話題のエコラップの材料は●●だった!エコラップで食材を酵素を保ち新鮮なまま保存する方法
G20で問題になったマイクロプラスチックなどの解決策として、
注目され手作りする人も増えているエコラップ。
その材料のミツロウは、人間の歴史に密接な関わりを持っています。
ミツバチがいたから、人間は21世紀まで生きてこられたといって過言ではないのですよ。
エコラップが
いかにすごい素材でできているか、歴史、科学色々な面で見ていきましょう。
エコなラップの材料には歴史あり!蜂たちがもたらす恩恵
エコラップ、材料のミツロウとはどういう物質?
ミツバチがもたらす恩恵は蜂蜜だけではありません。
・ミツロウ
・プロポリス
・ローヤルゼリー
ミツロウとプロポリスは、双方ともミツバチが巣の建材に使う天然樹脂ですが、
プロポリスはミツロウで組んだ壁の隙間を埋める接着剤の役割をする物質です。
ミツバチのうち働きバチが分泌する蝋ですが、防水性に秀で、加工しやすいのが特徴です。
ミツバチの造巣過程では、三角錐の面が凹んだような形状の構造物が作られます(図 2a)。
また、この構造物が一方向に連結することでハチの巣の土台となります(図 2b)。
本研究では、付着・掘削モデルについてのコンピュータシミュレーションを行うことで、
平面上でどのようなパターンが得られるのかを調べました。
その結果、単純な行動ルールのみから初期の構造物を再現することができました(図 2c)。
さらに、ミツロウが一方向に付着しやすいという設定では、
ハチの巣の土台となる構造物も得られました(図 2d)。
これらの結果は、ミツバチによるミツロウの付着と掘削という
単純な行動ルールに基づいた活動によって、
精緻な巣がひとりでに作られうることを示唆するものです
「ミツバチはどのようにして精緻な巣をつくるのか? ‒ミツロウの付着と掘削に着目したハニカム構造への学際的アプローチ‒」
ミツバチの巣の特徴は、ハニカム構造という六角形で縦横斜めの力に強い構造ですが、
ミツロウの加工しやすい柔軟な特性によって
単純な動きでも精緻なものが出来ることがコンピューターシュミレーションで検証されています。
設計図なしでミツバチたちは巣を作りますからね。
集団における社会性を見る研究、
建築学の耐震構造を高める研究など、蜂がお手本になった研究は非常に多いです。
夏の暑い日は、必死になって水を運んで巣を冷やしますが、それも本能的行動だと言われています。
おとなしい蜂なので、双眼鏡などを使って遠くから観察することは可能ですよ。
自分の目でハチの巣を確認すると、様々な発見があるはずです。
ミツロウの歴史は古い。デカルトが考察に使った哲学的物質?
ミツロウやはちみつの歴史は古く、
紀元前のエジプトではすでにエジプト式養蜂が成立していました。
『博物誌』で有名なプリニウス(漫画『プリニウス』の主人公)は
ローマの軍人であり、学者でしたが、蜂蜜やミツロウの有用性を語っています。
アリストテレスなども養蜂の話をしています。
ミツロウの話で有名なのは、デカルトの「省察」ですね。
コギト・エルゴ・スム、われ思うゆえにわれありという言葉が有名な哲学者ですが、
彼は蜜蝋の分析をしています。
他に、昆虫記の作者ファーブルが著名な細菌学者パスツールに言われて
ミツバチの研究をしたり、多くの学者をミツバチは魅了してきました。
なぜかというと、ミツロウというのは、非常に人に身近な物体だったのです。
皮や羊皮紙の防水にも使いますし、薬の基材にも使います。
後大きい存在であったのは蝋燭でしょうね。
昔は、現代のような時計というものがなかったので、蝋燭が燃えた長さで時間を計っていたのです。
蜜蝋もなくてはならない物体なだけに、デカルトの手元にあったのでしょう。
ミツロウはこんな製品にも使われている
ミツロウというと、エコラップの他に、
蝋燭、石鹸、リップバームやハンドクリームなどの
保湿剤などのコスメティックの材料になることを皆様ご存知でしょうか?
