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『GO WILD -野生の体を取り戻せ!- 』では西洋医学の権威が現代医療と”対決”している

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『GO WILD〜野生の体を取り戻せ!〜(NHK出版) 」がとてもおもしろく一気に読んでしまいました。昨年12月に発売されたものですが、既に多くのメディア(特に健康系)や書店平置きで露出しているので目にした方も多いかも知れません。

人間には元来、治癒力というものが備わっていて体は自ら病気を治せるもので、これを「恒常性維持機能ーホメオスタシスー」と呼んでいます。私たち人間は、病気の原因となるウイルスや細菌が感染したり、あるいはがん細胞が発生しても、体内環境を快適な状態に維持する機構が備わっているのです。

がんは細胞の突然変異で発生しますが、誰でも持っているものでこれを悪玉に変化させないようコントロールしているわけですよね。コントロールできなくなったときにがんになるわけです。その他心臓疾患、肥満、うつ病、がんといった病気は現代病(生活習慣病)の代表的なものですが、これらを生活習慣の改革でもって「自己修復能力」を上げることが重要であり、それこそがこの『GO WILD』という考え方の根幹であることを著者は冒頭で強く述べています。

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食事、運動、睡眠、思考、そして生き方が全てつながっており、これらが私たちの健康と幸福に関わっていくという考え方を西洋医学の権威が強調していることは大変興味深いと感じます。なぜなら西洋的思想や科学、そして現代医療と真っ向から対立するものだからです。

最先端医療が進化を遂げて行く一方で、古来の健康観や古典的医療に注目が集まっています。著者はジョン J.レイティという医学博士と環境・農業に詳しいジャーナリスト、リチャード・マニングの共著です。「野生に戻れば不調は治る」という論があらゆる事例と科学的検証ともに展開されていきます。

進化のルールに照らせば、現代人のライフスタイルは、人間としての健康や幸福につながらない。文明が進み、スマホやパソコンのOSがどんなにアップデートされようとも、あなたの体は20万年前から変わらない〈人類1.0〉のままだ。わたしたちは、野性的に暮らすように進化によって設計されている。本書は食事、運動、睡眠、思考、自然の中での暮らしを通して、読者のライフスタイルを再び野生化する指南書にして、ワイルドな生活革命のための一冊である。(本書・帯より)

目次を見る限りどれも興味深いのですが、特に「第二章/現代人を苦しめるもの 病気ではなく心身の苦痛」 「第三章/野生の食事 炭水化物と文明」 「第六章/マインドフルネス 野生の心に現れるもの」 「第七章/バイオフィリア わたしたちの最良の部分は自然の中にある」などは非常に読み応えがありました。

本書では科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネスがキーワードとして登場してきますが、この本がリリースされて以降、「マインドフルネス」という言葉を最近よく耳にするようになりました。

マインドフルネスとは「第三世代の認知行動療法」と呼ばれる立派な心理療法

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マインドフルネスとは、「今この瞬間」の自分の体験に注意を向けて、現実をあるがままに受け入れる行為を指します。特に米国で近年盛んに行われている「第三世代の認知行動療法」と呼ばれる立派な心理療法です。

米国の認知行動療法は世界の中でも発展していると言われており、例えば心理カウンセラーを配置している企業も半ば常識です。日本ではなかなか考えにくいですよね。薬物療法がほとんどデフォルト化しているこの国では東洋人であるにも関わらず自然療法や”目に見えない”瞑想の効果といったものはうさん臭いと映る風潮があるように感じます。

米国では、認知行動療法がさらに発展し、うつ病や他の心の病気の治療や予防に力を注いでいるのに対し、日本では、心の病気の治療も、薬物療法中心になっているため、心理療法を受ける患者が少ないことで結果的に高額医療になっています。原初的な認知療法さえも導入が遅れているのが現状です。そんな中、本書『GO WILD』の登場です。

米国は実にユニークで、東洋が起源である瞑想とその技術でもある「マインドフルネス」のトレーニングを導入する大企業が増えています。GoogleやデパートチェーンのTarget社、そして大手食品メーカーGeneral Mills社などの名前が上がっています。

道元の禅を実践し、公私にわたり「集中とシンプルさ」を信条としたスティーブ・ジョブズが禅の思想を重んじていたのは有名な話で、あの黒いタートルネックは僧侶の作務衣だったとの見方もあるほどです。米国では禅の思想が心身の健康、ストレス管理、仕事でのパフォーマンス向上に有効であるという見解がシリコンバレーを中心に広まっており、今やLinked In、フォード、Bridgewater Associatesその他多くのCEO、米国のビリオネア、オプラ・ウィンフリーもマインドフルネスを実践していることを明言しています。

