東洋医学からみる体から出る「汗」とは何か。涙・鼻水・ヨダレなどの体液と臓器の深い関係とは?
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こんにちは、上級望診法指導士、国際薬膳師の霜崎ひろみです。
ジメジメした梅雨が長く続くかと思いきや、
いきなりの梅雨明け宣言。今年も夏が始まりました。
暦の上でも夏至も過ぎ、季節は夏の気が満ちています。
夏は汗をかきましょう!
日本の夏は、高温多湿で、蒸し暑い。
汗もかいて、よけいベトベトして、気持ち悪く感じることもあります。
服が汗だくになることを避けて、制汗剤を多用している方もいらっしゃるかもしれません。
汗で服がびっしょりになるのを避けるのは、身だしなみのひとつかもしれませんが、
夏は、汗をかいて当たり前!
体感の気持ち悪さは、こまめに拭き取る、着替えるなどして調節し、
夏は、汗をかきましょう!
自然に体を合わせる
というのは、東洋医学では、次の季節の体調は前の季節をどう過ごすか、にかかっていると考えます。
人間は、自然の一部なので、自然と歩調を合わせることが
日々の健康につながるのです。
しかし、近年は、クーラーの効きすぎで、汗をかきたくても、かけないという方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
みなさんの健康にかかわるので、ぜひ、温度は適温にして頂きたいところです。
東洋医学で「汗」と関係深いのは
さて、東洋医学で、「汗は、ある臓器と関係が深い」と考えられています。その臓器とは、、、
「心(臓)」です。
わたしたちが運動するとき、心臓の鼓動が早くなり、汗がじわーっと、
そして、どどっと出てきます。
また、スピーチの前や、歩いていて急に車が出てきたりすると、心臓がドキっとして、
「冷や汗」をかくこともありますよね。
このように「心臓と汗は深い関係にあるのだろう」と想像できます。
西洋医学からみても、心疾患がある方の症状に、「多量の発汗」というのがあり、
ひとつの判断材料になりえます。
東洋医学では、「心(臓)」と関連が深い液体(分泌液)は「汗」で、
「心(臓)」がやんだ時に、あらわれると考えています。
他の臓器と体の液体(分泌液)の関係
「心(臓)」と「汗」の関係と同じように、他の臓器にもそれぞれ関連する液体(分泌液)があり、
臓器の不調のサインになります。
その考えの元には東洋医学の基本理論である「五行説」があります。
「五行説」とは
「五行説」では、自然界のあらゆるものを法則に基づいて分類し、『木、火、土、金、水』の5グループに分類しました。
木火土金水の性質
木:真っすぐに、あるいは曲りながら伸びる。生長、発散。
火:燃え上がる。熱い。
土:穀物を育て、生み出す。物事を生み、育てる。
金:堅い、自由に形を変えられる。
水:下に向かって流れ、潤す。
木:真っすぐに、あるいは曲りながら伸びる。生長、発散。
火:燃え上がる。熱い。
土:穀物を育て、生み出す。物事を生み、育てる。
金:堅い、自由に形を変えられる。
水:下に向かって流れ、潤す。
これらの性質に従って、季節、色、味、そして、
私たちの体(臓腑)や体液、感情も五行にあてはめて分類しました。
五行色体表
『木』→『春』『青』『酸味』『肝・胆』『目』『涙』『怒』
『火』→『夏』『赤』『苦味』『心・小腸』『舌』『汗』『喜』
『土』→『晩夏(長夏)』『黄』『甘味』『脾・胃』『口』『涎(よだれ)』『思』
『金』→『秋』『白』『辛味』『肺・大腸』『鼻』『涕(はなみず)』『悲』
『水』→『冬』『黒』『鹹味(塩辛い味)』『腎・膀胱』『耳・陰部』『唾(つば)』『恐』
『木』→『春』『青』『酸味』『肝・胆』『目』『涙』『怒』
『火』→『夏』『赤』『苦味』『心・小腸』『舌』『汗』『喜』
『土』→『晩夏(長夏)』『黄』『甘味』『脾・胃』『口』『涎(よだれ)』『思』
『金』→『秋』『白』『辛味』『肺・大腸』『鼻』『涕(はなみず)』『悲』
『水』→『冬』『黒』『鹹味(塩辛い味)』『腎・膀胱』『耳・陰部』『唾(つば)』『恐』
