冷え症の原因にもなる意外と重要な足指の話|理学療法士が教える足指のカンタン運動法
足の指は体の1番遠い場所にあるがゆえに放っておかれていることが多く、
気付かないうちに本来の機能が衰え、
使えなくなってしまっている人が急増しています。
特に女性においては、つま先の細いパンプスやハイヒールを履くことで持続的に足の指が圧迫され
長期的にストレスがかかることで、指が使えない状態に陥ります。
足の指の役割
足の指が使えなくても生きてはいけますが、
しっかりと機能することは、より良い体や健康づくりに役立ちます。
例えば足の指はこんな場面で活躍しています。
■ 体重を支える
二足歩行の人間は、全体重を30cmに満たない足の裏で支えています。
正に、縁の下の力持ちです。
■ 歩く時のバランスをとる、前方へ押し進める
■ 足先の血流を良くし、全身の巡りを助ける
■ 足のアーチを作る
足のアーチ構造が二足歩行を支える土台になっています。
■ 足首、膝、股関節、背骨と密かに連携して、協調性をとっている。
足の指の機能は、体の色々な部分に影響を及ぼしています。
こんなに活躍指している足の指が衰えることは、
冷え、痛み(足に限らず)、他の関節への負担増、悪い姿勢などなど
様々な悪影響を及ぼしかねない大切な機能なのです。
セルフチェック
足の指の動きをチェックしてみましょう。裸足になって行います。
チェック項目が全てクリアできていれば、いい足の指です。
クリアできない項目があれば機能が衰えています。
足の指で「グー」を作る
歩く時やバランスをとる時に使う、指を曲げる筋肉の機能をチェックします。
5本全ての指を丸め込みます。
指先だけちょこっと曲げるのではなく、可能な限りしっかり曲げます。
下のチェック項目が全てクリアしていれば合格です。
☑ 痛みがなく、5本の指全てがしっかり曲がる。
☑「グー」を作って、戻す、を最速で10回繰り返すことができる。
☑ 10回の反復が途中で止まることなく滑らかに行える。
☑ 最大限の力で10秒間「グー」を保つことが出来る。
☑ 足をつらずに行える。
足の指で「パー」を作る
足のアーチ(土踏まずの部分など)を保つために重要な筋肉をチェックします。
5本全ての指を広げ、足の指で「パー」を作ります。
可能な限り、目一杯ひろげます。
下のチェック項目が全てクリアしていれば合格です。
☑ それぞれの指の間に、しっかりと隙間が確保できる。
☑ 10回の反復が途中で止まることなく滑らかに行える。
☑ 指をしっかり開いた状態で10秒間「パー」を保つことが出来る。
☑ 痛みもなく、足もつらずに行える。
足の指で「チョキ」を作る
指を曲げる筋肉と、反らす筋肉のコントロール能力をチェックします。
親指と他の4本の指で「チョキ」を作ります。
可能な限り、大きく動かしましょう。
下のチェック項目が全てクリアしていれば合格です。
☑ 親指を上に反らし、他の指を曲げる形で「チョキ」を作ることができる。
☑ 上の方法で、10回の反復が途中で止まることなく滑らかに行える。
☑ 上の方法で、10秒間「チョキ(親指を反らす)」を保つことが出来る。
☑ 逆パターンの「チョキ(親指を曲げ、他の指を反らす)」を作ることが出来る。
☑ 逆パターンで、10回の反復が途中で止まることなく滑らかに行える。
☑ 逆パターンで、10秒間「チョキ」を保つことが出来る。
つま先立ち
真っ直ぐ立った姿勢で、背伸びをし、つま先で立ちます。
股関節や体幹などの影響も受けますが、足の指をはじめとするつま先の部分で全体重を支えられるかをチェックします。
☑ つま先立ちで30秒保持出来る。
☑ 5本の足指が床にしっかりくっついている。
☑ 大きくバランスを崩すことなく保持出来る。
床に置いたボールペンを足で拾う
床にボールペンを置き、足の指を使って拾い上げます。
座ったまま行っても、立って行ってもどちらでも構いません。
足の指はもちろん、足首、股関節、膝関節が協調して動かせる機能が必要になります。
☑ 右足で拾い上げることが出来る。
☑ 左足で拾い上げることが出来る。
改善策
ご自分の足指はきちんと使えていましたか?できない項目があった場合は足指の回復を図りましょう。
