肌の奥まで浸透する「ナノ化粧品」。 有害成分が身体にまで入り込むリスクがあるって本当?安全な化粧品の選び方とは。
近年、「ナノテク」「ナノテクノロジー」という言葉をよく耳にするようになりました。
「ナノ」とは、単位を表し「10億分の1」を意味する言葉ですが、
この非常にミクロな世界で起こる科学現象を利用して、
様々な分野に応用しようとする技術がナノテクノロジーです。
私たちの身の回りでは、コンピュータの半導体や遺伝子治療に使われるDNA等が
ナノテクを用いた技術として知られていますが、
最近は「ナノ化粧品」としてスキンケアの分野でも開発が進んでいます。
よく、「小さな分子が肌の深くまで浸透」と書かれた化粧水が売られているのを
目にするかと思いますが、これがナノ化粧品の謳い文句です。
理にかなっているように感じるかもしれませんが、実はこれには大きな落とし穴があります。
小さい粒子であるがゆえに有害な成分が身体に入り込んでしまうというリスクもあり、
発がん性も疑われているほど危険視されている実情があるのです。
ナノ化粧品と普通の化粧品の違い
粒子のサイズが圧倒的に小さい
デパートや百貨店に行くと、様々なブランドの化粧品がフロアに並んでいるのを目にします。化粧品は日進月歩で進化し、より機能や使用感を向上させるために開発が進められています。
化粧品業界において一つの転機となったのが1990年。
微粒子と呼ばれる小さな粒子の成分を配合することに成功し、
それらの商品は「肌に馴染む」「白浮きしない」という評判の声が広がり、
多くの女性に支持されるようになりました。
それから約15年後。
開発はさらに進み、メーカーはもっと小さな粒子を使って化粧品を作り出しました。
これが「ナノ化粧品」です。
数十~100ナノメートルのサイズの成分が配合されているのですが、
普段使うことのない単位なのでその小ささを想像することは難しいかもしれません。
ちなみに、1ナノメートルが10億分の1メートルですから、
100ナノメートルは0.0001ミリメートルとなります。
人間の頭髪の直径が0.05~0.15ミリメートルということを考えても、
相当なミクロの世界であることは違いありません。
現在では様々なナノ化粧品が生産されており、化粧水や美容液はもちろん、
日焼け止めやファンデーション、育毛剤なども販売されています。
ナノ化粧品の効果
化粧水や美容液などのスキンケア商品では、以下のような成分がナノ化されています。・ヒアルロン酸
・セラミド
・コラーゲン
・ビタミンC
・コエンザイムQ10
・コンドロイチン
・アスタキサンチン
・AMA
・リコピン
一度は耳にしたことのある成分が多いかと思いますが、
これらの成分をナノ化することで粒子が小さい分肌への馴染みが良くなるという効果があります。
基本的に、皮膚は外部からの異物の侵入を防ぐために、
250ナノメートル以上の成分は通過することができません。
従来の化粧品の粒子はそれよりも大きいため、
肌の奥まで浸透しにくく本来の効果を発揮できないということが課題でした。
しかし、ナノサイズの成分は肌の細胞を簡単に通り抜けることができるため、
肌の奥まで届くことが可能になったのです。
また、日焼け止めクリームに配合されている酸化チタンや、
ファンデーションの顔料として使用されるシリカをナノ化した製品もあります。
酸化チタンをナノ化することで、より少量で広い範囲をカバーできる、紫外線防止効果が高まる、
白浮きしない、というメリットがありますし、
ファンデーションのシリカは皮脂を吸着する力が高まる、
肌にしっかりフィットして綺麗に見えるという効果が期待できます。
すべての成分に共通しているのは、
「肌を通過できるサイズまで粒子を小さくすることで、
美容成分が肌の奥まで行き渡る」ということです。
ナノ化粧品に潜む危険性
有害成分が肌を通して脳に移行する
ところが、ナノ化粧品には粒子が小さいがゆえのデメリットも存在します。ナノ化粧品に限らず、市販の化粧品には化学的に作られた様々な成分が含まれていますが、
