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これからは土で野菜を選ぶ時代です| 植物の栄養にとって最重要栄養素である、意外と知られていない窒素①「農学博士」スエタローが教えるオーガニック農業講義vol.3〜

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1.窒素に対して正しい知識を持ちましょう


1).なぜ、化学肥料から有機肥料に切り替えたら、作物は健全に生育するようになったのか?

 
 Vol1号のリン酸において、「化学肥料を与え続けていると、害虫や病気が発生してしまう。
だから、有機農業に切り替えたら改善された。」というような話を聞かれたことがあるかと思います。
これは、紛れもない事実です。

 しかしながら、誤解を生みやすい表現でもあるのです。
なぜならば、『化学肥料が悪・有機肥料が善』とい
う捉え方をしてしまい、
化学肥料がすべて悪であって、使ってはいけない。

他方、有機肥料であれば何でもいいとか、たくさん施肥したら、
土壌の中に無数にいる微生物(菌)にとっても
好都合である(餌になりますから)と誤解してしまう可能性もあるからです。
これは実際のコンサル先のメーカーでも感じました。

2).最大の犯人は窒素


 Vol1にも書きましたが、『化学肥料であれ、有機肥料であれ、必要以上の施肥』、
このことはいいかえれば、植物が吸収する以上の施肥をしてきたこと。
これが大きな問題であり、数々の障害が生じてくるのです。
その中の栄養素として、窒素が非常に重要です。
なぜならば、少なすぎても多すぎても、植物は健全に生育せず、
それが顕著化してしまうからです。
このことが、「化学肥料を与え続けていくと、よくない」ということに結びつきますが、
この場合の化学肥料は窒素を指します。
つまり、窒素肥料(例:硫酸アンモニウムや尿素が有名で、
日用品等の大型スーパーでも園芸肥料として市販されていることはご存じのことと思います)のことです。

しかし、現在は8-8-8とか12-12-12というような、
リン酸やカリも同時に含有された化成肥料が市販されていますので、
窒素肥料も化成肥料も混同しているというのが現実ではないかと思います
(リン酸の過剰集積を生む背景であることはVol1で述べました)。

3).改めて窒素のメカニズムを知ろう


 そこで、改めて、以下2つの事項は、窒素について再認識が必要になってきます。

□与えすぎると、どうして病害虫が発生しやすいのか?
□それを有機肥料に切り替えたら、なぜ、軽くなったのか?


 なぜならば、冒頭にも書きましたように、
『化学肥料が悪・有機肥料が善』という考えが根本的に間違っているからです。
この場合の化学肥料というのは、リン酸もカリ肥料も入ります。

強いて記せば、石灰などの土壌改良資材も含まれる場合があります。
Vol1でパラグアイの貧栄養土壌では一定量のリン酸施肥によって、
ササゲの根に根粒菌がくっつき、活動します。

根粒菌も土壌の中の有益な菌です。
つまり、リン酸が残っている状態等の違いも含めて、
土壌条件によって、処方せんが異なってくるということですね。



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4).小休止→有機質資材と有機肥料の違い



 また、鶏糞堆肥のような有機質資材にも、窒素は多く、与えすぎれば害になります。
ここで、区別が必要です。私は鶏糞堆肥のことを有機質資材と書いています。
「なぜ、有機肥料ではないの?」とか、
「有機質資材と有機肥料って、どう違うの?」と思われた方も居られるかと思います。
少し、この違いを説明しておきます。

実は、肥料取締法という法律がありまして、この両者の違いが説明されております。

4)-1.有機肥料または有機質肥料


 有機質肥料(以下、有機肥料と書きます)というのは、
結論から書きますと、動植物自体の死骸や粕を指します。
その代表格が、魚かす、油かす、骨粉(有機質リン酸肥料)等であり、
窒素やリン酸等の保証成分に注目しますと、同一有機質肥料においても、
メーカーや製品別による差がほとんどなく、
化成肥料とほぼ同じであると考えてください(詳細は省きます)。

4)-2.自給肥料


 それに対して、鶏糞堆肥や牛糞堆肥は正式には『自給肥料』と称します。
これらは家畜の排せつ物ですが、家畜が食する餌の品質によって、
排せつ物の窒素やリン酸の含有率に違いが認められるというように考えてください。

