良かれと思っているエナジードリンクやコーヒー、実は危険な依存性あり|特に危険な飲み方は?カフェインが手放せない人が知っておきたいポイント
カフェインがやめられない、止まらない!依存になっていない?
コーヒー・エナジードリンクなどのカフェイン飲料が大人気
カフェイン。
コーヒーやエナジードリンクなどの眠気覚ましというと、
私たちのとても身近にありますよね。
あるとき、家族が眠気覚まし剤をもらってきました。カフェインがたっぷり入ったものです。
コンビニの人気商品のキャンペーンだそうです。
そういえば、自動販売機にもカフェインが多いエナジードリンクが並んでいます。
昔は煙草の紫煙とコーヒーが仕事人の眠気覚ましと相場が決まっていましたが、
今はカフェインを効率的に摂れるものが人気なのです。
しかし、脳を刺激する作用のあるカフェイン、麻薬やアルコールほど劇的ではないけれど、
沢山飲むと、体に影響があって依存症を起こしやすいということを知っておきましょう。
欧州やカナダでは既に問題になっているのです。
依存症?カフェイン摂取が体に及ぼす深刻な影響
エナジードリンクやコーヒーでカフェインを摂取しすぎるとどうなるのでしょうか。・頻尿
・脱水症状
・胃腸症状
・顔面紅潮
・不眠
・落ち着きが無くなる
・興奮
・神経過敏
短時間に大量に摂取した場合は、急性中毒を起こし救急搬送されることもあります。
日本中毒学会では、
2011年から5年の間のカフェイン中毒による搬送者は101人、心停止7人、死者3人という統計を発表しています。
カフェイン依存の人がカフェインをずっと取らないでいると次のような体調の変化を感じることがあります。
カフェインで得られるメリットの反動のような症状です。
・頭痛
・やたらと眠い
・だるい
・やる気が出ない
これはカフェイン離脱という状態です。
コーヒーやエナジードリンク、眠気覚まし剤をしきりに飲んでいた人がやめようとしてもやめられないのは、
このカフェイン離脱があるからという側面もあります。
フィンランド食品安全局が2016年に次のような報告をしています。
体重 50 kg の青少年では、約 15 mg/日のカフェインでは副作用はみられないが、
50 mg/日を超えると耐性が増加する可能性がある。
耐性の増加は、通常の摂取で発現するカフェイン依存症の兆候を示す。
125 mg/日を超えると不安とイライラ感がみられた。
・コーヒー1 杯(200 ml)で約 100 mg、エナジードリンク 1 本(330 ml)で約 105 mg、
コーラ飲料 1 本(500 ml)で約 65 mg のカフェインが含まれている。
成人では少量のカフェイン(体重 60 kg で約 85 mg)でも睡眠障害が生じる可能性がある。
カフェインは中枢神経系を刺激し、睡眠への導入を妨げ、睡眠の質や時間に悪影響を及ぼす
引用「食品安全委員会 ファクトシート」
体内のカフェイン濃度が下がれば、脳の状態も元に戻るのですが、カフェインを取らないこと自体が難しいですね。
コーヒーやエナジードリンクを飲まないと頭痛がする人は、専門家にこのカフェイン離脱か見てもらった方がよいです。
困っていてもやめられないのがカフェイン依存
依存症の問題は自己診断できません。
・明らかに一般的な度合いを越した依存の仕方をしている
・自分が何らかの損害を受けている
(気持ちが落ち着かない、体調が悪い、救急搬送される、経済問題が生じるなど)
・他者に何か損害を与えている
(作業能率が落ちるので上司が困る、医療費がかかって家族が困っている等)
という時に初めて依存だと認められます。
これは、DSMというアメリカの精神疾患の診断基準に明記されているものです。
ただ、まだカフェイン依存症という病気はなくて、
その周辺にあるカフェインの急性中毒、不眠等が疾患として認められています。
ある程度報告がないと、治療方針などが立たないので疾患名になりにくいのです。
コーヒーやエナジードリンクが好きな人はこの文章を見たとき、ギクッとするかもしれません。
依存をしている人は依存する物質を摂取したときは幸福でも、
その物質が無くなるとまた摂取してしまったという
罪悪感や、つまらない、だるいという負の感情が出てくることが多いです。
具合が悪くなっても飲み続ける、
飲まないと体がおかしいということがある場合は専門家に任せた方がよいです。
昔、主治医のデスクの上にコーヒーのマグカップが常に置いてあって
「いやあ、眠れないから睡眠薬自分で処方してる」と言われツッコむか悩んだことがあります。
眠れないならコーヒーをやめればいいのですが、依存がある場合、
睡眠薬を飲んでもコーヒーやエナジードリンクは飲むという矛盾が生じることがあるのです。
本人は依存しているという自覚はない場合が多いのですが。
カフェイン依存の理由。脳から依存が起きていた!?
