【緊急レポート】欧州パンデミックの中心地イタリアからのメッセージ1:共に生きるために今伝えたいこと
【緊急レポート】欧州パンデミックの中心地イタリアからのメッセージ1:
共に生きるために今伝えたいこと
新型コロナウイルス の感染拡大により世界的に見ても多くの死者を出し、
厳格な隔離措置が課されているイタリア。
日本でも、その衝撃的な数字や閑散とした街の様子が繰り返し
メディアを通じて伝えられていると思います。
今回の新型コロナウイルス に関しては日本でも感染が目に見えて広がっており、
そうした映像を目にすることで、不安に襲われることもあるでしょう。
当然ながら、イタリアでも人々は目に見えないウイルスへの恐怖を感じ、
医療関係者らの困ぱいぶりなどを見るにつけ、胸が塞がるような思いで日々を過ごしています。
しかし、日本のメディアが報じるイタリアは、私がここで目にしているイタリアとは少し違う。
私はそう感じています。
イタリア人は力強く逞しく、そしていつものように朗らかに
この状況を乗り切ろうとしているのです。
イタリア在住の著者の知人の娘さんによる絵「Andrà tutto bene(全て上手くいくよ)」
日本にはまだ学ぶチャンスがある!
さて、いま現在の日本の感染状況は、一ヶ月前のイタリアをすでに超えています。日 本:感染者数3,271名、死亡者数70名(4月5日12時時点)
イタリア:感染者数1,557名、死亡者数34名(3月1日時点)
(参考「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」、「Covid-19: i casi in Italia alle ore 18 del 1 marzo」)
イタリアはここからがあっという間でした。
もちろん日本が同じ道をたどるとは限りません。杞憂にすぎないかもしれません。
しかし、このウイルス の感染力を考えれば、「今すぐ取り組む必要がある。」それは断言できます。
何もなければそれでよし。
しかし、対応が遅れれば遅れるほど収束が困難になるのはイタリアで実証済みです。
日本はイタリアの事例から多くのことを学び生かしていくことができるし、生かしてほしい。
そう願って、2回に分けてイタリアの状況をお知らせいたします。
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【第1弾】イタリアが欧州でパンデミックの中心地に:その原因とイタリアがとった対策
【第2弾】隔離措置期間の過ごし方:買い物は?子どもたちの学校は?心が苦しくなったら?
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いまイタリア人が望んでいること。
それは、愛する人を失った悲しみを実感することすらできない状況を、
これ以上誰にも味わってほしくないということです。
感染の抑止に向けて、
イタリアが経験したこと/していることをどうか日本でも役立ててください。
ナポリの窓辺。有名な一節「夜は過ぎ去らなければならない(いつか夜は明けるが待たなくてはならない)」が掲げられている。
イタリアのプラス面・マイナス面すべてが
パンデミックを誘発した!
中国の武漢市が新型コロナウイルス (以下、コロナウイルス とだけ記載します)の急激な感染拡大で大変な状況に陥っていた頃、こちらイタリアではあくまで“対岸の火事”と捉える人がほとんどでした。
当初は、首都ローマで治療を受けていた中国人旅行者夫婦と
武漢に留学していた若いイタリア人学生の計3名の感染者を確認したのみ。
そして欧州では最初に中国発着便を止めるという思い切った行動をとるなど、
イタリア政府は感染をコントロールしていたかに見えます。
それが、いつしかパンデミックの中心地へと激変。
これにはイタリアの良いところ、悪いところ全てが感染拡大に繋がったと考えられています。
もちろん今後検証は必要ですが、今回のイタリアにおけるパンデミックの要因になったと考えられることを
順にご説明していきます。
原因①始まりが地方の小都市だったこと
感染拡大の始まりがビジネスの中心地ミラノや観光客でにぎわうフィレンツェ、外国人留学生の多いペルージャといった都市であれば、また状況が違ったかもしれません。