つまり、生産工場による違い、製品によって、
含有される成分にばらつきが認められるため、
ここが先の有機肥料と異なるという見方です。

詳細は省きますが、私は自給肥料という表現が好きではないため、
また、後程、記しますが、
牛糞堆肥は鶏糞堆肥と異なって、
有機質土壌改良資材として活用できますので、
上記、堆肥のことは『有機質資材』ということで統一したいと思います。あしからず。

5).病害虫発生・有機肥料切り替え利点に絞って、窒素のメカニズムを解説していく


 余談な話になりましたが、上記2点(病害虫発生・有機肥料切り替え効果)に絞って、
窒素のメカニズムについて説明していきます。
この説明によって、疑問点が解明され、ご理解していただけるものと思っております。


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2.意外と知られていない? 窒素の循環メカニズム 


1).窒素は大気・土壌・植物体の中を巡り回っている


 図1に窒素の循環図を示します。
皆さん、ご存じの通り、窒素は気体(ガス)です。

空気中に約78%、次いで酸素が22%程度存在しますが、
空気中の中で約8割を占めております。

中学や高校の理科でも習ったものと思います(忘れていたら、思い出しましょう)。
 ですから、窒素は大気、土壌、植物体の中を巡り回っているのです。
図が見にくいかもしれませんが、少しずつ解説していきます。


2).有機質資材・有機肥料・窒素化学肥料を施肥するとどうなる?


 少し専門用語が出てきますが、嫌がらずに頑張っていきましょう。
理解してしまえば、これからの食の安全・健康へと結びつき、応用力がついてくる筈です。

2)-1.有機態窒素


 いきなり専門用語が出ましたが、一つが『有機態窒素』です。
(図1では、Org-N、すなわり、オーガニック[Organic]のこと)
これは、有機肥料や有機質資材の中に含まれている窒素のことです。

この状態では、植物は窒素を栄養源として吸収することはできません。
主にタンパク質や、アミノ酸(植物に吸収されるものはここでは省略)等という形で、
窒素が含まれている状態です。

2)-2.無機態態窒素


 有機態窒素の他、最も重要な用語が無機態窒素です。
この無機態窒素というのは、土壌に施用された、上記、有機肥料や有機質資材が、
土壌中に存在する多様な微生物(菌ですね)によって分解されます。

そうすると、これらの分解によって、無機態窒素が有機物から放出されるわけです。
この状態になって、植物は初めて、栄養として窒素を吸収することができるのです。

2)-3.無機化とアンモニア態窒素


 まず、有機物が先の微生物によって分解され、
無機態窒素が放出される過程を『無機化』と称します。
無機化によって放出された最初の無機態窒素が、
アンモニア態窒素』と称します。

図1ではInorganic-Nの中のNH4+-Nとしても表現しておりますが、
せっかくの機会ですので、この表現方法も理解してください。

といいますのは、書籍やホームページによっては、化学式のみで表示している場合もあるからです。
この形の窒素を好むのは水稲等、一部の植物で、畑作物や野菜類は、別の形の無機態窒素を好むのです。

 なお、化成肥料や窒素肥料(例:硫酸アンモニウムや尿素等)の形で、
土壌に施肥された場合は、有機態窒素ではなく、直接、アンモニア態窒素が生成されるということになります。

2)-4.硝酸態窒素と硝化作用


 もう一つの無機態窒素として有名なのが、『硝酸態窒素』です。
この用語はよく聞かれたことがあるかと思います。
実際、地下水に10ppm以上の硝酸態窒素が含有しておりますと、
発がん性が懸念され、飲料用としてはタブーです。

それでは、この硝酸態窒素はどうやって生成されるかです。

 図1にも示していますように、土壌中に存在する『硝酸化成菌』という細菌(バクテリア)によって、
亜硝酸(NO2–Nと表示)を経て、硝酸(NO3–N)に変わるのです。

つまり、二つのタイプの細菌によって、アンモニアから硝酸へと変わっていくのです。
この工程を、『硝化作用』または『硝酸化成作用』といいまして、
オーガニックおよび健康という面において、非常に重要な言葉です。


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2)-5.溶 脱


 図1の中に『溶脱』(ようだつ)という言葉があります。
実は、硝酸態窒素は雨水や灌水によって、地下深くに流れやすいという特性を持っております。
これを溶脱と称しますが、先の地下水において蓄積しやすい理由がここにあります。

