ミレニアル世代は「オーガニック」をどう捉えているのか？｜「高いから買わない」ではなく「高くても買いたい」人が増加中のオーガニック市場の今

ミレニアル世代は「オーガニック」をどう捉えているのか？｜「高いから買わない」ではなく「高くても買いたい」人が増加中のオーガニック市場の今

こんにちは、美意識研究ライターの牧野睡です。
先日、筆者の父があることをポロっと呟きました。

「最近の子って、テレビ全然見ないんだね。
テレビの話をしても、きょとんとした顔するんだもの」

テレビと言えば、世代問わず、愛されてきた電化製品の一つですが、
『最近の子』は、どうやらあまりテレビを見ないようなのです。

『最近の子』とは、
一体どういう人たちのこと指すのでしょうか。

ミレニアル世代とは・・・

皆さんは、ミレニアル世代と言う言葉をご存知でしょうか？

ミレニアル世代とは・・・

「1980 年から 1996 年 の間に生まれ、20 世紀から 21 世紀に移り変わる世紀転換期の頃、および、2000年代に入ってから成人(18 歳)に達した人々」

のことを言います。

(参照)『ミレニアル世代をめぐって』

ミレニアル世代の
指し示す世代は、未だ曖昧な部分があり、
1980 年から 2000 年の間に生まれた人々

または、1980年以降に生まれた人々全てを指し示す場合もあります。

初めに話した『最近の子』こそが、まさにこのミレニアル世代に当たります。
では、このミレニアル世代にはどういった特徴があるのでしょうか。

ミレニアル世代の特徴

筆者自身もミレニアル世代ということもあり、ミレニアル世代と、他の世代を比べてみたときに、
ミレニアル世代が大きく分けて5つに分類することができるということがわかりました。


