【緊急レポート】南半球・オーストラリアのメルボルンで私が見た、新型コロナウイルス問題の現状
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南半球・オーストラリアのメルボルンで私が見た、
新型コロナウイルス問題の現状
世界規模の大問題となっている「新型コロナウイルス」。
日本でも先日、緊急事態宣言が一部の地域で発表されました。
現在私は、3月中旬からオーストラリアのメルボルンで暮らしています。
現地では日本よりも約2週間早く、ロックダウンが始まりました。
そんな私の住むオーストラリア、特にメルボルンエリアでの、
私が入国してから現在に到るまでの「新型コロナウイルス」に関する
現状についてお伝えしたいと思います。
即座に感染拡大地域からの入国を制限。
事態は徐々に深刻に。
私が入国した3月の中旬、既にオーストラリアは中国、イタリア、韓国からの入国を制限していました。
とはいえ、当時は街の中心地を歩いていても、
マスクをつけている人はほとんどいませんでした。
入国してから3日ほど経った日、
「オーストラリア内でも徐々に感染が深刻化し始めている」
との情報が入ってきました。
ほぼ同時期に、俳優トム・ハンクスさんのオーストラリアでの感染のニュースが流れ、
マスクの着用者が増える、など少しずつ市民の危機感が高まっていく様子がわかりました。
激しい買い占めが発生。
この頃から、スーパーマーケットの商品が夕方頃にはほとんど売り切れてしまい、どの店も棚が空っぽ、といった状態になっていきました。
もともと入国当初から、ティッシュやトイレットペーパーは品薄、品切れの状態でしたが、
やがて食料品の買い占めが起きるようになり、主にパンやシリアル、卵、乳製品
といった商品が街中から一気に姿を消していきました。
政府による行動制限がスタート。
3月23日に政府から48時間の「商業施設閉鎖宣言」が出されました。あまりに突然の発表に私を含め、皆とても驚きました。
そして48時間後の3月25日、本格的な「ロックダウン」が開始され、
食料品の買い出し等の外出を除き、不要不急の外出の自粛が呼びかけられました。
さらに30日からは新たに、
70歳以上の高齢者と疾患を持つ60歳以上の方への自宅での「自主隔離要請」と、
屋内外を含めた家族以外の人との3人以上の「集会禁止」の追加発表がありました。
そして4月3日以降、VIC(ビクトリア)州、NSW(ニューサウスウェールズ)州、
首都特別地域を除く州で「入州規制」が出されています。
同じ国内での移動の制限が出されたのです。
違反者には厳しい罰則規定も。
街中では、警察によるパトロールもあり、違反者は注意を受けたり、シドニーのあるNSW州は、これらの措置に対する違反者には
$11,000の罰金または6か月間の懲役が課されるほか、
別の州でも罰則規定が見られます。
市内では様々な感染防止策が
次々に実行に移された。
このロックダウンを受けて、スーパー、コンビニ、薬局は営業を続けていますが、飲食店やカフェはテイクアウトのみ、または、無期限の休業。
残念ながら完全に廃業してしまったお店もあります。
図書館などの公共施設も閉鎖休業。
ショッピングモール等のフードコート内やベンチにも
規制テープが張られ、使用できなくなっています。
人と人との間隔は1.5m以上あけるよう指示があり、
スーパーのレジ前の並ぶところには目印が貼られ、それを超えると店員から注意を受けます。
セルフレジの多いオーストラリアですが、この指示が発表されて以降、
レジを1台ずつ飛ばして使用するように規制され、さらには、
使用後のレジを店員がアルコール消毒をした後に次の人が使うようになっています。
買い占めが予想される米類、パスタ類、乳製品、アルコール消毒液等の購入は
1人につき2個まで、といった制限もされています。
また、ここ2,3日前からは、スーパーへの入店制限が始まりました。
店内に入った人、出る人を出入口でカウントし、店員の指示で入店が許される仕組みです。
そして、これはマーケットの入り口の写真です。
手をかざすとアルコール消毒液が出てくる機械がかれています。
全ての場所ではありませんが、こうしたアルコール消毒液が
一部の店舗や場所には設置されています。