実は、手術の時にも使われることがあるということをご存知でしょうか。
ボーンワックスといって、骨の切断面の出血を抑える医薬品として使われています。
命まで守ってくれているのですね。
ミツロウは、食べられるかどうか気になる人は、
巣に入った巣蜜、コムハニーを食べてみて下さい。
ミツロウは栄養価自体はあるのですが、ぼそぼそとした感触で飲み込みづらいと言われています。
蜂がいること自体が環境に有益な事!農薬で今蜂たちが危ない?
庭にやってくる蜂たちは、ミツバチにクマンバチ、いずれも勤勉で、必死に蜜と花粉を集めています。
送粉者、ポリネーターといって、花粉を花から花に運んでくれる役割を担います。
よくアシナガバチやスズメバチなどは、人を刺す害虫として扱われますが、彼らもポリネーターです。
蝶や蛾の仲間のポリネーターになってくれますが、
彼らは幼虫の食害が激しいので、農業の天敵になります。
肉食の蜂は、害虫を狩ってくれますので、
ジガバチ(芋虫を狩って幼虫を蓄える虫)などは愛されてきました。
他に、ジバチやスズメバチの幼虫は、魚を摂取できない山間部の人の貴重なたんぱく源でした。
スズメバチを漬けた強壮に良いとされるお酒も、地方農家の副収入源だった時代があります。
このように日本人や農業に欠かせない蜂の仲間ですが、
今、突如失踪したり、死んでしまう蜂群崩壊症候群が起きています。
主として養蜂に使われている西洋ミツバチが被害者です。
・病虫害
これが最も疑われている要因です。
・農薬
・森林や草原の開発
さらにミツバチが減少した原因として考えられるのは、化成肥料です。
それまでは肥料にするために耕作が終わった土地に豆類を植えていたのですが、
今は化成肥料が発達して、緑肥のすきこみを行わない農家さんが増えてきました。
豆の仲間の蜜はミツバチの大好物だったのですが、蜜が採取できなくなって減ってしまったのです。
天然のミツロウ、ペットや子供への影響は?
犬や猫がいると、新しい製品を取り入れるのに躊躇があるという方も多いでしょう。
ビーズエコラップに使われているミツロウに関しては、犬や猫に対する毒性はありません。
肉球や鼻の保湿クリームに使うぐらいですからね。
ただ、中にはぺたぺたした感触のものをなめるのが大好きな子もいるので、
エコラップを犬猫にとられないように注意してください。
特に猫の舌はやすり状のテクスチャーなので、コーティングをはがされる恐れがあります。
少し注意しないといけないのは人間のお子さんのアレルギーとボツリヌス菌です。
ミツロウには、ボツリヌス菌という強毒の毒素を持つ嫌気性菌がいることがあります。
嫌気性菌というのは、酸素が少ない場所で増える菌類のことです。
1歳以下のお子さんや免疫が弱い方の食事にエコラップで保存した食品を使うのは控えた方がよいです。
蜂蜜でアレルギーを起こす方も、医師に相談してからの使用をおすすめします。
エコラップを使うメリットの一つ酵素とは
エコラップのメリットの一つは、酵素を壊さないで済むということです。
酵素というのは、エンザイム、生体内で働く触媒のことです。
触媒というのは、化学反応を起こすときに本体は変わらないで、反応を助ける物質のことです。
有名な酵素は、唾液に含まれでんぷんを糖に変えるアミラーゼですね。
酵素の働きを助ける物質を補酵素といいます。ビタミンはその一種です。
酵素を食品から摂取する学問を酵素栄養学といいます。
消化やデトックスの面で健康に良いとする考えと、
論拠がないという考えが存在していることを知っておきましょう。
ただ、食材の味を決めたり、柔らかくしたりするのには不可欠なものです。
大根おろしの汁を醤油で汚れたTシャツにつけると、
汚れを落とすことが出来ますが、それも食品酵素の働きです。
他にも肉類を柔らかくするのに、玉ねぎやパイナップルの汁をつけだれにする等の工夫も酵素の利用法です。
保存時に食材の酵素をしっかり保つと、調理が楽ですよ。
エコラップは酵素や補酵素を壊さず、鮮度が保たれる?
