今なお虫歯予防で使われるフッ素。塗布を止めたライターがフッ素の歴史や人体への影響からあらためて安全性を考察してみました
今なお虫歯予防で使われるフッ素。塗布を止めたライターがフッ素の歴史や人体への影響からあらためて安全性を考察してみました
すべての人の暮らしに欠かせない「歯磨き」。
そして、歯磨き粉のCMなどで、聞かない日がないほどに宣伝されている「フッ素」。
「フッ素入りの歯磨き粉を使用していれば虫歯にならないはず!」
そんな魔法の道具にさえ感じてきてしまいます。
しかし、そもそもフッ素とは何でしょうか?
名前は知っているし、なんとなく虫歯を予防するいいもの。
そんなイメージは持っているけど、詳しいことは知らない。
今回は、歯医者で何の疑問も持たずにフッ素を塗っていた私の実体験をお伝えすることからスタートし、人体への影響やフッ素の歴史を探っていくことで「フッ素の塗布の是非」について考察したいと思います。
虫歯予防で定期的にフッ素を塗ってもらっていた私
私は子どもの頃からあまり歯医者には行きませんでした。
たまたまかもしれませんが、今のところ虫歯の治療をした経験はありません。
検診で虫歯になりかけている歯は発見されましたが、治療が必要とされる重度の虫歯は今もありません。
そんな私ですが、歯磨きでは取り切れないプラークを除去してもらうため定期健診にだけは通っていました。
検診では、水が出る機械などでプラークを除去してもらったり、歯磨きの方法を教わったりしました。
そして、いつも最後に仕上げとして行われるのが「歯の表面にフッ素を塗ること」でした。
読者の皆さんは驚かれるかもしれませんが、以前の私はそのフッ素が大好きでした。
正直に話すと、美味しかったんですよね。
もちろん自然な味ではないのですが、人工的なイチゴ味で、甘いお菓子を食べているような感覚でした。
高校生くらいまでの私は、そういうものに対する危機感もなく無頓着でしたので、
「歯医者はめんどくさいけど、最後に塗られるよく分からないやつはなんか美味しい」という感覚でした。
フッ素を塗った後は、数時間、口をゆすがないようにと言われるので、半日くらいは口の中に甘い香りが残りました。
定期健診ですので頻繁ではありませんでしたが、このように何の疑問も持たずに歯医者でフッ素を塗っていました。
水道水にも含まれるフッ素。ニュージーランドで聞いた驚きの話
それから私は大学に入り、ゼミなどを通じて食の安全性をはじめ様々な問題意識を持つようになりました。
そして、ニュージーランドに滞在していたときに聞いたのが「フッ素」のことです。
オーガニックワイン農家の方の家に滞在させていただいた時には、驚くようなことを言われました。、
フッ素で虫歯が防げるとは言われているけどその効果自体に疑問があるし、水銀や鉛なんかと同じように産業廃棄に厳しい基準値が設けられてるものを歯に塗るってどういうことなんだ?
というようなことでした。
また、別のファミリーの家に滞在させていただいたときは、水道水に「フッ化物」が入れられているということを知りました。
※フッ化物は、フッ素元素が陰イオン状態にあるものを指しますが、日本では歯医者でもフッ素と呼んでいたりしますし、
フッ素=フッ化物のような感じで呼ばれています。
そのファミリーの家がある地域の水道水にはフッ化物は含まれてはいませんが、地域によっては水道水にフッ化物が入れられているとのことでした。
ニュージーランドの健康省によると、ニュージーランド政府は、水道水にフッ化物を入れることを推奨しているようです。(※)
それはフッ化物の有用性を賞賛する内容ばかりで、フッ素やフッ化物の危険性には触れられていませんでした。
ファミリーが話してくれたように、水道水にフッ化物が入れられている地域と、入れられていない地域があるようです。
フッ素に疑問を抱き始めた私は、歯医者でのフッ素塗布をやめた
結論を先にお話ししますと、私は歯医者でフッ素を塗ってもらうのをスパッとやめました。
ニュージーランドから帰ってきて、初めて歯医者に行った時のことです。
当時の私はフッ素の危険性の詳しいところは理解していませんでしたが、ニュージーランドのオーガニックワイン農家の方から聞いたあの言葉が忘れられませんでした。
「もちろんフッ素は食品など様々なものに含まれる物質だけど、そこから入ってくる以外にもわざわざ歯に塗る必要があるのだろうか?」
そんな疑問が私の中で膨らんでいきました。
当たり前のようにCMで宣伝されているものであり、まさか口の中に入れる物質が、水銀や鉛と同じく産業廃棄に厳しい基準値が設けられている物だとは思いませんよね?