仕事は原則、在宅勤務に。
学校は授業をオンラインに切り替え。
街中からは人が消えた。
仕事に関しては、病院勤務や介護などの仕事など、どうしても自宅では出来ない職種の人のみ、オフィスでの就業が許されていますが、基本的には在宅勤務に切り替わっています。
学校も2週間、もしくは3週間の休校、その後、オンラインでの授業再開となりました。
そのためか、街の中心地でさえ、ほとんど人が見られません。
私は現在、メルボルンの中心地からトラム(路面電車)で30分ほどの郊外に住んでいますが、
スーパーへの買い物に行く際に工事作業の方や、郵便や宅急便などデリバリ―の仕事の方を除くと、
数人にしかすれ違わないほどです。
信号待ちをしていても、自然と周囲と間隔をあけるようにみんな動いています。
以上が、私がメルボルンに来てから現在までの約1か月間の様子です。
ロックダウンが発表された当初、突然だったということもあって不安や混乱も見られましたが、
3週間ほど経った今、市民やスーパー、街の様子を見ていると、
徐々に落ち着いてきているように感じます。
感染拡大が比較的抑えられているオーストラリア
この記事を執筆している4月9日現在、オーストラリア全体で感染者数は6103人、そのうち51人の方が既に亡くなっています。
また、コロナウイルスのテストは約33万件実施されています。
私個人としては、人数は決して少ないとは思えませんが、
世界的にみると、感染者も増加率も少ないオーストラリア。
なぜここまでで抑えることができているのでしょうか。
政府の迅速な対応が感染抑止に繋がった。
私の考えるその要因のひとつには、政府の初動がとても速かったことがあげられると思います。
3月20日の午後9時以降、オーストラリアへの全渡航者への入国を禁止、
25日からは本格的なロックダウンを実施。
感染者が広まり始めた初期から、かなり厳しい措置を取っていました。
市民も衛生管理を意識的に実行。
加えて、市民一人ひとりの健康管理への意識の高さやコロナウイルスへの危機感の大きさも高く感じます。
普段はあまりマスクをしないオーストラリアの方がマスクを着用していたり、
アルコールの除菌(殺菌)ジェルを携帯していたり、
周囲の人とも距離を取ろうという意識が自然に見られます。
ロックダウン以前、特に私がメルボルンに来た1ヵ月前と比べると、
ロックダウン以降、街で見る人の数は、ガクッと減りました。
ニュースやSNSから感じる日本の様子と比べると、
オーストラリアの人たちは一人ひとりがかなりストイックに対応、対策を取っています。
少なくとも、私がスーパーへの買い物のために外へ出るときには、
不要な外出をしているような人は一人も見ません。
日本の皆さんも、
今はオーストラリア人を見習って
ストイックな行動を!
もちろん、日本の方々も意識の高い方、危機感の高い方も多いと思います。しかし、日本の知人からの情報やSNSを見ていると、
不要不急ではない外出をしている人もまだ多くみられるように感じます。
大事な予定、楽しみにしていたイベントなど、コロナウイルスの影響で中止や延期してしまい、
悲しい気持ちや悔しい気持ち、やり場のない気持ちを抱えて、ストレスが溜まってしまう気持ちもあると思います。
外に出たい気持ちもあると思います。
しかし、このオーストラリアや他の海外の国の様子からも分かるように、外出したい気持ちを今は抑え、
控えることで、少しでも感染は抑えることができると私は思います。
特に私のような若い世代の方たちは、自分の感染リスクだけではなく、
自分が自覚のない間に、他の誰かに移してしまっているかもしれない、広めてしまっているかもしれない、
という意識、リスクをもっと強く持つべきだと思います。
特に今は、自分だけではなく、周りの人へのことも考えて、自分の行動をとるべき時なのです。
自分が自覚のないうちに、誰かを感染させてしまい、その方を重症化させてしまったら。
逆にそれが自分や自分の家族、親戚の身に起きたら。
とても怖いですよね。
私のこのオーストラリアに関するレポートを通じて日本とは別の国の様子や状況を見て、
少しでも何か感じてもらえたらとても嬉しいです。
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