その油大丈夫?健康に直結する体にいい油の選び方・使い方を予防医学診断士が教えます。
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その油大丈夫?健康に直結する体にいい油の選び方・使い方を予防医学診断士が教えます。
ただのエネルギー源ではない油。油の効果を最大限に生かす食生活のススメ
油の使いまわし、窓辺やコンロ横での油を保管していませんか?
両親の病気がきっかけで、健康オタクの道を歩み始めた私ですが、
両親の食生活、生活習慣は反面教師となっています。
母の作る料理やキッチンを思い返した時、
油の使いまわしは当たり前。
油は窓辺に置いてあるという状況でした。
私が食生活の見直しを始めた当初、最初に変えたのが油です。
油の質、油の使い方、保管方法を見直したのです。
酸化した油が身体に悪いということは皆さんご存知だと思います。
ただ、それはどこまで徹底できているでしょうか。
揚げ油がもったいないからと2~3回使っていませんか?
賞味期限内に使い切っていますか?
プラスチックの容器の油を使ってませんか?
スーパーやコンビニのお惣菜に頼りすぎていませんか?
冷蔵庫で保管する油は冷蔵庫で保管していますか?
高温加熱してはいけない油で揚げ物をしていませんか?
油は炭水化物と同じただのエネルギー源だと思っていませんか?
実は油の使い方で体調が劇的に変わるのです。
今回は油と健康について、そして、古い油を使うことがどれだけ
健康にとって危険なのかをお伝えしたいと思います。
細胞膜やホルモンの材料になる脂質。材料が悪いと良い細胞は作られない
私達の身体は細胞の塊です。
胃・肝臓・心臓という臓器がボーンとあるのではなく、
小さな細胞の集まりで臓器が作られ、その臓器の集まりが私達人間です。
人間の細胞の数は37兆個。この37兆個の細胞が元気であることが臓器の健康、そして、私たちの健康に繋がるのです。
元気な細胞を作るには、毎日の食を健康的な物に変えることは大前提ですよね。
小腸で吸収された栄養素が血液を巡り全身の細胞へ栄養素を届けてくれます。
油は具体的にどのような働きをしてくれるのでしょうか。
⓵エネルギー源となる
これは皆さんご存知、油は私達の身体を動かすための重要なエネルギー源の一つです。⓶細胞膜の構成成分となる
細胞膜・細胞内の核膜やミトコンドリア膜の主成分となるのが脂質です。細胞膜の働きはとても重要な役割を果たしています。
<細胞膜の働き>
◆内側と外側を仕切る
細胞の内部環境を一定に保つため外側からの異物が侵入しないようにバリア機能を持っている。
◆必要な物質の輸送を行う
ウィルスなど細胞膜の害になるものの侵入は防ぎながら、栄養素や酸素などの必要な物質は取り入れる機能を持っている
◆老廃物の排出
細胞内でエネルギーを作る際に生成される老廃物を、速やかに細胞外に排出する
◆細胞の外側からの刺激に対する反応
細胞膜には様々な受容体が配置されていて、その受容体によってホルモンやサイトカインなどの情報を受け取る。
◆エイコサノイドを生成する
細胞膜から必須脂肪酸が切り離され、エイコサノイドという物質に変わりホルモンの様にカラダを調整する。
⓷ホルモンの材料になる
性ホルモン・副腎皮質ホルモンをつくります。
これらのホルモンが作られないと、生理が止まったり、炎症や痛み、血糖値をコントロールできなくなったり、身体に様々な不調が現れます。
⓸エイコサノイドなど生理活性物質の原料となる
体を調節するホルモンや神経伝達物質の材料になる。
(ホルモンとエイコサノイドは作られる場所や働き方は違うが似たような働きをする)
油がカラダの細胞膜やホルモンの材料になりそれがとても私たちにとって
重要なことが分かっていただけたでしょうか。
酸化した油を摂取すると身体はどうなるのか
良い食事を摂ることが良い細胞を作る事に繋がりますが、
もし劣化した油を摂取し続けた場合、どのような健康被害があるのでしょうか。
酸化した油を取ると体の中で酸化脂質や活性酸素が増えると言われています。
ラットを使った実験で、劣化油をエサに混ぜたところ、生育阻害、肝機能障害、体温の低下、
こう丸委縮が見られたということです。
発がんを高めたり他の病気の発生率を高める可能性があるとありました。
(「劣化油の毒性」国立衛生予防研究所食品衛生部)