2)-6.植物の中での窒素の移動→タンパク質等への合成


 大部分の作物や野菜類は、この硝酸態窒素の形で吸収します。
そして、植物体内では、私たちの体内にある消化酵素と同様、
硝酸態窒素

亜硝酸態窒素

アンモニア態窒素
へと逆戻りし、
これから、アミノ酸(最初の生産物はグルタミン酸で、
このグルタミン酸から別のアミノ酸へ変わっていきますが、
詳細なメカニズムは省きます)を経て、タンパク質へ合成されていきます。

タンパク質の他、DNAや葉緑素の構成成分としても窒素が重要です。


 「なんで、こんなめんどくさいことをするのか?」と思われたことでしょう。
これは、神様のお力か? 植物が過剰なアンモニア態窒素の吸収を避けるため、
土壌中でアンモニア態窒素を、
植物に無毒な硝酸態窒素へ変えて吸収させているということが考えられます。

 そして必要に応じて、アンモニアに戻して、
アミノ酸からタンパク質へ合成させていくということで、
ご理解いただけますでしょうか?

 とにかく、このように窒素は、大部分がタンパク質の構成のために必要であるため、
植物の栄養素の中で最重要視されているのです。

もちろん、水素、酸素、炭素も必要です。
これらは、水の他、土壌中や空気中に存在する炭酸ガス(CO2)を吸収しております。
それに対して、窒素は空気中に大量に存在しますが、植物は空気中の窒素ガスは利用できません。

なぜだか分かりますか?

 この理由も、上記2点と関係してくるのです。徐々に説明していきます。

2)-7.例外→根粒菌による空中窒素固定


 植物は空気中の窒素ガスは利用できないと書きました。
しかし、一部例外があります。

それは、vol1のパラグアイの貧栄養土壌での、
リン酸施用量比較試験のところで取り上げた『根粒菌』です。
図1にも示しております。根粒菌は、空気中の窒素ガスを取り込んで、
体内の酵素作用によって、アンモニアを合成します。

この根粒菌はマメ科植物に着生(ちゃくせい)する性質があり、
マメ科植物の光合成(リン酸が必要であると書きました)によって得られた炭水化物(糖分)を根粒菌に与え、
そのお返しにアンモニア態窒素を栄養源として吸収しているわけです。

これを『共生関係』にあると書きました。覚えておられるでしょうか? 
図1にも示しましたように、このような特殊な事例があるわけです。

ここで、約20年前ですが、ブラジルにおける研究で分かったことは、
サトウキビの根にも根粒菌が着生するということです。
サトウキビはマメ科ではなく、イネ科の作物ですが、
このような特殊な事例もあることを添
えておきます。

 そのため、長年、サトウキビを連作しても、土壌が劣化せず、
持続できている背景がここにあるといわれております。

 根粒菌によって、窒素ガスからアンモニアへ合成するという作業が、
どれほど重要なものであるのか? 

後程、『ハーバー・ボッシュによる化学的な合成』のところでその利点を解説していきます。

2)-8.脱窒菌と脱窒作用(理解教育を用いての解説)


 図1の最後の説明です。頑張りましょう。
もう一つ、窒素の移動において重要な事実をお伝えしないといけません。
私は硝酸態窒素であれば、漢字表記のみならず、NO3–N表記も覚えてくださいと書きたいのです。

「化学は嫌だ!」となるかもしれませんが、その理由も併せて説明します。
なぜならば、理解しやすい部分が出てくる筈です。
 天然の土壌中に過剰に硝酸態窒素が、硝化作用によって生成された場合、
この硝酸態窒素は窒素ガスとなって、空気中に出てしまうのです。
この現象を『脱窒』(だっちつ)と称します。

もちろん、土壌中に存在する脱窒菌が働く訳ですが、
ここで重要なことは、この脱窒菌は酸素を好むことです。
つまり、『好気性(こうきせい)微生物』と称しますが、
硝酸の中の酸素を奪うのです。

酸素を奪われた硝酸は何になりますか? 
そうです。窒素ガスになるのです。窒素ガスは土壌中には存在しません。
空気中に出て行ってしまいます。
この現象を『脱窒現象』と称します。

 もうお分かりですね。
漢字で「硝酸態窒素の中の酸素を奪って、窒素ガスになる」と記しても理解できないと思います。

私も理解できません。
もっと現実的に書けば、試験のために覚えても、試験が終わったら忘れてしまうでしょう。
ですから、これを化学式を用いて話をしたらどうでしょうか?

