日本のベジタリアン率は4.7%、うちヴィーガン率は2.7%。柔軟な菜食「フレクシタリアン」が増えている。攻撃・抑制に重きを置くのではなく、本当の”おいしい”を見つけよう。
こんにちは、上村歩です。
皆さんは「フレクシタリアン」という言葉をご存知ですか。
これは、いま私が実践している菜食主義のことです。
東京オリンピックに向けて、海外の観光客を取り入れようとベジタリアンの店が増える一方、
なかなか菜食主義が広まらない日本で、今後増えていくであろう、このフレクシタリアンについてお話していきましょう。
柔軟な菜食主義、フレクシタリアンとは?
ベジタリアンは菜食主義ということはご周知でしょう。
フレクシタリアンとは、もともとはセミ・ベジタリアンとかパーシャル(部分的)ベジタリアンと言われていました。
普段は野菜中心の食事をしていますが、気が向けば週に1~2回は肉や魚をメニューに加える気軽なライフスタイルです。
こう言われると、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。
実際にわたしが職業柄、ベジタリアンになりきれなかったために行き着いたライフスタイルです。
そもそも、何故ヴィーガンやベジタリアンになりたがるのでしょうか?
ベジタリアンとなる理由として、次が挙げられます。
・健康上の理由
・宗教上の理由
・環境上の理由
・動物保護の理由
・食の安全上の理由
・宗教上の理由
・環境上の理由
・動物保護の理由
・食の安全上の理由
海外では宗教上の問題でどうしても食べられない・・・という方が多い傾向ですが
ここ日本は無宗教の方も多く、動物保護や食の安全や健康のため、という方が多く見受けられています。
食品に含まれる成分に興味をもつ人が増え、消費者はより自然で、クリーンなものを食べたいという傾向が強くなってきたといえます。
日本のベジタリアン率は4.7%、うちヴィーガン率は2.7%
2014年12月にNPO法人アニマルライツセンターが、一般調査会社のWEBモニターを使って調査(ISO20252遵守)した数字です。
最も多いのはインドで、40%と高い割合を占めています。人口13億人ですから、かなりの数ですね。
アメリカ合衆国はベジタリアン率5%、ヴィーガン率2.5%
ドイツはベジタリアン率8〜9%、ヴィーガン率1%
ドイツは特にここ最近、ベジタリアン率が上昇している国の一つです。
台湾はベジタリアン率13%、ヴィーガン率5%
イタリアはベジタリアン率12%、ヴィーガン率1%
一例を挙げましたが、他国に比べて日本はとくに低いことが分かります。
最近では、特に若年層のベジタリアンが増えており、ローフードの流行や、 メディアの影響などもあり、ベジタリアンのイメージが「cool(かっこいい)」に変わってきているといいます。
ベジタリアンには人々の生活の数だけ種類がとても多くあります。
一口にベジタリアンと言えども、その種類はとても細かく分類されます。
主なベジタリアンの種類を紹介しましょう。
・ヴィーガン
衣食住すべてにおいて、動物性のものを避けます。・オリエンタルヴィーガン
五葷を除く植物性食品を食べます。五葷とは、仏教用語で禁葷食のことでネギ属の植物を指します。
・ダイエタリーヴィーガン
植物性食品のみを摂取しますが、衣類に動物性が含まれることはOKです。・ラクトベジタリアン
基本的に穀菜食で乳製品も食べます。・オボベジタリアン
基本的に穀菜食で卵も食べます。・ラクトオボベジタリアン
基本的に穀菜食で、乳製品も卵も食べます。・ベスクタリアン(ペスコ ベジタリアン)
基本的に穀菜食でお肉は食べませんが、魚介類は食べます。・ポウヨウ(チキン)ベジタリアン
基本的に穀菜食で、鶏肉以外のお肉は食べません。・セミベジタリアン
基本的に穀菜食で、お肉を食べる割合が少ないです。・ローフーディスト
酵素が豊富な45〜47℃以下で調理した食べ物を摂取します。・マクロビアン
陰陽に基づくマクロビオティック食を摂取します。・フルータリアン
基本的にフルーツやナッツなどを中心に食べます。以下についてもCHECKしてみてください。
ベジタリアン・菜食の食事が与える健康への影響とは。体にいいの?それとも体に悪いの?
一口にベジタリアンと言っても、これだけの種類があります。
さらにこの中でも、自分の体質や生活に合わせたライフスタイルを取り入れていくと、十人十色、変わっていきます。
ところが、日本でベジタリアンが増えない理由は何でしょう?
