ヴィーガン・ベジタリアンって毎日どんなもの食べたらいいの?ありそうでなかった栄養バランスの整った「ヴィーガン1週間献立」のご紹介。ポイントを押さえればとても簡単!
食生活を植物性食品中心の方向に変えたいと思っていても、食事は毎日のことなので「何を食べればいいのか」は悩むところですよね。
世の中にマクロビオティック、ヴィーガン、ベジタリアンの料理研究家はたくさんいるものの、
レシピはたくさん目にしても実際に毎日どんなものを食べているのかということについてはほとんど情報がありません。
私もかつて、きれいに盛り付けられた料理がたくさん載っている本を見ては「こんなの毎日できるわけない」とため息をついてしまうこともありました。
しかし今では、肉食していようがベジタリアンであろうが毎日の献立を考える労力は大して変わらず、ポイントさえ押さえれば何も特別なことはないと感じています。
今日はこの野菜をたっぷり食べよう。
今日はガッツリ食べたいなぁ。
今日はパスタの気分。
たまにはカレー食べたい。
まだ寒いからおでんがいいなぁ。
今そこにあるものを使って、家族や自分の食べたいものを作る。それだけです。我が家で押さえているポイントは?
陰陽にはこだわりすぎず、旬のものをいただきます。
陰陽も知識としては重要だけれど、陰陽にこだわりすぎると、作ることが苦痛になってしまいます。白砂糖、精製されすぎた食材、ものすごく冷たい物など、極端なものは避けますが、
何を食べればよいかは基本的には季節に合わせることにしており、地元の新鮮な旬の食材を使うようにしています。
だから、春は山菜やタケノコを食べますし、夏はナスやキュウリやトマトが多くなり、大根の時期は「ばっかり食べ」に近くなります。
特に子どもは、夏でも大根、冬でもキュウリやトマトが当たり前の生活をしていると、身の回りの気象や環境の変化・異常について鈍感になってしまいます。
旬を意識することは、季節感を大切にすることにつながり、環境や自然についても意識することになります。
作るのにかかる時間は1時間以内を目安に。
小さな子どもがいたり、仕事をしていたりすると、なかなか落ち着いてごはんを作れる時間がありません。
なので、たとえば「1時間以内に作れる簡単な献立」と決めてしまえば、用意するものや作るものも絞られてくるのであまりストレスがありません。
基本は「ごはん+味噌汁+漬物」。食べ盛りはそこに1~2品プラス。
子どもがいるとあっという間に大きくなり、特に男の子はごはんもおかずもガッツリ食べないと物足りなさを訴えるようになります。また、夫や彼氏などの場合も、生まれてからずっと菜食という人はめったにいないと思いますので、味付けがはっきりとしたガッツリ系メニューもうまく取り入れていく必要があると思っています。
煮たもの、ゆでたものなど、シンプルすぎる食事続きではやがて不満が爆発します。
ヴィーガンやベジタリアンが不足しやすい栄養素に注意する。
動物性食品を摂らないと不足すると言われる栄養素(ビタミンB12、オメガ3、たんぱく質、ミネラルなど)の摂取に気をつけます。ビタミンB12…焼き海苔、ニュートリショナルイースト
オメガ3…種実類。クルミ、エゴマ、チアシード、フラックスシード
たんぱく質…大豆だけなど特定の食品に偏らず、さまざまなものから摂る。
ミネラル…海藻、種実類、豆類、雑穀など。
最初は瓶などに入れてラベルを貼り、忘れないように目の付く場所に保管していましたが、慣れてくると普通に使うようになります。食生活を考える上で大切にしたいことは?
