予防接種で副反応が出たらどうなる？「予防接種健康被害救済制度」についてまとめました。

予防接種、どうなんだろう？と思っているお父さんお母さんへ。

予防接種の数は10年前に比べ、接種回数も種類も増えました。
私自身も2012年生まれの娘には予防接種をフルコースで打っていました。

夫は小さい頃から打った予防接種の病気（水疱瘡やインフルエンザなど）にかかるタイプの人でした。
なので、同時に5本10種類接種などでは、どの予防接種から副反応が出るかわからない・・・と不安になり、そこから予防接種について色々調べました。

調べていくうちに色んな人のお話を伺いました。
前回はBCGワクチンが原因で2歳の女の子の手首に腫瘍ができたというお話を記事に書かせていただきました。

接種後2年以上経ってから出現した副反応でしたが病理検査でBCGが原因とわかったそうです。
その後、申請をしてさらに2年経ってやっと給付額が決定したそうです。

予防接種被害救済制度の給付額や実際に給付された人の気持ちについてまとめました。

予防接種被害救済制度とは

　予防接種の副反応による健康被害は、極めて稀ですが、不可避的に生ずるものですので、接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するものです。
　予防接種法に基づく予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、その健康被害が接種を受けたことによるものであると厚生労働大臣が認定したときは、市町村により給付が行われます。申請に必要となる手続き等については、予防接種を受けられた市町村にご相談ください。（厚生労働大臣の認定にあたっては、第三者により構成される疾病・障害認定審査会により、因果関係に係る審査が行われます。）

※予防接種法とは
第五章に定期の予防接種等による健康被害の救済措置（健康被害の救済措置）があります。

引用　予防接種健康被害救済制度／厚生労働省

給付金が支払われた予防接種の種類

こちらは、予防接種健康被害救済制度の予防接種別認定者数の表です。
予防接種に対する総数に絞ってみてみましょう。


この表を見て何を感じましたか？

私は「思ったより予防接種の健康被害は多い」と思いました。

認定者数が多いのはMMR、新三種混合ワクチンです。

※新三種混合ワクチンとは

（麻疹（measles）、流行性耳下腺炎（おたふく風邪、mumps）、風疹（rubella））
日本では、1988年から1993年まで実施されていた。しかしムンプスワクチンによる無菌性髄膜炎発生率が高い事が問題となり、中止となった。2006年4月から、副反応が問題となったムンプスワクチンを除いた、麻疹・風疹混合（MR）ワクチンの接種が開始された。
引用　Wikipedia

新三種混合ワクチンとは、無菌性髄膜炎などの副反応が問題になったという予防接種です。
色々な種類が出る中で、健康被害が多かった予防接種もあります。

次に多いのはBCGです。
BCGは結核に対するワクチンで、ハンコ注射・スタンプ注射とも呼ばれ定期接種なので打っている人も多いと思います。

この数字は昭和52年からの累計なので、約60年間に起こった数字です。
年間の定期接種対象人口が110〜130万人なので、約7千万人中三千人に予防接種健康被害が起こったという数字になります。
確率でいうと0.004%です。
交通事故で死亡する確率とほぼ同じです。
この数字を少ないと感じるでしょうか？

BCGが原因で手首に腫瘍ができた2歳の女の子のお話

前回、BCGが原因で手首に腫瘍ができた女の子のお母さんにお話を伺いました。

関連記事
BCGワクチンが原因で2歳の子供の手首に腫瘍ができた母親に話を伺いました。予防接種は100％安全じゃない。


生後3ヶ月に予防接種を打って、副反応が出はじめたのは2歳。

初めは小さな骨折などの診断を受けましたが、どんどん腫れてきて大学病院の腫瘍専門チームでMRIなどの精密検査を受けました。

手術で無事腫瘍を取り除くことができ、その後の病理検査でBCGが原因とわかり、予防接種被害救済制度に申請しました。
予防接種被害健康手帳が支給され、給付金が決定したのは手術から2年4ヶ月が経過していました。

