発がん性も懸念される殺菌グッズやニキビケア製品で肌の常在菌を殺していませんか?指示指定成分に選ばれながら化粧品では表示義務のない要注意成分3種類とは。
子育ては病気との闘いがよく訪れます。
冬は特にその闘いが激しくなります。
カナダへ来て最初の冬に気づいたことは、
日本にいた時ほど子供たちの学校や大人の職場でも
インフルエンザなどが蔓延しない事です。
電車通勤が少ない事や、
家で仕事をする人も多いので原因がこれだけとは言えませんが、
ふと、
「これってばい菌慣れしてるからかも・・?」
と気になりました。
実際、靴のまま家に上がる人も多く、
季節ごとに芝生、落ち葉、雪、
と自然に触れる時間も日本に住んでいた頃より多いと思います。
学校でも机に座るだけでなく床に座ったり、寝そべったり。
それに日本ほど除菌や抗菌と名前のついたグッズもあふれていません。
そんな時にアーミッシュの記事を見かけました。
アーミッシュは昔ながらの生活をしており、
予防接種もせず、家畜や農作業など、
土や動物に触れる機会はとても多く、
また距離もとても近い暮らしをしています。
それは赤ちゃんの頃から変わりません。
そんな彼らの方が免疫疾患やアレルギー、喘息などは少ないのです。
彼らと私たちの違いは一体なんでしょうか?
あなたの家や周り、綺麗すぎではありませんか?
あなたのお家には除菌グッズはいくつありますか?
また、知らず知らずのうちに除菌し過ぎていませんか?
チェックしてみましょう。
・こまめに手や顔などごしごし石鹸やボディソープで洗う(薬用せっけんや除菌ソープ)
・除菌シートやジェルなどをよく使う
・家の掃除など多くに除菌グッズを使用している
私たちの体には無数の常在菌が存在し、病気の侵入を防いだり、
免疫のバランスを保つ役目をして健康を保っています。
これを除菌のやりすぎで取り除き過ぎることで
逆に病原菌が入りやすく免疫力を弱めているのです。
肌のバリア機能なども常在菌のバランスにより保たれています。
薬用せっけんや除菌グッズなどで常在菌を除菌で殺菌し過ぎると、
こんな弊害が出てきます。
・皮膚のバリア機能が失われ、
自分の汗やほこり、紫外線も少しの刺激で湿疹や炎症のもとに
・荒れた角質層に悪玉菌を繁殖させ不潔に
・殺菌効果の高いうがい薬なども粘膜の常在菌を殺してしまう為、
病原菌の侵入をしやすくしてしまう
・敏感肌、アレルギーのもとに
除菌グッズに配合されている危険な成分。切り替え促進されても不安は取り除けない成分だらけ?
以前は頻繁に使用されていた成分の切り替えを政府はメーカーへ促しており、
切り替えが進んでいます。
しかし、その切り替え成分も安心して使えるものなのでしょうか?
