極端な脂質やコレステロール制限はNG! 現役鍼灸師が教える、東洋医学からみた胆のう炎の予防対策。
黄疸の症状が出て胃が痛い。
胆嚢を全摘するのは怖い。
病院によってできる治療が違う。
母親によれば「手術する時に、組織をとって悪性か良性かを調べるみたい」との事ですが、
それは胆嚢を全摘後にとネットで知りました。
胆のう炎とは
胆のう炎とは単純に胆嚢に発生する炎症です。
胆嚢は肝臓でつくられた胆汁を貯める袋です。
胆嚢炎は、経過によって急性胆嚢炎と慢性胆嚢炎に分けられます。
- 上腹部痛
- 右肋骨の痛み
- 発熱
- 嘔吐
触診では、右肋骨の圧痛があり炎症が起こっている場合は腫れあがっていることがあります。
急性胆嚢炎の多くは胆石によるものです。
胆石が胆嚢の出口に詰まったときに胆汁が滞って、細菌感染が加わると発症します。
まれに、胆石が存在せずに胆嚢炎を起こすこともあります。
胆石がない場合には無石胆のう炎と呼ばれ、
- 長期の脂質の絶食
- 胆管閉塞
- 糖尿病
- 動脈硬化症
- 膠原病
脂質やコレステロールのとり過ぎが原因で胆石になる場合もありますが、
極端に脂質やコレステロールを制限しているときにも起こります。
基本的に胆石は多少は誰にでもありますが、
それが流れ出し管に詰まった時にだけ問題が起こり、
きっかけとなるのはコレステロールが過剰な時などです。
胆石を持っている人すべてに症状が出るわけではなく、
半分以上の人は胆石を持ちながらも無症状で生活しています。
ですが一度、痛みが出るとかなりの激痛で大の大人でも我慢できないといわれます。
胆のう炎の治療とは
現時点での胆のう炎に対する処置は同じです。
近年では胆のう炎の発症後は早期の胆のう摘出が推奨される
公益財団法人日本医療評価機構
胆のう炎の治療としては点滴治療があります。
急性胆のう炎では、抗生剤を点滴して細菌感染を抑え、まずは全身状態の改善に努めます。
その後、炎症や感染が落ち着いてから必要に応じて手術治療を行ないます。
胆のうを摘出する手術は胆石とともに胆のうを摘出することが根本的な治療と考えられているので、
標準的な治療として広く行なわれています。
胆のうは胆汁を一時的に貯えておく臓器ですが、摘出後も胆汁は十二指腸へ流れていくため、
身体に大きな影響は残らないとされています。
また、胆のう摘出術はお腹に1~2cmの傷を3~4ヶ所開けるだけなので、
手術の傷が小さくてすみ回復も早いために手術後2~5日で退院が可能なのが特徴です。
手術が簡単でリハビリも必要ないために圧倒的に摘出を勧められやすい疾患の一つです。
ですが、胆のうを摘出した後は脂質の制限が必要だったり、
免疫が低下するために感染症に罹り易くなったりするので、
最近では安易な摘出を勧めない医師も増えています。
東洋医学から見た胆嚢炎
胆のうは、肝臓のすぐしたにある小さな器官ですが、
肝臓の機能を助ける大切な臓器と考えています。
胆のうは無くても胆汁は流れるので一見すると問題はありませんが、
胆汁が貯められないということは肝臓は常に胆汁を作る作業に追われます。
もちろん、脂質やコレステロールの摂取を減らせば肝臓の負担は減りますが、
不足した栄養分は、
エネルギー不足を起こしたりホルモンバランスを乱したりします。
また、胆汁の濃縮と貯蔵が行えないということは胆汁の機能が低下します。
胆汁には強力な殺菌作用があります。
そのため胆のうがない人は免疫力が低下します。
東洋医学では胆は決断力を司ると言いますが、それは免疫力の強さに比例します。
人間は身体が弱っているときほど弱気になるように、強気な人ほど内臓が強いと言えます。
中でも菌やウィルスなど、
外部からの要因に負ける可能性がある人は、優柔不断になりがちです。
さらに胆汁は脂肪の吸収に関わります。
胆のうが無い人が脂質をとり過ぎると下痢をするのは、
吸収できない脂質を排泄する身体の反射です。
脂質の吸収率が低下するということは長期的なエネルギーを確保できないために粘り強い行動ができません。
そのため胆のうは決断を司るとされます。
胆のうの有無は脂質を流すリンパにも影響するので、
胆のうの経絡が走る足の外側から薬指にかけて腫れや痛みが出ることがあります。
胆のうの経絡が走っている太ももの外側が固くなっている人は、
坐骨神経痛も患いやすかったり、変形性股関節症の原因になったりします。
また胆のうの経絡は側頭部まで流れているので、リンパの滞りから頭痛や肩の痛みの原因にもなります。
結果として胆のうの機能が低下している人は頭に血が昇りやすい面もあるので、
短気だったり激怒したりする攻撃性のある性格にもなりやすい面があります。
頭に血が昇りやすい人ほど熱を発散するためにじっとしていられないところがあり、
絶えず動き回る傾向もあります。
まとめると胆汁は
- 強力な殺菌力
- 脂肪の消化力
- 細胞の活性化
そして、胆のうを守るためには胆汁を作る肝臓が健康である必要があります。
胆のうが弱る背景には肝臓の機能低下が隠れています。
そのため、胆のう炎が起こった時に、身体を回復させるためには肝臓の回復を促します。
東洋医学から見た胆のう炎の対処法
胆のう炎の対処としては、肝臓の機能を高めることにあります。
肝臓の機能を高めるのは、
- 緑葉野菜(スプラウトなどの若芽)
- 豆類(豆類や味噌を含む)
- 海藻
- 酸味のある果物(苺などのベリー類やレモンなどの柑橘類など)
- 酢
肝臓を元気にするということは肝臓が担当する多くの代謝を助けるということになります。
代謝を助けるのは若芽に含まれるフィトケミカルや海藻などに含まれるタウリンが有名です。
さらに代謝を促進する酸を含んだ酢や酸味のある果物に、豆類がもつイソフラボンが肝臓を助けます。
調理するときのポイントは代謝を助ける酵素を失わないように、
調理時間を短めに加熱のし過ぎをさけて新鮮なものを選ぶことです。
また未精製の全粒穀物のもつビタミンやミネラルは肝臓の代謝を助けます。
玄米や全粒粉の小麦などで炭水化物をとるのも効果的です。
さらに
- おひたし
- 糠漬け
- 梅干
- 酢の物
総じて玄米にみそ汁、魚、
小鉢などを揃える昔ながらの和食は見事なまでの肝臓を助けて代謝を高める健康食なのです。
もちろん、すでに肝臓に病気のある方は医師と相談の元、献立を決めてもらえたらと思います。
さいごに
胆のう炎は起こしてしまうと胆のうの摘出を勧められる疾患です。ですが、胆のうは単に胆汁を貯める内臓とはいえども極めて重要な存在です。
それを安易に摘出してしまえば多くの問題が起こります。
胆のう炎を起こす人は基本的に肝臓の機能が低下しているので、胆のうを守るためには肝臓を強くしましょう。
基本的には食養生になるので悪いものを避けて、
しっかりと身体に良い新鮮なものを心がけましょう。
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出典:急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン 2018―TG18新基準掲載 高田忠敬
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