海外でも愛される日本の「武道」で、強くてしなやかな美しい心と体を得る方法|人生のガイドともなる「武道」のメリットとは?
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海外での愛される日本の「武道」で、
強くてしなやかな美しい心と体を得る方法
人生のガイドともなる「武道」のメリットとは?
日本が世界に誇る文化の一つ、武道。
海外でもその人気は高く、
柔道や空手は子ども達の初めての習い事としてもポピュラーです。
特に空手は、来年(2021年)に延期、開催予定の
「東京オリンピック競技大会」でも、
新たに正式種目として採用された注目株でしょう。
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私が住むイタリアでも武道を嗜んでるいる人は多く、
イタリア人である私自身の夫もその一人。
30年以上も合気道の稽古に励み、武道全般を熱心に研究しています。
イタリア人から見た「武道」、
そして「武士道」とは?
ここイタリアでは、それほど大きな街でなくとも、武道の道場やクラスを見つけることができます。
そんな、イタリアにおける武道人気の火付け役と言えば、
1970年代ではブルース・リーなどが出演したカンフー映画、
80年代は少年が空手を通じて成長する姿を描いたアメリカ映画『ベスト・キッド』、
90年代はイタリア男子の間で爆発的ヒットとなった日本製アニメーション『北斗の拳』、
そして、今でも子どもたちに人気の同じく日本生まれのアニメーション『ドラゴンボール』など。
こうした映画やアニメは、武道に関する多くの誤解も生んだ一方で、
間違いなく、その普及に大きく貢献しました。
イタリア人がイメージする武道
欧米では「武道=スポーツ」という認識が一般的です。実際にイタリアでは、柔道や空手、合気道などの主要な武道は全て、
イタリアにおけるスポーツ活動の発展と管理を担当している
イタリア・オリンピック委員会に登録されたスポーツ。
また、ボクシングやレスリングを暴力的なスポーツだと捉えるイタリア人には、
武道もまた危険なスポーツだと認識されているようで、
日本人としては少し残念なことですね。
とはいえ、武道は全般的にイタリア人にとって身近かつ、
親しみのある存在だといえるでしょう。
武士文化の理解までの道のりはまだ遠い
そして、日本に特に興味がないイタリア人でも、日本の伝統文化や武士道に関しては、
ポジティブな受け止め方をする人が大多数、という印象です。
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しかし、その理解度となると、まだまだ。
実際に武道をしている人でも、
武士文化までを理解している人となるとごく僅かでしょう。
そのため、武士道をきちんと理解し、人生において実践までしているイタリア人たちは
イタリアの社会ではちょっと浮いた存在に映ることがあります。
「ずる賢い」ことを肯定的に捉え、誉め言葉として使いさえするイタリアで
武士文化を尊重することは、「真面目で損をするおばかさん」的な目を向けられることも
あるのです。
しかし、特に今のようなコロナ禍の不安定な状況においては、
実践するかどうかは別として、
日本の武士文化からくる武道の心やその安定的なあり様は高く評価されています。
では、武道の心とは一体どのようなものなのでしょうか。
日本人でも「なんとなくは分かるけど、うまく説明できない」
という人がきっと多いのではないでしょうか。
武道的な心の持ち方は、
人生のガイドとなってくれる
日々生きていれば、恐怖、悲しみ、憎しみ、後悔といったネガティブな感情が
沸き起こるのはごく自然なことでしょう。
しかし、そんな時に、心の持ち様、あり様によって
私たちの運命は決まる、といっても過言ではないのです。
現代の生活にも生かしたい武士の心得
「対象にとらわれない」
ネガティブな感情が湧き起こるような場面で最も大事なことは、「対象にとらわれない」ことです。
そしてこのことは、日本の武士が古来身に着けていなければならなかった心得でした。
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その理由は、
もし戦場で何か一つのことに心が囚われてしまったら、
猜疑心や躊躇が生まれてしまうため。
そうなると、心が自由を奪われ、その結果、
戦闘を行うべき体までこわばってしまいます。
武道の心とは、いわば「無心」。
実がこの概念はかなり古い時代から人間が持っていた知恵のようで、
古代インドで使われたサンスクリット語では「プラティヤハラ」と呼ばれています。
武道の精神を現代に活かそう
こうした心の持ち方は、現代社会においても注目に値します。例え周りに100人の敵がいても、心の中に敵がいない。
これは、
人生という戦場において活躍する=よりよく生きる
ための条件です。
様々な問題にエネルギーを吸い取られないために、
「対象にとらわれない心」を持つことは有効な対処法のひとつ。
こうしたスキルは武道の極意のひとつでもあります。
ストレスに打ち勝つ手段としての武道
現代社会は何ごとにおいてもペースが速く、結果が求められます。そのため、大きなストレスにさらされて、生活の質が損なわれがちです。
そこで、対象にとらわれない心を育むためにおすすめしたいのが、
武士や武道に関わりが深い「瞑想」です。
瞑想から得られる心と体の安定
ヨガをしている方にはお馴染みのヨガの根本経典『ヨーガスートラ』によれば、瞑想(ディアナ)とは、長時間保たれた深い集中を意味します。
武士文化と関連が深い「座禅」はこのディアナに由来するといわれており、
日本人にとっては馴染みのあるものでしょう。
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瞑想(座禅)によってストレスなどで分裂しがちな心と体を一つに結びつける。
そうすることで、以下のような効果が見られることが科学的な研究によって明かされています。
・集中力が増し、生産力が高まる
・不安や痛み、鬱を緩和する
・感情をよりよい状態にコントロールする
参照:How mindfulness can change your brain and improve your health(Harvard University)
瞑想には様々なアプローチの方法がある
IN YOU読者の皆さんの中には、座禅の経験がある人がいらっしゃるかもしれません。
瞑想には複数のアプローチの方法があり、
「座禅」のように座ったまま動かず、心を安定させるやり方がある一方で、
体を動かすことで瞑想状態に入るという方法もあります。
そして武道の瞑想は、体の動きに同化することで雑念を払うという後者です。
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じっと座ったまま心を無にすることは簡単ではなく、
一心不乱に体を動かすアプローチの方が雑念が消えやすい
と述べる専門家も少なくありません。
武道はいわば、「動く瞑想」だといえるのです。
瞑想にぴったりの武道とは?