その他アレルギー、鬱、認知症、注意欠陥障害、多動症のリスクが高くなると言われています。
それもそうですよね。
脳の60%は脂質でできているのですから。
劣化した材料では脳が正常に機能するとは思えません。
「油を変えると60以上もの病気が改善する」とも言われる理由が分かりますよね。
細胞や脳の材料となる油がどれだけ私達の健康と直結しているか、
真剣に私たちは「酸化した油問題」について考えなくてはいけません。
油は熱・酸素・光で酸化します。
では、悪い油を摂取しないためにどのようなことに気を付けなければいけないのでしょうか。
その⓵加熱
まず、一番に気を付けていただきたいのが、油を高温で加熱することです。
油が高温になるとアクロレインとう物質が発生します。
アルデヒドの一種で刺激臭を有する化合物です。
医薬用外劇物に指定されており、肺や目に障害をもたらすことが知られています。
(東京工科大学HPより)
揚げ物をしていて「油酔い」をしたことはありませんか?それはこのアクロレインが原因です。
アクロレインは第一次世界大戦の時に窒素ガスとして使われていたそうです。
戦争で使われていたとは恐ろしいですよね。
(植物オイルハンドブックより)
加熱すれば酸化しますし、加熱の温度が高ければ高いほど酸化は進みます。
加熱に強い油、弱い油、加熱してはいけない油があります。
それぞれ加熱温度も決まっています。油の特性を知り、油を使い分けることが重要です。
◆加熱に強い油・・・菜種油・米油・オリーブオイル
◆加熱に弱い油・・・ごま油・グレープシード・大豆・ひまわり
◆加熱してはいけない油・・・えごま・アマニ
油の臨界温度
この温度を超えると毒性が一気に高まります。
コーン油 140度
グレープシード 150度
ごま油 150度
ココナッツオイル 200度
オリーブオイル 210度
ピーナッツオイル 220度
揚げ物には加熱に強い油を使い、そして200度以上の高温での調理は控えましょう。
ごま油を天ぷらに使うと美味しということで、揚げ物にごま油を使っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
健康視点から言うとごま油は加熱に弱いので、高温での調理はやめましょう。
我が家でごま油を使う時は過熱調理には使いません。
その⓶容器
次に気を付けていただきたいのが、油の容器です。
プラスチックの物を使っている方が多いと思ますが、プラスチックは酸素を通してしまいます。酸化も進みますし、光も通してしまいます。
遮光瓶・紙パック・スチール缶の物を選んでください。
マイクロプラスチックの問題もあるので、環境や健康の事を考えてもプラスチックは避けるべきだと思いますが、
どうしても、プラスチックの容器を使いたいと言う方は、大きなもではなく量が少なくすぐに使いきれる量の物を選んでください。
その⓷保管状況
油がもったいないからと揚げ油を何度も使用したり、揚げ油をオイルポットに入れたまま数週間置きっぱなしにして再度使った入り、油の容器を窓辺やコンロ横に置いたり、亜麻仁油など冷蔵保存の油を常温保存していませんか?
保管状況も酸化に大きく影響します。
その⓸加工食品
そして、一番の盲点、それは加工食品に含まれる油です。
トランス脂肪酸が身体に悪い事、日本はトランス脂肪酸の無法地帯だと言うことは説明はいらないですよね。
スナック菓子やスィーツ、カップ麺など、加工食品で使われる油は、すでに私達の手元に届く時には酸化しています。
スーパーやデパ地下のお惣菜も同じです。どんな油を使用されているかまではわかりませんよね。
普段料理に使う見える油だけでなく、見えない油も意識してくださいね。
残念なことに、一般的に売られている油そのものが、
すでに酸化した状態で売られている物が多いと言うのも事実なのです。
健康に良いオリーブオイルなども、きちんと選ばないと酸化した身体に害のある物である場合が多いのです。
健康に直結する油。
油選びと油の扱い方は慎重に、そして真剣に選んで欲しいのです。
まずできることから、始めてください。
どれも意識すれば簡単に変えられる事ばかりだと思います。
ご自身と家族の健康のために、まずは油から変えてみましょう。
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