あの有名企業も強制労働に加担?あなたが買い物に使ったお金で誰かの暮らしや地球を壊さないために今すぐ身につけたい3ステップの行動習慣
あの有名企業も強制労働に加担?あなたが買い物に使ったお金で誰かの暮らしや地球を壊さないために今すぐ身につけたい3ステップの行動習慣
みなさんは普段、どうやって買い物先を選んでいますか?
有機や無農薬・環境に配慮している・フェアトレードなど、人によってポイントは異なると思います。
中には一部の食べものや生活用品の購入に、大手スーパー・通販サイトを利用する方もいるでしょう。
しかしグローバル化が進みすぎたいま、国内外問わず生産の透明性が不明瞭な商品が、巷に溢れているのも事実。
結果として、わたしたちには見えない形で、自然のサイクルを無視した素材の栽培・調達や、人権を無視した労働搾取が行われています。
なかなか表には見えてこない実態ですが、知っていれば決して支援・加担したくないことばかりですよね。
もし何気ない買い物ひとつで、巡りに巡ってわたしたちの暮らしを脅かす恐れがあるのなら、なおさらサポートしたくないものです。
実はけっこう影響力の大きい「買い物の仕方」を、ちょっと考え直してみませんか?
いま、再度注目するべき「買い物は投票」の考え方
現代社会に暮らすわたしたちには、お金の流れを意識して買い物をすることが求められています。
購入商品が”どこで・誰によって・どのように出来ているか”を考え、買い物先を選ぶ必要があるのです。
よく「買い物は投票だ」といいますが、商品やサービスにお金を払えば、そこに関わった人や企業にお金が渡るということ。
働いている人や環境へのサポートになる場合もあれば、かえって人権侵害・環境破壊に加担している場合も。
最近の日本で聞かれるようになった「エシカル」や「サスティナブル」という言葉がありますね。
これらは、人間を含むすべての生物の「健康に生きる権利」を保障し、持続可能で無理のない暮らしを目指す流れから来ています。
また「オーガニック=身体によい」イメージだけが先行しているように思いますが、本来オーガニックも”サスティナブル・エシカル・フェアトレード”といった概念に通ずる言葉。
ただし、オーガニック商品なら何でもよいということでもありません。
生産の実態が悲惨だったり、販売側が生産者に圧力をかけていたりする事実もゼロとは言い切れないからです。
”何を・どこで買うか”によって、暮らしや社会が大きく変わるということを、ぜひ頭に入れておいてください。
ひとりひとりの「買い物」が、国や世界を動かせる!
2020年、ようやく日本でプラスチックのレジ袋が廃止されましたね。
気候変動やゴミ削減の観点から、消費者による「NO」の意思表示が強まり、企業も国も辞めざるを得なくなったことが大きいでしょう。
買い物も同じように、消費者が広告や流行に惑わされず、厳しい目で選ぶようになれば、売る側も生産側も「これは変えなければ」と危機感を覚えるはず。
草の根運動のようですが、やはりひとりひとりが声を上げ、みんなで連帯することが大切です。
イギリスでは、ゲノム遺伝子を使用した商品の流通に関して、民間団体が消費者に「NO」を示すよう呼びかける運動が起こりました(※)。
消費者がゲノム遺伝子の商品を買わなければ、企業もつくる意味がなくなるから。
市民や消費者による「買い物」の変革は、小さいようで社会に絶大な変化を起こせるのです。
他人事ではない。気候変動の観点から、買い物を見つめなおす
買い物を考えることは、わたしたちの暮らしや社会・ひいては地球の環境を考えることに繋がります。
世界にはいくつもの国や地域が存在しますが、すべての生き物の住まいは「地球」です。
農薬や化学物質を使用し、無理な生産体制をし続けた結果、地球のバランスがどんどん崩れています。
たびたび起きる感染症も、元をたどれば気候変動が原因といわれています。
無理な生産体制は人や動物の住処を奪い、すでに”気候難民”と呼ばれる「気候変動の影響を受けた人々」が母国の住まいを失っているという事実まで。
気候変動と聞いて「自分には関係ない」と思われるかもしれません。
しかし、暮らし・環境・政治・労働…、すべての問題は繋がっています。
気温の上昇による異常気象は、商品生産の過程で起きているさまざまな問題が関係しているもの。
農薬・化学物質を使用した生産や必要以上の家畜生産・自然資源の採掘は、健康被害や貧富差・政治的対立まで引き起こしているのです。
大きなことのように思えますが、上記の問題は消費者の無意識な買い物が原因といっても過言ではありません。
