あなたはどのタイプ？日々の排便トラブルを根本からケア。東洋医学から見る便秘の体質別、養生トレーニングとオススメの食べ物をわかりやすくお伝えします！

その薬や実践方法、あなたの体質に本当に合っていますか？

便秘をはじめとする「排便トラブル」の悩みを抱えている人は意外と多く、
とくに日本人女性の２人に１人は便秘とも言われています。

そうすると、TV番組や雑誌などでも便秘に関わる特集も多くされ、
便秘に良いといわれる生活習慣や食べ物もよく紹介されていますよね。

しかし、便秘に良い食べ物がすべての人にとって良い、ということではないんです。

・便秘に良いと言われているものを食べているけど、改善しない
・便秘は解消したけれど、今度は違うトラブルが発生してしまった
（例：冷え性が悪化するなど）

それは「体質」、があっていないことが原因かもしれませんよ。
そのまま続けていると、いつまでたっても改善しないことはおろか、悪化したり別の症状を引き起こしてしまうなんてことも。

意外と自分にあった方法を知らない

という人が多いんです。

なぜ、便秘を解消するのに体質が大切なのか？

便秘、と一口に言ってもタイプはさまざまです。

しかし、西洋医学的には「便秘」という病名に対して、薬が処方されるケースがほとんどです。
それに対して、東洋医学では個人の体質（証）をまずは診断し、それをベースにアレンジして処方を考えます。

便秘に対するアプローチの違い

西洋→病名に対して、処方（薬）！
東洋→個人の体質（証）をもとに、悩みを解決する！

つまり、「便秘」という病名は同じでも、体質が違えば処方される薬だって違ってきます。
そして、取り入れたほうが良い食材や実践方法も。



便秘に良いと言われる食材も、体質によっては効果を発揮しないこともあります。
なので、TV番組や雑誌などの情報をそのまま鵜呑みにして取り入れているだけでは、改善しないこともあるので注意が必要なんです。

中医学的、まずは２つのタイプを判断しよう！

中医学において、まずは便秘の症状を診断する上で大きく２つのタイプに分けて考えます。

実証タイプ

１つは、身体の中に余分なものが溜まりすぎてしまう実証タイプです。

症状

・体内に熱がこもり、便が乾燥してしまい硬くなる
・心身のストレスなどで、胃腸の動きが悪くなり、スムーズな便通が難しくなる

体質チェックリスト

虚証タイプ

もう１つは、身体に必要なものが足りていない虚証タイプです。

症状

・体内の気（バイタル・エネルギー）が足りず、便を送り出す力がない
・気・血の不足により、腸内の潤いが不足し便が乾燥する

体質チェックリスト

とくに実証タイプの人は、パワーがありハキハキとしていたりするので、健康体に見られがちです。
西洋医学ではなかなか「病気」として捉えられることが少なく、治療をしたり、養生する必要があるのか？と思われたりします。

しかし、有り余る元気も時としてはさまざまな症状を引き起こすことになるので注意が必要ですよ。

※実証、虚証は全ての項目が当てはまるとは限りません。
まずはチェックがが多くつく体質を、今現在の自分の体質として考えてみてください。

あなたの便秘はどのタイプ？体質別にチェックしてみよう！

西洋医学では、

・腸内に水分を引き寄せ、便を軟らかくすることを助ける薬
・腸のぜんどう運動（※１）を活発にしてあげる薬
・生薬処方（瀉下剤）の強い下剤

などが処方されることが多くあります。

しかし、これらの薬を日常的に使いすぎてしまうと自身の腸の動きが悪くなってしまい、
薬の量も増え続け、かなりの量を飲まないと排便が困難になってしまうなんてことにも……


やはり、薬に頼るだけではなく、便秘の根本的な原因を考え、自分の体質にあった対策が必要ですよね。
国際中医薬膳師としては、まずは生活習慣や食生活を見直し、改善していくための方法をお伝えしたいと思います。

（※１）ぜんどう運動：腸管の口側が収縮し、肛門側が弛緩し、腸内の内容物を先へ押し出していく運動のこと。主に腸の内容物を移動させる働きに用いられます。


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①熱タイプ（燥熱内結）

症状（実証タイプに多い）

便が乾燥して硬い、尿の色が濃い、赤ら顔、つねに暑がり、お腹が張って痛みを伴うときがある、口が乾く、口臭、舌の色が赤い、舌の苔が黄色く粘着質

改善策・注意点

このタイプの人は、体内に余分な熱が溜まり、腸内が潤い不足の状態になっています。
熱は水分を蒸発してしまいますよね。腸内も乾燥し、便に水分が行き届かずに硬くなり、出にくい状態に。

