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ヴィーガンが体に悪い、不健康って本当?日本のスーパーから見るヴィーガンな食生活に潜む矛盾とは?

ヴィーガンが体に悪い、不健康って本当?日本のスーパーから見るヴィーガンな食生活に潜む矛盾とは?


「ヴィーガン(完全菜食主義)」についてどんな印象をお持ちですか。

またこれを見ている方の中には「すでにヴィーガンを実践している」という方もいらっしゃるでしょう。

「ヴィーガンは不健康だ」「体に悪い」と思われている方も多いと思いますし、事実、最近著名な方でもそのような発言をしていることで話題になっています。

ヴィーガン(完全菜食主義)とは「動物性食品や動物由来のモノを使わないライフスタイルのこと」なので、動物性たんぱく質や動物由来の栄養素を食事でとることができません。

過去を振り返って、ここしばらくの歴史を見ても長年日本人は肉類や乳製品等を食べてきたので、豚や鶏、牛などの肉類や魚、卵、乳製品、はちみつなど動物由来の食べ物は一切食べないことは、一見、偏りのある食生活に思ってしまう…

これまでの”当たり前の概念”の中で生きていれば当然のことと思います。

しかし、動物由来の食べ物を一切食べないことは、本当に不健康なのでしょうか?

今回は、ヴィーガンの食生活の実際についてお話していきます。

ヴィーガンは本当に体に悪くて、不健康なのか?


「ヴィーガンが不健康だ」と指摘される理由は、動物性食品を一切食べないことにあります。

特に、動物由来のたんぱく質、カルシウム、ビタミンB16、ビタミンD、鉄分は不足する恐れがあることが指摘されています。※1

確かに何の栄養素の知識もなく、また何も健康面を考えないで、炭水化物や、好きなものばかり食べていたら栄養不足に陥ります。

しかし、事前に知識を持っていれば実はそのようなリスクは、あまりないと言っても過言ではありません。必要な栄養素を知りバランスのいい献立を考えることで、仮にベジタリアンや、ヴィーガンであっても栄養不足になることはありません

確かに、「食への知識がないままにヴィーガンを流行りの延長ではじめてしまった」という人をよく見かけます。

そういう方の中には、”ヴィーガン”というラベルやネーミングさえついていればなんでもいいと言わんばかりに、「ヴィーガンジャンクフード」と呼ばれる揚げ物類や、スイーツ、いかにも体に悪そうなスナックや代替肉等を買っている人もいらっしゃいます。

このような食生活をしていれば、ヴィーガンか雑食かは問わず、あっという間に体が糖化し、いくら植物性食材を食べていても、添加物や油などの害によって、病気になるのも時間の問題です。

つまり、本来私たちに必要だったのは、動物性食品ではなく栄養素の知識だったのです。


ヴィーガンが実は体に良いワケ


ヴィーガンが本当に不健康ならば、ヴィーガンの人口は年々減少していくはずです。
しかし、ヴィーガン人口は減少することなく、世界レベルで増加し続けています

JETRO(日本貿易振興機構)が行った調査(※2)によると、「イギリスのヴィーガン人口は2014年の15万人から2019年には60万人に増加」「ドイツのヴィーガン人口は2008年は8万人未満だったのが、2016年には130万人に増加」という結果が発表されています。

また、ヨーロッパの国々だけでなく欧米やアジア、日本などの世界中でヴィーガンの認知度があがってきており、ヴィーガン人口は増加しています※3.4.5

ヴィーガンが身体に及ぼす健康面でのメリット


実は、ヴィーガンの食事は、あらゆる生活習慣病の予防や改善が期待できます。

例えば、高血圧症や心臓病、2型糖尿病ではヴィーガンやベジタリアンは発症率が低かったことが報告されています。※6.7

また、2015年にはWHO(世界保健機構)が、「赤肉・加工肉はがんのリスクを高める可能性がある」と発表しました。※8

これは赤肉・加工肉の摂取が、がんになるリスクを高めるという科学的根拠が認められたことになります。

そして、ヴィーガンは肉類を一切食べないので、がんになるリスクも低いということです。※9

それから乳製品の食べ過ぎは肌荒れや特定のガンに繋がることも研究より示唆されており、肉類の食べ過ぎは脳梗塞や心筋梗塞等毛細血管の劣化、または血管が詰まることで起きる各種循環器系疾患のリスクも上げかねないことはすでに世界中の研究者から指摘されています。

