価格の安さだけでお米を選ぶと危険な理由|あなたも知らずに危険なミニマムアクセス米を食べているかも?
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夕方になると、秋の虫の涼しげな鳴き声が草むらから聞こえるようになりました。
娘と散歩をしながら、秋の訪れを感じているKasumi Fujimakiです。
ところで秋といえば、やっぱり実りの秋!!
実りの秋といえば、日本人の食卓を支えてきたお米!!
今回は、グローバル化により生まれたミニマムアクセス米がテーマです。
2008年に起きた事故米転売事件を振り返り、
日本を取り巻く世界情勢と今、私たちにできることについて考えていきたいと思います。
日本の米の自給率を下げたミニマムアクセス米
あなたは、日本人の主食であるお米の自給率は、どれくらいだと思いますか?
⓵100%
⓶97%
⓷50%
答えは、⓶97%でした(平成30年度概算)。
「えー!!主食だし100%かと思った」
と思われた方、私もそれが理想だと思います。
実はある出来事をきっかけにお米の自給率は下がってしまったのです。
☆自然栽培農家を応援しよう!湧き水で作られた徳島県産玄米
ミニマムアクセス米には、政治と貿易の事情が絡んでいる
あなたは、ミニマムアクセス米という言葉を聞いたことはありますか?
私はこの言葉を始めて聞いた時、
「ふつうのお米よりも小さいお米かなぁ」
と全く違うことを想像していました。
ミニマムアクセス米とは、ひと言でいうと輸入米のことです。
実は1995年、今から24年前に自由な貿易を目的に世界貿易機関(WTO)が設立されました。
もちろん市場が世界に開かれることで様々なものが手に入るというメリットもありますが、自国の農業を脅かす危険もあります。
ですので、日本は自給率が100%を超えていたコメ市場を開放しませんでした。
それだと他国は納得しないので、代わりに一定量のコメを輸入することで落ち着きました。
この一定量の輸入米こそが、今回のテーマとなるミニマムアクセス米です。
では、このミニマムアクセス米はいったい米の自給率にどんな影響を与えたのでしょうか?
毎年輸入される数十万トンのミニマムアクセス米
実は、WHOが設立した1995年以降から日本の米の自給率が下がっています。
例えば、
1995年 109.1%
2005年 101.1%
2010年 95.0%
と年々、お米の自給率は減っています(※1)。
もともと日本の米の自給率は、100%を超えていました。
そこに毎年、数十万トンが輸入されたことで、自給率が90%台になってしまったのです。
ちなみにミニマムアクセス米は、主にアメリカの圧力によって生まれました。
安価なアメリカ産のミニマムアクセス米は在庫処理が追いつかず、ただただ毎年、大量に輸入され続けました。
政治の事情で返品不可!?食用にも事故米をどうするの?
事故米とは、グローバル化の影響で生まれたミニマムアクセス米のうち、
・カビが生える
・基準値を超える農薬が検出される
など、食用には決してできない米のことをいいます。
普通なら、輸入した米や野菜にカビが生えたり高濃度の農薬が検出されたら輸出国に返されるはずです。
ですが、ミニマムアクセス米は、初めから一定量の輸入が義務付けられています。
ですので、特に主な輸入先のアメリカに気を遣って返還することも出来ず、国内で処理しなければいけないのです。
事故米はまるで行き場もなく、
不法投棄され野ざらしにされている粗大ごみのような扱いになってしまっています。
そして、この行き場のなくなった事故米がきっかけで起きた事件がありました。
2008年に発覚した大規模な事故米転売事件!
行き場のない事故米ですが、工業用として使われることがあります。
では、工業用とはどのような使い道なのでしょうか?
工業用にもニーズがない事故米の行方・・・?
事故米といっても、お米はお米です。
そして、お米の食べられる部分の約75%は、でんぷんです。
小学校の実験などで、ジャガイモに茶色のヨウ素液をたらした経験はありませんか?
薬品に反応して、紫色に反応する成分がお米のでんぷんです。
このでんぷんが、糊や成型に利用できると期待されていましたが、
・繊維工業やクリーニングに使われる糊は、より使いやすい小麦でんぷんが主流
・バイオ燃料にするにもまだ製造プラントがほとんどない
・漢方薬の成型材としての利用もあるが微々たるもの
ということで、工業用としても行き場がありませんでした。
輸入するだけして処分するしか方法がないと思われた事故米ですが、
実は、私たちの知らないところで流通していたのです。
☆毎日食べるものは顔の見える生産者から買おう!無農薬、無肥料のお米
食べた人は1000万人以上!?食用として転売されていた事故米の真実
2008年9月5日、農林水産省は衝撃のニュースを発表しました。
実は、米販売業者の三笠フーズが工業用として購入した
・カビ毒のアフラトキシン
・農薬のメタミドホス
などで汚染された「事故米」を食用と偽って転売していたそうです。
事件発表後、事故米の被害は次々と発覚し、
・焼酎
・お菓子
・卵焼きのつなぎ
など、いろいろな食品に混入していたことが分かりました。
なかには、焼酎65万本を自主回収せざる得なくなった食品メーカーも出てくるほどで被害は全国に及びました。
事故米は、保育園、学校給食、高齢者施設などにも流通しており、
知らずに食べた人は1000万人にも達したとのことです。
しかし、事件が起きる背景には理由があるものです。
カビ毒のアフラトキシンや農薬のメタミドホスについて気になった方は、コチラの記事もおすすめです。
・カビの気になる季節に。安心安全な、部屋・お風呂・壁の防カビ対策方法とは?重曹やアロマなどのオーガニック対策テクニック。
・【動画】野菜の残留農薬大丈夫?スーパーの野菜の硝酸塩を測ってみた!【IN YOU Tube】
事故米の転売はなぜ起きた!?繰り返される食品偽装の裏にある市場の争い
転売事件の発覚前の4年間で、政府が企業などに売却した事故米は、約7400トンです。
三笠フーズが購入した事故米は、1779トンと全体の1/4を占めています。
ちなみに地球が誕生してから最大の生物といわれるシロナガスクジラの体重は、80~190トンだそうです。
三笠フーズの事故米の購入量をシロナガスクジラで例えると、約18匹分!!
