ガンの補完剤としても研究が進むローズマリーの驚くべき5つの効果とは?
ガンの補完剤としても研究が進むローズマリーの驚くべき5つの効果とは?
庭木などでよく見かけるローズマリー。
「記憶のハーブ」「若返りのハーブ」としても知られているのをご存知でしょうか。
摘んだ後もその芯のある香りが失われないことから、「永遠」を象徴するハーブともいわれています。
「記憶」「愛」「永遠」「貞淑」の意味を込めて、ヨーロッパではお葬式や結婚式などの重要なシーンでもよく使われます。
古来から人々に愛されてきたローズマリーですが、現代では研究が進み、アンチエイジング、糖尿病、認知症、脳の活性化、ガン予防、ダイエットなど、驚くほどたくさんの研究結果が報告されています。
こんなにすばらしい効果があるハーブが身近にあったなんて!と私自身も驚いています。
ぜひ多くの人にローズマリーのことを知っていただきたいです!
ローズマリーとは?
ローズマリーは元々は南ヨーロッパから西ヨーロッパにかけての、石が多く、乾燥した地域に生えるハーブです。
シソ科マンネンロウ属の常緑性低木で、特に地中海エリアの海沿いの地域を好んで生育していました。
ローズマリーはその芳香を生かし、主に肉や魚料理に使用される他、クッキーなどのスイーツにも使われます。
料理以外にも、若返りのハーブとして化粧品や入浴剤など、ローズマリーはさまざまな用途に使用されます。
人々とローズマリー
ハーブとしての非常に長い歴史のあるローズマリーですが、その効果が科学的に分析される何百年も前から、多くの人々が記憶や若返り、魔除けのハーブとして使用してきました。
ローズマリーにはいくつか有名なストーリーがあります。
ローズマリーを使った若返りの水、ハンガリアンウォーター
ハンガリアンウォータとは14世紀に作られた『若返りの水』です。世界最古のアルコールベースの香水だともいわれています。
ハンガリアンウォーターにはこんなお話があります。
14世紀、70代であったハンガリーの女王はリュウマチや頭痛に悩んでいましたが、彼女のためにイタリア修道院はローズマリーなどのハーブをアルコールに漬けこんだものを作成し、献上しました。
女王はそれを手や顔に塗ったり、飲んだりして使い続けるうちに、女王はツヤのある肌と若さを取り戻したといいます。
かつての美しさを取り戻した女王は、その後なんと好意を抱いていた20代の王子にプロポーズされたという逸話が残っています。
このハンガリアンウォーターは、約700年たった今も人気の美容液として使われています。
自然の恵みを材料とした美容液は安心できそうですね。
家庭でも手作りすることは難しくありませんので、興味のある方はぜひ作ってみましょう。
◆ローズマリー 10g
◆ミント 10g
◆バラの花びら 5g
◆レモンピール 5g
◆ミネラルウオーターまたは精製水 200ml
◆無水エタノール 100ml
◆(お好みで)レモンバーム 5g
(材料は乾燥ハーブを使用する場合の分量です)
1、ハーブ類を煮沸消毒した保存容器に入れます。
2、ハーブ類がしっかりと漬かるように水と無水エタノールを注ぎます。
3、保存容器を振り、よく混ぜます。
4、冷暗所で約1ヵ月寝かせます。ときどき保存容器を振りよく混ぜます。
5、濾して他の保存容器に保管します。
完成したものを10~20倍にミネラルウォーターでうすめて使います。
顔や手などアンチエイジング効果が欲しい場所に塗りましょう。
また、1600年代に書かれたシェイクスピアの4大悲劇のひとつ『ハムレット』。
復讐をテーマにしたこの作品の第4幕第5場に、ローズマリーは記憶のハーブとして登場します。
これがローズマリー、ものを忘れないようにするお花よ。ねえ、愛しい人。お忘れにならないでね。
ローズマリーはロミオとジュリエットにも登場します。
昔のヨーロッパでもローズマリーは広く記憶や永遠のシンボルとして知られており、こういったお話の中でも使用されていたのですね。
ローズマリーの期待効果
記憶力アップが期待できる
はるか昔から「記憶のシンボル」として知られているように、ローズマリーには脳に刺激を与える効果があるようです。
BBC NEWSで話題になった実験がありました。
あるクラスを2グループに分け、1つのグループには部屋にローズマリーの香りを使い、もう1つのグループには特に何もせず、テストを受けてもらいました。
その結果、ローズマリーの香りを嗅いだ人たちのグループの方が、平均的に5~7%高い点数をとったのです。
もちろんテストを受けた人は、このことを知らずにテストを受けました。
ローズマリーの効果が直接数字として出た、印象深い結果です。