もともとパワーもあり、よく飲み、よく食べる人が多いのも特徴です。
気付かずに味の濃いものや脂っこいものなどを過剰に取る食生活を続けていると、ますます悪化することにも。

まずは自分の食生活を見直し、偏りがないかチェック。そして、体内の熱を冷まし、腸の潤いを保てるように心がけてみましょう。

オススメの食材

②ストレスタイプ（気滞不行・気秘）

症状（実証タイプに多い）

スムーズに排便ができない、お腹が張る、頻繁にゲップをする、ガスが多い、膨満感がある、食欲減少

改善策・注意点

体内の気が滞りがなく全身を流れていると、腸も活発に動き自然な排便が行われます。
しかし、このタイプの人は、ストレスなど自律神経の乱れから、気の流れが滞り、スムーズに便が出ない状態に。
オーバーワークにより交感神経が優位な状態が続いたり、旅行など環境が変わると便秘になりがちな人もこのタイプ。

まずは、ストレスを溜め込み過ぎないことです。適度な運動など、リラックスした状態を作ることを普段から心がけ、ストレスを上手く発散させる生活を続けてみましょう。

オススメの食材

③血の不足タイプ（血虚）

症状（虚証タイプに多い）

便が乾燥している、顔色が青白い、肌にハリがない、髪にツヤがない、動悸、めまい、目がかすむ、脱毛、若白髪、舌の色が淡い

改善策・注意点

このタイプの人は、潤い不足からコロコロと乾燥した便になり、スムーズな排便ができなくなっている状態です。
血は体内に潤いを与える成分のため、血が不足することで、腸の潤いもなくなります。結果として、便にも十分な潤いが行き届きません。

マッサージをするときも、オイルやクリームを足してマッサージしますよね。
潤いのある場所はよく滑りますが、乾燥した場所では動きも鈍くなってしまいます。

月経のある女性に多く、生理後や出産後、過度なダイエットにより貧血状態が続いている人は要注意です。

対策としては、足りない血を補いながら、同時に腸の潤いも補充してあげることです。
いくら補っても滑りが悪ければ、スムーズな排便に繋がりません。身体を潤す食材を積極的に摂り入れていきましょう。

オススメの食材

④気の不足タイプ（気虚）

症状（虚証タイプに多い）

便意はあるがスムーズに排便ができない、排便後に疲労感がある、便は硬くもなく軟らかくもない、顔色はツヤなく白い、息切れ、冷えやすい、舌の色が淡い

改善策・注意点

このタイプの人は、気の不足により便を送り出しづらくなっている状態です。
気（バイタル・エネルギー）には、身体を動かしたり、栄養を全身に巡らす作用があります。

そして、身体を温め体温を保つ作用など、人間の生命維持活動にかかせない大切なものです。

これが不足すると、腸の中に溜まっている便を外へとスムーズに送り出せなくなってしまいます。
また、この状態が続くと、胃腸も冷え腸の働きが低下する要因にも。

対策としては、エネルギーの源になる気を補い、しっかりと胃腸の働きを高めることが大切です。
もともと虚弱体質の人や高齢者、病後の人に多くみられるので、消化の良いレシピなどで少しづつ栄養を補給していきましょう。

オススメの食材

あなたのタイプに合わせた対策で便秘知らずの身体へ！

自分の便秘のタイプ、もしくは体質が少しみえてきましたか？

まずは、自分の体質を知ることからスタートです。

体質がわかったら、実践する生活習慣や食事もわかってきますよね。
慢性的な便秘は、肌荒れや食欲不振はもちろん、放っておくと様々な病気のトラブルにも繋がります。

薬で出すのはある意味簡単です。
しかし、薬に頼りすぎると腸の動きが悪くなり、のちのち大変なことに。

日々のは排便トラブルは、普段の暮らしから見えてきますよ。
養生は１日にしてならずです。

自分の体質に合わせた方法で少しづつでも養生トレーニングを始めて貰えると嬉しいです。


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