がん細胞を不活性化させる細胞死アポトーシスと、マウス実験により示唆されているアポトーシスを高める予防成分や食べ物とは??
日本人は今や2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するがん大国。
日本人の死因第1位でもあります。
30年で約2倍になったがんでの死亡数
がんはもはや誰がかかってもおかしくない病気です。
国立がん研究センターの2016年度での死亡数は、1985年と比較して約2倍となっています。
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html
また、欧米ではがんの死亡率は減少傾向にあるのに日本では逆に増加してるとされます。
この違いはいったいどこにあるのでしょうか。
がんはなぜできるのか
がんは細胞の変異が原因でできるとされています。
その発生のメカニズムはどのようなものなのでしょうか。
がんの発生にはDNAの損傷が密接に関わっている
人間には60兆個もの細胞があり、その一つ一つに核があります。その核の中には23対の染色体が収まっていて、染色体には二重らせん構造のDNAがあります。DNAの中にはたんぱく質の合成に関する設計図、つまり遺伝子があり、私達の生命活動はこの遺伝子に基づいて合成されています。
その合成は核の中で情報の蓄積・保守をするDNAと、情報の一時的処理に働くRNAによって行われており、
RNAにはmRNA、tRNA、rRNA、noRNAなどの種類があります。
がんは、DNAが何らか原因で損傷することで生じ、がん遺伝子とがん抑制遺伝子のバランスが崩れてがん遺伝子が優位になると正常な細胞ががん化するのです。
DNAの損傷自体はひとつの細胞で1日に50万回程度発生しているといわれていますが、DNA損傷を修復する機能が正常に機能していれば細胞は健常でいられます。
修復がおいつかず、損傷する数が多くなってしまうと、細胞は
・老化
・アポトーシス
・がん化
のいずれかの道をたどることとなります。
このうち、殆どの細胞は老化への道を進みますが、DNA損傷の蓄積が大きくなると
アポトーシスといって細胞の自殺プログラムが生じ、がん化した細胞や異常化した細胞を取り除きます。
がん細胞を不活性化させるのが、アポトーシス。
細胞の死によってがんを不活性化させるという考え方です。
しかし、DNA損傷が更に進行してしまうと、アポトーシスの機能が失われて細胞が半永久的に分裂し増殖を続けるがん化が発生するのです。
参考:北青山Dクリニック
https://cancergenetherapy-dclinic.info/knowledge/basic/270/
がん化への防壁のような役割をしてくれるアポトーシス。
老化した細胞のほか、遺伝子異常を起こした細胞も取り除いてくれるという驚異的なプログラムが私達の体の中で日々行われているのです。
1970年代以降、発がん性の可能性がある添加物や農薬の使用、更にはGM作物の普及ががんの増加に関与しているのは濃厚な関与が疑われます。
老化した細胞がそのままがん化しないよう食い止めるアポトーシスというプログラムが、急増するそれらの要因に処理をしきれないためがんが年々増加しているのではないでしょうか。
欧米では減少するがん、日本では増加の一途を辿るがん
がんの発せい原因にのひとつには欧米型の食生活が要因として考えられてきました。
しかし、欧米ではがんは減少傾向で日本では増加しています。
がんには薬剤、添加物、アルコールを含める食品の影響が40~45%関与する
マーソ株式会社で公開されているWHOの統計では先進国の中で日本だけががんの死亡率が増加していることが分かります。
ここには先進国ではがんなどのリスクがある添加物の禁止や制限、GM作物の禁止、環境に配慮しオーガニック耕地面積が多いのに対し、日本では全く逆行していることに大きく関わりがあると思わざるを得ません。
アメリカでは1990年代前半以降、がん患者数と死亡率が減少していますが、そのきっかけは1997年に発表されたマクガバン・レポートでした。
その内容は、肉食中心の食生活、野菜摂取減少によるビタミン・ミネラル不足、病気と栄養の問題を医学界が黙殺してきたことが、
がん、心臓病、糖尿病の増加要因と指摘し、動物性食品を減らして未精製の穀物、野菜、果物を多く摂る食事を提唱したものでした。
その後アメリカでは政府が医療費削減のために数値目標を設定、1990年にアメリカ国立がん研究所がデザイナズフードプロジェクトを打ち出し、
食事指導の徹底をすることでがんが減少する結果につながっています。
また、イギリスの故ドール博士による食事に関する研究では、がんんの原因は35%は食事、30%は喫煙であり、
薬剤や添加物、アルコールなどを含めると原因の40~45%は食品である