詳しい化学的な解説はなしとして、「硝酸NO3の中の酸素O2が奪われる」。
この際、化学的になりますが、失礼します。
2モルのNO3から1モルのO2(酸素分子)が奪われたら、1モルのN2(窒素分子)となって、空気中に出てしまいます(2NO3→N2+3O2)。

 私は、このような『理解教育』を提示したいのです。

ちなみに、硝酸態窒素が脱窒の他、溶脱されやすい理由ですが、
これは別の機会で土壌の粘土鉱物とともにお話します。

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3.窒素が過剰に吸収するとどうなるのか?
〜病害虫汚染に晒されてしまうメカニズム〜 


1).糖質制限の理論も同時に学べる糖質の基礎学習


 有機化学っぽい勉強になって申し訳ないです。
これは、糖質制限においても、ためになる知識ですので、頑張りましょう。
(私も糖質制限の推奨者の一人であり、実践しています)
といっても、化学式での表示は極力避けました。図2に沿って説明していきます。

 皆さんがご存知のブドウ糖(英名ではグルコースと称します)。
そうですね。病院での術後等の点滴に使われる栄養剤ですよね。
実は、糖というのは一つではなく、いろんなタイプがあります。
その中の一つであるグルコースは、糖の最小単位の一つであると理解してください。
これを『単糖類』と称します。

 以下、専門用語が出ますが、窒素ならびに糖質制限と関連させながら、勉強していきましょう。


2).単糖類(6個の炭素を持つ)

 
 化学式での表示はやめて、炭素を6個持っているということで、六角形で示しました。
色は黄色です。もう一つ、オレンジの六角形もあります。
これも炭素を6個持った単糖類でありまして、『果糖』(英名ではフルクトースと称します)といいます。
果物に含まれている糖分です。

3).二糖類(単糖類が二つ合体)


 二糖類(にとうるい)とは単糖類が二つ合体したものです。
その代表例がショ糖(化学的にはスクロースと称します)で、
私たちが普段食している砂糖です。
ここで一つ面白いことに気が付きませんか? 
ショ糖(砂糖)というのは、グルコースとフルクトースが合体したものなのです。

4).オリゴ糖(単糖類が十数個合体)


 単糖類が十数個合体したものが『オリゴ糖』であり、
何かの清涼飲料水か、コマーシャルで聞いたことがありますよね?

 オリゴ糖についての詳しい話はやめますが、
この単糖類が十数個合体したもので、ここまでが『甘味がある』ということです。

それに対して。。。

5).多様類(単糖類が無数に合体)


 単糖類が無数に合体したものが『多糖類』と称するもので、
代表格が『デンプン』と『セルロース』ですね。

 デンプンはご存知ですよね。ご飯、パン、イモ類等に含まれている俗にいう炭水化物(糖質)ですね。
この場合、「炭水化物または糖質ダイエットで、どうして、甘いものだけでなくて、
ご飯やパン、パスタ等を制限しなくてはいけないのですか?」 

糖質制限の話になりますけど、関連させて勉強していきましょう。
 最大のネックは、多様類は糖質なのに『甘味がない』ことです。
ですから、大福を毎日食べていたら飽きると思いますが、
デンプン類は甘味がないから、口の中にすんなり入るんです。飽きませんしね。

 実は、もうお分かりと思いますが、多糖類とは単糖類が無数に合体したものであって、
私たちがこれを食べたら、体内のさまざまな消化酵素(唾液もその一つですよ)によって、
多糖類が分解されて、最終的に腸内細菌によって、単糖類であるグルコースに分解されて吸収されます。
ですから、甘くなくても、糖質なんですね。
このことが、糖質制限の基本原則ですね。

今回は糖質制限ではないので、別の機会にしますが、
炭水化物と糖質の違いの説明もしていきましょう。
窒素と大きく関係がありますので。

6).セルロース(デンプンよりも、単糖類がもっと無数に合体)


 もう一つの多糖類に『セルロース』があります。
聞いたことありますか? これは、植物の骨格と思ってください。
私たち動物は、骨と筋肉によって体をなし、動いたり、歩いたり、走ったりできます。

