あなたが毎日飲んでいる地下水や水も、一部の多国籍企業により買収・独占される恐れが。私たちの生活への考えられる影響と対策。
先日は、突然の大雨で驚きましたね。
豪雨の降った地域の方々は、ご無事でしょうか?
私の地域でも、河川でダムを放流したため、水位が上昇し、洪水警報が出ました。
私の住む地区では浸水注意報が出たので、一時的に、実家に避難をしました。
先月は大阪北部地震があったばかりですが、立て続けに災害が続くと、改めて非常時の備えが、いかに大切かを実感します。
大阪北部地震では、耐用年数40年を超えた老朽化した水道管により破断や、断水が発生し、その影響は、19.6万人にも及びました。
この事態により、国会でも水道老朽化を懸念する声が高まり、7月5日には衆議院本会議で全国の水道事業民営化を則す水道法改正案が賛成多数で可決されてしまいました。
以前、こちらの記事でもお伝えしましたが、この水道民営化は、コンセッション方式と呼ばれ、
水道設備を自治体が所有したまま、管理のみを多国籍企業に丸投げするという内容です。
この水道民営化により、災害時に私たちがライフラインとして必要な水を手に入れることができなくなる可能性があるのです。
安全な水が消える日。次々と多国籍企業の格好の餌食にされる日本。水面下で進められる水道民営化と水ビジネスがもし実現されたら日本人の生活はどう変わるのか。
でも、実はその深刻な事態に更に拍車をかけるような出来事が、この日本で既にはじまっています。
ここで質問ですが、みなさんは、非常時用のお水は、どのように準備されていますか?
大半の方がペットボトル入りのミネラルウオーターを常備されているのでは、ないでしょうか?
現在は、通販などで、非常用にまとめ売りがされているので、それらを利用されている方も多いかもしれません。
私も東日本大震災以降は、災害時に備えて定期宅配でのペットボトルの水を購入していました。
災害に備えつつ、夏場の農作業では、熱中症を防ぐ為に利用していました。ミネラルウオーターは東日本大震災以降、一気に需要が拡大し、
その後も需要が増しています。
地震と原発事故を機に、ペットボトルウオーターをストックしておく家庭が増えた為です。
また、近年放射性物質の影響を懸念が広まり、現在、日本では、飲料水は水道よりペットボトル入りのミネラルウオーターを利用する家庭が増えてます。
参照:橋本淳司著 日本の地下水が危ない
今回は、このペットボトルウォーターと地下水源を巡る状況、水道事業との関わりについてお伝えします。
ペットボトルの水は、本当に水道より安全?
水道水を消毒する為に使用されている塩素からは有害物質のトリハロメタンが生成されます。
トリハロメタンは、動物実験により、発がん性が指摘されている物質です。
現在は、水道水の処理技術により、トリハロメタンの濃度は、減少していますが、それでも不安は残りますよね。
それに比べたら、ペットボトルの水の方が比較的安全なイメージがあります。
では、実際はどうでしょうか?
以前もこちらの記事で、日本で販売されているミネラルウォーターに、マイクロプラスチックが混入していたことをお伝えしましたね。
えっ嘘でしょ?!世界平均の約27倍の海洋汚染が進む日本海。2050年には海で泳ぐ魚の総重量を越えると言われるマイクロプラスチックごみ問題。マイクロプラスチックは既にあなたの今日の食事の中にも入っているかもしれません。
マイクロプラスチックそのものは、人体に有害でなくても、海洋中の有害を吸着し、それが健康に影響を与える恐れがあります。
また2015年にはドイツでペットボトルのミネラルウォーターから、内分泌かく乱物質が検出されています。
内分泌かく乱物質は、生殖機能の低下やホルモン依存性ガン、免疫力低下などを引き起こす可能性が指摘されています。
参照:Research Article Identification of Putative Steroid Receptor Antagonists in Bottled Water: Combining Bioassays and High-Resolution Mass Spectrometry
ラウンジ内分泌撹乱化学物質について―生物学的立場から 菅野
その他にも硝酸塩が含まれていたりと安心できないミネラル水市場。
一見、安全に思えるミネラルウォーターにも、実は健康上のリスクが潜んでいるので、選ぶ際には注意が必要なのです。
また安全な状態で水を飲むには、出来ればペットボトルより、きちんと品質検査を受けた湧き水か、浄水器を通した水道水の方が適していると考えます。
こうして考えると、水質検査をした湧き水を適切に保全しながら、使うことが安心と言えるでしょう。
ただ、この地下水も実は水道事業同様に一部の多国籍企業などにより買収され独占される恐れがあることをご存知でしょうか?