健康被害にあった人の気持ち

記事の中で、お母様の気持ちをお聞かせいただきました。

私の気持ちは…
とにかく不安でいっぱいでした。

分からないって1番怖いです。
次は大きな病院でMRIを撮らないと分からないからと、外来へ行っても何だろうねーと言われ、MRIの予約日までにどんどん腫れは大きくなってきて。
ここで原因が分かるものと思っていたのに、ここでも分からず、次に紹介されたのが名大病院の腫瘍専門チームでした。

腫瘍専門チームと聞くだけで、素人には恐怖でしかないです。
ネットで情報を漁りました。
子供、手首、腫瘍。検索にひっかかるのは骨肉腫やそんな類いばかり。

BCGの副反応なんて1個も出てきませんでした。
毎日泣いてました。最悪の事ばかり考えてしまって。

子どもたちの前では泣けないし、夜な夜な検索しては泣いて、眠れない日々が続きました。

なんでうちの子だけ。
もっと勉強していれば。

そう自分を責めたそうです。

伺っただけでも胸が苦しくなりました・・・・

予防接種健康被害救済制度の給付額が決定するまでの流れ

予防接種健康被害救済制度はどのようにして申請するか、まとめました。

予防接種は感染症を防ぐために重要なものですが、極めてまれに健康 被害の発生がみられます。万が一、定期の予防接種による健康被害が 発生した場合には、救済給付を行うための制度がありますので、 お住まいの市町村にご相談ください 。
引用　予防接種健康被害救済制度リーフレット

①請求者（健康被害を受けられた ご本人やその保護者）は市区町村に申請します。
申請には、予防接種を受ける前後のカルテ等、必要となる書類がありますので、お住まいの市町村にご相談下さい。
②市町村、厚生労働省が必要書類や症状のチェックを行い、厚生労働省が設置する外部有識者で構成される疾病・ 障害認定審査会で審査を行います。
③審査の結果を受け、定期の予防接種 を実施した市町村から、支給の可否を お知らせいたします。

おおまかにこのような流れになります。

【体験談】予防接種被害救済制度の給付額が決定するまで

BCGが原因で腫瘍ができたMちゃんは術後予防接種健康被害救済制度を申請しました。

申請した当時のことを伺いました。

救済制度へ申請する際、病院へカルテ開示を依頼し、検査結果や入院記録すべてのコピーの提出が必要でした。これは、申請者自身で集めなくてはいけなくて、最初に行った個人病院とかでは、あからさまに嫌な顔をされて、イヤな思いをしました。トータルの金額でいくと、1万円弱かかりました。

私も医療過誤の訴訟が起きる前に証拠をおさえるという仕事をしていましたが、個人病院でのカルテ開示は嫌がられます。

通院、入院手術については、医療証があるので、どれも自己負担はありませんでした。

保障としては、月1回の通院で34000円ぐらい。2回の時で36000円ぐらい。
Mの場合は既に完治との診断がされているので、その間の5ヶ月分の支給だそうです。
ただ、今後不安で通院しても、傷跡に関して通院や手術をする事になっても、BCGの件でと通院すれば、治療費はかからず、保障の30000円程は一生受けられるそうです。
保健所の担当の方の話では、傷跡の美容的な通院手術になれば、適用されるとの事でした。

保障額の決定までには、2015年12月18日に手術をして、2年2ヶ月後の2018年3月15日付けの認定通知になっていました。
３月に認定通知が来ましたが、振込はまだされていません。時間がかかるようです。

「コインの表だけ」はできない

予防接種オンラインサミットを主催されているデューランゆかりさんが先日ブログでこんな風に書いていました。

「どちらをとっても必ずプラスもマイナスも両方ついてくるってこと忘れずに。」

「どちらか選択して、と２つのコインを見せられて、このコインの表側だけお願いしますってできないでしょ？」

「裏側も含めてその選択肢ですよ。」

コインほど単純な問題ではないので、個人的にはサイコロのようなイメージです。
感染症を予防できる可能性という「面」がある代わりに、亡くなるような副反応が出る可能性もあります。

可能性を天秤にかけるしかないから難しい。
確実に0.004％と交通事故で死亡するくらいの確率で予防接種の副反応で何かは起こっています。

それは、調べた人や当事者にならないと入ってこない情報です。
私自身は予防接種を完全否定はではありませんが、全て打つ必要もないと思っています。

衣食住に気を使って本来持っている力で乗り越えられるような、そんな子育てをしていきたいと思っています。

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