それに対して、植物には骨も筋肉もありません。
その代わりに、このセルロースが重要な役割を果たしております。
植物の茎がセルロースでできており、
食材に例えるならば、『食物繊維』です。こう書くと理解してくれるかもしれません。

 余談ですが、昔は糖質制限とかダイエットではなく、
炭水化物ダイエットと称していました。実は、今回の図2でも示しましたように、
食物繊維は糖質ではないですが、炭水化物の一部なんです。

ところが、これはご存知のように、デンプンと違って、
私たちの体内にある消化酵素では分解できないため、そのまま出てくるのです。

ですから、栄養素というよりは、排便の効果を高めたり、特殊な機能を有するため、
食物繊維の摂取は必要なんです。

それで、炭水化物を大きく、食物繊維と糖質(多糖類でもデンプンは含まれる)に分けて、
炭水化物ダイエットから糖質ダイエットに言葉が変更されたのです。
実際、炭水化物ダイエットという言葉も使われてはいますね
(これは、本来のご飯やパン等の甘くない糖質と、甘いものを区別する意味でしょうね)。


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7).セルロースは過剰なアンモニアで壊される


 有機化学的かつ糖質制限的な話が続きましたが、ここからが肝心です。
図2の一番下を見てください。

なぜ、植物が過剰なアンモニア態窒素を吸収するといけないのか? 

Vol1にも、本Vol2の冒頭にも書きましたように、いよいよ、
「化学肥料のやりすぎが、病害虫が発生しやすくなる」ということのメカニズムを解説していきます。
 植物栄養学的にも有力な説の一つとなっており、
私も植物による窒素過剰吸収が危険である理由を説明するときにも、この図を用いています。

なぜならば、比較的分かりやすいと思うからです。
実は、私たちの体内にはセルロースを分解する酵素は持っていません。

ところが、草食動物やシロアリ(木造建築物の食害)は、このセルロースを分解する酵素、
『セルラーゼ』を持っています。それゆえ、草食動物は草を栄養にすることができます。
肥育牛もそうですね(牧草を食べますからね)。


 もう一つ重要なことは、詳細な話は避けますが、この図2を見ても分かりますように、
アンモニア態窒素がセルロースをはさみのように、ちょっきんと切ってしまうのです。

これはこの図からもご理解いただけるものと思います。さて、次です。

8).セルロースが壊れたら、どうして病害虫にやられやすくなるの?


 「化学肥料の与えすぎが、病害虫にやられやすくなってしまう」という理由を説明しましょう。
それと同時に、どうして、有機化学的かつ糖質制限的に糖の化学的な話が必要であったのか?

 先の図1の窒素の動態と同様、お分かりいただけるかと思います。
 先ほど、「単糖類、二糖類やオリゴ糖は甘味を有する」と書きました。

セルロースが壊されたら、何に変わりますか?
 そうです。単糖類、二糖類またはオリゴ糖に分解されてしまうんです。
そうなると、大きく2つのことが考えられますね。

• 本来の植物の骨格としてのセルロースの役割がなくなってしまうため、
植物体自体が軟弱になってしまいます→倒伏(とうふく)。つまり倒れやすくなってしまいます。

• 軟弱になれば、植物体自体が甘味の有する糖分で多くなりますから、
どうですか?害虫や病原菌が寄り付きやすくなるのです(甘いものが好き)。

このことが、「化学肥料、このいい方はリン酸やカリも含んだ化成肥料も含んでいるため、厳密に記すならば窒素肥料ですね。
これのやりすぎが、有機化学または生化学的な視点から、
植物体の骨格であるセルロースが軟弱化し、病害虫にやられやすくなる」ということなのです。

 このことは、化学窒素肥料であれ、分解されやすい鶏糞堆肥等の有機質資材の過剰施肥でも、
生じる現象であるということを理解してください。
つまり、過剰施肥が問題であるということの証左の一つです。

9).大部分の植物が大気中の窒素を利用できたらどうなる?


