「食べる」って一体どういうこと?マクロビ育ちでヴィーガン食も実践、現在ポルトガルでサーカス学校に通う私が考える「私らしくいられる食べ方」
「食べる」って一体どういうこと?マクロビ育ちでヴィーガン食も実践、現在ポルトガルでサーカス学校に通う私が考える「私らしくいられる食べ方」
身体にいい食事法というと、マクロビオティック、ヴェジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリー等を思い浮かべる方が多いのではないのでしょうか。
ですが、これらが必ずしもあなたの生活スタイルや住んでいる場所に適応するかと言われると、それはまた別の話になります。
オーガニック、地産地消、サスティナブル。
今回は、実際にマクロビオティックをベースとした家庭で育った私が、ヴィーガンを経てたどり着いた『私らしくいられる食べ方』を通して、食について考えていきたいと思います。
*以下の内容はあくまでも主観的なものですので、実践される際はご自身の判断となります。
私の食歴
マイナスイメージの多かったマクロビオティック食・戦国時代9才~
両親の考え方の変化により、9才ごろから実家では、玄米菜食を基本としたマクロビオティック食を実践していました。
子ども心に「なんで玄米を食べなくちゃいけないんだろう」「お肉や卵も食べたいのに…」と思っていましたが、小学生の私がどれだけ1人で頑張った所で、両親の決断が揺らぐはずもなく、給食でお肉や卵を摂る以外は基本的に植物性のものを食べて生きていました。
当時学校がお休みの週末の朝にはパンを食べていたのですが、その時にはチーズを食べることができ、チーズのとろけるトーストは私の心の拠り所だったことを思い出します。
今でこそ、大豆ミートは改良されてとても美味しくなりましたが、一昔前はそもそもお肉やお魚を基本的に食べないという考え方が今ほど広まっておらず、大豆ミートの味は子ども心をつかむのには程遠いものがありました。
悲惨だったのは遠足のとき。
今考えてみると大したことではないのですが、人と一緒がいいと信じていた私には、白米を食べている子たちの中で玄米ご飯のお弁当を広げるのは、とても恥ずかしく勇気のいることでした。
という訳で、残念ながら当時の私のマクロビオティックに対するイメージは、マイナスな面が多かったです。
反面、体を作る時期に白砂糖を始めとした白いものや添加物をあまり摂らなかった故に、健康的に育ち集中力がついたと思うので、今ではあの選択もよかったのかなと思います。
(ちなみに、思春期を含め、今までにきび・吹き出物で悩んだことは一度もないのは、マクロビオティックのお陰だとひしひしと感じます。)
時と場合に合わせて食べることを学んだオーガニックフード全盛期12才~
さて、私は小学校を卒業後、福井県に単身で移住したので、12才からの3年間はマクロビオティックではなく、基本的に季節に穫れた野菜や卵をメインとしたお肉やお魚も食べる生活になりました。
それと同時に、いわゆるお砂糖を使った自家製のプリンやシフォンケーキなどを始めとしたお菓子も食べるように。
萌叡生活塾(当時住んでいたコミュニティ)では、自分たちでお米や野菜を育てており、平飼いの鶏の有精卵を始めとし、パンなども自分たちで焼いていました。
また、海が無い奈良県とは違い、日本海に面する福井県産のお魚は新鮮で、近くの渓流で釣ったアマゴやヤマメの塩焼きと共に食卓を賑わせていました。
萌叡生活塾では、有機的な方法で野菜を育てていたのですが、大多数の近所の人は慣行農法を実践しておられ、そういう方たちから野菜を頂いたときや、毎週日曜日に出店していた隣町の朝市で顔見知りの人たちから野菜を買っているのを目にしたとき、
「どうしてオーガニックではないのに、買うのか?」
と疑問に覚えたことがあります。
その時に萌叡生活塾のメンバーの1人が言っていたこと、
顔が見える人から買う・地域で穫れたものを買うのもまた大事なこと
という考えが当時は理解できず、ぐるぐる考えを巡らせたものです。
知らず知らずのうちに築き上げた「オーガニックでなければ食べ物ではない・砂糖はだめなものだ」という心のしこりは、その後何年も私の中に渦巻くことに。
ですが、成長するにつれて住む場所や状況がどんどん変わり、時と場合に合わせて食べ方を柔軟に変えていくことを学んでいきます。
また、ストイックだった実家の玄米菜食も時を経て丸くなり、現在は野菜中心でお肉やお魚も食べる生活に落ち着き、薬膳などの食事方法を学ぶ母が作ってくれる食事は美味しいだけでなく、気力や体力も補ってくれていると感じます。
3か月で終わった、ヴィーガン食時代22才~
昨年デンマークに留学していたとき、3か月ほどヴィーガン食を実践していました。
多くの生徒や先生がベジタリアンである中、当時仲良くしていた友人がヴィーガンだった為、影響を受けました。
友人がヴィーガンになったのは、動物が好きで彼らを守りたいから。
