「飲む農薬」とも称される日本茶の残留農薬基準値は一般の農作物と比べて数100倍。知られざるお茶の実態
「飲む農薬」とも称される日本茶の残留農薬基準値は一般の農作物と比べて数100倍。知られざるお茶の実態
日頃からお茶に慣れ親しんでいる人は、多いのではないでしょうか。茶葉をお湯や水で抽出して飲む、というシンプルなつくりかたですが、種類も豊富で奥が深い飲み物ですよね。
しかし他の食材と違い、わざわざ洗って使うことのないお茶の葉が、もし農薬まみれだったら…
そんなことを考えると不安になりませんか?
不安を煽るわけではなく、日本中の皆さんに今日は是非とも知っていただきたいことがあり記事を公開しました。
お茶栽培に使用されている農薬の実態
野菜などに付着しているかもしれない農薬の存在に注意している人は多くても、
正直私自身、お茶の葉については盲点でした。
お茶の栽培においても、農薬が使用されている場合がほとんどと言っても過言ではないでしょう。
そんなお茶栽培に使用されている農薬の実態について調べてみました。
農薬が使用される理由
品種改良がなされた茶園ほど虫や病気の標的になりやすく、
その防除のためには必要になってくると言われています。
例えば、葉を折り畳んで卵を産みつけてしまうハマキムシ。
その幼虫が葉を食害してしまい、炭疽病やもち病と呼ばれる病害も、茶園を維持するには厄介な存在です。
それらを防御しないと、緑茶の需給安定は難しいと言われています。
要するに低コストで大量に生産するためには必要不可欠な栽培技術である、ということに他なりません。
ただし”一般的には”散布された農薬は日光による光分解や化学反応分解、
風雨によって洗い流されるという理由から消失すると言われていますが、一方で残留農薬があるお茶も次々と発見されるなど消費者からすると気が気じゃないでしょう。
お茶の残留農薬基準の実態
消失すると言われている農薬について、残留農薬基準について見てみましょう。国の法律では、食品衛生法に基づく残留基準と農薬取締法に基づく
農薬登録保留基準によって安全性を確保している、と言われています。
人体が一生摂取し続けても安全な量というものが設定され、
個々の農産物を摂取することで身体に入る農薬の総量が、
この基準以下になるよう農薬の使用基準が設定されているのです。
例えばお茶に使用できる農薬は100種類近くあると言われています。
それぞれに基準が定められており、かつ1人が1日に食べるであろう量も、それぞれの食材で定められています。
例えばお茶であれば、1日に3杯のお茶を飲むことを基準にした「残留農薬基準」が定められているのです。
参考文献:農薬・添加物について 公益社団法人 静岡県茶業会議所
参考文献:食品中の基準値 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
基準値なら問題ないって本当にそうですか?
残留農薬の考え方に疑問が?!
しかし、この基準の話には1点疑問が残るのです。
それは、残留農薬基準が他の農作物に比べて圧倒的に高いということです。
使用されている農薬のうち、以下の農薬を大豆、お米の基準と照らし合わせた表があります。農薬 シラフルオフェン
お茶:80ppm 大豆:0.1ppm 米:0.3ppm
農薬 テブコナゾール
お茶:50ppm 大豆:0.3ppm 米:0.05ppm
農薬 クロラントラニリプロール
お茶:50ppm 大豆:0.2ppm 米:0.05ppm
この基準値の差の理由には、他の食物と違い、直接摂取するものではない上に、
一度に使うお茶の量も多くないという理由、また抽出して飲むものであるから、
農薬は溶け出しにくいという考えが基になっているようです。
もちろん基準値を超えていた場合には、そもそも流通させることはできませんが、
それでも基準値が高いということには不安を感じます。
またオーガニック先進国とも言えるEUでは基準が大変厳しいため、
日本のそれと比べると500倍もの差があると言われています!
量も少ないし、抽出するだけだから大丈夫、という理由では、もう安心することはできないですよね・・・。
参考文献:毎日飲むお茶。茶葉の農薬は大丈夫?
☆無農薬 煎茶(静岡県産)【茶葉・ティーバック・粉末から選べる!】|EGCG配合最強の緑茶!特許製法で殺菌・抗酸化・抗ウイルス対策に。うがいにも使える!
残留農薬について調べるのが難しい?!
