リンパ腫の恐れがある除草剤を、ホームセンターや100円均一で気軽に買って良いのか? 人体への害と使用の実態をお伝えします。
あまりにも身近にある除草剤
日々、抜いても抜いても生えてくる、雑草。
日常生活の中でも草刈は、面倒で時に重労働。
放っておけば虫がわくし、草ボーボーの庭は見栄えも悪い。
田畑では、作物の成長の妨げにもなりうる・・・
そんな時に便利なのが、除草剤です。
1960年代から利便性を目的に利用されるようになり、
最近ではホームセンターや百円均一にまで並ぶほど、一般家庭にも浸透しましたね。
私の実家でも、ここ5年でよく利用しているのを見かけるようになりました。
最近は庭の除草にとどまらず家庭菜園や水田のあぜ道にまで使っていて、
安全性について心配になったのが情報収集のきっかけでもありました。
最初父に聞くと、農協で買ったし場所によって種類を変えてるから大丈夫と、
否定的な意見を煙たがりましたが、
その怖さ知る私は、気が気ではありませんでした。
日常的に使われるようになった除草剤ですが、もともとは戦争で生まれました。
第一次、第二次世界大戦は化学農薬の開発を加速させ、
戦後、除草剤として使われるようになったという歴史があります。
敏感になりすぎてもいけないとは思いますが、最近は安全性ばかりが主張され、
その実態については知られていないのが現状なのではないでしょうか。
利便性や効率性ばかりを求める傾向にありますがが、本当の意味での大切なことって、
便利さや効率ばかりじゃないですよね。
日々、何気なく利用しているものも多いですが、消費者側の私たちも、
ある程度の知識を持って利用することが自分や大事な家族を守る一歩だと思うのです。
出典:除草剤の脅威 久慈力 著
1.除草剤の危険性
日本が農薬大国ってことをご存知ですか。最近は、中国、韓国に次ぐ世界三位ですが、
少し前までは世界一の農薬利用だったとは驚きです。
他国の事ばかりニュースに取り上げてばかりもいられませんね。
日本の田畑は既に農薬が蓄積されているってことですよ。
雨で河川に流れだし、海にたどり着いているものもるだろうし、空気中に浮遊しているものもありますし。
PM2.5や放射線どころの騒ぎではないのです。
1-1. 食物への残留
除草剤にもいろんな種類があって、庭などに使われる植物を全て枯らすタイプ、水田や畑などで使われる雑草のみを枯らして大豆や野菜、麦や米などには影響がないと言われるタイプなど。
後者は、表向きには野菜や米に何ら影響を与えないとはされていますが、
残留農薬を測定している農民連や他の専門家からも、食品中に除草剤成分が検出されたとの報告があるのです。
食品中に含まれていたり、周りに付着しているのですね。
最近でも、日本消費者全日本労働総連盟は、2019年1月18日、
市販の小麦粉から除草剤グリホサート成分が検出されたことを受け、
当該の小麦粉の販売会社にこれらの小麦粉を使わないよう求める要請書をだしています。
参考:【要請書】グリホサート残留小麦を使わないでください 日本消費者全日本労働総連盟
政府は、微量だから人体への影響はないというんですが、
専門家の中には「厚労省が定める残留基準以下なので違法ではないが、毎日のように口にするもので、
安全とは言えない」という見方もあるんです。
参考:グリホサートに係る食品健康の影響評価に関する審議結果(案)についての意見・情報の募集結果について
1-2. 考えられる人体への影響
では、除草剤事態の人体への影響はどうなのでしょうか。
百円均一でも売られる除草剤の主成分グリホサートですが、
アメリカではこれが原因で悪性リンパ腫になったとして製造元を訴える裁判が起き、
賠償命令がくだされています。その他8000件以上も訴訟が起こっているから、
業者も販売を取りやめなければ、反対に痛手になる状況ですよね。
オランダやブラジルではグリホサートが販売禁止となり、
世界保健機構(WHO)が管轄する国際がん研究機関(ARC)は、動物実験によって、
発がん性以外にも胃腸障害、糖尿病、うつ、自閉症、肥満、アルツハイマー病などとの関連も疑うとしています。
さらに内分泌を乱してしまう作用があり、生殖機能に影響を与える可能性も指摘されていて、
生態系のバランスを崩す一つと言えますよね。
内閣府の食品衛生委員会は、2016年にグリホサートについて、神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、
身体の障害及び遺伝毒性は認められなかったとして、1日摂取許容量の基準を体重1kgに対して1mgまでとし、
その量なら生涯、接種し続けても健康への影響がないとの理由で、
それ以下の含有量であれば流通を許しています(体重50kgの人でいうと、50mgまで)。
また、除草剤によっては、すぐに消化されずに人体にいくらか蓄積されることも、
と言い切れないところです。
出典:有機農業ニュースクリップ
1-3. 表示の事実
そこで、オーガニックの表示がある食材を選べば大丈夫なのだと思いますよね。「無農薬」「有機栽培」を謳う商品は、
表示がないものと比べ、安心感があり健康志向の消費者の目を引きます。
でも、この表示がウソだとしたら、どうしますか。
農民連分析センターは表示が消費者にとっては必ずしも安心できるものではないと伝えています。
実際に、「東京・池袋の西武デパートで入手した、米有機農作物改良協会の認証を受けた各種大豆製品の、
すべてから有機りん系農薬が検出された」と報告しています。
有機農業とは、「3年間化学肥料と農薬を使わないこと」であり、
