知らない間に決定していた「種子法廃止」で種の私有化がエスカレート！今後加ますます加速が心配なF1種子と遺伝子組み換え種子の危険性。

「種子法（主要農作物種子法）」が4月1日付で廃止されたことをご存知でしょうか？

家庭菜園で種を採取したら懲役10年、若しくは罰金1000万円の日本をあなたは想像できますか？今まで登録品種のみ禁止されていた種採りや脇芽挿しが原則禁止の方向に・・？

このニュース「種子法禁止」は農家を営む方、またその周辺の方だけ影響があると思うかもしれませんが、
その農作物を購入する消費者としての私たちにも大きな影響があります。

私たちが生きてこられた1つの理由は食べ物があったからこそです。

多くの方の手によって作られた農作物、そして先祖からの命が繋がれて現在の私たちが存在します。

農作物は「種」です。
「種」が全てを作り出す源。

この種が時代のニーズに合わせ開発・改良され変化し続けています。「固定種」「F1種」などがあり、
今後はさらに種類が増えるかもしれません。

種子法廃止については後半にお話しするとして、まずは「種」にフォーカスしてお伝えします。

種の種類

固定種

農作物が土地で繰り返し成長し、その土地に合わせて育つなかで、遺伝子が少しずつ安定し完成するその種が「固定種」です。その種が実となり、また種ができと同じ単一の遺伝子が引き継がれるので「単種」とも言われています。

昭和30年代までは、「固定種」が主流でした。完成した作物の中から、より優秀なものから種を選び取り、その種が代々受け継がれてきたものです。

遺伝子組み換え種子

遺伝子を人工的に操り、細菌の遺伝子を組み込む、除草剤を使っても枯れない種が、1996年にアメリカで作られたのが「遺伝子組み換え種子」です。

日本は種の自給率が低く90%以上を輸入に頼っているため、穀物がこの遺伝子組み換え種子を多く使用しています。
また、輸入穀物で飼育されている家畜も多数存在します。

農薬会社であるモンサントがこの種子を開発し、また自社で除草剤もセットで販売しています。

ターミネーター種子

遺伝子組換え種子を開発したモンサント社は、さらなる遺伝子組換えを行いました。
ターミネーターとは最終兵器という意味。アグロバクテリウムという根頭癌腫病菌を種の植物細胞に挿入しした種です。

種から実がなり、その実から種を取って撒いた場合、発芽はしても枯れてしまい、それ以上は成長せず死ぬことを意味します。
１世代で終わらせるためにその菌を入れるのです。そのため毎年種子を購入する必要があり、それは種子を独占できることを意味位します。
考案のみで販売には至りませんでしたが大きな反響を呼びました。

F1種(交配種)

現在、一般に市販されているのが、「F1種(交配種)」です。
1代目を意味する（first filial generation）の略で「F1」と示されています。

自然に任せての自家受粉した場合、理想の種子が完成しないという理由から、除雄（じょゆう）作業を行います。これは「雄しべ」を取り除き、「雌しべ」の受粉可能時期に合わせて別品種の優秀な花粉をつける方法です。

「ハイブリッド種」とも言われています。
F1種は１度限りの収穫となり、翌年は再度種を購入する必要があります。

なぜF1種は一度きりなのか？

なぜF1種の使用は一度きりなのか？それは次の代の農作物に劣性部分が現れる可能性があるからです。
求められるのは品質や形が一定であることが重要であり、そのため常に品種改良が続けられました。すべては時代のニーズに応えるためです。

流通業や小売業者等にとって「大きさと形の統一」であれば取り扱いが楽になり、
農家にとって「栽培時間の短縮、収穫時期の安定、病気に強い」で作業がしやすく安定した収入が得られ、
消費者にとって「安価」は喜ばれる等の理由がそのニーズです。

雄性不稔の病気を持つ農作物

品種改良を重ねていく過程で、花粉を作らない雄しべが発見されました。
これは「雄性不稔」と呼ばれている突然変異のある種病気のようなものであり、
動物で言うところの「無精子病」です。病気ではあるのですが、品種改良を行う農家にとっては、除雄（じょゆう）作業を省けることになります。
手間が一つ省けることはメリットであり、それを利用し「雄性不稔のF1種」を作られています。

雄性不稔の危険性

「雄性不稔」という突然変異の原因は、「ミトコンドリア遺伝子の異常」を意味します。
その子孫を残せない遺伝的に欠陥を持つ植物を、F1種の品種改良の際に利用しているのが現状です。


実は野菜の受粉に際に、大量のミツバチの働きが必要とされます。
ミトコンドリア遺伝子の異常の雄性不稔の影響でミツバチの生殖能力を奪い、ミツバチの生態環境を脅かしているという声もあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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市販の野菜の約90％以上はF1種で栽培されていることをご存知ですか。固定種の野菜はどこへ消えた。

「不妊」をもたらす危険性

2017年に発表された論文で、欧米人男性の精液を1973年から2011年まで約40年間調査で、
精子濃度が52.4%、総精子数が59.3%減少したことがわかりました。