また悲しい話をひとつ見つけたので、ご紹介します。
そもそも残留農薬についての記述が少ないな・・・と思っていたところで知った話なのですが、
残留農薬の調査自体が困難を極める、という現状もあるようです。
というのもお茶に使用可能な農薬は実に100種類以上あり、
また産地環境や天候などによって使用量にも変動があります。
しかし調査するに当たっては”検査を行なうための農薬”を決める必要があります。
抜き打ちテストのような計測では、正しいデータを得ることができないのです。
加えて、調査を行なう場合には当たり前のことではありますが、
生産者や発売元に了承を得る必要があります。
現時点での国のお茶に関する農薬の考え方は、定めている基準値を上回るものが出回っていないこと、
飲んで影響が出たという報告もないため、困難を極めるこれら検査を毎年行なう必要もなく、安全である・・・といったように見受けられます。
参考文献:日本茶の残留農薬基準値は、一般的な農作物と比べて数百倍。
慣行農法の危険性
慣行農法というのは、先に説明したようなお茶の栽培法もそうですが、いわゆる農薬や肥料の投入、その量や散布回数などにおいて相当数の生産者が実施している一般的な農法を指します。
有機栽培や自然農法の存在が知られるようになってからは、もはやそれ以外は全て慣行農法と言えるでしょう。
慣行農法は、農薬により病害虫を一斉に駆除できますし、化学肥料によって植物の生育を増強させることもできます。
メリットとして挙げられているのは収穫量の多さや、天候などの自然環境に左右されにくいところ、安定的な栽培と収穫量です。
しかしそれは、その農作物を食べる”私達側”から見て、果たして自然なことなのでしょうか。
慣行農法で使用されている農薬の残留量を調べた報告があります。
今回ピックアップしたお茶と、お米を合わせて、産地や生産量もランダムに選んだ40サンプルの調査ですが、課題はしっかりと浮かび上がったとあります。
その報告では、茶葉にはネオニコチノイド系農薬が複合的に使用されていて、それら農薬の残留検出率が高いことが挙げられています。
特にアセタミプリド、フロニカミド、およびジノテフランと呼ばれる物質は、検出値の国内基準に関しては、基準以下であるものの、14検体中12検体がEU基準を超過していることが分かっています。
ネオニコチノイドという物質は、体内機能を制御する神経系で重要な、アセチルコリン受容体に作用する物質です。
循環器系の異常や痙攣、めまいなどを引き起こします。
世界各国では、ネオニコチノイド系農薬のイミダクロプリドとアセタミプリドによる急性中毒、
そしてそれによる死亡が、2012年までに10件以上報告されています。
また妊娠中にネオニコチノイドに曝露されると、胎児もネオニコチノイドに曝されてしまいます。
ネオニコチノイドは、胎児の発達途中である脳に作用します。
神経回路の形成を阻害してしまうため、自閉症やADHDを引き起こす原因となる可能性も挙げられています。
このような物質が、オーガニック先進国であるEUの基準を大きく上回っている。それが日本の現状です。
参考文献:abtネオニコチノイド系農薬残留調査レポート(米・茶)発表!
参考文献:ネオニコチノイド系農薬問題とは?~情報・資料集~ 人体への影響
☆放射性物質検査済! これを飲んだらもう他が飲めない!完全無農薬の【山のお茶】(静岡産)|秋葉湖【2個セット】
農薬を使わないお茶を選ぼう
残留農薬が残っているかもしれない…
そんなことを思いながら目の前のお茶を飲みたくないですよね。
そこでおすすめしたいのが、農薬を使用していないお茶を選ぶということです。
実際、食品表示法で優良誤認を防ぐため、市販されている商品において「無農薬」という表記は禁止されているのですが、だからといって無農薬栽培の商品が0、という訳ではありません。IN YOUMarketでも非常に厳しい基準で作られた自然栽培のほうじ茶を推薦しています。
このほうじ茶の茶葉は5年以上、農薬、肥料、化学合成資材、微生物資材を使わない茶畑で育てられています。農薬などが飛んでこないよう、茶畑には山間部で林に囲まれた場所を選ぶこだわりよう。
茶畑では余計な手は一切加えず人が自然、
大地から場所をお借りしているという立場で毎日茶葉に向き合っています。
このほうじ茶の生産者は生越さん。
忙しい時期を除いて、8つ以上の広大なお茶畑を一人で管理しています。
また、中村家は創業100年を迎えるお茶屋なのですが、
2000年には財団法人自然農法国際研究開発センターの検査を受け、
4月中旬にJAS認定を受けています。
その上、お茶の栽培から製茶加工までを自社で行なっているため、
茶葉にまつわる情報を全て綿密に管理しています。
無農薬有機栽培農法に取り組むことになったきっかけは、
先代社長が農薬散布中に体調を崩したことだと言われています。
農薬の危険性を身をもって知った先代は、無農薬栽培へ着手。
なかなか理解を得られず、他の茶園の方からお叱りを受けることもありましたが、
現在ではお茶本来の味がする魅力あるお茶屋として有名になりました。
参考文献:TEA NAKAMURA
下堂園では、無農薬・無肥料といった自然農法で有名な
『奇跡のリンゴ』の生みの親である木村秋則さん監修の下育てあげた「自然のお茶」や、
オーガニック先進国であるドイツやEUに認められたオーガニック日本茶ブランドKEIKOが有名。
ドイツの商品検査誌「TEST」で、
輸入茶に含まれる残留農薬検査結果が掲載された際、
中国産のお茶からは大量の農薬が検出されたと報じました。
しかしKEIKOからは一切の農薬が検出されなかったのです。
このことはドイツの人達を大変驚かせた出来事だったと言います。
その結果がブランドの消費者への信頼力につながったのです。
それまでの「安かろう、不味かろう」と揶揄されていた
鹿児島茶を変える存在でもありました。
1954年の創業以来、技術者、茶商、生産者として、
鹿児島茶の普及に努めてきたブランドです。
参考文献:株式会社 下堂園
安心・安全なお茶を選ぶために
基本的にはオーガニックのお茶を選ぶことがベターでしょう。
どうしてもその場に無農薬のお茶が見つからなかった場合には、
せめて「一番茶」を選んで飲むようにしましょう。
お茶は1年で4回ほど摘まれるのですが、
その摘む時期によって農薬散布量は違うと聞きます。
「一番茶」と呼ばれる、いわゆる新茶は一番若い葉とも言えます。
新茶を摘む時期というのは、
暖かい季節になり虫が発生する”前”に収穫できるため、
無農薬か最小限の農薬で作られていると言います。
なので、「一番茶」表記のあるお茶を選ぶのも、
選択基準のひとつに加えてみてもいいかもしれません。
農薬の基準値が少々ゆるいように感じる、お茶の農薬の実態ですが、
安心・安全に飲むことのできるお茶を選びたい場合には、
自ら無農薬表記の茶葉を探すことが大切だと言えます。
☆動画コンテンツIN YOU Tube『知られざる農薬が与える健康への影響と問題とは?ドクターに訊いた!』
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market安心・安全なお茶を選ぼう!IN YOU Market厳選・農薬不使用のお茶
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