「涙」「汗」「涎(よだれ)」「涕(はなみず)」「唾(つば)」の
5つの液体(分泌液)のことを「五液」といいます。
この表にあるように、さきほどの「汗」は、「心」と同じグループに属していることがわかります。
「心」に何らかのトラブルがあるときは、「汗」が判断基準のひとつになるのです。
それぞれの臓器と五液の関係&ケア食材
「肝」と「涙」
「肝」と関係が深い体のパーツは「目」です。「肝」の不調のサインとして、「視力が落ちる」「目が疲れる」「目が充血する」などがあります。
「目」と関連が深い液体(分泌液)は「涙」。
悲しくもないのに「涙」が出る、風が目に入ると「涙」が出るというような場合、
「肝」の不調を疑います。
薬膳的「目」や「涙」のお助け食材
菊花、桑の葉、クコの実、アサリ、シジミ など
菊花、桑の葉、クコの実、アサリ、シジミ など
「心」と「汗」
前述のように、「心」と「汗」は深い関係があります。「心」が不調だと、ことあるごとに顔や体全体に「汗」をかきやすいとされています。
「汗」は、「心」の不調の他にも次のような体のサインを示すことがあります。
*起きている時に汗を大量にかく…「気(エネルギー)」の不足
*寝ている時に汗をかく…体の中の水分の不足
薬膳的「心」や「汗」のお助け食材
小麦、もち米 など
*汗が止まらない時は、収れん・固渋作用 (漏れ出るものを止める)のある
酸味の食材もおすすめです。
梅干し・酢・レモン・りんご・みかん・杏・さんざし・蓮の実 など
*発汗させたい時におすすめ
しょうが、ねぎ など
小麦、もち米 など
*汗が止まらない時は、収れん・固渋作用 (漏れ出るものを止める)のある
酸味の食材もおすすめです。
梅干し・酢・レモン・りんご・みかん・杏・さんざし・蓮の実 など
*発汗させたい時におすすめ
しょうが、ねぎ など
「脾(膵臓などの消化器)」と「涎(よだれ)」
東洋医学で「脾」というのは、膵臓などの消化器のことを指します。消化器というと、食べ物と結びつきます。乳幼児に「涎(よだれ)」が多く出はじめると、
そろそろ「消化器」の発達の準備が整ったというサインで、離乳食を始める時期とも言われます。
反対に、「脾」が弱ると、寝ているうちに「涎(よだれ)」が出て、
枕を濡らしてしまうようなこともあります。
そのような状況のときは、「脾」の不調の可能性を考えましょう。
薬膳的「涎」の関連臓器「脾」のお助け食材
山芋、大根、梅干し など
*「脾」が弱っている時は、消化の負担を減らすため、よく噛んで食べたり、おかゆもおすすめです。
山芋、大根、梅干し など
*「脾」が弱っている時は、消化の負担を減らすため、よく噛んで食べたり、おかゆもおすすめです。
「肺」と「涕(はなみず)」
「肺」と関連が深い体のパーツは「鼻」です。よって、「肺」に不調が起こると「鼻」にあらわれやすく、鼻水が出る、鼻がつまるなど
「涕(はなみず)」を伴う症状が出てくることも多くあります。
薬膳的「涕(はなみず)」や「肺」のお助け食材
しょうが、長ねぎ、しそ など
しょうが、長ねぎ、しそ など
「腎」と「唾(つば)」
「腎」と言えば、「尿」を作るところなので、もちろん「尿」とも関連深い臓器ではあります。その他、「腎」と同じ「水」のグループに属する感情に「恐」があります。
私たちは、何か恐しいことが起きた時、生唾を飲み込むことがあるように、
「恐」「唾」「腎」は、関連があるのです。
薬膳的「唾(つば)」の関連臓器「腎」のお助け食材
山芋、くるみ、小豆 など
山芋、くるみ、小豆 など
その他、食べ物で体ケアをするときのヒントに、こちらの記事もご参照ください。
以上のように、東洋医学からみると、体から出る分泌液には、臓器不調のサインが隠れている
場合があります。汗などの分泌液がいつもと違うと感じたら、五臓と体からでる液体(分泌液)の関係も考慮してみましょう。
日々の体調セルフチェックのひとつの方法として、お役立てください。
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