ゴルフボールで足裏マッサージ
足裏には沢山の小さい筋肉たちが密集し、それぞれが協力し合って機能しています。
歩く、立つといった二足歩行の生活をしている限り、
足の裏の筋肉は休まず働き、筋肉が固まってきます。
筋肉が硬いと、力が出にくくなったり、滑らかに動かせなくなります。
そんな硬くなった足裏の筋肉も、ゴルフボールを使うと簡単に解すことができます。
ゴルフボールを踏みつけ(圧をかける)、土踏まずを中心にゴロゴロ転がします。
土踏まずがほぐれたら、かかと側や外側、前側へと転がす範囲を広げます。
姿勢は、立った状態、座った状態、お好みで。
手と足で握手
足指を曲げる力、指を開く力がアップし、足先の血流向上に役立つ方法です。
冷え性の人にもオススメです。
① 座った状態で、太腿の上に足を乗せます。
② 乗せた足と反対の手で握手をするように、足指と手指を絡ませます。
この時、指の根元までしっかり指を入れ込むのがポイントです。
③ 最大限の力でで足指を曲げ、手を握ります。
④ 10秒間握り続け、ゆっくり緩めます。
これを3~5回繰り返します。
バレリーナストレッチ(最初痛いので要注意)
足指の関節可動域(関節の動く幅)を広げ、指を使いやすくする練習です。
① 足の指の表面(爪側)を床につけます(指を曲げる形)。
② 様子を見ながら足の甲を伸ばすように負荷をかけていきます(バレリーナの足のような形)。
③ 「少し痛いけど、少し気持ちいいかな」程度のところで20秒止めます。
1回でも良いですが、2~3セット行えるとなお良しです。
④ 立って行っても、座って行っても構いません。
タオル手繰り寄せ
足指の筋肉(屈伸、開閉)をはじめ、足首も強くなる方法です。
① フェイスタオルを床に置きます。
② タオルの端に踵がくるように、タオルの上に足を乗せます。
③ 踵を支点にして足の指でタオルを手前に手繰り寄せます。
④ 立って行っても、座って行っても構いません。
セルフチェックで苦手と感じた項目を練習する
セルフチェックで出来なかった項目、やりにくかった項目、苦手だなと感じた項目を反復することも回復に役立ちます。
インソールを入れて指を使いやすくする
足指を使えるようにする練習の他にも、
インソール(靴の中に入れる中敷き)を使うことで指が使いやすくなる場合もあります。
インソールは病院で処方されることも多く、
自分に合ったものを使うことで身体に良い影響を与えることが明らかになっています。
足指や足首にはもちろん、膝や、股関節、腰などにも良い影響を及ぼすと言われ、
オーダーメイドでインソールを作成している場所も増えています。
100円均一や、靴屋、大型雑貨店などでも多くの種類が販売されており、
気軽に取り入れることができます。
中足骨パッド(横アーチ)
土踏まずと足の指の中間あたり、母指球の隣あたりにサポートが入っているインソールです。このあたりの皮膚が硬くなっていたり、タコが出来ている人、
セルフチェックで指を曲げる、掴む、つま先立ちが苦手な人にお勧めです。
縦アーチサポート
縦アーチには外側(小指側)と内側(親指側)の2種類があります。1番有名で、よく使われているのが内側縦アーチサポートで、
土踏まずの部分が高くなっているものです。
内側と比べ、外側縦アーチサポートの普及はまだ少ないのですが、
実はこれがとってもオススメです。
特にO脚傾向、姿勢が悪い人、膝が痛い人は是非。
痛みが出ず、「楽かも」と感じられれば足に合っています
インソールを使う時に自分に合っているのか、いないのかの判断がしにくいとの声が多くあります。痛みが出ず、「インソールを入れた方が楽かも」と感じられれば
ご自分に適していると判断してください。
また、使っていく中で痛みや違和感を感じた場合には使用を中止しましょう。
足の指を構ってあげよう
今回ご紹介した足指チェックや対策は、「ながら」取り組めるものばかりです。
テレビや読書、デスクワークの最中、入浴中など
日常の中に取り入れるのはいかがでしょうか。
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