以前の彼女は家族の中で一番お肉が好きだったというから驚きです。
私は、以前から環境の悪化に対して、スウェーデンの環境保護活動家であるグレタ・トゥーンベリさんのように何かをしたいという気持ちがあり、もし自分がヴィーガンになることで少しでも地球環境に貢献できるならという思いで始めました。
もともと、ゆるめのベジタリアンだったので、実のところヴィーガンに移行するのはそれほど苦痛ではありませんでした。
(ただ、蜂蜜も食べないと決めたので、そこは少し辛かったですが。)
結論から言うと私のヴィーガン生活は3か月で幕を閉じることになります。
その理由は、プロテイン。
デンマークではサーカスを勉強していたので、筋肉を育て体を培う良質なたんぱく質を適量摂るのは必然でした。
しかし、学校の食事がさほどベジタリアン・ヴィーガンに気を遣っておらず、ロックダウンも重なって日に日に植物性のたんぱく質を摂ることは難しくなっていました。
(ロックダウン中はデンマーク人の生徒は帰宅せねばならず、残った外国人の生徒は用意された食事では飽き足らず、外で調達することが増え、もともとお粗末だった食事がさらに侘しいものになるという悪循環に陥りました。)
そんなある日のこと。
トレーニングを終えて食堂に戻った私は、昼食に出されていた手羽元の焼いたのを目にし、自分の中で何かが崩れていくのを感じます。
遡ること約1週間前から、特にトレーニング後に卵や鶏肉を食べたい!!!食べなければ!!!という思いと闘っていました。
今思うと、たんぱく質が足りておらず、体がSOSを出していたのだと思います。
友人(ヴィーガンの友人とはまた別です)に昼食の手羽元をこっそり取っておいてもらい、彼女の部屋で罪悪感にかられながらほおばりました。
その後、ストイックなヴィーガン食は自分には合わないと気付き、少しずつお肉・魚などを始めとした動物性たんぱく質も摂るように。
ヴィーガン食もまんべんなく色んなものを摂り、特に植物性のたんぱく質をきちんと摂るようにすれば問題はないと思いますが、大切なのは『きちんと自分の体の声に耳を澄ます』ということ。
スーパーで知らず知らずのうちにお肉コーナーに足が向いたり、強烈に甘いものが食べたいと感じるときは、何らかの栄養成分が足りていないという体からの訴えです。
余談ですが、今でもヴィーガンのチーズやアイスクリーム、バターなどは個人的に動物性のものよりも美味しく体に合うので、積極的に買うようにしています。
余談:イギリス、デンマーク、ポルトガル食事情
イギリス編
今まで住んできた国の中で食事がもっとも残念だったのは、イギリスです。もちろん、人によって違うと思うのですが、基本的にイギリス人はなんでも長く茹でます。
インゲンなども歯ごたえはおろか、色も抜けきっていて何にも思わないのが逆に不思議だと感心しました。
私の最初のホストファミリー宅では、調理中にいっさい塩を使わず食卓に置かれた塩コショウで味を補うという感じで、物足りなさを感じた覚えがあります。
そんなイギリスですが、一度パブに行ったときに食べたローストビーフ・ポークにマッシュポテト、そして茹でた野菜を盛り合わせた上にグレービーソースをかけたものは美味しかったです。
また、私の友人の中にはプロ顔負けの料理を作る人もいるので、あくまで個人差はあるものの全体的に食に関する興味が薄いのが国民性なのではないかと思います。
甘いものが好きなイギリス人、スーパーに売られているケーキは日本のケーキの3倍は甘いので、購入されるときは気を付けてください。
何があってもなくてもティーを飲むのがイギリス人、一般的なティーサロンではクリームティーと呼ばれる紅茶×スコーン(クロテッドクリームとジャム付き)の組み合わせを楽しむことができ、紅茶好きにはたまりません。
デンマーク編
さてお次はデンマーク。デンマークには、スモーブロー”(Smørrebrød)という伝統的なオープンサンドイッチが存在し、黒パンにハム、ニシンやチーズその他沢山の種類のものを載せて頂きます。
学校でも毎夕パンとハムやフムスなどが提供され、なんちゃってスモーブローにしてよく食べていました。
デンマークはエコやオーガニックの推進国で学校でもほとんどの食材がオーガニックでしたが、物価が高いので外食をあまりした覚えがありません。
また、デンマークで主食ではないかと感じたのがじゃがいも。
何かにつけて食べていたような気がします。
ちなみにこの傾向は、デンマークだけではなく、ポルトガル、ひいてはヨーロッパ全土で見られます。
ポルトガル編
現在住んでいるポルトガルの食べ物を一言で表すなら、バカリャウ(塩漬けしたタラを天日干しした保存食)です。ポルトガルはタラの消費量が世界一とも言われており、ポルトガル人にとってバカリャウは普段の食事からクリスマスのようなイベントにまで欠かせません。
私もこちらに来てから数えきれないほどバカリャウを食し、その魅力のとりこになりました。