 これで想像できますか? 空気中には78%近い窒素が含まれています。
植物にとっては重要な栄養素です。しかし、酸素、水素、炭素と違って、
気体の窒素はマメ科以外、特殊な植物以外は利用できません。

どうしてでしょうか? 
 利用できたら大変ですよ。根粒菌の作用ではないですが、
全ての植物は窒素ガスを吸収してアンモニア変える能力があったら・・・。
大量の窒素が吸収されますから、植物は全滅ですよね。
光合成によって得られた酸素を利用する私たちも動物もみな全滅しますよ。
ですから、自然はうまくできていますよね。

10).炭水化物の語源→炭と水の(?)物です。



 炭水化物の語源について一言添えておきます。
糖質制限のところで話してもいい話ですが、せっかくなので。
図2のグルコースの化学式を見て分かりますか? C6H12O6となっていますね。
これを因数分解できるんです。そうするとCn(H2O)nと書くことができて、例えばnが6であれば、C6(H2O)6ですから、
中3の数学でいう、乗法公式(展開する)によって計算しますと、C6H2×6O6C6H12O6となりますね。
なんでこんなこと書いたのか?ですけど、Cn(H2O)n でもC6(H2O)6でもお気づきになることがありませんか?
単純にみると、Cは炭素、H2Oは水ですね。
つまり、炭素と水が結合してできた化合物であるということもできるのです。

しかしながら、水と炭素を人工的に合成して、グルコースなり、ショ糖なり、炭水化物を合成することはできません。
植物体であれ、生物体内で多様な酵素の作用で、合成される神秘の化合物であるといえるのです。

 それゆえ、炭水化物とは?カッコ内の解答です。炭と水の(化:ばけ)物となるのです。
このように、人工的に合成できなくても、私たちはブドウ糖なり、ショ糖を人工的に分解して、
水と炭素にすることはできます。中学校の理科の実験でやられたか分かりませんが、
「砂糖に濃い硫酸を加えたらどうなりますか?」 
「燃えるように反応して、炭ができませんか?」
実は、これは濃い硫酸が『触媒(しょくばい)』として働いて、
砂糖を水と炭素に分解したのです。
だから、にょきにょきと、炭素がお化けのように、噴き上がってくるのです。

 さて、触媒とは、自分自身は反応しないで、他の物質の反応(合成や分解)をサポートするものと考えてください。
この触媒という事例はいくつか、ここでも取り上げますので、理解しておいてください。

 小学校の理科で実験やられたかと思いますが、
過酸化水素水に二酸化マンガンを加えると、水と酸素に分解されますね。
このときの二酸化マンガンが触媒として働いて、この反応をサポートしたんですね。

実際、二酸化マンガン自体は変化していないのです。

11).ショ糖の化学式の補足的解説(脱水縮合反応)


 もう一つ、ショ糖ですが、図2の化学式を見ますと、
C12H22O11になっていますね。

あれ?Cn(H2O)nでもお分かりのように、グルコースが二つ合体したのだから、
C12O24O12ではないのか?と思われるかもしれません。私の書き間違えではないですよ。

 これは、C6H12O6が二つ合体するときに(化学式は同じであっても、グルコースとフルクトースが合体)、
それぞれの一部において
、例えば、グルコースは水素(H)、フルクトースでは水酸基(OH)が分離して、
二つの糖が合体すると理解してください。

このHとOHがある状態だと、封を閉じた状態ですから二つはつながらないんです。
HとOHが反応したらH2O、つまり水になりますね。この反応を『脱水反応』と称します。
さて、C12H24O12からH2Oを引いてみましょう。
そうすると、C12H22O11になっていることが理解できますね。

そういうことなのです。化学も理解してくると面白いと思いますよ。
このことも『オーガニックと健康』につながっていく事項であるといえましょう。

 また、脱水と同時に、単糖類が連なって、
二糖類やオリゴ糖に長く連なっていく反応を『縮合反応』といいまして、この二つの用語を合わせて、
脱水縮合反応』と称します。

難しくなりましたが、この脱水縮合反応の別事例は、
すでに、この本号の図1に示しています(化学式ではないですよ:いずれ解説します)。

どこだか分かりますか? そうなのです。植物体内において、
無機態のアンモニア態窒素がアミノ酸に変わっていきますね。

最初はグルタミン酸が形成されて、その後、さまざまなアミノ酸が合成されていきますが、
このアミノ酸同士がたくさん連なって、タンパク質になっていく反応も実は脱水縮合反応の一つなのです。

そして、タンパク質を形成するためのアミノ酸同士の結合を『ペプチド結合』と称します。
(大事な用語なので、またの機会に取り上げます)

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