粒子が肌を通過できるサイズまで小さくなることで、
それらの成分が容易に皮膚から侵入することになります。
実際に、近年、動物実験においてナノ製品の安全性が疑われる結果が相次いで報告されています。
例えば、ナノ化した二酸化チタンやシリカを妊娠しているマウスに注入したところ、
粒子が胎盤や胎児の脳に移行することがわかりました。
また、胎児の体重は平均よりも1割ほど小さく、
流産の頻度も増えたという結果が報告されています。
参考:「Doctor’s Organic」
もちろん、ナノ化粧品の場合は皮膚からゆっくりと少量ずつ浸透していくので、
この実験結果がそのまま当てはまるわけではありません。
しかし、まだ新しいテクノロジーであるため、
安全性を裏付けるデータには乏しいというのが現状です。
仮に健康被害が現れたとしても、それが顕在化するのは何年も先であるため、
本来であれば数十年後の追跡調査が必要ですが、そのような大規模な研究もまだなされていないのです。
発がん物質も皮膚に侵入する
さらに、多くの化粧品に含まれる酸化エチレン、ジオキサン、ニトロソアミン、ホルムアルデヒド、アクリルアミドなどの成分は発がん物質です。
ただ、そうは言っても、
ほとんどの方は「少しずつ使うものだから影響はないだろう」と考えるかもしれません。
有害成分が皮膚から侵入することを「経皮毒」といいますが、
この問題の一番難しいところはまさにここで、
経皮毒の影響が現れるのは数十年先の話であるため「危機感を持ちにくい」ということにあります。
理屈ではわかっていても、
すぐにそのような健康被害が生じるわけではないので、デメリットを意識することが難しいのです。
また、これまでは安全性が確認されている物質であっても、
その粒子がナノ化されることによって、体内で思わぬ弊害を及ぼす可能性もあります。
先ほども述べたように、ナノ技術はまだ新しいテクノロジーであるため、
長期的な影響について保障するデータがありません。
私たちは、その効果やメリットだけに注目するのではなく、
背景にある事情やリスクについても十分に知る必要があるのです。
安全な化粧品の選び方
女性にとって化粧をすることはファッションの一部であり、化粧をすることで気分が晴れやかになったり、外出が楽しくなったりするものです。
だからこそ、日々の化粧品選びには慎重にならなくてはなりません。
目先にある使い心地、使いやすさだけを追い求めるのではなく、
有害な成分が極力含まれていないものを選び、
長期的な安全性や品質は確保されているのかを考えることが必要です。
以下に、安全な化粧品を選ぶポイントを記載します。
・ナノ化粧品は控える
・化学成分が極力含まれていないものを選ぶ
・高価な化粧品メーカーが良いとは限らない
・「自然派」という言葉に騙されない
最近は「自然派」「自然由来の成分配合」「オーガニック」などと書かれた化粧品が
多く出回っていますが、これを鵜呑みにしてはいけません。
パッケージの裏側を見てみると、成分の一部だけが自然由来であるだけで、
その他に有害な化学成分がたっぷりと含まれているケースが多くみられます。
・合成界面活性剤:ラウリル硫酸Na、PEG-〇〇、イソステアリン酸Na、ステアリン酸グリセリル
・合成防腐剤:パラベン、フェノキシエタノール、安息香酸Na、ソルビン酸、BG
・鉱物油:ミネラルオイル、パラフィン、ベンジルアルコール、ラウリン酸
・合成ポリマー:ポリクオタニウム-6、ポリ酢酸ビニル、ジメチコン、ヒアルロン酸Na、ポリアクリルアミド
・合成色素:青色〇号、赤色〇号、黄色〇号
これらの成分は人工的な化学成分の代表格であり、
肌に蓄積すると活性酸素を発生し、シミや肌荒れの原因になります。
購入する際は成分表示を見る習慣をつけ、
極力有害な成分が含まれていないものを選ぶようにしましょう。
自分の身を守ることができるのは自分だけです。
毎日使うものだからこそ、何を基準に選ぶのかを十分に考えなくてはならないのです。
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