現代人の歩く歩幅は、昔の人の半分?運動不足の裏に潜む、『フレイル』という現象とは?
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あなたは自分の体をどれだけ理解していますか?
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週2回以上、30分以上の有酸素運動をすると、
がんの罹患率が低下すると言われていますが、
果たしてきちんとできている方はどれだけいらっしゃるでしょうか?
時間がない、場所がない、お金がない、面倒くさい・・・
「やろうと思っているんだけど、なかなか・・」
そんな方が多いのではないでしょうか?
移動手段の発達や、IT技術の進化によって体を動かすことが減ってきました。
歩く歩幅に至っては、現代人は昔の人の半分と言われるほど減少しているのはご存知ですか?
昔は約60cmが平均的だった歩幅は、今は約30cmほどにまで減ってきていると言われます。
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移動が主に歩きだった時代は、今よりもはるかに距離も歩いており、歩幅も広かったと言われます。
しかし、今は履く靴にも変化が見られたり、歩きスマホをしながら歩いていたり、
姿勢の変化であったり、前に進む推進力すら落ちているのです。
移動には車や電車、自転車が当たり前。
重いものを運んだり、しゃがんで作業をする農作業も、
四つ這いになって水拭きで床を拭くような習慣も、
今ではほとんどなくなり、AIが搭載されたロボットでのお掃除習慣の方が普通になってきていますよね。
国民全体の運動量は低下しています。
それにより、問われている問題が「ロコモーティブシンドローム」です。
ロコモーティブシンドロームとは?
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ロコモーティブシンドローム=運動器症候群
2007年に日本整形外科学会が提案した概念で、
運動器(骨や筋肉、靭帯など)の障害によって移動能力の低下を来した状態です。
老化によって、骨や筋肉、軟骨、靭帯が劣化し、
変形などを伴うことで、変形性膝関節症や骨粗鬆症などを引き起こし、
立つ、歩くなど移動することが困難となって行くことです。
更に、筋肉量が減って萎縮してしまうことを「サルコペニア」と言います。
そして、筋肉量が減り、移動することすら困難となり、
自分が望むところに行けず、家に引きこもりがちとなったり、
心にまで響いてしまい、「虚弱」となることを「フレイル」と言います。
これは高齢者の「老化」として位置づけられているものですが、
私はこの問題は若い層にも当てはまり、重要視しなければならない問題だと考えています。
子供でも運動不足、体力の低下が問われており、
働く世代でも、運動不足、体力の低下、病気のリスクが問われている時代です。
今後増える高齢者層の大きな問題でもありますが、
本当にこのままで良いのでしょうか?
引用:日本臨床整形外科学会
繋がる『心』と『身体』と『社会性』
避けられない2025年問題
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あと7年後、問題とされている事実を知っていますか?
2025年を迎える頃、「団塊の世代」と言われる方たちが、
一気に75歳を迎えます。
日本は長寿国となり、長生きできる素晴らしい国ではありますが、
その結果、2025年には高齢人口が3500万人に増え、後期高齢者も含めると、
人口の20%以上が高齢者となります。
年々増加する医療費や、介護保険料にも大きな影響がでると危惧されるほどです。
私は元々理学療法士であり、医療現場も介護現場も目の当たりにしてきました。
病気や事故はいつどこで、どのように起きるかわかりませんし、
その病気が悪化する可能性もあれば、症状の進行が穏やかになり、
リハビリにより社会生活に復帰するケースも多くあります。
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しかし、何より思うのが
『病気になる前にできることはなかったのだろうか』
ということです。
突然の発症、突然の事故、避けられない緊急事態ではありますが、
その生活の背景はどうだったのでしょうか。
国は年々増える「生活習慣病」に対して、かなり前から「予防」を呼びかけています。
それがあってこそ、「ロコモーティブシンドローム」という名前がつきました。
さらには身体だけの問題ではなく、心と社会性が障害になると生きて行くのにも問題になりかねないため、