1、ネットに強い
2、財布のひもが固い
3、LGBTに関する寛容性
4、健康に興味ありあり！
5、１か100か思考


上記が、ミレニアル世代の5つの特徴です。

これだけでは、いまいちピンとこない人も多いと思うので、
一つ一つ紐解いて説明していきますね。

ネットに強い！

ミレニアル世代というと、聞きなれない人も多かったと思いますが、

ミレニアル世代は、かみ砕いて言うと、ネットに強い世代のことを言います。

「あぁ、なるほど！その世代ね！」
と、思ってくれた方も多いのではないでしょうか？

ではなぜ、ミレニアル世代は、インターネットに強いのでしょうか。

これは、生まれてきた時代というのが大きく関係します。

ミレニアル世代が生まれる前、
つまり、1980年より前の世代の人たちというのは、
インターネットが世間に普及し出す前に生まれた人たちです。

逆に、ミレニアル世代は、生まれてきた時から
インターネットがある生活が当たり前の世代なのです。

突然ですが、質問です。

今、あなたの目の前で自分の子どもがいて、
「遊んでほしい！」と、せがんできます。

しかし、あなたには
他にするべき家事があるため、手が離せません。

さあ、あなたはどうしますか？

多くの人は、「自分でちょっと遊んでて！」
と、言うはずです。

実は、ここで問題になってくるのは、遊ぶか遊ばないかではありません。

子どもに何をして遊んでてもらうかです。

絵本や積み木あるいは、
テレビを見ていてもらうなんて考える人もいるかもしれません。

しかし、
最近のお母さんには、もう一つ選択肢があるのです。
それが、ネットという選択肢です。

子どもにスマートフォンあるいはタブレットを渡し、
アプリケーションで遊んでいてもらうという選択肢が増えたのです。

これは、とても時代の移り変わりを感じる事柄ですよね。

しかし、ミレニアル世代にとって、これはいたって普通のことなのです。

このように、
ミレニアル世代は、
日常生活にネットを取り入れることにとても長けている世代と言えます。

財布のひもが固い

ミレニアル世代は、貧困や失業を経験し、より少ない富と収入に甘んじざるを得ない状況に置かれています。

そのため、
限られた資金の中で、物事をやりくりすることに慣れていて、
また、出費を極力抑えようとする節約家も多いのです。

LGBTに対する寛容性

近年は、LGBTが問題としてよく取り上げられていますね。
ミレニアル世代は、LGBTに対して、比較的に寛容性のある姿勢を見せています。

これは、
育ってきた環境がすでにグローバル化の進んでいる環境であったため、
違う価値観を受け入れる体制が整っているためです。

健康に興味ありあり！

ミレニアル世代は、
健康にも強い興味を抱いています。

この理由も、ネット文化の影響が大きく関係しているのです。
ネットでは、親世代の悪い例というのがよく示されていますよね。

例えば、

「長年、健康に気遣っていなかったら、体がボロボロに…」

こういった広告を目にしたことありませんか。

ミレニアル世代は、こういった広告を、ネットを利用する度に目にし、
潜在的に、危機感を感じさせられています。

「このままじゃまずい…」

これこそ、ミレニアル世代が健康志向になる所以なのです。

0か100か思考

0か100か思考…、
またよく意味の分からない言葉が出てきましたね。

しかし、これは意外と見逃されがちなのですが、
ミレニアル世代の考え方の根本ともなっている特徴です。

前述したとおり、ミレニアル世代は、ネットという新しい文化に適応した世代です。

ネットには、日々、数え切れないほど多くの個人や団体が自らの価値観を発信していますね。

政治、スポーツ、美容、小説などなど
そこには、本当に多くの情報があります。

しかし、それらの情報をすべてじっくり見るということは一生かけても不可能ですよね。

そのため、ネットで必要な情報を得るには、
取捨選択のスキルが必須となってくるわけです。

「これは、私に必要な情報だ！」
あるいは
「う～ん、この情報は、私にはよくわからないな…」

といったような思考を毎日幾度となく行っているのです。

つまり、ミレニアル世代は、ネットという膨大な情報が溢れている世界から
自身に適したわずかな情報を汲み取っているということになります。

まさに、0か100か（必要な情報かそうでないか）思考です。

以上が、ミレニアル世代の大きな5つの特徴になります。

SNSこそミレニアル世代のコミュニケーションの場！

今までの特徴を見ていただければわかると思いますが、
ミレニアル世代とネットは、切っても切れ離せないような関係なのです。

また、近年では、SNSが発達してきたことにより、
ミレニアル世代にとって、SNSがコミュニケーションの場になってきています。

『インスタ映え』という言葉が流行ったのも、
SNSがそれだけ重要視されている何よりの証拠ですね。

ミレニアル世代はネットのインフルエンサーたちを見ている！

突然ですが、『聖子ちゃんカット』というものを、皆さんはご存知でしょうか。

昭和のアイドル・松田聖子さんが流行らせた
ロングともショートとも言えない絶妙な髪型のことで、その流行は、社会現象ともなりました。

きっと昭和という時代に、テレビをよく見ていた人ならば、
