マクロビオティックな子育て!14歳までの食が大事と言われる理由とは?
今月で8ヶ月になる息子がいます。私がマクロビオティックに興味を持ちはじめたのは100%妻の影響なので、子育ての「食」に関わる部分は全て妻の方針に従っています。言うまでもなく、妻はとても子どもの食に気を付けていますし、’ベジタブル離乳食’というくらい野菜たっぷりの離乳食を実践しています。
6ヶ月を過ぎた頃からスタートする離乳食。しばらくは玄米の重湯(玄米クリームともいいます。)をあげていました。その後、野菜をマッシュしたものや野菜のポタージュのようなものも足していきました。野菜のみじん切りやたんぱく質、普通はここで白身魚や鶏肉を足すことが多いですが、我が家は大豆、豆腐、納豆といったものが中心です。
便秘気味のときなどはバナナとさつまいもを蒸したものをあげています。甘いものはもちろんあげていません。というかこれ以外のものを食べさせていません。今のところ、ニコニコしながら食べています。玄米は赤ちゃんにはちょっと強い気がしてちょっと休んでいます。ちなみにみそ汁が大好きです。
14歳までの食が大事と言われる理由
マクロビオティックでは、全ての現象を陰陽のエネルギーの変化と調和で捉えます。「陰性」は上昇や暖まるエネルギーのことで、「陽性」は凝縮や引き締まるエネルギーのことを指します。人が生まれたときというのは「陽性」の状態です。ですので赤ちゃんはエネルギーが極度に凝縮した状態であると言えます。成長するにつれて陰性の上昇エネルギーを伴っていきます。ある一定のところまで行くと少し安定し、今度は陽性の引き締まる方向へ向かっていきます。まさに人の一生のリズムに準えているわけですね。
上昇→活発→安定→収束→漂う
これを「5つのエネルギーの変化」と考えてみましょう。年齢を基準に分けてみます。
① 0歳くらい~:上昇(成長エネルギーが活発な時期、上に伸びるもの(葉野菜など)を多く摂る)
② 15歳くらい~:活発(臓器が安定し、消化吸収力が高まり基礎代謝もあがる)
③ 29歳くらい~:安定(基礎代謝力が低くなってくる、食べる量を少し減らすと良い?)
④ 43歳くらい~:収束(不摂生してきた人はカラダの不調が現れる時期)
⑤ 60歳くらい~:漂う(再び凝縮のエネルギーへ戻ると言われる)
60歳の還暦を目安にするならば、0歳から14歳くらいまでは上昇のエネルギーステージです。「成長」「背が伸びる」「臓器が大きくなる」と成長の過程が目に見えてわかります。
ここでは陰性のエネルギーが必要になります。この時期に塩気はあまり必要ないと言われています。なぜならば塩気は凝縮する陽性の力を持っているからです。できる限り「成長を促すエネルギー」が必要なのです。成長に必要な上昇エネルギーを妨げるものはいりません。赤ちゃんは母親のお腹の中で必要なミネラル(陽性)を吸収して育ちます。こうしてカラダの中にミネラルの蓄えができているので塩分等のミネラルは摂取する必要はないのです。
さらに言えばこの時期は内蔵の働きが十分ではないので、消化活動にカラダのエネルギーを消耗する動物性の食品ー例えば肉や魚(特に赤身)、魚卵、鶏卵などーは必要以上に摂る必要がありません。結果、カラダの成長を助けます。動物性食品は凝縮する陽性の力を持っています。特に7歳までは摂り入れなくてもカラダはスクスクと成長していくのです。カラダを大きくするために動物性食品をたくさん摂る必要などないのです。どちらかといえば、上に伸びる力を持っている葉野菜を多く食べる方が成長を助けるでしょう。
子どもが玄米を嫌がったら、カラダが陽性傾向にある
「三つ子の魂百まで」という諺があります。これは幼い頃の食習慣は大人になったときの味覚や習慣を育てるだけでなく、内蔵の働きやカラダの作りにまで大きな影響をもたらします。ですので赤ちゃん~幼少期は母親は特に大変ですが、将来の健康なカラダづくりの準備期間として少しがんばらなければいけない時期かも知れませんね。そして父親もできる限りのサポートと理解が必要です。
子どもは自分で食を選ぶことはできません。その家で出されるものが全てです。特に7歳までは気を遣ってあげる必要があります。我が家は「7歳までは手作りの食事でがんばろう。」と話しています。必要以上にストイックになりすぎると疲れてしまい、続かないのであまり無理しないぐらいが丁度いい気がしています。
玄米はどちらかというと、やや陽性よりです。食感や味の好みもありますが、もし、子どもが玄米を嫌がったら、カラダが陽性傾向にあると考えられます。例えば味の濃いもの、動物性の食べものが多いと推測できます。そんなときはお米は二分づきか三分づきの白米にして、おかずは少し塩気を減らし、青菜がいいと言われています。
マクロビオティックで大切なことはバランスをとること
これは世の中のマクロビオティックの誤解のひとつである「ストイックな食生活」というイメージとは全く違う印象を与えるでしょう。別に肉を食べるなと言っているわけではないのです。そのときのカラダの状況に合わせて変化させていくということなのです。