歯医者でフッ素を塗るのをやめてもらうようにお願いすると不思議そうな顔をされましたが、体に合わないからということを伝えました。
それ以後も私の疑問は膨らむばかりであり、そのことが今回の記事の原点となりました。
そもそもフッ素とはなにか?
水兵 リーベ ぼく の 船 七曲がる シップ ス クラーク か
これは皆さんもご存知の元素記号を覚えるときの語呂合わせですが、かなり昔から使われていたようです。
私は現在20代ですが、高校の化学でこれを覚えさせられた記憶があります。この懐かしい語呂合わせにも登場するのがフッ素です。
フッ素は海や川、土、食べ物など、自然界のありとあらゆるものに含まれている元素です。
ただ、フッ素は基本的に単体では存在できないので、複合体として存在しています。
例えば「フッ化ナトリウム」や「フッ化カルシウム」などです。
私が言っている歯医者では先生が「フッ素を塗りますね」と言っていましたが、
歯医者で塗られているのは、一般的に、フッ素とナトリウムが結びついたフッ化ナトリウムと言われています。
フッ化物は、私たちが普段口にする、野菜や塩、お茶などに含まれている一方で、元素としてのフッ素は、ガラスやプラスチックを溶かしてしまうほどの猛毒です。
安全?危険?なかなか終わらないフッ素をめぐる論争
「フッ素が大量に摂取されると危険」ということは、フッ素は安全だと言っている人も危険だと言っている人も、共通して持ち合わせている認識です。
フッ化物を水道水に入れたり、フッ化ナトリウムを虫歯予防のために塗ることに賛成する人の主張は、
「大量に摂取すれば毒であっても、許容量を超えなければ健康に良い」
というものです。
たしかに、すべての人にとって安全な物質はこの世界に存在しません。
例を挙げると、私は部屋でアロマオイルを焚いていましたが、猫はアロマオイルの成分を体内で分解できません。
つまり、猫にとってはアロマオイルが毒なのです。
このことを知らなかった私は、去年に猫と暮らし始めてからもアロマオイルを焚いていました。
事実を知って、慌てて動物病院に連れて行った経験があります。(何事もなかったのでよかったですが)
2018年に放送されて好評を博したある医療ドラマがありましたが、こんなセリフが印象に残りました。
「純度の高いカフェインは毒になる」
「トマトに含まれるトマチンもアルカロイド性の毒になる」
「すべての物質は毒であり、毒でないものはない。容量が毒と薬を区別する」
このセリフで言われているようなことは、紛れもない事実だと思います。
フッ素は自然界に存在するものですし、使い方次第だという主張も分かります。
ただ、具体的にフッ素の摂取が原因となる病気がたくさん指摘されていたらどうでしょうか?
食べ物から摂取するフッ素は良くても、わざわざ、フッ素入りの歯磨きを使ったり、歯医者で塗ってもらわなくてもいいんじゃないのか?
このように私は思ってしまいます。
フッ素が様々な病気の原因になる?フッ素が引き起こすと考えられる人体への影響
賛否両論が分かれるフッ素ですが、
フッ素(フッ化物)が原因で様々な病気を引き起こすことが懸念されています。
代表的なものとして挙げられるのが、フッ素症です。
フッ素症は、長期的にフッ化物を摂取し続けることで発症します。
具体的には、歯に褐色の斑点ができたり、茶色い染みができたりします。
そして、歯のフッ素症よりも恐ろしいと考えられるのが、骨フッ素症です。
骨フッ素症は、インドなどのフッ化濃度の高い水道水を利用している地域から多く報告されています。(※)
現時点では、かなり高濃度のフッ化物が入った飲料水を、少なくとも10年以上摂取することで発症するとされ、症状が進行すると、四肢麻痺が現れることもあります。
その他にも、近年の研究によって、フッ化物の過剰摂取が
◆甲状腺機能障害
◆認知機能の低下
◆ADHDなど神経学的な問題
◆ニキビをはじめとする皮膚疾患
◆早熟・生殖能力の低下など、生殖機能異常
◆変形性関節症、骨肉腫、顎関節症など関節や骨に関する異常
◆動脈硬化
◆高血圧
◆心不全・・・
挙げればキリがないほど、身体への悪影響を引き起こす可能性が指摘されています。(※)
2014年にフッ化物は、ヒ素やメチル水銀を含む他の工業用の化学物質とともに、子どもの発達に影響を及ぼす可能性がある物質であると記録されました。
歯にフッ素を塗っていた経験から考える、自然なものを不自然に扱うことへの違和感
一般的によく言われることですが、
「自然界に存在するものだから大丈夫」
「許容量を超えなければ問題ないから」
これらの言葉は、原発事故が起きた後にも言われたことです。
「人間は生きてるだけで自然放射線を浴びて被曝しているのだから、放射能を気にする必要はない」
電磁波に対しても同じようなことが言われます。
「電磁波は自然界にも存在するんだから危険なはずがない」
果たしてそうなのでしょうか。
たしかに自然界に存在するものかもしれませんが、私たちは科学技術によって、自然なものを不自然なくらいに膨大に浴びたり摂取したりするようになりました。
それこそ、容量を守らなければ全ては毒になるのです。
全てが過剰になりすぎた世の中が、どうして安全だと言えるのでしょうか?