食べた時の家族の反応や意見をきちんと受け止めて、自分の考えを一方的に押し付けない。
ある日突然お肉をやめるとか、砂糖は一切禁止とか、極端な事をすると家族に必ず嫌がられます。また、いくら体によい食材を使っていても「おいしくない」「好みではない」と思われては絶対に長続きしません。
家族の反応や意見を真摯に受け止める姿勢を忘れないで、その家庭にあった食生活を時間をかけながら徐々に作っていくことが大切ではないでしょうか。
たとえばうちの例ですが、私の作るものに関して、ダシだけは煮干しを使っています。
一時期は昆布や干し椎茸のダシだったのですが、さすがに普段の食生活でダシまで動物性食品を排除することはどうなのか、
栄養面でもメリットがあると夫に言われ、話し合いの結果、現在では煮干しを使っています。
お正月など、かつおぶしを使うこともあります。(しかし、もし煮干しがなくなっても栄養面で問題がないように日々の献立を考えるようにしています)
また、絶対に動物性食品を禁止しているというわけでもありません。
子どもが肉料理を食べたい時はできるだけパパが休みの日に担当することにし遠足のお弁当などで卵やお肉が食べたい時は事前に言ってくれれば私も用意します。
たとえば、
「肉の割合を減らしてもっと野菜や豆などを増やそう」
「週末だけはベジご飯にしよう」
「肉はやめても魚は食べよう」
などなど、家族みんなが納得のいく形で少しずつ変わっていけるといいですね。
味に妥協はしない。
ヴィーガンだからと言って肉食に負けるような味付けはしない
薄味、味がない、シンプルすぎる調理法…マクロビ離婚という言葉もありますが、離れていったご主人にありがちな感想ではないでしょうか。
よくグルメサイトのベジタリアンレストランでのお客さんの口コミで、
3つ程度で「体によさげな優しい味」という評価がありますが、私はそういう感想は褒め言葉ではないと思っています。
ランチで入ったとあるベジカフェで出されたごはんで、
おかずがどれも似たような味の薄さで結局何を食べたのかほとんど印象に残らなかったということがあありました。
この食生活を積極的に続けていくには肉料理と並んでも遜色ないレベルまで持っていかないと、
特に途中から食生活を変えた場合は男性・食べ盛りの男の子は満足できないケースが増えてくると思います。
私もこの10年間くらいの間に家族から「まずい」「味がない」と言われたことは多々あり試行錯誤の連続だったのですが、
単に味の濃い脂っこい料理を出すという意味ではなく、しっかりした旨みとメリハリのある味作りを心がければ不満が出ることはなくなるんだと経験的にわかってきました。
我が家の1週間の献立例。
それでは、実際に毎日何を食べているのか、具体的に1週間の事例をあげてみます。先程もお伝えしたとおり、我が家の使っている出汁は煮干し入りですので、純粋にヴィーガンを目指す方は昆布や干し椎茸を使用してください。
※わかめとごまのふりかけ、焼き海苔はめいめい自由に食べていいことになっています。
1日目:練り物なしでも大満足のおでん。
・おでん(大根、にんじん、こんにゃく、厚揚げ、もちきび巾着)
・ひらたけの甘酒佃煮
・水菜の漬物、赤い大根の甘酒甘酢漬け
・5分づきごはんにわかめとごまのふりかけ
おでんと言えば一般的には練り物を入れますね。
しかし、保存料、結着剤、化学調味料など添加物の多さが気になって、食べられたものではありません。
添加物の問題のみならず、以前知人から釣ってきた太刀魚をたくさんもらったのでちくわを1から作って汁物に使い、
そのおいしさに驚いたことがあります。
それ以来市販の練り物の味は添加物たっぷりでニセモノだということが身にしみてわかったので、
バカバカしくなっておでんにも入れなくなりました。
このように練り物なしで食材がたった5種類でも、
おでんつゆをしっかりめの味に仕上げれば十分満足できます。
おいしいつゆのしみた人参と大根は絶品です!食材が良質なものであればつゆとの相乗効果がすごいです。
おすすめは「もちきびきんちゃく」です。
「餅きんちゃく」から思いついて作ったものなのですが、炊いたもちきびを半分に切った油揚げに詰めて爪楊枝で止めるだけ。
これもつゆがしみておいしいです。鉄分・亜鉛・マグネシウムなどの補給にも。
ひらたけの佃煮は、甘酒使用でシュガーフリーです。
きのこならなんでもいいのですが、2パック分くらいをほぐして甘酒大さじ2で炒め、
しんなりしてきたらしょうゆ大さじ2を足して水分がなくなるまで煮ます。お酒のおつまみにも最適です。
2日目:昨日のおでんの使いまわしで調理時間短縮。