発がんリスクもあるトリクロサン
抗菌成分を持つとして様々な商品に使用されてきたトリクロサン。
トリクロサンの主な危険性は
・甲状腺ホルモン減少
・腸の炎症を引き起こす事から大腸がんへのリスク
・エストロゲン分泌異常からくる乳がんへのリスク
・環境汚染
などがあります。
細菌増殖を防ぐ効果が高いとされ、1990年代から薬用ソープ、
歯磨き粉など多種多様なものに配合されてきました。
しかし、2016年にFDAが
「トリクロサンを入れても殺菌効果は変わらず、科学的根拠がない」
とし、対象商品の規制を行いました。
歯磨き粉には歯肉炎などに効果があるとして、
この規制の対象外となり使用され続けていましたが、2017年に
トリクロサンは歯ブラシに蓄積する可能性がある
という研究結果が報告されました。
これは歯磨き粉だけを変えても、
使っていた歯ブラシにトリクロサンの残存があるため、
ずっとその危険性にさらされることになります。
2週間はその残存が続くと言われ、
これは子供用歯磨き粉にも言える事です。
継続使用する大人だけではなく、
成長期にある子供たちもこの内分泌かく乱物質の影響を受ける事になります。
トリクロサンは多用することにより抗生物質に対する耐性を持つ危険性もぬぐえず、
メリットよりもデメリットや懸念の方が多い事が分かったこと、
これらとFDAの規制を受け、日本の厚労省もメーカーへ成分切り替えを促しています。
参考 https://consumer.healthday.com/environmental-health-information-12/chemical-health-news-730/controversial-chemical-can-linger-on-your-toothbrush-727835.html
高い殺菌力を持つイソプロピルメチルフェノール(シメン-5-オール)が代替品に
イソプロピルメチルフェノールは防かび剤、防腐剤、殺菌剤として化粧品や医薬品などに配合されています。
旧指示指定成分(約160種類ほど)となっています。
指示指定成分とは石油合成成分(有害化学物質)で皮膚障害を起こす可能性のある成分中、
過去にアレルギーや接触刺激、皮膚毒素、発ガン性等の症例から
報告されたものを中心に2001年3月までに表示が義務付けられたものです。
つまり国が危険だと認めている物なのです。
以前は危険物のみが成分として表示義務がありましたが、
今は全成分表示のため危険な成分の見分けがつかなくなっています。
イソプロピルメチルフェノールの成分名も
シメン-5-オールと表記されることもあります。
「粘膜以外への化粧品使用で洗い流す物」に対しては配合上限はなく、
顔や体へ使う商品の配合はメーカーによりバラバラです。
粘膜への使用の場合は0.1g/100gを上限としています。
とても殺菌力が高いので、
皮膚上のニキビ菌などのみならず常在菌も殺してしまいます。
すると肌バリアが崩れ、乾燥肌やアレルギー、湿疹などに繋がります。
肌の弱い方やアレルギー体質の方は注意してほしい成分です。
とても高い殺菌成分を持つ事から、ニキビケアのみならず、
制汗剤やデリケートゾーン対策に使用され、
また紫外線吸収剤として日焼け止めにも配合されています。
このシメン-5-オールは経皮吸収による皮膚疾患の基となり、
発がん性や環境ホルモンなども疑われています。
皮膚感作性の強い塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物)にも要注意
これもイソプロピルメチルフェノール同様、毒性や皮膚刺激性の懸念から「粘膜以外への化粧品使用で洗い流す物」に対しては配合上限はなく、
顔や体へ使う商品の配合はメーカーによりバラバラです。
粘膜への使用の場合は0.050g/100gを上限としています。
手術の際に使われる消毒液などはこの塩化ベンザルコニウム溶剤が使用され、
その配合比率を変えメイクアップリムーバーやシートマスク、
リップ、マスカラなどにも使用されています。
長期使用では皮膚感作性が強く出る為、
アレルギー性接触皮膚炎の原因となりうると言われています。
皮膚疾患やアレルギー体質の方は要注意であることはもちろん、
医療関係などで頻繁に消毒を行う方も
皮膚疾患の発症リスクは一般の方より多くなるという研究データもあります。
FDAでは安全性と有効性のプロファイルを分類するためのデータが不十分とするカテゴリーに分類され、
それは過去20年以上変わっていません。
塩化ベンザルコニウムのようなアルミニウム化合物を使った実験では
マウスの生殖機能への影響も見られ、
あまりに多種多用、しかも長期的に使用されることを考えると
その影響は計り知れないものになります。
殺菌よりも免疫力を付けることで病原菌を防ぐ!鍵は免疫細胞
増え続ける殺菌製品。しかし、その殺菌製品のおかげで実は疾患にかかりやすくなっている可能性もあります。
これだけの商品があふれながらも、疾病予防には普通の石鹸または水で手洗いが有効とされます。
それは常在菌の力でどうにかなるものが多いからです。
なぜアーミッシュには喘息やアレルギーが少ないのか
私たちの身体には腸内で1000、皮膚で200、口腔内で700種類もの菌がいます。その中には常在菌も含まれています。
病原菌と常在菌のバランスをうまくとる事で免疫細胞が働き、
病気にかかるのを防いでくれています。
冒頭でお話したアーミッシュ。
なぜ喘息やアレルギーが少ないのでしょうか?