何故コーヒーやエナジードリンクを沢山飲んでしまうのでしょうか?この生存関連目的は、「報酬(reward)」として作用し、
有機体は報酬を心地よいもの、動機付けるものとして経験する。
また、環境には報酬が手に入ることを予想させる手掛り(cue)があり(たとえば、パンを焼く匂い)、
それを元に有機体は目的をえるための行動を始める。(中略)
依存症性薬物は、自然報酬と違って、
栄養上の価値も生殖上の価値も生存上の他の価値も持たないのに、
薬理効果によりドーパミンの放出を引き起こす。
しかも依存症性薬物のほうが自然報酬よりもドーパミン放出の量が多いのである
引用「依存症の脳科学1 太田徹・佐々木拓 京都大学」
今引用した論文は、依存性薬物の依存症について述べたものですが、
薬物をカフェインと入れ替えても通用します。
ただ、薬物に比べて出るドーパミン量は少ないので依存の度合いは軽いですが。
論文が示すように依存が起こるとき、脳の神経伝達物質ドーパミンが大きく関わっています。
ドーパミンは、気持ちがいい、楽しい、やる気が出るというような気持ちを引き起こす物質です。
普通の刺激では、少し時間が経つと、
脳はドーパミンを吸収しますが、カフェインがあるとドーパミンが引っ込まなくなるのです。
ずっとやる気が出たり、気分がよかったりする状態になります。
眠気が覚めて、やる気が出るというのはこの作用ですね。
脳は、快感(報酬)を記憶します。
カフェインが来ると、快楽が来るということを覚えるので、コーヒーやエナジードリンクが欲しくなる。
でも、徐々に脳が刺激に慣れると、少しのカフェインではドーパミンが出なくなります。
そうすると生じるのがカフェイン離脱です。
ちょっとうつっぽくなってしまう人も中にはいます。
アルコールやニコチンに比べてカフェインは依存性は緩いのですが、
精神的な依存というものもあるので、注意が必要です。
身体依存
カフェイン等をとらないと、身体的な不調が出る精神依存
身体的な依存がないが、カフェインがないと眠ってしまうのではないか、仕事がうまくいかないのではないかなど不安を覚えたりする
今あげた例はあくまでサンプルですが、
机の上にカフェイン剤の瓶がいつの間にか並んでいる人は注意すべきですね。
依存性・中毒者があってもカフェインは日本では規制されない?
エナジードリンクのカフェイン含有量は
1日に飲んでも問題ないカフェインの分量は最大で400ミリグラムです。ただし妊婦や授乳中の人は300グラム以下にすべきと世界保健機関が声掛けを行っています。
コーヒー 60 mg/100 ml 浸出方法:コーヒー粉末 10 g/熱湯 150 ml(3)
インスタントコーヒー(顆粒製品)57 mg/100 ml 浸出方法:インスタントコーヒー2 g/熱湯140 ml(3)
玉露 160 mg/100 ml 浸出方法:茶葉 10 g/60 ℃の湯 60 ml、2.5 分(3)
紅茶 30 mg/100 ml 浸出方法:茶 5 g/熱湯 360 ml、1.5~4 分(3)
せん茶 20 mg/100 ml 浸出方法:茶 10 g/90 ℃430 ml、1 分(3)
ウーロン茶 20 mg/100 ml 浸出方法:茶 15 g/90 ℃の湯 650 ml、0.5 分(3)
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料
(清涼飲料)32 ~ 300 mg/100ml(製品 1 本当たりでは、36~150mg)
引用「食品安全委員会 ファクトシート」
問題なのは、カフェインに脳が反応する度合いは、人によって違うので、
これだけ飲むと不眠や依存につながるという数字を示せないということと、
未成年者が飲み続けたときの健康リスクの研究がまだ進んでいないことです。
カフェインの特に危険な飲み方はアルコールと混ぜること
エナジードリンクをアルコールと混ぜて飲むやり方は特に危険です。
FDA、米国食品医薬品局は、2010年に、
アルコールとカフェインの混合製品を販売する業者に警告を出しています。
アルコールもカフェインも利尿作用が強いので脱水症になりやすいことと、
カフェインが混ざるとアルコールで酔っていることを気が付くのが遅れて飲みすぎてしまうということが理由です。
お茶とアルコール、コーヒーリキュール系のカクテル、確かに酔いにくいですね。
普通のお茶、コーヒーのカクテルはカフェイン濃度が低いから大丈夫(でも、水分補給はしっかりと)ですが、
エナジードリンクはカフェイン濃度が高いので、危険なのです。
なぜ依存度が高いカフェインは規制されないのか
消費者庁の定例会見で、カフェインの過剰摂取によって若年者が搬送されたことに対して規制をしないのかと、記者から質問が出たことがあります。
そもそも、カフェインは医薬品としても使われることがあるものです。
欧州食品安全機関
