ホルモン剤や薬に頼らない、
「更年期障害」の予防・改善法とは？｜
あなたのココロとカラダの声を聞き漏らさないで

「更年期」のキーワードがそろそろ気になってきたアラフォー・ライターです。

先輩ママさんでも、更年期の症状に悩まされている方もいますし、

私の実の母も、若年性のアルツハイマー型認知症と診断される前までは、
「更年期障害ですね」と言われていました。

まだ高校生だった私はそんな母を見て、
（母は実際には「アルツハイマー型認知症」だったのですが）
「更年期障害って、こんな忘れっぽかったり、鬱っぽかったりする症状なんだな〜」
と、思っていたことを覚えています。

その後、健康について色々と勉強をする中で
更年期障害には実に色々な症状が現れることを知りました。
症状が重い人となると、日常生活にも支障がでるほどのものである
ことを知りました。

私自身、早ければ更年期障害の症状がいつ出てもおかしくない年齢ですが、
同時に、まだ、どこか他人事の自分もいます。

とはいえ、常日頃から「予防（医学）」を謳って活動している身ですので、
更年期障害についても、しっかりと予防の対策をしていきたいとは考えているところです。

私の中では、
更年期障害の治療と言えばホルモン療法か漢方、というイメージがありますが、

今回の記事では、実際にどのような治療が行われているのか、
更年期障害はなぜ起こるのかの仕組み、
また私の専門分野である“ココロとカラダの繋がり”という観点から、
更年期障害について見ていきたいと思います。

そもそも、更年期や更年期障害とは何か？

相手を知らないことには対策ができませんので、
「更年期障害」の概要からお話していきます。

更年期の期間はとは閉経前後5年の約10年くらいと定義されています。
日本人の平均閉経年齢は50歳なので更年期は45歳~50歳です。
もちろん、個人差はあります。

更年期に現れる様々な症状の中で他の病気を伴わない物を「更年期症状」といい、
その中で症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と呼びます。

更年期障害の原因は女性ホルモンだけではない！

更年期障害の主な原因は女性ホルモン（エストロゲン）が大きく揺らぎながら低下していくことですが、
さらにその上に、加齢などの身体的因子や成育歴や性格などの心理的因子、
職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与して発症すると考えられています。
（公益社団法人　日本産婦人科学会　HPより抜粋）

更年期障害にはどのような症状があるのか

更年期障害には、以下のような症状が知られています。

①血管拡張と放熱に関係する症状（のぼせ・ほてり／ホットフラッシュ（※）、発汗）
②その他の様々な症状（頭痛、身体の痛み、めまい、疲れやすい）
③精神症状（気分の落ち込み、不眠、イライラ、情緒不安）

※のぼせ・ほてり／ホットフラッシュ：急に顔が熱くなったり、汗が止まらなかったりする症状が特徴

更年期障害はどのような治療を行うのか

次の３つが代表的なものです。

①ホルモン補充療法／HRT（※1）
②漢方薬
③向精神薬（※2）

※1 ホルモン補充療法／HRT：必要最低限のエストロゲンを、
副作用抑制のための黄体ホルモン（プロゲステロン）を併用して補充する治療法
※2 向精神薬：抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤（睡眠薬）など精神科で使う薬の総称

また、先ほど述べたように、
更年期障害は、先に述べたような女性ホルモンの減少だけでなく、
ストレスを感じやすい状況にあるかどうかという社会的要因や心理的要因、
加齢による身体的などが絡み合って発症します。

まずは、これら（女性ホルモンの減少以外の要因）ついての
ヒアリングをしっかりと行って改善していき、
それも症状が緩和されなかった場合には、薬物療法が施されます。

更年期障害の治療法で、名医かどうかがわかる！？

ですから、更年期障害を発症してもし病院へ行った時に、
問診もされずにすぐに薬を出されるような場合は、
他の病院を受診された方が良いかもしれないと私は考えます。

一方で、
「病院に行ったのに、何も治療をしてくれなかった。
食事や睡眠を整えるように言われただけだった、
そんなこと素人でもわかる」と思うのは早とちりです。
そのドクターは名医である可能性大なのです。