日本のヴィーガンフードは添加物まみれのフェイクフードばかり!?


ヴィーガンは不健康ではなく、正しい方法で行えば健康的であるということがお分かりいただけたでしょうか。

では、正しくヴィーガンを行う方法とはどんな方法なのかについてお話していきます。

ヴィーガンの正しい方法とは、ズバリ、「良質な栄養素を適量摂取すること」です。

ヴィーガンは、たんぱく質をはじめとする動物由来の栄養素が不足しがちであると研究結果がでています。(※1)それらを補うためには、植物由来の食品から摂取するしかありません。

そして、世界で増え続けているヴィーガンのために植物由来の肉やチーズが開発、販売されています。

しかし、残念ながら日本で見かけるヴィーガンフードはまだまだ一般的に購入できるものについては、食品添加物まみれのフェイクフードばかりです。

もちろん一部の優良な作り手によって作られた良質な製品もありますが、スーパーやコンビニでは入手は困難と言えるでしょう。


ヴィーガンフードに潜む、”植物油脂”のリスク


例として、上記食品を取り上げてお話していきます。

注意したいのは、植物油脂卵白粉です。

・植物油脂とは、植物から取り出した油脂の総称でサラダ油やパーム油、菜種油などのことです。植物油脂には、その危険性からアメリカでは使用を禁止された、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。また混合油の場合、遺伝子組み換えの植物を使っているケースもあります。

・卵白粉は、卵白を乾燥させて粉末状にした製品です。上記の食品はヴィーガン食品として販売されているのですが、ヴィーガンは卵を食べないので、卵白粉が含まれている食品をあたかも”ヴィーガン食品”のように販売しているところに矛盾を感じます。


大前提で、果たしてヴィーガン食品だからといって、食品添加物で補った食品を食べることは健康的と言えるのでしょうか

また、ヴィーガン食品として販売されていても原材料を見ると矛盾している製品が含まれている場合もあります。

特に、日本のスーパーで出回っている大量生産型ヴィーガン食品は食品添加物が多い傾向にあります。

食品添加物や化学調味料、人工甘味料が身体に及ぼす影響は、動物由来の食べ物を食べることと同等か、それ以上あるとも言われています。※10

つまり、添加物まみれのヴィーガンジャンクフードを食べるくらいなら、普通の食事の方が健康的にはマシな可能性すらある、ということです。

次の項目では、ヴィーガン生活を始めるにあたり気をつけることを5つお話します。

ヴィーガン生活で気をつけること

1.不足しがちな栄養素を知る


まずは、ヴィーガンで不足しがちな栄養素を把握しましょう。
先ほどお話した、たんぱく質やカルシウム、ビタミンの他にも亜鉛やオメガ3脂肪酸なども不足しがちだと言われています。
※11.12