シロナガスクジラを見たことがない方にも、
何となくもの凄い量の事故米が転売されていたということがおわかりいただけると思います。
三笠フーズは、
事故米を転売した4年間で約1億2000万円の利益を得ていますが、
1年間でみるとわずか3000万円の利益です。
個人の収入であれば高収入ですが、
企業規模でみれば決して大きくはありません。
参考までに2018年の売上高ランキング1位のトヨタの売上高は、29兆3795億1000万円です。
3000万円というわずかな利益すら求めたのは、政府がアメリカなどと協調して進めているグローバル化の影響です。
海外の低価格な商品に対抗するには、商品の原価を下げるしかないと判断したからでしょう。
ですが、安さばかりを求めていて本当に良いのでしょうか。
お米を安いという理由だけで買うのは時代遅れ!
今は、価値やストーリー性で買う時代
お米を始め、あなたは食べ物を買う時に何を基準にして選びますか?
値段?
デザインなどの見た目?
味?
原材料?
ここから先は、あなたが食べ物を買う時のことをイメージしながら読んでみてくださいね。
100円で買ったおにぎりが○○で出来ていたら、あなたは買いますか?
もしスーパーに行った時に、
100円のおにぎりと200円のおにぎりがあったら、
あなたはどちらを買いますか?
「200円?何かよく分からないけど、高いなぁ。」
と思って、100円のおにぎりを選んだあなた。
もし、そのおにぎりが今回お話した「事故米」からつくられていたらどう思いますか?
事故米に含まれていたカビ毒のアフラトキシンは、肝障害や発がん性、
そして農薬のメタミドホスも発がん性が指摘されています。
おそらく、
「安いからって、買うんじゃなかった。」
と思われるのではないでしょうか?
もちろん、事故米は食用と偽って売られていたので、消費者側が気付くのは難しいです。
では、200円のおにぎりの正体が〇〇だったらどうでしょうか?
200円のおにぎりが○○で出来ていたら、あなたは買いますか?
先ほどの100円と200円のおにぎりなら、どちらを買うかという質問で、
「200円?何かよく分からないけど、高いなぁ。」
と思われた方は、おそらく200円で売られている理由が分からなかったからだと思います。
「いやいや、さっきの質問で、200円で売ってる理由を言ってないじゃん!」
なんて、漫才のようなツッコミはせずにもう少しお付き合いくださいね。
ではもし、さきほどの200円のおにぎりが
・有機栽培(オーガニック)のお米
・中身の具も海苔も無添加
なら、どうでしょうか?
もちろん、100円のおにぎりは事故米ではなく普通の食べられるお米です。
「200円の有機栽培のおにぎり!!だったら、こっちにしよう」
「金欠だし、やっぱり100円のおにぎりかな。本当は、有機栽培の方がいいけど」
と、200円のおにぎりを選ぶ方や悩む方が増えたのではないでしょうか?
ここで何が言いたいかというと、
人は価値が分からない時は値段を重視し、
価値を感じたモノには、自分から納得してお金を払うということです。
そうでないと、何千万、何百万円もするランボルギーニやフェラーリ、ベンツなどの高級車は売れませんよね。
☆すべて手作業で丁寧に育てられた自然農法の陰陽米
それでは今回のテーマである安心なお米の選び方をお伝えします。
食べるものが変われば、身体が変わる!安心して、食べられるお米を選ぼう
お米は、
脳のエネルギー源や腸内細菌のエサになる糖質の補給源です。
食べる頻度が他の食品よりも多いので、安心安全なものを選びたいところ。
私がお米を選ぶ時に参考にしているのは、
■有機栽培(オーガニック)のもの
※難しい場合は、特別栽培米などの低農薬や低化学肥料のもの
■産地や生産者がはっきりしているもの
■放射能検査がされているもの
です。
外食する場合はどこのお米か分からない場合も多いので、
産地を表示してくれているお店をいくつかキープしておくのもいいですね。
どれも同じように見えるお米ですが、実はしっかり観察して味わって食べると
・粒の大きさ
・ツヤ具合
・甘みや清涼感などの味の感じ方
などが少しずつ違っていることに気がついて、面白いですよ。
もう安いというだけでお米は選ばない!
あなたの食べたものがあなたになり、
わたし達の買ったもので未来ができる
もう一度最後に今回の記事について、おさらいをします。
■ミニマムアクセス米は、グローバル化の影響で生まれた一定量の輸入が義務付けられたお米
■激しい市場競争の結果、事故米転売事件のような食品偽装事件が繰り返されている
■その食品の背景を知っても、「食べて良かった」と思える食品を選ぼう
今回、テーマにした“ミニマムアクセス米”。
おそらく多くの人にとって、馴染みのない言葉だったと思います。
ですが、馴染みがなくても知らないうちにあなたの生活のすぐ傍にまで忍び込んでいる可能性もあるのです。
オーガニックなものを買う人が増えれば、オーガニックなものが市場に増えます。
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〈参考〉
※1:農林水産省
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