WHO(世界保健機構)は、健康の定義を「身体的(physical)健康」、「精神的健康(mental)」、「社会的(Social)健康」としていましたが、1999年に「霊的(Spiritual)健康」を加えました。身体、心、社会に、魂ともいうべき霊性をWHOは扱ったのです。WHOが認めた「霊性」とは健康においてもっとも大事なもののひとつとして考えられたわけです。これは大きな変化であり、この発表以降、西洋人の考え方に東洋的な思想を受け入れるキャパシティが生まれたと言っても過言ではないでしょう。

マインドフルネスは”禅の思想”から強い影響を受けている

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仏教は「苦の四聖諦」といわれるように、人の苦悩を解決するための実践でした。文字で書かれた思想、分析をいくら理解しても苦悩は解決しない、八正道の行動をしないと解決しない、というものです。不安や良くないことがあっても、それでも前に進んで行くのだという「行動」がなければ、良い方向へ向かうことはない、逆に行動できれば、必ずよい方向へ向かうのだという仏教の苦の解決方針と、この第3世代の行動療法であるマインドフルネスはとてもよく似ています。

私はヨガが好きで「サーフィン+ヨガ+ジョグ」は将来自分の体が動けなくなるまで続けていきたいと考えています。このような「自己の内面と向き合う」行為(運動)は非常にヨガにも精通しているなと感じていたのですが、マインドフルネスはやはり、禅や仏教とも深い関係があるというものでした。

ヨガはポーズにこだわるだけでなく、「呼吸」や「瞑想」をとても大事に考えます。マインドフルネスも「瞑想」を行いますが、先にも言いましたが西洋医学の権威がこのような「東洋的なもの」をついに科学的に証明する時代がやってきました。それもこの本の肝だと感じます。

著者は「野生」という言葉をよく使います。文明以前は人間も含めて全てのものが「野生」でした。農耕や都市文明が進化していく度に「飼いならされた状態」になり、人間は病気にかかるようになったのだと。言われてみればホモ・サピエンスが10万年ほど前にアフリカで誕生して、世界中に広がっていったときに心筋梗塞やうつ病はなかったでしょう。この病は全て現代に起きていることです。とするならば原始的なライフスタイルを省みるその行為は至って合理的でシンプルなことなのかも知れませんね。

本書が一貫して述べていることとは簡単に言えば、進化がもたらした人体の設計に敬意を払い、「野生に戻ろう」ということです。欧州ではそれを「リワイルディング(再野生化)」と呼ぶそうです。本書は読者に「野生に戻った生活」をすすめ、ライフスタイルを変える考え方を指南するために書いた入門書的位置づけです。

ウォールデンの「森の生活」がいつまでも読み続けられるようにこの『GO WILD』もベストセラーになり、これから先もずっと読まれる一冊になるのは間違いなさそうです。

合わせて読みたい『BORN TO RUN』と『EAT&RUN』

この『GO WILD』のリリースとともに名著『BORN TO RUN〜走るために生まれた〜』も再び脚光を浴びています。雄大な自然の中を走るトレイルランやジョグに人気の高まりとともに心身の健康ブームが到来していることがよくわかります。

2009年にリリースされた『BORN TO RUN』。「どうして私の足は走ると痛むのか?」という疑問を持った著者クリストファー・マクドゥーガルは世界で”もっとも偉大な長距離ランナー”、タラウマラ族の存在を知ることになります。素足で峡谷を走り抜けるベアフット・ランナー、過酷な地形を24時間走り続けるウルトラランナーたち、そしてフルマラソンを超える距離を走る史上最高のレース、ウルトラマラソン。ここには伝説のヴィーガンのウルトラランナーも登場します。この本の登場によって「全米20万人の走りを変えた」とも評され、ニューヨークタイムズのベストセラーに選ばれています。

実は私も2013年に埼玉で行われたベアフットマラソン(裸足のマラソン)にエントリーしたのですが、今思えばあれは『BORN TO RUN』の影響も色濃かったんだと思います。同年1月にははじめてのフルマラソン(茨城県・勝田マラソン)にも挑戦しまして、それぞれとても貴重な体験でした。

走ることであらゆることがいい意味でリフレッシュされます。マクロビオティックを日常生活に取り入れるのと同じようにジョグやサーフィン、ヨガを意識しています。私は「マクロビオティック(食生活で基礎を作る)×アウトドア&スポーツ(自分が好きな運動)」の掛け合わせこそが最良のセルフケアだと考えており、実際この数年で快感をおぼえるほど心身の状態が良くなっているのを実感しています。

完全菜食主義者にしてウルトラマラソンの王者に君臨し続けたスコット・ジュレク。ベストセラー『BORN TO RUN』にも登場しています。食べること、走ること、そして生きることを存分に語った彼の著書『EAT&RUN』も未だに人気高し。


 

 

 

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