不足しがちな栄養素を知り、補える食品を調べましょう。

たんぱく質なら豆類やブロッコリー、ナッツ類に豊富に含まれています。

植物性食品ですべて補えるので、調べていくとどんどん知識も増えて楽しくなりますよ。

2.バランスのいい食生活を心がける


ヴィーガンでも、植物由来のジャンクフードばかり食べていたら健康ではなくなってしまいます。

不足しがちな栄養素を知り、補える食品を見つけることができたなら偏りのない食生活を心がけましょう。

難しいことは考えずに、普段なら肉を使っているところを豆腐で代用したり、牛乳は豆乳やオーツミルクに変えるだけでヴィーガンの食事になります。

他にも、植物由来のお肉だったり、フェイクミートの食品もあるので上手に活用していくのがおすすめ。

3.オーガニック食品を選ぶ


化学肥料や農薬も、人間の体に悪い影響を与えます。

ヴィーガンであっても、健康を害する成分を含んでいる食品を食べていたら元も子もありません。

そのためには、自然栽培の食品や、”オーガニック食品”を選ぶことがおすすめです。

特に、野菜やヴィーガンフードはオーガニック食品の方が味もおいしいので、身体のためを思ってヴィーガンを始めるならばオーガニック食品でることは、必須でしょう。

欧米ではオーガニックが前提かつ、ヴィーガンという加工食品が多数販売されています。

日本はアメリカ等で流行ったことを”見よう見まね”で表面的にやろうとする傾向にありますが、残念ながら良いところはマネになっておらず「悪いところどり」になっているケースが多いことを、覚えておきましょう。

4.食品添加物や人工甘味料がたくさん使われている食品は避ける


フェイクフードなどの代替食品は、遺伝子組み換え由来の成分、食品添加物や化学調味料、人工甘味料が多くなりがち。

せっかくヴィーガンを始めるならば、野菜や食材の本来の味を味わうことがおすすめです。

私の体験談ですが、ヴィーガンになると味覚が繊細になり味がよくわかるようになります。

野菜の苦みや甘み、フルーツの酸味など本当によくわかるようになります。

おまけに、食品添加物がたっぷりの食品の味が、ナチュラルなもので作られた味と違うこともはっきりわかってしまうので、避けることをおすすめします。

5.遺伝子組み換え食品も避ける


遺伝子組み換えや、最近スタートした”ゲノム編集の食品”もまた、人体への影響が懸念されており、海外では反対運動まで起きている現状です。

日本人はこのあたりの知識が極端に極端に少ないため、知らず識らずのうちに食べていることが多いようですが、安全性についてはグレーとの見解もあり、避けた方がいい食品の一つです。

遺伝子組み換えがされているかどうかは、表記されていますが、GMO由来の添加物や、加工食品の場合はいちいち全ての原料に対して書かなくてもいいという決まりがあるので、消費者が見分けるのは困難でしょう。

”オーガニック食品”なら、遺伝子組換え技術によって得られた原材料は使用できないので、高確率で遺伝子組み換えでない食品に出会えます。

専門家が監修するオーガニックや自然栽培の食品を売っている店で安全なものを購入することをお勧めいたします。

日本で一番厳しい基準を目指すオーガニックマーケットプレイス、IN YOU MARKETでは、数多くのオーガニック・ヴィーガンアイテムを掲載しておりますので、ぜひご覧くださいね。






(参照)

※1 Comparison of Nutritional Quality of the Vegan, Vegetarian, Semi-Vegetarian, Pesco-Vegetarian and Omnivorous Diet(2014)
※2 ベジタリアン・ヴィーガン市場に関する調査(英国、フランス、ドイツ)(2021年3月)
※3 How Many Vegans in The World? In the USA? (2020)
※4 第2回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel(2019年12月
※5 The vegan society
※6 植物性の食品を中心とする食事が血圧降下に有効(2014年2月)
※7 Beyond Meatless, the Health Effects of Vegan Diets: Findings from the Adventist Cohorts(2014)
※8 Cancer: Carcinogenicity of the consumption of red meat and processed meat(2015)
※9 Vegetarian, vegan diets and multiple health outcomes: A systematic review with meta-analysis of observational studies(2017)
※10 人口甘味料と糖代謝(2017年)
※11 Omega-3 polyunsaturated fatty acids and vegetarian diets(2013)
※12 Effect of vegetarian diets on zinc status: a systematic review and meta-analysis of studies in humans(2013)


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