日常的な行為だからこそ、わたしたちの「買い物の仕方」を見直すことが求められています。
その商品、ほんとうに大丈夫?ラベルだけではわからない「生産の仕組み」に向き合って買い物を
買い物をする際、商品のパッケージやラベルを確認する人は、どれくらいいるのでしょうか。
筆者は周りの友人知人の話を聞く限り、念入りにチェックするという人はあまりいません。
しかし、あるものをただ享受するだけでは、無意識に強制労働や差別、環境破壊へ関与している可能性があります。
ここで実際の例を見ながら「無意識に買い物する怖さ」を考えてみましょう。
シンクタンクの告発で判明!世界の大企業が「ウイグル民族の強制労働」に加担
2020年9月、オーストラリアのシンクタンクASPIが、衝撃的なレポートを発表しました。
中国に暮らす少数民族・ウイグル人が、少なくとも世界82社のために強制労働をさせられているという内容です。
Uyghurs for sale | Australian Strategic Policy Institute | ASPI
2017年から19年にかけて、少なくとも8万人ものウイグル人たちが強制労働に従事させられているとのこと。
上記レポートには、ASPIが独自に調査した「強制労働に関与の疑いがある企業リスト」があります。
その中には、日本人なら知らない人はいない有名企業がいくつも名を連ねています。
詳しくは、ぜひレポートをご覧ください(日本でもこの告発を受け、ある企業に直撃取材をしている記事がありました ※)。
おそらくほとんどの人が、一度は買い物やサービスに関わったことがあるのではないでしょうか。
筆者も心当たりがありましたが、もし今回の関与が真実であれば、状況が改善されるまで二度とお金を落としたくないと思いました。
小さな金額でも、支払ったお金は必ず社会の中で回っていくものです。
日本企業の対応はそれぞれ。あなたはどう思う?
最近、ある人権団体と日本ウイグル協会が共同で、当リストに名が載った日本企業18社へ公開質問状を送っています。(この話をまとめたニュースはこちら)
全社が強制労働への加担を否定していますが、回答の中身は企業によってかなり違いました。
第三者による監査を行った企業から、一切の回答を避けた企業まであり、意識の差が露呈することに。
たしかに中国本土は現政権が厳しく、完全に透明性を求めることは難しいのでしょう。
しかし、こういった問題に関する企業の姿勢は生産従事者にも消費者にも、よく考えてほしい問題です。
この問題に限らず、人権侵害や環境破壊行動に関与している企業の商品を購入すれば、その企業にお金を落としたあなたも加害者だということを忘れないでください。
すべての商品は、必ず人の手によって生まれ、使われていきます。
あなたが生産・消費に関わることで、誰かの幸せを奪っているかもしれないと想像してみることが、日々の買い物先を考える大きな一歩です。
買い物をする前に立ち止まって考えてほしい、エネルギー消費のこと
ところで、皆さんはカーボンフットプリントという言葉をご存じですか?CFP(カーボンフットプリント)とは、Carbon Footprint of Productsの略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。
出典:CFPについて|CFPプログラム
こちらは、買い物ではありませんが交通手段別・1kmあたりの二酸化炭素排出量を示した図です。
出典:Carbon footprint of travel per kilometer, 2018
ダントツで飛行機(この場合は国内線)がエネルギーを消費していることがわかりますね。
たった1㎞飛ぶだけで255gということは、輸送にどれほどの二酸化炭素を排出しているか…、もはや想像しがたいレベルです。
商品の移動や、生産段階で必要な素材の調達を行なう場合、必ずといっていいほど交通機関を利用します。
その商品を購入するわたしたち消費者は、膨大なエネルギー消費に加担しているということでもあるのです。
一方、近年は欧州諸国を中心に、カーボンフットプリントを個々の生活に取り入れる傾向が見られるようになりました。
たとえば「移動は自家用車ではなく公共交通機関を利用する」「パッケージや生産にCFPの少ない商品を選ぶ」といったように、身近に考えているのです。
CFPを指標に普段の買い物を考えることで、できるだけエネルギーを消費しない生活を心がけられますよ。
外国産って魅力的!でも大量のエネルギーを消費してまで購入したいですか?