除草剤が農薬の一つとして考えられていることからも、害虫予防等の農薬にとどまらず、
除草剤を一切使わないことも入ってきます。しかし、農業の専門家によると、
除草剤を全く使わない農家は本当に少なく、有機農家でも数年に一度は除草剤を使用しているという実態なのです。
それくらい、除草剤は農家にとって仕事を効率化させる便利なものとして浸透しています。
有機農業は、本当に手間もお金もかかります、高価なだけありますね。
参考: 農民連 「有機農産物」と「表示」問題」
2. 除草剤からの曝露を避けるには
平成18年5月に一定以上の農薬(除草剤含む)が残留する、
食品の販売を禁止するポジティブリスト制度が施行されました。
これにより、国内基準のない農薬、海外製品も規制の対象となり、
基準を超えるものの全ての流通が禁じられるようになりました。
海外の作物も農薬がのこっていることがあります。
地球規模の環境ホルモンってことなのですね。
ここで注意しておきたいのが、取り締まりが厳しくなったからと言って、
前述したように、農薬・除草剤が食品中に全くのゼロではないということ。
それに、のどかな田園風景や自然の中にも目に見えない農薬等の水・大気・土壌汚染が現実にあり。
無知な一般の人も除草剤を簡単に利用できる現状から、私たちの口に簡単に入ってしまう可能性があります。
参考:厚労省パンフレット 食品に残留する農薬等に関する新しい制度(ポジティブリスト制度)について
2-1.除草剤以外の草刈・抑草対策
私が言いたいことは、除草剤をむやみやたらに使わないで、ということです。
使用する人は、その危険性について理解した上で、
用量や用途を守って使用すること。実際に散布する人自身が、一番暴露しやすいですし、
手袋、マスク、などの防護義の着用は必至です。
そしてできる限り、庭の草はこまめに抜き、草刈をする習慣つける。
砂利や芝生を敷き詰める方法もありますよね。仕事が多忙で…という方は、
専門業者やシルバー人材センターでも草抜・草刈を雇うことができるようになっているので、
ぜひ活用してみてはいかがでしょう。
自分で作る家庭菜園が一番安心という方もいますよね。
田畑については、有機栽培農家から学べ!
除草剤を使わない農業の専門書などを読むと、
有機栽培農家さんがどれだけ苦労されているのかがわかります。
オーガニック食品なぜ他の食品に比べて高いのかおのずとわかりますね。
田畑については、その土地の性質や気候、予算等によっても、その方法は違っていて、
一律には言えないのが実際とのことですが、草抜・草刈法の工夫、抑草法等の利用など、
さまざまな方法があるのです。
米ぬかなどの有機肥料、木酢・米酢、ワラ・モミガラ、野草・ビールかす、紙材、微生物資材から、
共生生物や共生植物の利用まで、幅広くあります。
家庭でも使いやすいのは、米ぬかやマルチの利用でしょう。
うちは、精米機が家にあるので、精米後の米ぬかを家庭菜園の抑草に使ったり、
プランターの花のわきに振り掛けて使っています。
除草剤ほどの威力はないので、結局、時々草抜きが必要ですが、
見えない除草剤の悪影響を受けるよりましですしね。運動がてら草抜きをしています。
草刈り機を使う人も多いと思いますが、
使い方ひとつ違ってもでも、草刈の苦痛度が違うようです。
2-2.信用性の高いオーガニック食材を選ぶ
できるだけ無農薬や有機栽培の商品を選び、その際も、生産者の明記があったり、生産元がはっきりしている信頼性の高い商品を選ぶようにすることが大事です。
また、「有機」表示について、2000年4月からJAS法によって厳しいルール決まり、
違反した場合の罰則規定も設けられました。そこで有機農産物を見分けるには、
「有機JASマーク」がついているものを選びましょう。
また、「オーガニック」表示は、
国連食糧農業機関と世界保健機構の合同組織、CODEXが決めた基準に従って規格を設け、
検査で認定を受けたものだけに表示マークが許可。日本の「有機」と同じとみなします。
引用:家庭でできる「農薬・食品添加物」の落とし方 増尾清 著
無農薬でなくとも、最近流通する食材は、国が安全とする基準値内ではあります。
しかし、ひつこいようですが、微量でも農薬が残留しています。
肉類は、飼料などの農薬は脂身にたまりやすいため、脂身の少ない肉を選びましょう。
2-3.調理について
農薬工業会が行った実験で農薬が一番落ちる調理法は、まず「水洗い」だけでも水に溶けやすい農薬は落とせるとしています。
しかし、完全には落とせないというのが実情です。
IN YOUでははやり、安全性の高い無農薬・有機のものを選ぶことをお勧めします。
まとめ
少しでも除草剤の危険性について考えるきっかけになったでしょうか。高血圧や糖尿病などの慢性的な病気の症状と同じで、
除草剤も、被害が出ないうちはその恐ろしさに気づかないかもしれません。
ついつい対応が後回しになったり、まぁいいかで過ごしていると、
後から痛い目にあうのは、何も知らずに買って使用した本人や、消費者側です。
過敏になりすぎてストレスを貯めてしまうと逆効果ですが、
除草剤の危険を知って、できることから一緒に始めませんか。
図解でよくわかる農薬のきほん 寺岡徹 著
除草剤便覧第2版 野口勝可・森田弘彦・竹下孝史 著
除草剤を使わないイネつくり 民間稲作研究所
農家が教えるラクラク草刈り草取り術 農文協
家庭でできる「農薬・食品添加物」の落とし方 増尾清 著
安心して食品を食べよう!
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