誰もが知っている言葉だと思います。

松田聖子さんのようなアイドル、または、海外でいうところのザ・ビートルズといったバンドは、
今でいうと、インフルエンサーという言葉に置き換えられます。

では、今の子たち（ミレニアル世代）にとって、インフルエンサーとはどういった人たちなのでしょうか。

前述したとおり、ミレニアル世代にとって、ネットとはコミュニケーションの場そのものなのです。

ネットで活躍する人たち、つまり、ユーチューバー、ブロガーといった人たちこそ、
ミレニアル世代にとってのインフルエンサーなのです。

親世代にとって、松田聖子さんが憧れの対象であったように、
ミレニアル世代の憧れは、ネットのインフルエンサーたちということになります。

そのため、流行りの髪型も、現代ではネット発祥のことが少なくないのです。

ミレニアル世代は、オーガニックをどう捉えているのか？

オーガニックは、それなりのお値段がするものもあるため、
「財布のひもが固いミレニアル世代にとっては、天敵では？」

と、思う方も中にはいるかもしれません。

しかし、これは、はっきりとNOと言えます。

ミレニアル世代の特徴の一つとして、
『健康に興味がありあり！』というのがありましたよね。

その原動力になっているのは間違いなく
「親世代と同じでは、まずい！」という一種の危機感です。

例え、
少々お金がかかったとしても、将来の自分のためになることであれば、
ミレニアル世代は確実に行動に移ります。

これは、将来を見据えた行動ですが、

この性質は、『財布のひもが固い』
という将来のための計画的な金銭管理からも見て取れます。

つまり、将来の自分のためになるオーガニックも
ミレニアル世代にとっては大きな味方なのです。

また、『LGBTに関する寛容性』
のところでも述べたように、

ミレニアル世代は、視点が他の世代と比べてグローバルなため、
人種というものにも強い隔たりを持ちません。

ちょうど二年前に、海外で、『コンブチャ』と呼ばれるスーパーフードが流行りましたが、

その時も、
海外の情報を素早く嗅ぎつけ、実生活に取り入れていたのもミレニアル世代でした。

ミレニアル世代ゆえの危うさ、それは情報の真意にたどり着けないところ。

今まで、ミレニアル世代の良いところについて語ってきましたが、
そんなミレニアル世代にも欠点があります。

それが、
情報の真意にたどり着けないという点です。

『0か100か思考』のところで述べたように、

ミレニアル世代は、常日頃、膨大の情報の取捨選択を行っています。

そのため、一つ一つの情報に対する答えがどうしても簡易的になりやすいのです。

もっと簡単に言うと、「YES」か「NO」の二択になりがちなのです。

その情報は、
必要か必要でないか、
正解か不正解か、黒か白か・・・

そういった二択的な思考を、ミレニアル世代は無意識的に行っている傾向にあります。

確かに、これは、現代のネット社会を生き抜くうえで必須のスキルですが、中には、黒か白かでは判断できない複雑な情報もありますよね。
そういった時に、0か100か思考は、ある意味邪魔になってきてしまう考え方でもあります。

情報の真意にたどり着くためには、
『YES』か『NO』かだけではなく、『WHY（なぜ）』といった思考がとても大切になってくるのです。

近年では、スキャンダル等で、一人の人間の人間性が問われたりするようなことが非常に多いですが、

大切なのは、

「その人は悪者だ！」「その人は悪くない！」

といった終わりのない論争ではなく、

「どうして、その人がそういうことをしてしまったのか？」

といった懐疑的な思考を身につけることが、
情報社会をよりうまく生き抜いていく術になってきます。

この考え方は、ミレニアル世代の課題とも言えるでしょう。

これからの時代は、ミレニアル世代に焦点が当たっていく、オーガニックもミレニアルズに広めてもらおう。

ミレニアル世代は、ネットの情報にすごく敏感であり、
時に、それが論争を引き起こすきっかけになってしまうことがあります。

しかし、それは逆に言えば、
それだけ良いものを瞬時に嗅ぎつける能力も備えているということです。

それは、日頃から情報過多の社会に生きているために身につけられた直観に由来するものでしょう。

つまり、本当に良いものを提供すれば、
ミレニアル世代は必ずそれを嗅ぎつけます。

特に、オーガニックと言った健康的分野は、ミレニアル世代の大好物です。
ミレニアル世代が、より良いオーガニックを得ることができれば、彼らは、SNSを使ってそれを世の中に広めてくれます。

つまり、より良いオーガニックがミレニアル世代の元に届くことは、世の中に、より良い健康を届けることと同義なのです。

「ミレニアル世代はどうせ、オーガニックのことなんて、興味がないだろう・・」「ミレニアル世代はオーガニックを買わないだろう」と決めつけたり、諦めるのではなく
彼女彼らにオーガニックの重要性や価値をを楽しく教えていき、ミレニアル世代をうまく取り込んでいくことが重要であるということがお分りいただけると思います。

そうすれば、ミレニアル世代こそが時代のインフルエンサーとなって、確実にオーガニックが広まっていくはずです。

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