そして、これは更年期障害に限らず、他の病気に対しても同じことが
言えるでしょう。


薬を出してくれて症状を取ってくれるのが名医。
と、世間一般の多くの方は考えがちですが、

本当の名医とは、
薬が必要な場合とそうではない症状をしっかり見極め、
そして、薬の止め時もしっかり伝えてくれるドクターのことを言うのだと思います。

東洋医学から見た、更年期障害

更年期障害のセルフケアの具体的な方法についてお伝えする前に、
今度は、西洋医学ではなく東洋医学の観点から更年期障について読み解いてみましょう。

東洋医学的には、更年期障害は腎・肝が弱っているために起きると考えられます。

「腎」は成長、発育、生殖に関する働きにとって重要な生命力の源です。
「腎」が衰えることで、冷えやむくみ、頻尿、のぼせ、下半身の筋力が出てきます。

「肝」は解毒機能を持ち、血液の浄化もおこなっています。
「肝」が弱ることで血液の循環も悪くなり、身体の凝り、爪のトラブル、
自律神経の乱れ、眼精疲労、五十肩、脳梗塞など血管の問題などが起こります。

そして「肝」が疲れやすい人は元をたどると「肺」が疲れています。
「肺」は咳などの気管支だけでなく、皮膚のトラブルも起こりやすくなります。

更年期障害と関係が深い
「腎」「肝」「肺」のケアに摂りたい食材

食生活は暮らしの基本となるものですが、
それを通じて「腎」「肝」「肺」を養生することで、
更年期障害の改善を目指しましょう。

具体的には、次のような食材がおすすめです。

「腎」のケアにおすすめの食材

根菜類・黒い食品（黒豆・黒ゴマ・そば・海藻・きくらげ）・豆類
＊乳製品は控えましょう。

「肝」のケアにおすすめの食材

緑黄色野菜・山菜・味噌・梅干し・梅酢・ハト麦
＊油もの、動物性食品、砂糖、激辛の食べ物は控えましょう。

「肺」のケアにおすすめの食材

玄米・発酵食品・大根・皮付きの食べ物（ゴボウや人参など皮付きで）
＊精白した食品、激辛た苦みの強い物は控えましょう。

（参考文献：「マワリテメクル小宇宙～暮らしに活かす陰陽五行」　岡部賢二　ムスビの会）
 

更年期障害の予防は早めに、適切に！
予兆となる心身からの声を聞き漏らさないで

“病気はお知らせ”