彼らの住環境は動物や自然ととても近いものです。
それは生まれた時から変わらず、
すぐそばにいる動物を触り、その手を舐める。
そばにある土で遊び、泥まみれになる。
子供たちにとっては、これらが強い免疫力を作る基になると言います。
家の中も土のついた靴のまま入り、
土の中に存在する細菌に触れる事も多くなります。
もちろん除菌グッズにあふれているわけもなく、
必要な常在菌を殺し過ぎていないからではないでしょうか。
現代の子供たちの環境はどうでしょうか?
昔に比べ、道は整備され、砂遊びや泥んこになる公園も減り、
動物と触れる事もあまりない・・・。
なおかつハンドソープ、シャンプー、洗濯、保湿など除菌グッズが溢れかえり、
しかも家の中は除菌剤で拭かれたものばかり。
これでは耐性がつくものもつかなくなります。
免疫細胞を活性化させ、正常に機能させるLPS
LPSはグラム陰性細菌で、土や空気中にいる菌の膜に存在する物質のことです。日本語では糖脂質やリポ多糖と呼ばれ、英語でリポポリサッカライド(LPS)と呼ばれます。
人間の体内の免疫細胞を活性化し、
病気から身体を守る力=免疫力を高めることから
“免疫ビタミン”とも呼ばれています。
2002年、ドイツ・ミュンヘン大学での研究で
【アレルギー体質になるかならないかは、幼いときのLPS摂取量による】
という研究論文が発表されました。
体内の免疫機能が発達する幼児期から
LPSに触れる(自然の多い場所で過ごす、家畜や植物が多い所)ことで
アレルギー体質になりにくい免疫バランスを持つ体になるというのです。
さらにLPSの摂取不足は、アレルギー発症への関連があることもわかってきています。
厚生労働省の調べによると、
現在日本人の3人に1人が何らかのアレルギー疾患にかかっているというデータがあります。
また、LPS摂取量が減ると免疫力が下がり、
その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、
がんなどさまざまな病気を発症しやすくなってしまうことも最近の研究でわかってきています。
泥んこ遊びもせず、都会の除菌された中で育つと体のバリア機能が崩れ、
免疫力が弱まり、アレルギーなどの疾患へと繋がる。
これが先に述べたアーミッシュと現代の都会生活を送る私たちとの大きな違いではないでしょうか。
参考 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12239255
常在菌をバランスよく存在させ免疫力をつける
やりすぎ殺菌、やりすぎ除菌は健康でいるための菌のバランスを崩してしまいます。
これらを防ぐ方法はとても簡単です。
・自然と触れ合う
それは土いじりでもペット等の動物と触れ合うのもいいでしょう。
汚くなるから、病気になるから、と避けてはいませんか?
子供のみならず、いくつになっても自然に触れ合う事で心のみならず体も強くなり、
不要な薬や医者へかかることも減るでしょう。
・LPSを食べ物からも摂取
LPSは玄米に豊富に含まれます。また、粉末メカブや乾燥わかめ、
粉末のアシタバなどにも多く含まれます。
腸内環境を整える意味でも発酵食品はおすすめです。
柿渋にもLPSが多く含まれています。
・薬用、殺菌をやめて普通の石鹸での手洗い
ぬるま湯で石鹸を使い洗いましょう。15-20秒で十分です。
子供がそんなに長く洗ってくれない方には童謡のカタツムリを歌いながら洗うのはどうでしょう?
約15秒ほどがあっという間ですよ。
・常在菌を殺さない抗菌ジェル
どうしても介護などで手を消毒したい場合には手作りの抗菌ジェルをおすすめします。
アロエジェル(25cc)に抗菌効果のあるエッセンシャルオイルであるティートゥリー、
ユーカリを5滴ずつ混ぜるだけです。
パッチテストを行ってから使ってくださいね。
生きてる間、一度も病気にかからないなんて事はほぼ不可能です。
だからといって何でも殺菌してしまうのではなく、体の力を信じ、
大きな影響が出ない程度に抑えられる免疫力を付ける方法に替えてみませんか?
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Marketこの記事を読んだあなたにおすすめの商品
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