それでは、瞑想を目的として行う場合、どの武道が最も適しているのでしょうか。
柔道、空手、合気道、剣道、弓道など、そもそもは
全ての武道において瞑想を行うことは可能でしたが、
かつてとは大分異なった形式を持つようになった
現代の武道では、必ずしもそうは言えません。
やや矛盾しているようにも聞こえますが、
例えば、競技化された空手はあくまでもスポーツ。
勝つことを目的とし、試合が行われるのであれば、
それは武道をベースにしたスポーツに過ぎず、
瞑想向きではありません。
そのため、競技化されていない武道を
瞑想の手段には選ぶべきでしょう。
※競技化が悪いということではなく、
ただ無所得(こだわりの心のない境地)を目指す瞑想へのアプローチとしては
不向きというだけです。
そのため、残念ながら「この武道がおすすめ!」と言い切ることはできませんが、
競技化されているかどうか、ホームページの内容などを参考に、
ご自分に合いそうだと思われる教室や道場に問い合わせてみてくださいね。
女性に特におススメの武道は「合気道」
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柔道や剣道、空手に並ぶ、日本を代表する武道が「合気道」です。
体の捌きと呼吸の力から生まれる技によって、切磋琢磨し合って稽古を重ね、
心身の錬成を図ることを目的とし、他人と優劣を競うことをしないため、
試合や競技を行いません。
その意味で、既に書いた説明の通り、「合気道」は瞑想にぴったりの武道です。
そのほか、合気道には次のような特徴があります。
・他人と優劣を比べないため、自分のペースで続けることができます。
・試合や競技がないため、怪我もしにくいといえるでしょう。
・全身運動なので、続ける中で全身の筋肉が体幹やインナーマッスルを含め、程よく鍛えられます。
そのような点から、合気道は女性はもちろんのこと、・試合や競技がないため、怪我もしにくいといえるでしょう。
・全身運動なので、続ける中で全身の筋肉が体幹やインナーマッスルを含め、程よく鍛えられます。
年齢や性別を問わずに、誰もが始めやすく、続けやすい武道だといえます。
武道の副産物:護身スキルから得られる自尊心、
インナーマッスルを鍛えて得られる美しい姿勢
本来の武道の目的とは、心身を統一することにあります。武道の技は、道を追求するための道具・手段であり、目的ではありません。
この技という優れた道具・手段を使いこなすために、
その動きは本来どのような意味を持つのかなどを理解した上で
マスターをする必要があります。
そして、こうしたプロセスの副産物として、様々なスキルが身につくのです。
武道を学ぶと自信がつく
女性の場合は特に、「護身術を学びたい」という理由から武道を始める人も多いでしょう。
確かに武道を真剣に学べば、護身のためのスキルが自然と身につきます。
また、実際に護身術が必要になるような場面に遭遇した場合、
武道を通じて護身術を身につけていると、
先に述べた「対象にとらわれない心」も得られます。
自分で自分の身を守れるという自信は、
精神衛生上とても重要なこと。
自分の人生を自身でコントロールできるという自尊心が高まり、
人格にも良い影響を与えるという研究の結果があります。
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参照:Learning self-defense teaches women far more than just how to protect themselves, it kick starts self-esteem(University of Washington)
武道を学ぶと姿勢がよくなる
健康の観点からも美の観点からも注目したいインナーマッスルは、武道を通じて鍛えることができます。
体幹を鍛えると、姿勢が良くなり体のゆがみが解消される他、
腰痛の予防・低減に役立つなど、様々なメリットが得られます。
武道をすることで、一般的な運動でも鍛えられる筋肉はもちろん、
インナーマッスル、関節、腱、神経まで鍛えることもできます。
真剣に武道に取り組んでいる人の体は、
しなやかで敏感、そして強さがあるのです。
参照:Core conditioning — It’s not just about abs(Harvard University)
現代人は、武道をする特権を
活かさないともったいない
かつて武道と言えば限られた人だけしかすることができなかった特別なものでした。それが今では、日本人に限らず世界中の人々がその特権を手にしています。
私の夫(イタリア人)もその恩恵にあずかった一人。
夫の場合はとても若い頃に合気道を始めたため、
フィジカル面についてビフォー・アフターの比較はしにくいところですが、
精神面については、もし合気道をしていなければ、
内気で消極的なまま大人になったかもしれないと感じているそうです。
人前に立っても緊張せず、
臆することなく自分の意見を述べることができるのは
間違いなく合気道を通じて得たものだと確信しています。
内的世界と外的世界に適応することができる強い心を育むためにも、
さっそく武道を始めてみませんか?
参照:
「現代に生きる武道を目指して」多田宏(有文社)
「ヨガのすべてがわかる本」Yogini編集部(枻出版社)
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