・車麸の甘辛しょうが焼き
・卯の花の煮物(おでんのこんにゃくとにんじんを使用)
・ほうれん草の胡麻和え、チアシード粉末まぶし
・おでんの大根を転用した味噌汁
・5分づきごはん
この日は前日のおでんをフル活用です。
多く残っていればそのまま温めて出してもいいのですが、今回は中途半端に残ってしまったのでこのように転用しました。
・残りつゆとこんにゃく・にんじんを細かく切ったもので卯の花の煮物(具が足りなかったので、しいたけとひじきをプラス)
・残った大根をいちょう切りにして味噌汁の具。
車麸のしょうが焼きは、こちらの記事の「厚揚げのしょうが焼き」を車麸にアレンジしたものです。甘酒としょうゆで簡単!日本人が大好きな甘辛照り焼き味の和風おかずをシュガーフリーで作ろう。ヴィーガン仕様の関西すき焼き風煮物&しょうが焼きの作り方
ほうれん草ですが、すりごまとチアシード粉末としょうゆを混ぜるとチアシードの性質上ダマになってほうれん草と混ざりにくくなってしまうので、胡麻和えの上からふりかけています。
3日目:小粒じゃがいもをたっぷり味噌煮に。
・高野豆腐とわかめの煮物
・じゃがいものエゴマ味噌煮
・菜の花の辛子じょうゆ和え
・切り干し大根の煮物入り味噌汁
・たくあん、ラディッシュの甘酒甘酢漬け
・5分づきごはん
安全、安心な小粒じゃがいもがあったらぜひ作ってほしい味噌煮。
これは「せいだのたまじ」という郷土料理の応用なのですが、小粒のじゃがいもを皮をむかずに洗い、鍋でゴロゴロと炒めます。
いい香りがしてきたらひたひたの水を入れ、本来は味噌と砂糖を入れて強火で煮るのですが、ここでは砂糖は使わず味噌だけを使い(まろやかさや甘みがほしければ同量~2倍量の甘酒をプラスします)、
じゃがいも1kgに対して味噌大さじ4と昆布5センチ角1枚とにんにく1かけをポンと入れて蓋をして水分が飛ぶまでしばらく煮ます。
(あれば仕上げにすったエゴマを適量入れてざっくりと混ぜます)
この味噌煮は我が家では大人気メニューなので2kgぐらい作ってもあっという間になくなるのですが、
もしも残ったらグラタンの具やサモサ風揚げ物の中身、コロッケなど様々に転用できます。
味噌汁は、以前作り置きしておいた切り干し大根の煮物をそのまま入れたものです。
すでに味付けしてあるものが味噌汁の具になると、時短になる上にとてもコクがあっておいしくなります。
4日目:ベジタリアンの強い味方、インドカレー。
・赤レンズ豆のインドカレー
・春野菜のサラダ 甘酒フレンチドレッシング和え
・にんじんとれんこん、玉ねぎのポタージュ
豆料理のレパートリーが豊富なインド料理はベジタリアンにとっては強い味方です。
酷暑が続く夏場に食欲不振になった時にも役立ちます。
これまでさまざまなベジタリアン向けのカレールーを試してきましたが、どれもインパクトが薄くていまいち気に入らなかったのでインド料理を見よう見まねで作るようになりました。日本のカレーやシチューと違って長く煮込む必要もありません。
豆とスパイスと塩だけでうまみが十分出るのでそのおいしさにびっくりします。
豆類は時間のある時にまとめて茹でて、必要分ずつ小分けして冷蔵か冷凍保存しておけば時短になります。
また、ビタミンB12摂取でカレーにニュートリショナルイーストを少々しのばせてあります。味は変わりません。
春野菜サラダには菜の花、春にんじん、玉ねぎ、じゃがいもを使っています。
ドレッシングは甘酒、酢、塩、なたね油、ディジョンマスタードです。
長い間置くと甘酒はじゃがいもを分解してベチャベチャになりますので、ドレッシングを和えたら早めに食べるようにします。
ポタージュは、フラックスシード粉末とクルミも入っています。
何気ないところで栄養補給を。
食べ終わってカレーが中途半端に残ってしまったらおからを混ぜて味付けをし、サッとコロッケの中身を作っておきます。これは面倒なカレー鍋の掃除にもなりますし、翌日以降のおかずの準備にもなりますので便利です。
5日目:ごぼうたっぷりの混ぜご飯。
・舞茸とごぼう、油揚げの混ぜごはん
・卯の花の煮物(2日目に作ったもの)
・たくあん、水菜の漬物
・豆腐とわかめ、えのきだけの味噌汁
たっぷりごぼうの入った混ぜごはんは、大人約4人分でごぼう1本使っています。
食べやすく小さめに切って、いい香りがしてくるまでひたすら炒めます。カサも半分くらいに減って柔らかくなるので、小さな子どもでも気にせず食べてくれます。
この日のごはんの準備はやたら早く終わりました。
6日目:4日目のカレーの残りでおからコロッケ。
・おからのカレーコロッケ