わざわざ日本で手に入らないものを海外から取り寄せれば、特に輸送面で大量のエネルギーを使ってしまいますよね。これは以前ご紹介した「将来、ココナッツが食べられなくなるかもしれない」という話にも通じています。
そのときは、ただ「欲しいから」という理由で手に入れても、世界全体を俯瞰して考えれば、輸送によるエネルギーがどれだけ地球を汚しているか、想像に難くありません。
外国産の商品は、日本では手に入らない素材を使用しているものが多く、魅力的に見えるもの。
でも「身体によさそうだから」と購入する前に、どこで・どうやってできているのかな?と考える癖をつけてみましょう。
絶対に買ってはいけないということではありませんが、購入の頻度を減らすのは有効です。
いつもの買い物に「知る→考える→行動する」習慣をつけよう
日々の意識を変えることは、習慣にしてしまえば簡単です。
なんとなく「安いから」「身体によさそうだから」と買っている商品や購入先を、もうすこし深く見つめてみましょう。
先ほども述べたように、世の中にはラベルだけでは分からない事実がたくさんあります。
すべてを把握するのは難しくても、まずは身近な買い物を通して「知り、考え、行動する」ことが大切です。
新たな発見から、より自分に適切な買い物の選択肢を得るためにも、ぜひチャレンジしてください。
知る①:購入する前に、まず原材料表示と原産国をチェック
実際の売り場で商品を手にしたら、まずはパッケージのラベル表示と成分表・原産国を見てみましょう。有機認証や機関認証表示の有無にかかわらず、パッケージにはたくさんのメッセージが書かれています。
実際の成分表とあわせて吟味することで「消費者に伝えたいメッセージ」が読みとれるもの。
商品の素材や成分は、できるだけ自然でシンプルなものを選べば、身体にも地球にもやさしくていいですよね。
原産国や地域が外国の場合、今後の購入頻度を含めて検討するのも手です。
知る②:SNSやウェブサイトで、企業の理念・メッセージを見よう
もし吟味する時間があれば、買い物先や商品の候補となっているお店・企業を検索してみましょう。ウェブサイトには必ずと言っていいほど、企業理念やメッセージが書かれています。
商品ラベルや成分表だけでは分からない情報もあるので、購入前に一度チェックするのがおすすめです。
生産の透明性を謡っている組織であれば、ものづくりの流れや生産現場の様子を公開している場合も。
いくら「オーガニック」「エシカル」といった言葉を用いていても、ふわっとした表現が多いときは、ちょっと注意が必要です。
筋の通った理念を持ち、正直な商品づくりをしている企業・生産者さんはたくさんいるので、是非そちらを選ぶようにして下さい。
考える:分からないと感じたら、問い合わせてみるのも大事
特に通販では、商品の成分表示がなかったり、不明点も出てくるもの。
そんなときは、遠慮せず販売・生産元に、電話やメールで問い合わせてみるのが一番です。
誠実に答えてくれる場合は信頼してOKですが、回答に納得できない場合は諦めるくらいの心持ちでいましょう。
ほんとうに気にするべきは、購入ショップのポイント・キャンペーンではなく、自分やみんなにとって健康で平和な暮らしをサポートする商品選びですよ。
行動する:地元産アイテムを扱う生産者やお店、マーケットを訪ねよう
大規模なスーパーや大手通販サイトも便利ですが、近所の地元産商品を扱うローカルなお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
カーボンフットプリントを大幅に削減でき、地域の生産者を応援する意味でも有効です。
さらにオーガニック・無農薬でつくられた食品や、丁寧な手仕事による道具は、わたしたちの暮らしを豊かにしてくれます。
地元の人たちと直接顔を合わせて会話すると、情報交換のできるコミュニティも生まれ、いいことばかりですね。
でも完璧主義にならないで!少しずつアップデートしていけばいい
いくつか提案をしてみましたが、実際すべての買い物やサービスに対して同等の基準を求めることは、まだまだ難しいかもしれません。日々の忙しさに追われ、金銭的に余裕がない!という方もいるでしょう。
でも、今すぐ完璧にこなす必要はありません。
身近なところから少しずつ知り、考え、行動すれば、自然と意識ができるようになります。
まずはひとつ変えてみて、だんだんと広げていけば、きっと未来は明るいはずですよ。
買い物を考えることは、日々の暮らしと未来を考えること
わたしたちは、日々の「買い物」を通して、世の中の仕組みから環境まで、無意識に多大なインパクトを与えています。
過酷な労働や、農薬による健康被害・環境破壊といった問題は、消費者の目に見えないところで行われるもの。
しかしすべての商品は、必ず誰かの手によってつくられ、地球上のエネルギーを少なからず消費しています。
だからこそ、人の命や生活がかかっていていることを頭の片隅に置き、自分もみんなも地球も健康で、幸せでいられる商品を選びたいですよね。
買い物は投票なので、純粋に自分がサポートしたいと思える商品を、サポートしたいと思える購入先から買うのが一番。
ひとりひとりの、ほんのすこしの意識と選択による「買い物」で、世の中の流れはいくらでも変えられますよ。
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