しかし、感染経路不明の陽性者が現れたのは、北イタリアにある、人口がわずか1万6000人あまりの
小さな自治体・ロンバルディア州コドーニョ。
その町の人々にとって、コロナウイルス は遠いアジアの話。
コロナウイルス ではないかという疑いがもたれることなく、感染者から診察をした医師へ、
そして医療関係者や他の患者へと院内感染が進み、院外へと広がっていきました。
原因②親密な家族関係と高齢化社会
イタリアの家族愛の強さは多くの人が知るところ。成人した子どもが親と暮らす割合も多く、結婚して家庭を持った後も頻繁に実家を行き来します。
筆者も隔離期間に入るまでは週に1回、少なくとも10日に1回は車で1時間あまりの場所に住む義家族を訪ね、
昼食や夕食を共にしていました。これは家族を大事にするイタリアでは普通のことなのです。
クリスマス前に発熱した時には、解熱剤を飲んでも当日くるようにと実際に言われたことも。
たとえ子どもが体調を崩して学校を休んでも、よほど高熱でなければ家族の誘いは断れない
という雰囲気もあります。
ある年のクリスマスの食卓(4世帯が集合)
イタリアは日本に並ぶ世界屈指の長寿国。
こうした緊密な家族関係もあって、感染は高齢者にも瞬く間に広がりました。
亡くなった方の多くが70代以降、最も多い年代は80代。
これが群を抜いて死亡率が高まった理由の1つです。
原因③他者との物理的・心理的距離が非常に近い
各国によって規定は変わりますが、多くの国で感染防止のため、人との物理的距離を1メートルないし2メートルとることが推奨されています。
しかし、通常であれば家族や友人と会えばまず手を握りハグ、そして両頬へのキス。
帰り際にもハグと再び頬へのキス。
このように他者との物理的距離が非常に近いのがイタリアです。
友人の友人であってもまるで親友のような挨拶を交わすこともしょっちゅう。
さらに会話が白熱すれば(すぐに白熱しまうのです)唾も飛んでしまいます。
また、社会全体が子どもに対して愛情を注ぐこの国では、地方都市に暮らすアジア人の私ですら、
息子と一緒にいるだけで見知らぬ人に話しかけられる率がぐんっと上がります。
心理的にも他者との距離感が近い社会であると言えるでしょう。
悲しいことに、このようなイタリア人の持つ人懐っこさや愛情深さも
感染を拡大させることにつながったと思われます。
原因④脆弱な医療制度、衛生観念の低さ
日本ではあまり知られていませんが、イタリアの医療のレベル自体は高く、優秀な医師も多くいます。
しかし、特にこの10年間で年々、医療関係の予算は削られ、医師をはじめとする医療従事者が減少。
集中治療室や設備の縮小もあいまって、今回のパンデミックへの対応にとても苦慮するという
状況が生まれました。
さらに、各個人の衛生観念も日本には劣ってしまいます。
今回の問題が起る前は、マスクをする習慣はもちろんなく、手洗いやうがいも重要視されていませんでした。
原因⑤段階的な対応をせざるを得なかった(対応の遅さ)
中国が武漢市を封鎖していたとはいえ、欧米ではイタリアがこのような危機的状況への対応を迫られる、最初の国になりました。
緊急事態と言ってもイタリア北部以外はそれほど差し迫った状況でもなかったことから、
即座に大胆な対策をイタリア全土に向けてとることができなかった面は否めません。
段階的な対応にならざるを得なかったことが全国への感染拡大を招く結果となりました。
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日本も、イタリアとよく似た環境にある
上記にあげた感染拡大の原因を見ると、日本とは全く違う文化・環境の国の話だと思われるかもしれません。しかし、日本は
・感染経路を十分に捉え切れておらず、小さな町から拡大が始まる可能性が十分ある
・イタリアと同様に高齢化社会
・混みあった公共交通機関を利用する人が多く、人同士の物理的な距離が近い
・自分には関係ないと思っている人が年代を問わずまだ多くいる
・感染者用の病床数が不足している
感染拡大に繋がる要因がイタリアと重なります。
しかし、日本とイタリアで大きく違うところは、
日本は他国で行われている対策を参考にできるということ!
