今更聞けない脱炭素社会とは!?|データから見る世界が急ぐ「脱炭素への動き」と私たちにできること。
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ここ数年で「脱炭素」という言葉をよく耳にするようになってきました。
脱炭素以外にも、「カーボンニュートラル」や、「二酸化炭素の排出実質ゼロ」という言葉が飛び交っています。
ですが、この脱炭素について説明できますよ!という方は少ないかもしれません。
脱炭素社会に向けて世の中が動いている中、今更、脱炭素ってなに?とは言い出せない雰囲気もありますよね。
今回は、そんな脱炭素について知りたいという方に向けて「そもそもなぜ脱炭素が必要なのか」「脱炭素社会とはどういうものか」「これからの社会がどのような動きを見せるのか」を解説します。
私たちが脱炭素社会の実現に向けてできることを見つけ、ぜひ実践してみましょう。
そもそも脱炭素社会とは?
脱炭素社会とは、温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す社会のことを言います。温室効果ガスには、水蒸気や二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなどの種類がありますが、二酸化炭素が最も温暖化への影響が大きいとされています。
この温室効果ガスの中で、二酸化炭素の排出量を「実質ゼロ」にすることを目指すのが脱炭素社会です。
排出量が実質ゼロってどういうこと?
二酸化炭素は私たち人間が呼吸することでも排出されていますし、植物や動物からももちろん排出されています。その他にも、服を作るとき、車を運転するとき、家で電気を使うときなどなど、様々な活動に伴って排出されています。
そのため、二酸化炭素の排出をゼロにすることは不可能です。
一方で、植物は呼吸をして二酸化炭素を出しますが、光合成によって二酸化炭素を吸収して酸素をだすことはみなさんご存じでしょう。
この植物による二酸化炭素の吸収に着目し
二酸化炭素の排出量-森林などが吸収する二酸化炭素の量=0
となる状態を実質ゼロとしています。
なぜ脱炭素が必要なのか?
脱炭素への動きが活発になったのは2015年に発行されたパリ協定からと言われています。パリ協定とは、2020年以降の気候変動問題に関する、国際的な枠組みです。
気候変動の主な原因は地球温暖化だと言われています。
もちろん2015年以前から地球温暖化については議論されていましたが、対策は進まず悪化の一途をたどっていました。
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
上図からも分かるとおり、年々、大気中の二酸化炭素濃度が増加し、1955年と2015年を比較すると80ppm程度増加していることがわかりますね。
最新のIPCC(国連下部組織の気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書によると、このまま地球温暖化が進むと、今世紀末には地球の平均気温が最大で約4.8℃上すると予想しています。
そこで、パリ協定では温室効果ガスの主要排出国を含め、世界の55カ国以上が参加することが決まり、世界全体で問題に取り組むことになったのです。
このように温暖化は世界全体の問題となっていますが、このまま脱酸素に取り組まず、地球温暖化が進むと具体的にどのような影響が出るのでしょうか?
気候への影響
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
現在の日本で、最も温暖化の影響を感じる点が気候ではないでしょうか。
上図からも分かる通り、平均気温は年々上昇しており、1910~2020年の猛暑日(35℃以上)の日数は右肩あがりで増加していることがわかります。
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
また、ここ数年は、大雨の回数が増え、夏場になると毎週のように日本のどこかで大雨警報が発令されていますし、日本以外でも、中国やベルギー、ドイツでも洪水が発生し多くの人が犠牲になりました。
このまま温暖化が進めば、地球上ほぼすべての地域で大雨が発生する頻度が増え、水害が世界各国で頻発することになるでしょう。
生物への影響
出典:環境省
環境省のデータによると、仮に気温が3~4oC上昇すると植物の生育環境は大きく変わり、その気温変動のスピードに対して植物の移動可能速度が追いつけず、生育できなくなる可能性があります。
それに伴い、野生動物や昆虫にも大きく影響が及ぶでしょう。
海洋生物にも、もちろん同じことが言えます。
すでに、温暖化による水温上昇で生息域が変わった生き物もいます。
テレビや新聞で、暖かい地域の魚が東京湾で捕獲されたというニュースを目にした方もいるでしょう。
地球上には様々な生物が生息していますが、それぞれの生き物が関係しあって生きています。
一旦生態系のバランスが崩れてしまうと、取り返しがつかなくなることは言うまでもありません。
水への影響