2014年に日本老年医学会が国民の予防意識を高めるために「フレイル(虚弱)」という言葉を提唱しました。
老年症候群ともいわれ、身体の生理機能やホメオスタシス、ストレス対応能の低下も含んでいます。
高齢者の筋力の低下や筋萎縮は、食が細くなることからも影響し、
栄養の吸収が悪くなることが一つの要因としてあげられます。
さらに、運動ができないこと、社会との関わりが少なくなることで孤独感や閉塞感があり、
精神的にも気持ちが落ちてしまうことなどさまざまな背景が複雑に絡み合います。
運動不足、体力の低下は更に代謝性の変化を及ぼしたり、
免疫力が落ちてしまい、炎症が起きやすくなったり、
ホルモンの変化もいちじるしかったりと、老化が進めばすすむほど、
様々なリスクが上がります。
病院で診ていた高齢の患者様は、ほとんどの方が複数の診断名を持っています。
・骨粗鬆症
・糖尿病
・高血圧
・高脂血症
その他にも心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、がんなど・・・
多くの疾患を抱えるようになります。
これに加えて、関節の変形もあると、肩や腰が痛い、膝が痛いという方が多くいらっしゃるのです。
寝たきりの介護状態となれば、歯磨きやうがいもできない、
トイレにもいけないほど、動けなくなってしまいます。
医療・介護業界で働く現場スタッフも、今不足していると言われる時代。
高齢者の方が増える現実に立ち向かわなければいけず、避けられない問題なのです。
現場の打開策
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今すぐ私が、何か大きな問題を解決することはできませんし、
具体的にすぐにこの大きん問題を解決できる打開策があるわけではありません。
ですが、私はこの医療介護現場を見てきたからこそ、
「予防」を呼びかけなければいけないと心から感じています。
今このまま、若い世代、働く世代が「予防」の重要性に気づけず、
行動しなければ、介護を担うどころか、近い将来自分の身体すら健康を守れなくなる可能性があるのです。
「老化」は止められないものです。
「私には関係ない」ことではありません。
誰もが老いていくものなのです。
ですが、老化の速度を遅くすることはできるはずなんです。
それは「運動すること」「栄養を摂ること」「心の安定を保つこと」
これらは最低限必要なことです。
身体の中の細胞がきちんと働けるような環境にすること、
そのための「血液の質をあげる」「血液の流れを高める」「体温をあげる」こと。
これが病気を予防するために必要なことです。
血管、血液、細胞の質が問われる時代となります。
情報を得る、行動することができる方は、未来のための選択をしましょう。
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ただ単に「歩くこと」からでも良いのです。
歩く時の一歩を大きく降り出し、姿勢を正すことで筋肉に力が入ります。
エスカレーターやエレベーターに乗っているところを階段にしてみる。
5分タクシーで行くところを、自転車に変えてみる。
一駅座っているのを立ってみる。
そうやって筋肉に血液を巡らせることで、熱を産み、体温があがる体に近づきます。
そして単純なことでも、1日に必要量の水を飲み、
栄養が無い、加工されたインスタント食品やファストフードを食べるところ、
手作りのおにぎりに変えてみたり、自然に作られた季節の食べ物を食べる、
そういった食の質を上げることが何よりも重要なのです。
未来の投資を
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「ロコモーティブシンドローム」「サルコペニア」「フレイル」は一見高齢者の問題かもしれません。
しかし、若い層、子供、成人全ての年代で問題となる現象です。
飽食時代と呼ばれる今、添加物まみれの食べ物に溢れ、
無添加と安全性を謳うものが増え、悪い油の食べ物も子供が喜んで食べる時代、
これから成長期を迎え、大きくなる子供たちの影響も計り知れません。
どれも食べることを制限してしまうのはストレスとなりますが、楽しく選び、
考え、行動する時代となっているように私は思います。
平成最後となる時代、これからの日本を考え、選んで生き抜く力をつけるべきではないでしょうか?
先々の保険に大きなお金を投資するよりも、
今の健康を守る選択を。
買い物は投票、運動は貯筋なのです。
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