政府の対応は当然ながら重要です。
海外に住む日本人にとって、現在の日本政府の対応はもどかしく、
ニュースを読むたびに(私自分もパンデミックの中心にいるにもかかわらず)日本のことが心配でなりません。
しかし、感染拡大を抑制するためには各個人の意識も非常に重要になってきます。
政府が全土を封鎖し、移動制限をかけたイタリアですら、
首相や自治体の長が「未来はあなたの行動にかかっている」と日々呼びかけています。
イタリア政府の決断に国民も腹をくくった
当初はただのインフルエンザだと軽く見る人たちも多くいました。「自分は若いから」「基礎疾患がないから」または根拠のない「自分は大丈夫」という自信で、
規制を無視する人々も。
しかし、約2万人の死者を出し、経済的にも大きな痛手を負ったイタリアで、
そのように考える人はいま皆無でしょう。
国を信用しないイタリア人が政府に従った
元々の国の成り立ちが都市国家の集まりということで、イタリア人は一般的に国よりも自分の住む都市や地域、
そして家族と、より小さなソサエティを信じる傾向が強い人たちです。
そんなイタリア人が、戦後最大の危機を迎えた今回は腹をくくり、
国の舵取りに身をゆだねて団結しています。
国が実施している隔離措置と重なる部分もありますが、
いまイタリア人がコロナウイルス に打ち勝とうと実践していることをご紹介します。
■私は家にいます(#Iorestoacasa)
感染しないため、感染させないため、これ以上医療関係者の負担を増やさないために、私たちができる一番のことは家にいること。
SNS上では「私は家にいます(Io resto a casa)」を意味する
ハッシュタグ#Iorestoacasaがあふれています。
■距離を取って団結しあおう(#distantimauniti)
生活必需品以外の販売活動休止を決定した際、コンテ首相はこう国民に語り掛けました。「この先も皆と共に歩み進め、ハグするために、今日は距離を取ろう」
イタリアでは、外出時に他者と1メートルの距離を開けるよう定められており、
人とすれ違う際には十分距離を取るよう皆が心がけています。
移動制限が出された翌日。この時はスーパーに並ぶ人の距離感がまだ近い。
■清潔さに対する新しい価値観の芽生え
マスクは感染者か病院関係者がすれば良いとされていましたが、意識の高まりからスーパーなど屋内だけではなく、街でもマスク姿のイタリア人を見かけるようになりました。
元々マスクをする文化ではないことから、イタリアでもマスクは品薄状態。
三角に折りたたんだスカーフやネックウォーマーで代用している人も多く見かけます。
また、手洗いを意識的に行う人が増え、ウイルス を家に持ち込まないよう、
靴を家の入り口で脱ぐといった日本では当たり前のことを実行する人も増えました。
消毒液はこちらでも手に入りにくいため、まめな手洗いを心がけている人が多いようです。
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■一大イベントの「イースター」も電話やオンラインで
カトリック教徒にとってクリスマスに並び最も重要なイベントである復活祭(イースター)が4月12日に迫ってきました。
例え歩いて3分の距離に住む家族であっても基本的に接触が禁止されていることから、
少なくとも筆者の周囲では皆が、「電話やビデオ通話でのお祝いに徹する」と断言しています。
感染者の増加率がようやく低下してきており、イタリア人にとってここが大きな踏ん張りどころ。
12月にクリスマスを共に過ごすための我慢。とにかく集まらないことが大事です。
勤勉な日本人にとって最も難しいこととは
ここで挙げた対策を実行することは、根が真面目な日本人にとってとりわけ難しいことではないですよね。
ただ真面目だからこそ、様々な規制が「要請レベル」の現段階では
思い切った行動をとれずにいるのでは、と思います。
色々なしがらみや経済的な問題、周りの目が気になって一歩踏み出せない、
こうした気持ちはよく分かります。
でも、そんな時は、手を握ることも、顔を見ることも、お別れすら言えずに、
大事な人を失ってしまった数多くのイタリア人のことを思い出してください。
どうか、できることから、できることだけでも良いので実行していきましょう。
各自の行動が未来を変える。
イタリアではみながこの言葉を実感しています。
イタリア人に倣ってポジティブに
天候が安定しないことからイタリアでは3月を「狂った3月」と呼んでいます。それが今年は外出できないというのに穏やかな暖かい日が続き、
なんとも皮肉なことだと言われていました。
しかし、暖かい日差しが降り注いだからこそ、
心沈みがちな厳しい期間を何とかやり過ごすことができたのかもしれません。
窓の外は春。花が咲く様子に「そうだ、毎年花は咲くんだ」と励まされます。
ネガティブをポジティブに変換する才能を持つイタリア人を見習い、
この苦しい時期が真冬でも真夏でもない、草木が芽吹くこの時期であったことに感謝。
次回は、人生を謳歌する天才、イタリア人がどのようにして隔離期間をすごしているのかをお知らせします。
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