と報告しこれは現在の禁煙と食事療法でのがん予防の世界の常識となっています。参考:西台クリニックホームページ
http://www.pet-ct-dock.com/html/cancer/food.html
日本では他の先進国とは逆に、添加物や農薬、GM作物で溢れ、オーガニック耕地面積も先進国最低レベルの0.2%です。
今後はさらに食汚染が進むことが予測されています。
特定保健指導での食事指導もやっと平成20年から開始されましたが、生活習慣病に関する項目にひっかかった対象に対してのもので、
病気にならないように食事を根本から見直す予防というものではありません。
それでは、私達自身が食事をする上でがんを予防するにはどのような食事が良いのでしょうか。
がんにならないための食事とは
オーガニックな食事を心がける
日本には安価な原材料で大量生産するため、農薬や添加物を大量に使用した食品が横行しています。また、食料自給率が先進国最低レベルの40%以下であることからGM作物の輸入率も高く、
これらはがんの他にも様々な病気の原因となると欧米では禁止や制限がかかっています。
こうした危険な食品を避けてオーガニックな食事を心がけることを大前提として、
現代病予防につながると考えられる食事をしましょう。
アポトーシスを誘導すると考えられる食品を食べる
岐阜市立女子短期大学では、アポトーシスの誘導、実行に関する食品を論文で発表していますので
下記にその概要を記載いたします。
http://www.gifu-cwc.ac.jp/tosyo/kiyo/53/zenbun53/apoptosis_doke.pdf
A172細胞を用いて、食品によるアポトーシス誘導または実
行経路に及ぼす影響について培養実験を用いて検討した。食品を純水で抽出した水溶液を A172細胞に加えた時、細胞のアポトーシス促進状態について LDH 活性を指標に判定した。
その結果、食品を加えなかったコントロールに比べて、アポトーシスを促進した食品は、
もずく、きゅうり、しいたけ、枝豆、大根、玉ねぎ、トマトで、トマトが最も強くアポトーシスを誘導した。
一方、マウスの脾臓細胞を用いて食品による正常細胞のアポトーシス抑制割合について検討したところ、脾細胞にエトポシドを加えた時、正常細胞におけるアポトーシス抑制は、緑茶が最も効果が高かった。
以上の結果より、がん細胞をアポトーシスするのに優れた食品と、正常細胞がストレスによりダメージを受けた時、正常細
胞がアポトーシスを受けるのを抑制する働きをする食品は異なることがわかった。さまざまな食品摂取の重要性を再認識する結果となった。
3匹のマウスを4週間飼育し、試料とした食品と成分でアポトーシスの促進率をみたもので、
・ビタミンC
・もずく
・ビタミンE
・ビタミンB6
の順に促進が見られたとしています。
また、身近な食品で比較した結果としては、
・トマト
・たまねぎ
・枝豆
の順にアポトーシスの誘導が強かったとされています。
そのほか
きゅうり、しいたけ、枝豆、大根
なども示唆されています。
これはマウスでの実験なので、人間にそのまま適用できるかどうかはわかりませんが一つの面白いデータとして参考になるかもしれませんね。
トマトにはビタミンCが豊富で、その赤色色素のリコペンとカロテノイドには抗酸化活性作用があります。
また、たまねぎに含まれるケルセチンなどの硫黄化合物も抗酸化力が強いとされ、枝豆もポリフェノール類のイソフラボンが含まれます。
また、もずくに含まれるフコダインのぬめり成分は硫酸化多糖類で、特に昆布に含まれるU-フコダインはがん細胞にアポトーシス現象を誘導するとされます。
このことから、もずくや昆布といったフコダインが豊富な海藻類を食べることがアポトーシス誘導につながる可能性を示唆しています。
また論文に
「がん細胞をアポトーシスするのに優れた食品と、正常細胞がダメージを受けた時、正常細胞がアポトーシスを受けるのを抑制する働きをする食品は異なることがわかった。」と記載されている通り、どういった環境でその食材を使うのかも重要な要素となりそうです。
細胞を活性化して現代病を予防し、健やかな毎日を・・・
がん大国の日本では、他の先進国と違い食料自給率の違いや、政府の外圧に対する弱さ、
更に営利目的で健康は度外視する企業の思惑などで安全な食品は限られています。
そんな不安な社会だからこそ、私たちは受け身で情報を受け取るのではなく、
信頼できるオーガニックな食生活に関して自ら情報収集し、能動的に実践する必要があります。
細胞を活性化させることで、アンチエイジングや万病予防にもつながる健康を手に入れることが出来はずです。
それはあなたや家族、周りの大切な人たちの健康にもつながる幸福につながることになると思います。
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