンプ機能が低下していました。
カフェインが心臓発作の引き金になった模様。
カフェインの摂取量は1日あたり320mg。(推定、250ml缶の場合)
例2)アメリカで14歳少女が心臓発作により死亡(2011年)
この少女は2日連続でエナジードリンク(前述の商品A)の710ml缶(合計2本)を飲み、カフェイン中毒による心臓発作を起こし亡くなりました。カフェインの合計摂取量は480mg。
例3)九州で20代男性が死亡(2014年)
この男性はガソリンスタンドで夜勤をしており、眠気覚ましとしてカフェイン150mgを含むエナジードリンクを1年以上常飲していたとのこと。また、カフェイン錠剤も服用。亡くなる1週間ほど前から体調不良を訴えており、嘔吐することもあった。
ある日の午前11時30分ごろ大量に嘔吐しその後寝ていたが、午後4時ごろ意識を失っているのを家族に発見され、死亡が確認された。
カフェインの致死量は体重1kgあたり200mgと言われていますが、
死亡例はいずれもそれを遥かに下回るカフェイン摂取量であったことがわかります。
アルコール同様、カフェインも人それぞれ許容量が大きく異なり、
また体調や食べ合わせによっても作用が変わってくる可能性があるのです。
毎日エナジードリンクを飲むのが習慣になっているという人は今や珍しくないでしょう。
でも、「少しぐらい大丈夫だろう」という油断が、あなたの命を奪うかもしれない。
そのエナジードリンク、大切な命を捨ててまでして飲みたいですか?
カフェインや糖分、食品添加物など危険の多いエナジードリンク。
お子さんは特に飲まないよう注意しましょう。
大人ですら命を落とすこともあるエナジードリンク。
小さいお子さんが飲んだ場合さらに影響は大きくなるでしょうから、くれぐれも飲まさないようにしましょう。
(エナジードリンクの缶には「子どもや妊婦、カフェインに敏感な人は飲用を控えるように」との注意書きがあります)
また、幼少期から慣れた味というのはなかなかやめられないもの。
今すぐに出る影響だけでなく、将来エナジードリンク依存となってしまう危険性もあるのです。
仮に大きくなってからエナジードリンクを飲んでも「おいしくない」と感じるよう、
普段の食事で本物の食べ物、本物の味を覚えさせてあげたいですね。
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リトアニア、ラトビアでは18歳未満へのエナジードリンクの販売は既に法律で禁止されています。
さあ、日本は今後どうなるのでしょう?
子どもを大切にし、健康を守るためにはこうした先進各国の動きを見習ってほしいですね。
体に優しい自然な飲み物で体と心をすこやかに保ちましょう。
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