日本人特有の「社会の差別」や「集団心理」が影響している。
日本では菜食主義をカミングアウトしている人は非常に少ないです。
世界でヒューマニズム国家として知られる日本ですが、菜食主義向きの飲食店は数えられるほどですね。
それ故、ベジタリアンな海外の観光客もお店選びに苦労すると聞きます。
私自身も飲食店で、海外の方から「動物性を使っているか?」と聞かれることは多々あります。
菜食主義者にとっては生きづらい国です。
例えば、会社の飲み会で上司に肉をすすめられ、断ると、「空気を読まない」「失礼だ」と言われてしまいます。
菜食主義者を雇用しない企業もあります。
「男なのに」「女だから」なども社会性の差別の一つですね。
有名な精進料理も、宗教的意義は次第に薄れ、多くの人が「精進料理を食べることは高級感を味わい、ファッション性を見出すもの」と捉えています。
この日本で生きていくために、私も然り、フレキシタリアンに行き着いた一人であります。
今世界でもブームの、新しい菜食主義・フレキシタリアンという形。
フレキシタリアンとは、フレキシブル(柔軟な)ベジタリアン(菜食主義)という造語であり、
2003年度の米国方言・通用語協会で「役に立つ言葉」賞をとっています。
いわゆる流行語ですね。
これが世界に広まっています。
健康や環境のために、菜食主義が良いとされていますが、これも個人によって違います。
例えば成長期の子供の場合や、体力が必要なお年寄りの方などは
少量でもお肉や魚などのタンパク質が必要ですし、
体の大きい方や筋肉の多い方は大豆などのタンパク質ではまかない切れませんね。
ベジタリアンの中でも、一概に何が良くて、何が悪いというものではなく、
それぞれが実践してみて、自分に合ったライフスタイルを見つけることが大切です。
『食は本なり、身体は末なり、心はまたその末なり』
食養論を説いた石塚左玄の言葉です。
何がいま自分に必要な栄養なのか、
今の自分の体の状態はどうなのか、
相手が食べているものは相手のためになっているのか、
食べることや生きることの意味を少し意識しながら生活するだけでも、
人への態度や自身の心が変わってくるはず。
あなたがその食生活を選んだのはなぜ?
とはいえ、ベジタリアンやビーガン等食習慣の問題は非常にシリアスな問題でもあります。
フレクシタリアンになりたくてもなれない方だっていますし、
私個人としてはフレクシタリアンという生き方が心地よいために選択したまでで、これもまた個人の選択の権利があり、自由が存在するはずです。
もともと、VEGANやベジタリアンになった方の理由は本当に人それぞれでしょう。
動物保護等のためにVEGANを行っている方は動物性のものをたべないと決意されている方もいらっしゃることと思います。
スピリチュアル的な観点で肉は食べない、という方もいます。
世界平和のために、そして環境保護のために食べないという方もいます。
あるいは体質的にどうしても食べられないという理由を抱えられる方もいらっしゃいます。
そうではなく、健康のために実践されている方であれば、
ベジタリアンと言えど、たまには動物性のものが食べたいときもあるかもしれません。
こう考えると、ビーガン、ベジタリアン、すべてをひとくくりにすること自体が難しい現状です。
ですから、日本は、もっと個人の選択を尊重する国になっていくべきだと思います。
また、ベジタリアンの人に対して背景を知らずに、
「不健康だから肉を食べろ!」などと相手の事情をわきまえずに押し付けることは非常識な行為であります。
(残念ながら日本ではよく見受けられる行為ですね。)
ですが逆に言うとビーガンの方がそうでない方に対して「肉を今すぐにやめて野菜を食べろ!」と言う権利もないと思うのです。
自分のエゴだけで食べ物を選んでいませんか?
石塚氏が述べるように、個人的には、体が欲しているものを自然にいただくということでいいのではないかと思います。
ただし、そこには愛情があってほしい、と願います。
動物のため、自然のため、自分のため、家族のため、理由は様々でしょうが
ビーガンやベジタリアンは決して自分のエゴを押し通すものではありません。
肉食もそうです。
「自分さえおいしければいい」
「自分さえ健康で幸せであればいい」
このような身勝手な考え方自体が、現代のゆがんだ食事情を生み出している根本的な原因であると感じます。
他者に対して自分の子供のように思うことは難しい。
でも少しばかり視野を広げて、考えてみませんか?
相手のこと、自然のこと、環境のこと
食材の裏側や背景、その食材を作ることによる影響について考えてみたことはありますか?
これを考えればどのような選択が最良のものなのかはそれぞれ、おのずと見えてくるはずなのです。
他者に嫌な思いをさせていたり、環境に大きな負担をかけすぎていたり、悲しい思いをしている人たちがいる影で
「自分さえ幸せであればいい。」
そのような考え方では、幸せにも、健康になれる日も、遠いのではないでしょうか。
オーガニックな暮らしにもかけ離れた考えであると思います。
愛情をもって食を選ぶということがどのようなことを意味しているのか。
それはこれを読んだあなた自身で今一度、考えていただきたいと思います。
本来は、何かを批判し合うことも罪悪感を感じる必要もないはず。
本当の意味で、「美味しくいただくことができる社会」になるためにも、
誰もが自由に自然の道理に合わせて柔軟に、そして自然に食べること。
本当の”おいしい”を見出せる国になるために、今日から実践してみましょう。
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