塩がきついので、予めしっかりとした塩抜きが必要ですが、その後はシンプルに茹でてもよし、焼いてもよしと使い道が沢山あります。(塩抜きしても独特なにおいがするため、中には苦手な人もいます。)
特にお気に入りなのは、薪火でグリルしたものをサラダや茹でたじゃがいもと食べる一品。
また、グリルしたアヒルと茹でたジャガイモの組み合わせも外せません。
毎週土曜日に大家さん一家が昼食に招待してくれるのですが、毎回お母さまが作って下さるポルトガル料理が楽しみで、団らんのひと時は私の癒しです。
さてそんなポルトガルですが、日本人には実はなじみ深いものがいくつかあります。
その1つがカステラ。
カステラは16世紀中期、ポルトガルの宣教師たちによって日本にもたらされたといわれていますが、ポルトガルに『カステラ』というお菓子はありません。
一般に、カステラの原型と考えられているのは『パォンデロー』。
卵と砂糖を一緒に泡立て、それに小麦粉を加えて窯で焼くだけといったシンプルなもの。
クリスマスやイースターには欠かせないものの1つです。
引用:「カステラ ド パウロ」
また、日本人にはおなじみのプリン。
大家さん宅では普通のプリンの材料に+コーンスターチを入れて蒸し上げます。
一般的なプリンよりはどっしりとした感じで隠し味にレモンが効いており、数あるポルトガル菓子の中では個人的に堂々の1位です。
今食べているもの・考えていること
We are what eat-私たちは食べたものでできている
現在サーカス学校にフルで通う私にとって食べることは、睡眠に並ぶほど大事なことです。
必要な栄養を摂っていないと急激なエネルギーの低下を感じたり、集中力が切れたり、はては体力の回復もままならず、思いっきり動き回ることが出来なくなってしまうからです。
色々試し通り過ぎてきましたが、今の私にはお米を主食として野菜メインにしっかりとお肉・お魚・大豆たんぱくやヴィーガンチーズなどを摂る食生活が合っていると感じます。
日本にいるときには基本3食お米を食べていましたが、海外特にヨーロッパに来てからは朝からお米は重く感じるように。
代わりに朝食は自家製グラノーラに季節の果物、豆乳そしてピーナッバターを落として食べています。
学校のある日のお昼は、ごはん+サラダもしくは緑黄色野菜にアボカドや大豆ミートをメインとした植物性たんぱく質に卵やお肉・お魚を少量。
パンを食べる日もあれば、スパゲッティを朝から茹でて持って行く日もあります。
あまり動物性のものをお昼から食べ過ぎると、その後お腹が張るということもあり、お肉やお魚は基本的に夜に食べるようにしています。
夜ごはんは、週末に作り置きした野菜たっぷりのスープにお肉を炒めたものなどにごはんを合わせたものをがっつりと。
以前は『白米+雑穀』と玄米を分けて炊いていたのですが、白米だけだと腹持ちがあまりよくなく、玄米だけだと重すぎると感じたので、最近は玄米3に白米1の目安で合わせて炊いています。
一般的な生活をされている方より多くのたんぱく質を摂っていますが、その他にはこれといって特別なことはしていません。
さらに週に一回Refood(スーパーやレストランなどで売れなくなった食品を集め必要な人に配るシステム)にお世話になっているため、そこで頂くものによって多少献立が変わってきます。
オーガニック、無添加、サスティナブル…食で本当に大切なことは?
デンマークに滞在していたとき、ノルウェー出身の友人と食について話す機会がありました。
彼は、
ヴィーガン食の考え方は素晴らしいし、個人的にできるだけ植物性のものを摂るようにしているけど、ノルウェーでヴィーガンでいるのはあまり現実的ではない。
長い冬には雪も沢山降りなにも育たないから、文化的に考えるとお肉や魚を食べるのは、道理に叶っている。
こう語っていました。
確かに、と納得したのを思い出します。
だからと言って北欧ではヴィーガンになれないというのではなく、ヴィーガン=体と環境によいと考える前にお住いの場所への輸送やその他のことにも思いを巡らして欲しいのです。
私は、基本的に添加物の入っているものは購入しないという以外は、地域で穫れた季節のものをまんべんなく食べるようにしています。
オーガニックのものを出来るだけ選ぼうと思っていますが、私の住んでいる場所では、オーガニックの生鮮食品は滅多に手に入りませんし、あったとしても経済的に毎回オーガニックのものは買えないこともあります。
似合う洋服は人生のステージによって変わるということは知っていても、食もその時の状況や環境によって変わる可能性があるということを意識している人はまだあまり多くないのではないでしょうか。
その時そのときにあなたに合った食べ方を通して、
あなたにとってのオーガニックの定義を見つけていただきたい、
それが私の願いです。
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