食品の中には各々酵素が含まれています。
例えば、お茶の葉っぱは、蒸さないと勝手に発酵して紅茶になってしまいます。
そこで熱を加えて失活させるのです。お茶の場合は殺青といいます。
種類によりますが、酵素や補酵素には弱点がいくつかあります。
・熱で壊れやすい
・時間経過とともに破壊される
・空気に触れると、勝手に働いて食品の性質を変えてしまう
これが一番困りますね。
リンゴとほかの果物を一緒にしていると、エチレンガスで追熟していくことは皆さまご存知でしょう。
空気と結びつく酸化や腐敗していく発酵を酵素が助けてしまいます。
しっかり保存をすることで、有用な酵素も補酵素も壊さず新鮮なまま保つことが出来ます。
現実にアスパラガスの夏期保存に、ミツロウを使った実験がありますよ。
足の速い野菜でも、断面をしっかり密封すると鮮度も水分も保てます。
時間とともに無くなっていく補酵素のお仲間、ビタミンを保つためにキッチンでできること
補酵素、コエンザイムの仲間であるビタミンは水溶性のものと、脂溶性のものがあります。
水溶性のものの代表例がアスコルビン酸こと、ビタミンCです。
熱と水に非常に弱い性質を持ちますが、トマトやジャガイモなどは加熱したり、
冷凍したりしても、ビタミンが壊れにくいという性質をもちます。
蒸してから冷凍してやると日持ちがしますよ。
他に、おススメできる保存法は、天日で干してから、ラップでくるんで保管する手法です。
トマトなどに有用な手法で、
Bカロテン、ビタミンC、リコピン、グルタミン酸等が保存しやすくなります。
ドライトマトは、出汁の代わりに戻し汁を使うことも可能な品で、
50代以下の消費者層からの購買意欲があるというアンケートも多い注目の品です。
基本は、
・茹でない
・包丁で切った後は、水にさらさない(細胞壁の断面から水が浸透してしまう)
・含まれるでんぷんや脂肪を酸化させないように密閉する
・野菜の細胞が呼吸しにくい温度に冷蔵庫内を設定する
温度をひたすら下げればよいと思って、冷蔵庫に放置すると、
細胞が壊れますので、長期保存したいのなら、最初から冷凍することをおすすめします。
ハリウッドでも話題のローヴィーガニズムとローアニマルフードダイエットとは
ローヴィーガニズム 植物由来の食品で非加熱(油類含む)を摂取する主義のこと
・生食(Raw foods):肉・魚介類、
調理した植物性食品を避け、全て生の状態のものを摂取する。
加熱していない乳・乳製品を摂る人もいる。
野菜、果物、種実類は生のままで摂取し、穀類、豆類は発芽させて生のまま摂取する。
生のまま摂取する割合は 50%-100%と様々である。
また、生食の一種で、ある種の食品の浄化作用を重視し、
ある食品の組み合わせを避ける食事法もある。
例えば、スターチとたんぱく質含有量の高い食品は一緒に食べると消化に悪いから避け、
1 回の食事で果物を単独で食べる、という食事で Natural Hygiene とも呼ばれている 19)。
日 本 人 菜 食 主 義 者 に お け る 生 活 習 慣 病 予 防 の 観 点 か ら 見 た 栄 養 状 態の 特 徴 に 関 す る 研 究
ローヴィーガンの中には、酵素ダイエットなど健康目的の人と、
動物愛護や環境保護等信条によるエシカルヴィーガンがいます。
ローアニマルフードダイエットは、生の肉などを摂取し、
酵素を摂って糖質を減らすことで痩せるというものです。
ハリウッド女優などが実践して人気があります。
肉や魚だけ食べることで生きていけるのかという疑問には
「北極圏のイヌイットがアザラシの肉だけで生きている」という回答が出来ます。
ただ、イヌイットは
遺伝子形質の変化で肉から糖を摂取できるようになっているというのが研究者の見方です。
ローフーディズムに関しては、
・食中毒に注意する
・不足しやすい栄養を把握し、サプリメントで補う(ローヴィーガン用サプリもあります)
・持病がある場合は無理に行わない
ということに注意して行うことが必要です。
健康のためにという良い動機でも、やり方を間違えると体調を崩す要因になります。
生食するものは、エコラップで酵素や鮮度を保ち、
半分は加熱して食べるなど工夫すると良いでしょう。
現実にエコラップを使っていくうえで、おススメの食材、注意点はあるのか
エコなラップの使い心地は
物品を使ったときの感覚というものは、