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認知症予防が期待できる
このように、ローズマリーの香りには、記憶力に作用する可能性も明らかになっています。こちらのBBC NEWSの記事によると、それはローズマリーの香りの元のひとつ、1,8-シネオールと呼ばれる化合物が、認知症の治療薬として使用される薬と同じように作用し、アセチルコリンという神経伝達物質を増加させるからではないかということです。
「嗅ぐ」という行為で体の中に入り、「香り」という鋭い刺激により脳に作用するようです。
脳の中で膨大な情報を伝える役目をする神経伝達物質アセチルコリンは、その中でも最も重要なもののひとつです。
アルツハイマー型認知症の人の脳は アセチルコリンの活性が低いことがわかっていますので、それを増やすことによって認知症を予防する方法が研究されています。
またローズマリーに含まれるポリフェノールのひとつロスマリン酸は、モノアミン(※)の分泌を増やすことで、アルツハイマー型認知症の原因の一つである、アミロイドβなどのタンパク質を抑制するという研究結果があります。
※モノアミンとはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称のことです。
このような研究結果をみると、ローズマリーが記憶のハーブと呼ばれるのには大いに納得できますね。
参考:Scientific report
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肥満予防、糖尿病の予防
肥満は、さまざまな病気の原因になってしまいます。
カルノシン酸が豊富なローズマリーの葉は、脂肪の多い食事をとった場合の体重増加を抑制し、コレステロール値と血糖値を改善、さらに脂肪肝にも効果があったという研究結果があります。
糖尿病予備軍、境界型糖尿病といわれる「耐糖能異常」が軽減されるデータもあります。
耐糖能異常とは、空腹時の血糖値が正常値と異常値のあいだにあることで、そのまま放置した場合、糖尿病になる確率が高まる状態のことをいいます。
このような研究結果から、体重の減少を促進し、代謝障害に対する新しい予防戦略としてローズマリーは注目されています。
ローズマリーには脂肪がつきにくくする効果があり、ダイエットに効くとも言われていますが、このためではないでしょうか。
【参考】
National Library of Medicine
National Library of Medicine
アンチエイジング効果
忘れてはならないのがローズマリーのアンチエイジング効果。
若返りのハーブと呼ばれるからには理由があります。
それは、ローズマリーに含まれるその強力な抗酸化作用や抗炎症作用にあります。
先にお伝えしましたポリフェノールの一種であるロスマリン酸、そしてカルノシン酸がアンチエイジングにも大きく役立ちます。
ロスマリン酸はその抗酸化作用で、老化の原因となるタンパク質やDNAなどの酸化を防ぎ、さらに酸化の原因となる活性酸素を消去する働きもあるといわれています。
カルノシン酸は同じく酸化防止の働きをする上、さらに紫外線から皮膚を保護する効果があるといわれています。
そのような理由から、美白、美肌に良いハーブとして、ローズマリーはさまざまなスキンケア用品に使用されています。
参考:Weblio 日本化学物質辞書
ガン治療の補完剤としても研究されている
ローズマリーはガン予防や治療薬としても注目されており、ガン治療における補完剤として研究がされています。ローズマリー抽出物やカルノシン酸、ロスマリン酸を使用し、さまざまな人のガン細胞に対して実験したところ、ガンに対する確かな阻害効果があったようです。
参考:National Library of Medicine
現代人の救世主ローズマリー
昔から重宝されていたローズマリーですが、最新の研究によってよりたくさんの効能が見つかりつつあります。
さらに上に紹介した研究結果の他、その抗炎症作用から、花粉症にも効果が期待できるようです。
まるで現代病の万能薬のようですね。
自然のもので、これだけたくさんの効能が期待できるものはなかなかないのではないのでしょうか。
こんなにすばらしいハーブなのに、ありがたいことに、ローズマリーは手に入れやすいハーブです。
ドライハーブやエッセンシャルオイル、ローズマリーの苗など、ローズマリーを常備しておくと生活のさまざまな場面で役立つかもしれません。
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