論文はこちら
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米国国立医学図書館 National 

また1940年代は人間の精液1cc（ml）あたり精子平均1億5000万。現在は4000万と言われています。また精子の数が2000万以下になると、「無精子症」と呼ばれ、性交しても受精させることができないことになります。なぜ、このようなことが起こったのでしょうか？

ミトコンドリアがカギを握る

先ほどお伝えした「雄性不稔」という突然変異の原因は、ミトコンドリア遺伝子の異常であり、これが鍵を握っているのです。
ミトコンドリア遺伝子の異常を持つF1種からできた農作物を食べることで人間にも雄性不稔が起こりうると言われています。

実はミトコンドリアは精子の尻尾の付け根に存在し、尻尾を振るにはミトコンドリアのエネルギーが必要なのです。
精子が尻尾を振ることで泳いで前進することができます。ミトコンドリアのエネルギーが弱ければ、精子は自分の力で卵子に向かっていくことが難しくなります。

ミトコンドリアとは？

ミトコンドリアは独自の遺伝子を持ち、分裂・増殖します。私たちの細胞の中にある小器官の一つです。60兆個の細胞からなる私たちの体のエネルギーを作り出す重要な役目を果たします。細胞によっては、100～3000個のミトコンドリアが含まれています。

ミトコンドリアは細胞の中で酸素を取り込み呼吸しエネルギー、つまり「熱」を作ります。
しかもその「熱」は「体温の維持」に使われるのです。

関連記事として、こちらもお読みください。
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ミトコンドリアが好む体温は36.5〜37℃。ミトコンドリアを増やせば10才くらい若くなる⁉︎ミトコンドリアを増やす方法とは。

種子法（主要農作物種子法）とは？

次に、種子法（主要農作物種子法）についてです。

（目的）第一条 この法律は、主要農作物の優良な種子の生産及び普及を促進するため、種子の生産についてほ場審査その他の措置を行うことを目的とする。

（定義）第二条 この法律で「主要農作物」とは、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆をいう。
この法律で「ほ（ヽ）場審査」とは、都道府県が、種子生産ほ（ヽ）場において栽培中の主要農作物の出穂、穂ぞろい、成熟状況等について審査することをいい、「生産物審査」とは、都道府県が、種子生産ほ（ヽ）場において生産された主要農作物の種子の発芽の良否、不良な種子及び異物の混入状況等について審査することをいう。

農林水産省

「米・麦・大豆」は日本人に大事な食料であり、都道府県は国から予算を確保し、優良な種を生産・普及を作ることを義務付けられていました。
この各県の主要農作物種子協会や農協を通じて、種子の流通を行われていました。
この種子法があったからこそ、安定した値段で「種子」を購入することが可能だったのです。

種子法廃止決定における具体的なデメリット

タネが高くなり、さらに農産物が高くなること

国からの予算を確保できず、品種開発が禁じられている状況で考えられるのは、種の価格が高騰することを意味します。
種の価格が高騰すれば、農作物も値上がりすることは避けられません。

また国の傘下のもと都道府県が供給する種の価格が安価からこそ、民間企業が入り込めませんでした。
しかしその種子法が廃止になったことで、利益を上げることが可能な市場が作り出せることになりました。

種子法の廃止により、米作農家がこれまで以上に経営困難となることは目に見えていますし、安全性が不確かな「新たな種子」が作り出されることは目に見えています。
自社で独占できる技術が開発できれば、世界の種を、世界の食糧を独占できることを意味することになります。

また、安全性の高いタネと野菜の確保が極めて難しくなることも想像に難くありません。

「ターミネーター種」の再開発が行われないことを祈るばかりです。

種を残す世界規模のプロジェクト

種子について調べていたら、このような記事にたどり着きました。

「世界の終末」に備えた種子貯蔵庫
将来訪れるかもしれない植物絶滅に備えて、種子標本を保存している貯蔵庫が世界各地にある。ビル・ゲイツ氏が中心となって北極点近くに建設された『スヴァールバル世界種子貯蔵庫』等を写真で紹介。

WIRED

ビル・ゲイツなどがノルウェー国家と一緒に「種」の未来を考える計画が2007年から始まり、2008年2月26日に「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」を正式オープンしていたのです。

オープンから現在まで約85万の種子サンプルがあり将来的に300万まで増えるとのこと。現代版「ノアの方舟」とも呼ばれていますが、貯蔵された「優秀な種子」は今後どのように使われるのでしょうか？

いずれにしても「種子の危機」を警告していることの象徴と言えます。


種子の世界はここまで動いています。


不安に思うことよりも消費者として、また家族を守るために、安全な農作物を選び・買い・食しましょう。
一人一人の思いと行動が未来を変えること、しっかり考える時が来ています。


☆動画コンテンツIN YOU Tube『ドクターが教える！人間の健康に重要なミトコンドリアを増やす方法とは？』

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