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
気候変動の他に、温暖化で影響が出ると言われているのが、氷河溶解による海面上昇です。
海面が上昇すれば、海抜が低い地域は水没してしまいますし、地下水も真水と海水のバランスを崩すと言われています。
IPCCが発表している最悪のシナリオでは、2100年に最大で82cm海面が上昇するとしています。
日本では、40cm海面が上昇すると、沖に出ている120m分の干潟が消滅するそうです。
生き物影響もさることながら、地震が多い日本では津波の被害も大きくなるでしょう。
人体への影響
出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
近年では、夏場に35℃を超える真夏日になることが珍しくありません。
それに伴い、熱中症で亡くなる人の数も増えています。
1995~2005年では、熱中症による死亡者数は400人以下がほとんどでしたが、2010年以降、1000人を超える年も珍しくなくなってきました。
熱中症だけではなく、蚊が媒介する感染症や食中毒のリスクも増えています。
このように、温暖化が進むにつれ、様々な弊害が引き起こされることが示唆されています。
私たち人間、いえ、地球に住む生き物すべてのために脱炭素社会を実現し、温暖化を食い止める必要があるのです。
海外の脱炭素対策と日本の脱炭素対策
パリ協定の発効後、各国で脱炭素に向けた取り組みが行われています。欧州連合(EU)
EUは脱炭素社会の実現に向けて、世界をけん引する立場です。具体的には、20年以内にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止したり、航空燃料への課税が計画されています。
また、EUでは気候変動対策を経済的な側面からみており、脱炭素を実現することで、雇用の拡充や経済成長が見込めると考えています。
そのため、脱炭素を実現するために、投資を行い環境問題を考慮した技術を伸ばす方針です。
アメリカ
トラランプ前大統領はパリ協定から脱退していましたが、バイデン現大統領は2021年にパリ協定に正式復帰のための文章に署名しました。これにより、アメリカも2050年までの脱炭素化の実現に向けて動き出しています。
バイデン大統領の選挙の際、4 年間で 2 兆ドルもの投資を脱炭素のために行うと公約を掲げていました。
EUと同様、雇用の創出や、環境関連の産業を成長させるためです。
また、EU、アメリカともに、自分たちの国や地域で部品の調達や産業を保護する姿勢を見せています。
日本
2020年、管総理大臣は「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しています。経済産業省は、洋上風力発電の開発を進めるなど、国全体として再生可能エネルギーの導入を進める方針です。
脱炭素に向けて社会全体で行動を起こすには、どうしてもマンパワーが必要となります。
しかし、日本は海外に比べて労働市場の柔軟性が足りません。
必要な市場に必要な人材を送り込めるような、教育や職業訓練の充実化が必要とされています。
参考:大和総研「脱炭素化政策の国際比較に見る日本の課題」
温暖化が進むとオーガニック製品の生産が少なくなる?
温暖化が進むと、植物自体への影響だけでなく、病気や害虫が発生する懸念があります。
さらに、大気中の二酸化炭素濃度が増加すると、植物の害虫に対する防御機能が低下するという報告もあるそうです。
これらの問題を解決するため、きっと今よりも多くの農薬が使われることになるでしょう。
2016年(平成28年)にまとめられた農林水産省の資料では、年間で計24万㌧もの農薬が生産出荷されているという報告があります。
温暖化が進めば、病害虫の被害を食い止めるため、さらに農薬が増産され、オーガニック野菜が手に入りにくくなる可能性もあるのです。
また、農薬を製造するために化石燃料がエネルギーとして使われ、二酸化炭素を排出しています。
このまま温暖化が進めば、病気や害虫への対策として農薬の生産量が増加し、それに伴い農薬の生産量や使用量が増え、二酸化炭素の排出量も増えるという負の連鎖が発生するかもしれません。
脱炭素社会に向けて私たちができること
今や世界中が脱炭素を目指しています。言い換えれば、世界中で脱炭素に取り組まなければ行けない状況になっていると言うことです。
一昔前までは、環境問題といえば「次の世代へ負の遺産を残さない」という論調でした。
どこか他人事と思っている人もいたのではないでしょうか。
しかし、今は悠長に構えている段階ではなくなっているのです。
あらゆる活動に付随して、温室効果ガスは発生しています。
あなたが、車を使わず一駅歩いたり、使わないテレビを消したり、服を大切に着たり、ほんの小さなことでも脱炭素に貢献できるのです。
今この記事を読んで、自分でも何かしたい、しなければいけないと思った方はぜひ行動に移していただけると嬉しいです。
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