個人差があるので、他の方のレビューもご覧になることをおすすめします。
・使って洗っていくうちに、べたべたして気になっていた感じは無くなって包みやすくなってきた
・洗ううちにミツロウの甘い匂いが漂うようになってきたが、匂いに敏感な人でないと気が付かないぐらい。食品への匂いうつりは心配ない
個人的に、このエコラップの使い勝手の良いところを一つ上げると、
ポリ塩化の素材と違って、よれてもつれてくっついてしまうことがないというのがありがたいです。
自家製パンや自家製ピザを作るときは、発酵や、生地伸ばしの時にかなりラップを使いますが、
気温が高い日の塩化ビニルのラップはくっついて切れないことが多いです。
エコラップは餃子やパンの生地うちの台にもよいですね。
他に、子供の手先の感覚では、
ラップを切るのが大変なことがありますが、このエコラップは扱いやすいはずです。
化学的なラップは薄いゆえに手指の発達が未熟な子供には扱いが難しいのです。
お手伝いを頼んでも、使い捨てラップの刃で怪我をしたり、
望んだ大きさに切れなかったり、上手くお皿を包めなかったりします。
エコラップは折り紙より厚い素材なので、少し教えてあげれば使えるようになりますよ。
エコラップで保存するのがおすすめの食材
野菜を自宅で作っていると、大量に野菜が出来て、終いには食べきれなくなるということがあります。
特に厄介なのは、トマトやキュウリ、ナス等水気が多い野菜です。
傷がつきやすく、足が速いので、ひとつずつエコラップで包むと良いですよ。
ショウガもしっかり包んでおけば乾燥したり腐ったりせずに保存できます。
他におすすめできるのは、キノコ類の冷凍です。
シイタケなどは冷凍すると、うまみが増えます。
我が家では、納豆がエコラップに守られています。
納豆菌はビタミン群やカリウムを作って、
歯の健康も守ってくれる体に有用な菌ですからね。
エコラップ、使い始めてごみの量は減った?
前回の記事で書きましたが、当家はラップをあまり使わない家庭です。
でも、やはり、ごみの量は減りましたね。
家族がもともと小食なので、お米やおかずが割と余るのです。
後は、お酒が好きな家族がいると、つまみを欲しがるので小鉢の数が増えます。
そういったときにラップを使ってしまいがちですが、
エコラップに変えると、切る手間もなく楽ですよ。
エコラップ、注意をした方がよいと思った点
やはり、注意書きにあるように、化学製品と熱には注意が必要です。
何も知らない家族が間違って
電子レンジや熱いものとの併用をしないよう、周知を徹底することをおすすめします。
熱消毒が出来ない素材なので出来たら、
肉、野菜用に分けた方が確実に食中毒を防ぐことが出来ます。
自然の素材で酵素を壊さずに食品を保存できるエコなラップは生活の強い味方
このエコラップ、もっと枚数があればよいのにな、
まとめ買いするべきというのが今の私の本音です。
庭で野菜を作っていると、常時収穫物がありますからね。
包んだまま、ご近所に差し上げても、柄が可愛らしいのでそのまま保存していただけそうです。
ペットと暮らしていると、自分の健康もそうですが、
彼らの健康やほかの動物の健康も気になります。
環境に優しいラップは嬉しいですね。
お使いになる際には、ミツロウのお礼に、
ご自宅の庭やベランダの一角にハーブや野菜等ミツバチが吸蜜出来る花を植えてあげてください。
民家の花も、都市部での養蜂の下支えになっています。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU MarketIN YOU おすすめの、環境に優しいオーガニックラップ
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参考
「[成果情報名]夏季アスパラガスの切断面保護技術及び耐水性ダンボール箱を組み合わせ た流通体系」
「蜜蝋の分析とデカルトの物体概念」
「9月28日:イヌイットの寒冷地適応(9月18日号Science掲載論文)」
「蜜蜂被害事例調査」
「世界におけるミツバチ減少の現状と 欧米における要因」
「果実によるタンパク質分解酵素の活性検査」
「唾液抗菌作用を食品成分でサポートする : 納豆菌を用いた抗歯周炎効果の検討 : 研究成果と臨床応用」
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