カナダ保健庁
英国食品安全庁
では1日の摂取量を規制しています。
日本ではまだ制度が成立していません。
少しややこしい話なのですが、日本の場合カフェイン製剤は医薬品、
お茶やコーヒーエナジードリンクは食品と区分が変わってきます。
医薬品と規定すれば、乱用という言葉で過剰摂取を規制することもしやすいのですが、
食品だと難しいという問題点があります。
カフェインを濃縮したエナジードリンクが問題になりだしたのは、つい最近のことです。
もっと、依存や中毒の問題が重くなったら、
成人以上は購入できない等のアルコールやたばこと同等の扱いを受ける可能性もあります。
カフェイン依存にならないために
カフェイン依存症改善の基本は受診
知人に何人か、依存症回復グループの理事がいますが、口をそろえて言うことには「依存症は本人だけでどうにかできる問題ではない」です。
調子が悪いのにコーヒーや、エナジードリンクをやめられない人、
もしくはやめられない人が周囲にいる場合は、医師に相談することをおすすめします。
カフェイン依存症という正式な病名は付かないかもしれませんが、
胃や神経の状態を念のため見てもらいましょう。
具合が悪いのが、本当にカフェイン離脱やカフェイン中毒のせいなのか、
他の病気なのか確かめないと話になりません。
重度の依存を持っている人の大半は、自分の依存の仕方に問題があると認めません。
周囲の方が声掛けをすることが大切です。
カフェイン依存症を改善するためにしっかり休みを取って、生活リズムを取り戻す
カフェイン依存になると、脳が興奮して疲れを感じなくなります。
でも、体は動いているのでくたくたになっています。
仕事などで無理をしていた人は、診断書等をとって休養することも必要です。
また、最低でも7時間睡眠をとることを心がけ、朝起きて夜寝るという生活を体に叩き込みましょう。
自分がなぜカフェインに依存するのか考えてみる
カフェインなどに依存してしまう人にはある共通項があります。・自己評価が低く人に甘えることが苦手
・ストレスを自分のうちでうまく処理できない
例えば仕事が溜まっているから眠れないという場合、最低限自分の仕事だけ片付けて、
他は「ごめんなさい、これ以上はできません」と言えばカフェインで無理に起きなくて済むわけです。
でも、ひとりで抱える人はキャパシティオーバーをしてしまうことが多いのです。
また、自己評価が低い人は、知らないうちに「自分いじめ」をしてしまいがちです。
「休んではいけない」「結果を出さないといけない」
という考えにとりつかれている場合は少し気持ちを緩めないと、体の方が参ってしまいますよ。
カフェイン依存症。簡単にできる工夫は
カフェインは身近なものなので、依存には誰でもがなりえます。
簡単にできる工夫を紹介しましょう。
私は家にいるときは、ペーパードリップでコーヒーを淹れています。
抽出速度でカフェインの強さの調節ができますし、何より手間がかかるからです。
依存というのは手軽に手に入るものほど強くなる傾向があるので、時間や手間をかけることで満足感が出ます。
自分で飲んでいい時間を決める
ずっとカフェインを含んだものを飲んでいると、脳が刺激に慣れてしまい、もっと多くほしくなります。例えば、朝はコーヒーを飲むけれど、後は飲まないと決めるなどメリハリをつけましょう。
どうしても飲みたくなったら、デカフェというカフェインレスコーヒーを飲むといいでしょう。
普段はボトルにカフェインを含まないほうじ茶やハーブティーなどを詰めて、
水分補給をすれば、エナジードリンクや缶コーヒーがある自動販売機やコンビニに近づく頻度を下げられます。
誰かがあなたを心配していることを忘れないで
エナジードリンクを飲めば、コーヒーでカフェインを飲めば疲れていても頑張れる。そういう人は私の友人にも多いです。
でも、SNS上で増えていく眠気覚ましのカフェインの画像に、
胃は大丈夫か、ゆっくり休めているのかと毎回ひやひやします。
過労で倒れた経験が私にもあるのですが、体が受けたダメージは数年たってやっと消えました。
仕事は大事、でも、なにかに依存しないで生きていけることはもっと大事です。
カフェインに頼らずに頑張れる仕事の量はどれぐらいか、考えてみませんか?
参考文献「薬物依存症の最新動向 カフェイン依存 小川直志 植木啓文」
岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成29年6月14日(水))
「神奈川県保健福祉局生活衛生部食品衛生課茅ヶ崎駐在事務所食品衛生専門監視担当」
「平成 28 年度 文部科学省委託調査「依存症予防教育に関する調査研究」報告書」
日常生活の中におけるカフェイン摂取-カフェインの精神運動刺激作用と行動遂行-
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