・じゃがいものエゴマ味噌煮(3日目の少しだけ残ったもの)
・水菜と赤い大根、クルミ、アーモンドのサラダ
・たくあん、菜の花の漬物
・スープ(水菜、大根、豆腐、えのきだけ、わかめ)
・5分づきごはん
4日目の残りカレーを使ったコロッケです。中身がすでにできているので、この日は丸めて衣をつけるだけの簡単作業です。大人も子どもも喜ぶメニューになります。
これまでの真冬の野菜少なめ生活から一転して、突然水菜を大量にいただいたので贅沢にサラダに使わせてもらいました。
この日のドレッシングも甘酒フレンチドレッシングでしたが、水菜をたっぷりおいしく食べるにはおろしにんにくをドレッシングの中に少量しのばせるとお箸がどんどん進みます。ナッツの食感も楽しいものです。
7日目:重ね煮は時短にうってつけの調理法!水菜をたっぷり食べる。
・車麸の青のり焼き
・水菜と油揚げ、しいたけ、にんじんの重ね煮
・たくあん
・長芋の梅酢漬け+すりごま
・大根と葉っぱの味噌汁
・5分づきごはん
大きな土鍋で水菜をたっぷり入れた重ね煮を作ります。(鍋底にパラパラ塩を振り、スライスしたしいたけ→油揚げ→水菜→千切りにんじんの順に重ねて塩を振り、蓋をして蒸し煮する)火が通ると底に野菜から出たうまみたっぷりの水分がたまっていますので、そこにしょうゆを味見しながら足して味付けします。
一味唐辛子、柚子唐辛子などをふりかけてもおいしく、たったこれだけの素材なのに箸が進みます。
また、この重ね煮にダシを加えればスープや味噌汁にもなり、さらに豆腐などを加えてもおいしく、うどんを入れてもおいしいです。
重ね煮は食材を切って鍋に入れ、完成したら蓋を開けて味付けをするだけで実質作業時間はとても短く、
その間の加熱している時間にさまざまな作業ができます。
今回は味噌汁の具を煮て、その横で土鍋重ね煮している間に、長芋の梅酢漬けと車麸の青のり焼きの準備をしました。
車麸青のり焼きは、車麸を割り醤油(醤油を10倍くらいに水で薄めたもの)で戻したものに水溶き小麦粉(地粉)をつけて両面を焼き、仕上げに青のりをまぶしたものです。
これもごはんの進む人気メニューです。
使い回しできるおかず、漬け物、ごはんの進むおかずのレパートリーを増やすと献立を考えるのが楽になります。
ベジタリアンに限った話ではありませんが、以下献立を考えるのが楽になるポイントをあげてみます。
使い回しのきくおかずのレパートリーを増やす
その時だけ食べて終わりというおかずよりも、後で何かに転用できるものを作った方が楽です。例えばきんぴらごぼうなら味噌汁の具でもOK、混ぜご飯や混ぜ寿司にもなります。
常備菜の代表ひじきの煮物や切り干し大根の煮物も、使い回しのきく優秀おかずです。
昔から作られている常備菜や郷土料理を見直してみると、さまざまなヒントが得られます。
旬の野菜が多めにある時は漬け物を作るようにする
漬け物は野菜の栄養が損なわれにくく、腸内環境を整えることにつながる上、おかずが常に1品増えることになりますのでとても便利です。今の季節なら、ラディッシュや菜の花、水菜などです。
基本は野菜の重量の3~5%の塩と赤唐辛子、昆布があればOK!
夏場はぬか漬けをオススメします。
真夏は冷蔵庫でぬか床を保管するようにすれば、多少ズボラでもすぐにだめになるということはなくなります。
年間通して緑色の野菜を漬けておくと、お弁当などの彩りにもなるので重宝します。
春は水菜や菜の花、夏はきキュウリやハヤトウリ、秋~冬は白菜漬けや野沢菜漬けです。
肉がなくても満足できる、ごはんの進むおかずのレパートリーを増やす。
必ずしも洋風で、油こってり、味付けの濃いものである必要はありません。和食でも、味噌やしょうが、にんにくなどを使ってしっかりした味付けの煮物などごはんの進むおかずは多くあります。
また、食べごたえのある豆類や、厚揚げなどボリュームのある食材を使うことも大切です。
そういう食材を使って肉料理を作るように自在に扱えるまで作り込んでいくと、悩みは減って逆に料理が楽しくなってきます。
和食をベースに、たまに気分を変えて洋風メニューや外国の料理を取り入れていくと、家族も楽しんでくれます。
季節によっても使い回しのきくおかずや漬け物、ごはんの進むおかずはガラリと変わりますので、この先も季節ごとに献立例をご紹介できたら幸いです。
今回の1週間献立例が、皆様のお役に立ちますように。
美味しい食卓は、調味料から。基本のオーガニック調味料を揃えてみよう。
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