実はオーガニック先進国⁈シンガポールの最新オーガニック市場を現地からレポート!
「健康的な食事で、長寿の国。
もちろん、採っている食材もオーガニックの新鮮なものなはず!」
海外からのそのように見られているのに、世界的に見ても、
オーガニック食材の普及が大幅に遅れている、と言わざるをえない日本。
それでは、近隣諸国はどうなのでしょうか。
今回は筆者の住む東南アジアの小さな島国シンガポールのオーガニック事情をレポートします。
意外?!シンガポールでなぜオーガニック?
健康促進の影に少子高齢化社会のシンガポール
筆者は何を隠そうシンガポール在住7年。この7年間だけでも、私達の生活には目まぐるしい変化があり、『食文化』もまさにその一つ。
私たち消費者にとって、オーガニックは今やより身近な存在と言えます。
マリーナベイサンズに、近代的なビル群が象徴的なシンガポール。
日本人観光客も多く、そのお目当ては、ミックスカルチャーを舌で味わうべくした、
シンガポールのローカルグルメという方も多いかもしれません。
シンガポールのローカルグルメと言えば、
ホーカーフード(屋台フード)を代表した安い旨いが揃った料理の数々。
そんな印象を持っている方であれば、
「シンガポールでオーガニック・・・?」と疑問に思うかもしれませんね。
実は、シンガポールは、日本同様に少子高齢化社会。
平均寿命は82歳。
より快適で健康的な老後を送るためにと、国を掲げて健康への取り組みがされているのです。
誰だって、「いつまでも健康的で病気知らずな人生でいたい」と願いますよね。
運動はもちろん、食事に気を使うライフスタイルになるのは必然的な流れなのです。
参考: 「ヘルシーライフスタイル:シンガポール版(2018年3月)」
3食外食も珍しくない?!外食文化が生む健康被害
女性の社会進出が活発で共働き世帯が多いシンガポール。
シンガポールでは、男性よりも女性社長の方が多いなんてデータもあります。
そういった家庭環境により、子供の頃から3食外食という家庭も実は少なくないシンガポール。
また、メイド(ヘルパー)を雇っている家庭では、お菓子をたくさん与えるなどといった、
偏った食生活を送る子供たちの姿も少なくありません。
実際、筆者の2歳の娘の通う幼稚園では、
実際ご飯前に甘いクッキーやチョコレートなどを与えているメイドの姿をよく見かけます・・・
そこで、問題となってくるのが肥満という生活習慣病。
「安い!旨い!早い!」と三拍子そろったホーカーフードは、塩分が高く、野菜などのビタミンは不足しがち。
また、安いというだけあり、使用しているのは農薬まみれの輸入食材。
今年に入り、肥満児の割合が拡大しているとシンガポールの保険省が発表したことをきっかけに、
多くの世帯が外食を控え、より健康を意識すると同時に、食への安全性を求める動きが増えました。
筆者の周りには「子供が産まれる前は外食ばかりだったけれど、今はちゃんと自炊するようになった。」というシンガポール人ママ友も少なくありません。
参考: 「More women in Singapore boardrooms last year: Report」
参考: 「シンガポール、前肥満の成人の割合が低下、子どもでは拡大」
残留農薬への危機感
シンガポールは東京23区ほどの小さな島国。国のほとんどが、住宅やオフィス、工場で占められています。
そして今尚続く建設ラッシュのおかげで農業に使える土地は皆無と言えるほど。
実際、シンガポールにある食料の90%を外国に頼っているといるのが現状です。
健康を意識して外食を控えても、
スーパーでは意識せずに安いものを選ぶと、過剰な農薬が使用されている食材を選ぶことに繋がってきます。
ローカルのスーパーマーケットで、売られていたレタスに大量の殺虫剤が使用され、
リコールされたというニュースが出てきたことは、
消費者側の食品への安全意識が強まっていることを象徴していると言えるでしょう。
参考:「Lettuce recalled over high levels of pesticide」
人種のるつぼ・異文化の混じり合った国シンガポールではオーガニック文化が定着するのは必然的
移民が多いことによってオーガニックの定着に繋がった
中華系が大半を占めるシンガポールですが、元々イギリス領だったこともあり、
ヨーロッパの文化が根強く残っていて、西洋と東洋の文化が入り混じった独特な国。
地理的な理由から貿易業が盛んで、法人税が安価ということもあり、
世界中の人々が住むこの国はまさに人種のるつぼ。
筆者が住んでいるこの7年間という期間だけれでも、
駐在雇用や現地採用雇用に関わらず海外からの移民は増え、
そういった時代背景は私達のライフスタイルに大きく影響するように。
地元の人もよく通う一般的なスーパーマーケットでは、一角にはオーガニックコーナーがあるのは当たり前。
野菜から果物までその時期の旬の品が並ぶのが一般的ではありますが、
どのシーズンでも必ずあるのは葉物野菜。
中華、マレー、インドネシア料理などの東南アジア料理には欠かせない野菜です。
店舗によって品揃えは異なりますが、
生鮮食品以外にも穀物や飲み物、お菓子、そしてシャンプーなどの生活用品に至るまで、
様々なオーガニック商品を手に入れることできます。
後述するオーガニックスーパーに比べて、比較的安価な値段でオーガニック商品を購入できるとあって、
庶民にとっては手軽と言えるのは間違いありません。
また、日本人在住者に人気の地元のマーケット・チョンバルマーケット(Tiong baruh market)には、
オーガニックの野菜やフルーツが少しではありますが並んでいます。
南国らしく、旬のトロピカルフルーツは水々しく新鮮なものが頂けるのが嬉しいポイント。
7年前にはシンガポール国内に数店舗しかなかったオーガニックスーパーは、
現在では大小合わせて数十店舗以上。
欧米の人が多く住むエリアに多くある印象です。
オーガニックスーパーには、さすが “オーガニック” と付くだけあって、充実の品揃えが魅力。
生鮮食品や肉魚など食料品はもちろん、洗剤やソープなどの生活消耗品に至るまで、
すべてオーガニックの商品が集められています。
英語で情報をいち早く掴むシンガポールの若いひとたち
シンガポールの公用語は英語。
海外の人からは、”シングリッシュ”(シンガポール・イングリッシュ)なんて言われることもありますが、
話せる/理解できることには変わりはありません。
言語が分かるということは、海外の文化が急速に入ってくることにも繋がります。
インターネットが普及するなかで、英語で海外の情報に容易にアクセスできることは、
世界のトレンドが分かるということ。
健康に関心のある若い世代を中心に、海外のオーガニックのオーガニックのトレンドをキャッチしたり、
YouTubeを見たりして、オーガニック野菜の選び方のポイントを学ぶという人もいます。
また、小さい国の中では、
ネットを中心に活躍するインフルエンサー(ブロガーやインスタグラマー)も多いんです。
海外に行く機会も多いインフルエンサーのライフスタイルに、強く影響される若者が、
オーガニックを生活に取り入れることは当たり前となってきています。
シンガポールは世界一健康な国?!
シンガポールは世界一健康な国としてランキングされたことがあります。
国民それぞれの健康への意識が高まってきて、
オーガニックを始めとしたヘルシーなライフスタイルを心がけている人が多いから、
というのが結果に現れているのでしょう。
日本もシンガポールのように、少子高齢化社会が懸念され健康問題も今後増えてくることが指摘されていますよね。
今後、更に加速する問題に対して、まずは私達が生きていくために欠かせない食事に対しての意識を変え、
オーガニック食材に目を向けられるようになれれば良いですね。
参考: 「CHANNEL NEWS ASIA」
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