とてもセルフマネジメント的で興味深い食スタイルであり、マクロビオティックの真髄です。自分のカラダと対話しながら「あ、今の自分はこれが足りないからこれを摂ろう」ということをセオリーとして導いてくれるものがマクロビオティックなのです。
陰性に傾き過ぎ、また陽性に傾き過ぎるとカラダは快適ではありません。(そもそも、そういう自分の体調に敏感である人がどれくらいいるのか?という疑問はあります。例えばジャンクな食生活を続けていれば感度が極端に鈍るでしょう。)
「これを食べれば間違いない」「これはダメ」という固定概念は捨て、カラダのサインに答えながら食を考えていく、ということが大事なことだと感じます。子どもが14歳くらいになるまでにこの考え方を実践し、伝えられていければなと思っています。こういうことをいかに明るく、楽しく、シンプルにやれるかということが大事だと感じます。
福岡市早良区にある高取保育園ではマクロビオティックが取り入れられている
(写真:社会福祉法人・福栄会 高取保育園ウェブサイトより転載)
子育てはなかなか大変です。ひとりでは心細いこともあるでしょう。そんなときに友人や知人と情報交換や情報共有できることも大切ですし、今はそれが可能な世の中です。そこに「食を大事に考えている保育園」があればさらに心強いでしょう。そんな保育園がありました。食を大事に考え、マクロビオティックを取り入れているという社会福祉法人・福栄会 高取保育園です。
20年ほど前、アレルギーのお子さんを預かった時、園内で対応を徹底的に議論し、給食を玄米採食に切り替えることを決めたそうです。給食は、玄米に豆や雑穀を10%ほど混ぜたごはんを、カロリー比などで全体の6割とし、下郷農協から調達した野菜や乾物等を用いた惣菜、手作り味噌によるお味噌汁などを出しているそうです。
出汁にかつお出汁/いりこ出汁を使い、卵や乳製品は使いません。肉は週2回、牛は用いず、豚・鳥のみ。納豆に野菜などを半量混ぜたものを毎日食べるそうです。味噌汁のお味噌は合わせみそで、毎月、園内で園児たちが手作りしており、沢庵や干し柿なども手作りで、手作りすることの大切さを、園児に伝えようとしているというのです。
さらに玄米や野菜は無農薬で有機栽培のものを契約農家から取り寄せ、調味料も無添加で未精製、本醸造の安全なものだけを使うという徹底ぶり。自分たちで食べる玄米は前日に自分たちで研いでいます。また、自分たちで配膳し、食器も洗うそうです。そしてここでは、玄米和食を広く伝えるための料理教室も開いているそうです。
ウェブサイトにも説明がなされています。完全にマクロビオティックですね。
高取保育園の基本食
正しい食事の取り方
1.伝統の食べ物(身土不二)を摂る。 先祖伝承の食べ物、日本の季節、風土によくあったものを食べる。
2.季節のものを食べる 旬の物を食べるのが一番。自然は、冬は身体を暖め、夏は身体を冷やす食べ物を与えてくれる。
3.主食は玄米 国内産の穀物(米・麦・粟・ひえ・きびなど)を摂る。
4.一物全体(丸ごと食べる) 魚なら頭からしっぽまで、野菜は根も葉も丸ごと食べる。皮は捨てず、あく抜き、湯でこぼしせず料理する。
5.正しい食べ方 腹八分目で、1口60~100回噛むこと。
6.感謝の心で頂く
離乳食についても。
母親が初めて離乳食を始めようとする時、不安や迷いで一杯になる。デパートやスーパーにはあらゆるベビーフードや飲み物が氾濫している。手短に使え便利である為、安易に使ってしまいがちであるが、画一的な味になってしまう。味覚が形成される乳幼児期に食物か本来持っているその物の味を知らせていくことが離乳食開始の一つの基本と考える。
玄米に何度も火を通し、消化吸収しやすく玄米の栄養分を充分に含む玄米クリームを、準備期から一さじづつ与えていく。初期に入り、主食は玄米のお粥、旬の野菜をふんだんに取り入れて調理する。乳児の成長発達に欠かせないたんぱく質は、未熟な消火器に負担をかけないように、玄米・雑穀。大豆製品を中心とし、肉・卵・油・砂糖を使用しない離乳食作りを目指す。
一 人一人の赤ちゃんの健康状態や発育の様子に合わせてより身近にいる保護者が、保育室に隣接する調理室で調理する。おいしそうな匂いがしてくると、子ども達は調理室のドアのところに近づいてドアを叩き「マンマ、マンマ」という姿も見られ、ほほえましい。離乳開始の第一歩を大切にしていきたい。
残念ながらどの町にもこのような保育園があるわけはないので、誰もが預けることができるわけではないのですが、食と健康を大切にする親御さんが増えれば今後、増えていくかも知れません。
高取保育園では本も出版しています。離乳食や幼少期の子育てに興味がある方はぜひ。
参考文献:「子育てマクロビ教室」(中 美恵/著)
非常にわかりやすい一冊でこちらもおすすめです。
これは我が家の離乳食デビューの一枚、玄米クリームです。
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