聞いたことはありますか？

「生活習慣が悪いよ」
「食べ物が悪いよ」
「働きすぎだよ」
「頑張りすぎだよ」
「考え方が間違ってるよ」

こんなふうに、自然の摂理や、本来の自分自身から外れると、
「元の道に戻りましょう！！」と、身体は教えてくれるのです。

その声は最初はささやき声かもしれません。

それが身体にはちょっとした不調として現れます。

・なんとなく怠い。
・疲れがとれない。
・便秘薬を飲むまででもないが便秘がある。
・爪が割れやすい。
・抜け毛が気になる。

ささやき声を無視していると、
その声はどんどん大きくなっていきます。

・起きられないくらいの頭痛
・ひどい便秘
・胃潰瘍
・乳がん
・糖尿病

警告の声が大きくなるにつれ、身体に現れる症状も大きくなるのです。

今この記事を読んでいるあなたに、不調はありますか？

もしかしたら、ひどい更年期障害で何か改善策はないかと、
色々と探し回り、この記事にたどり着いていただいたかもしれません。

もし、今、症状が酷いのであれば、
更年期障害が現れる前に何か不調はありませんでしたか？

生理痛、PMS、子宮内膜症、多膿疱卵巣など婦人科系のトラブル、

もしくは、出産の際に難産、帝王切開、陣痛誘発剤の使用などはありませんでしたか？

子育てが大変だった、夫との関係が大変、人生への後悔・・・

そのままになっている過去のネガティブな感情はありませんか？

帝王切開や陣痛誘発剤がココロの傷になっている場合も多くあります。

生理痛やPMS、子宮内膜症なども、その症状が出る原因になった心の構造が
あるのです。

あなたの今の感情はどのような感情でしょうか。

心に蓋をして気が付かないふりをしていませんか？

更年期障害があなたに向かって
発しているメッセージとは？

実は、更年期障害が重ければ重いほど、あなたの体はあなたに対して
「老いに向かうこの移行期を恐れずに受け入れてください」
と、言っているのです。

忘れないでいただきたいことは、
老いることは無力になる訳でも、あなたが魅力を失うわけでもないということ。

そして、仮に「母親」という仕事をこれまで懸命に果たしてきた女性にとっては、
閉経という形で子供を産む機会を奪わることによって
女性的機能を失うことをなかなか素直には受け入れないものなのです。

また、自分の人生を「母親の人生」として意味づけてきた女性にとって、
母親から一人の女性に戻ることに恐怖た不安に感じたり、
「今までの自分の人生はなんだったのだろう」と怒りを覚えたりすることは、
当然のことだといえるでしょう。
（引用文献：「自分を愛して！」リズブルボー著　ハート出版）

東洋医学的に見ても、
更年期障害に関わる「腎」は恐れ、「肺」は悲しみ、
「肝」は怒りを表します。

出産や子育てに追われ、自分以外の人達のために生きてきたあなた。
これから、自分自身のために生きられるようになるのです。
今までは自分のニーズを無視し、家族のために必死で走り続けてきたことでしょう。

「母親」という肩書がなくなっても、あなたはあなたです。

本来、生き物は次の世代へ命のバトンタッチをすることで
自分の役割を果たしている面があります。

でも、人間はなぜ生殖機能がなくなってもなお、その後30年以上も生き続けるのでしょうか。

きっと、更年期の後も、命のバトンタッチの他に役割があるからではないでしょうか？

自分らしい人生とはどんな人生でしょうか？
ゆっくり考えてみる時間を持ってみると良いと思います。

更年期障害の予防・改善のために。
まずは、出来ることを出来るところから

最後に、「更年期障害」の予防、そして改善のための、
「食習慣（生活習慣）」の見直し、ストレスケア、その他のポイントを
お伝えしましょう。

①食習慣・生活習慣を見直す上でのポイント

食習慣や生活習慣の整え方については、たくさんの情報があります。
無理のない程度に、自分ができる食生活を実践してください。

先に述べた「腎」「肝」「肺」に良い食事を意識し、添加物など加工品を控えて
楽しく食事をしましょう。

②ストレスケアを行う上でのポイント

ストレスケアに関しては、アロマや美味しい物を食べるなどといった
枝葉のストレス解消法ではなく、
「ストレスの本当の原因」を見つけて対策することが大切です。

とはいえ、会社の人間関係がストレスだからといって、
会社をすぐに辞めることは難しいでしょうし、
甘い物で気分を落ち着かせても病気になってしまいます。

人間関係の何がストレスなのか、どうしてそれをストレスと感じるのか、
その元をたどっていくと、過去の自分の経験や誰かに言われた一言で傷ついた心の傷など、
今のストレスそのものが原因ではない場合が多いので、
過去の自分の出来事を思い返し、分析してみましょう。

また、ストレスの元の苦手なあの人も、実は何かの傷を負っているのかも
しれません。そんな風に周りの人を見てみると、人間関係のストレスは激減します。

③未来の自分をワクワクしながら想像しましょう
人生百年時代。

更年期を過ぎても、人の生涯は、まだまだ長く続いていきます。
まだ、経験されていないこともたくさんあります。
「母親」という役割に無理してまでこだわることなく、
「ワタシ」を大切に、これからの人生を歩んでいきましょう。

私の周りにもいらっしゃるんです。
更年期障害が全くない＆軽い先輩ママ達が。
彼女たちはいつも目標を持ち、楽しそうです。

もちろん、食生活にも気をつけながら、
美味しい物も楽しんで召し上がっていますよ。

色々な意味で人生の節目となる更年期。
老後を快適に過ごすためにも、今から出来ることを少しずつやっていきましょう！！

私も、いつか更年期を振り返り、
「更年期は怖くないよ！！」と胸を張って若い方々に伝えられるように、
体調をしっかりと整えていきたいと思います。

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