私が歯医者で塗っていたフッ素は人工的なイチゴの味がしました。
自然界のフッ素やフッ化物は、イチゴの味はしません。
例えそれが自然界に存在するものであったとしても、それを人間が人工的に手を加えてまで不自然に摂取することが、本当に安全と言えるのでしょうか?
現在の日本では、水道水にフッ化物trong>を入れる「水道水フロリデーション」は行われていませんが、アメリカやニュージーランドに限らず、多くの国で水道水フロリデーションが行われています。
毎日飲む飲料水にわざわざフッ化物を入れる必要があるのでしょうか?
毎日数回使用する歯磨き粉に含まれたフッ素は、私たちの体内に蓄積しないのでしょうか?
私は疑問を感じます。
そして、私がフッ素やフッ化物に疑問を感じる理由はこれだけではないのです。
それはフッ素の歴史にあります。
原子爆弾の製造に利用されたフッ素。フッ素の工業利用の扉は原爆によって開いた
最初にお伝えしておきますが、原子爆弾を製造するためにフッ素の工業化利用が始まった、ということではありません。
ただ、いつの時代も科学技術は権力や軍需産業と密接に結びつくのです。
テフロン加工で有名な、フッ素化学産業のパイオニアと言われるデュポン。
1936年にデュポンに入社したブランケット博士は、ある日、後にテフロンと呼ばれることになるPTFEという物質を発見します。
PTFEは、摩擦抵抗の少なさや絶縁性などから、化学的に安定した物質であることが認められますが、溶融成形の困難さ、非粘着性、値段が高価なこと、などから産業利用には高いハードルがありました。
そんな状況の中で、最初の発注が舞い込んできたのが1941年のこと、かの有名なマンハッタン計画です。
マンハッタン計画はアメリカで行われた極秘の原子爆弾製造計画です。
軍、科学者、産業が総動員されて、原爆の製造が進められました。(※)
原爆に必要な放射性ウランを製造するとき、腐食性の高い毒ガスが放出されます。
製造装置の配管や容器のライニングやパッキンには、腐食に耐えうる素材が必要でした。
それらの条件を満たす物質として採用されたのがPTFEです。
3年余りの歳月をかけて、原子爆弾が完成します。
そして、1945年の8月6日に高濃縮ウランを用いた原爆リトルボーイが広島に、8月9日にプルトニウムを用いた原爆ファットマンが長崎に投下されます。(※)
軍需産業に利用されたPTFEは、第二次世界大戦後に民間利用されるようになっていきます。
具体的には、テフロンコーティングのフライパンなどです。(※)
なんだか書いていて、とても苦しい気持ちになります。
私たちを便利にする技術は、私たちを殺せるものでもあるということ。
そして、そのように利用されるのを決して許してはいけないこと。
私たちはこのことを、強く胸に刻まなければなりません。
色々なことを知った上で、暮らしの中でどのようにフッ素に向き合うか
今回は、私の体験、自然、健康への影響、歴史など、様々な角度からフッ素のお話をしてきました。
皆さんはどのようにお感じになったでしょうか。
色々なことを知り、それを踏まえた上で暮らしの中でどのように向き合えばいいのか。
それを考えたいですよね。
私は、フッ素入りの歯磨き粉を使用したりするのはやめるべきだと思います。
フッ化物は人間が生きていくのに必要な物質です。
私たちはそのフッ化物を、毎日、ありとあらゆる食べ物から摂取しています。
特に、日本人が好むお茶や海産物などには、フッ化物が多く含まれています。
逆に、過剰摂取に気を付けるべきだと思います。
それにも関わらず、甘味料などが添加された人工的に手を加えられたフッ素をわざわざ歯磨き粉などから摂取するのは不自然です。
歯磨き粉にはフッ化物以外にも、様々な化学物質が含まれていますので、そうではないものを選ぶと良いと思います。
虫歯予防の効果自体にも疑問が残りますし、完全に虫歯がなくなるわけでもありません。
私たちは日々の生活の中で、常に選択を迫られます。
そして、そのほとんどの選択を無意識に行います。
無意識はラクです。考えることは疲れます。
でも、その無意識の選択は本当に安全だと言えるのでしょうか。
大事な選択をするときは、一歩立ち止まってじっくり考えてみませんか?
その小さな積み重ねが、心と体に優しい生活を彩ることになるはずです。
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