ルール無しの地下水利用。私たちも水を巡って争うかもしれない・・・・?
実は、農業は最も水を消費する産業のひとつ。
水不足が深刻だった時代には、農家の間でみを巡って争いが起きていました。
こうした事態、現代の私たちにとっても決して他人事ではありません。
橋下淳司氏著「日本の地下水が危ない」では、北海道から沖縄まで全国各地で外国資本による森林買収が増加していることが指摘されています。この本では、大手飲料メーカー社がインドでペットボトル水の工場を稼働したことにより、水不足が起きた例を挙げ、日本でも同様の事態が起こる可能性を指摘しています。
上水道だけでなく地下水の水源まで、外国資本に買収され、深刻な水不足に陥れば、私たちも貴重な水を巡って争うような事態が起こり得ます。
では、今から私たちにできることはないのでしょうか?
一緒に考えてみましょう。
田んぼを作ろう。
水田には「涵養(かんよう)」という地下水を保全する機能があること、あなたはご存知でしたか?
私が子どもの頃は、実家でお米を作っていましたが、水田にこうした機能があることを知りませんでした。
水田は、政府が行ってきた減反政策により、大幅にその数を減らしているのは、もう皆さん、ご存知ですよね?
お米を作るのは大変ですが、仲間を作り協同で行えば、負担を軽減できます。
私も数年前、友人たちと無農薬でお米を栽培していました。
秋に収穫した採れたての新米は、とても美味しかったのをよく覚えています。
無農薬で自然農の水田でお米を栽培することにより、農薬使用からくる排水の汚染を防ぎつつ、地下水の保全を行うことができます。
またTPPによる自給率低下を少しでも食い止め、私たちの手で安全な食を守っていくことにも繋がります。
TPP発効による食の主権のみならず、水の主権まで外国資本に奪われかけている日本で、私たちに出来ることはなんでしょうか?
地下水の状況をチェックしよう。
需要が増加したミネラルウォーター事業は、売上の増加に伴い、地下水の枯渇や地盤沈下などが心配されます。そうした状況を防ぐには、販売メーカーが主体的に水源の保全に取り組む必要があります。
既に国内の主なメーカーは、こうした保全に対する取組を始めています。
2016/12/25 日経電子版 地下水使いすぎ 懸念再び
神奈川県秦野市では、ホームページで、誰でも簡単に地下水の湧水量や収支、水位などをチェックできる取組を行っています。
地下水の保全は、行政、企業、市民が一緒になって考えていくものです。
行政や企業の活動をチェックすることで、私たちも日常生活のなかで、貴重な水を守ることの大切さを意識していくことができます。
浄水器を作ろう。
水道水の浄水器は沢山のものが販売されていますが、高価なものが多いですよね。
手軽に手に入る材料で、自作の浄水器を手作りしてみてはいかがでしょうか?
作り方は以下の動画をごらんください。
動画では、椰子殻活性炭が使用されていますが、竹炭や備長炭などを利用しても浄水できます。
水は平等に分け合うもの。
私たちが暮らす日本は、水源が豊富な国です。
蛇口をひねれば当たりまえに水が出て、コンビニにいけば、簡単にペットボトルの水を買うことが出来る生活。
自宅だけでなく、公園、役場、図書館などの公共施設など、多くの場所に水道や自販機などが整備され、喉が渇けばいつでも水を飲むことができます。私自身、江戸時代に起きていたような水争いは、遠い昔の話で、自分には関係のない話だと思っていました。
でも今、私たちが比較的平等に水が飲めているのは、苦労をして治水や保全を行ってきてくれた先人たちがいるから。
決してこの環境は当たり前ではなく、
いつ揺るがされてもおかしくないリスクがあるということをこれを読んだあなたをはじめとした、一人一人が認識しておきましょう。
これまで当たり前に水を飲めていたことに感謝をするとともに、
このことを忘れず、私たちが協力しあいながら保全、利用していくことが大切なのです。
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