えっ昔は野菜を洗剤で洗っていた!?実は私が今でも輸入野菜は、洗剤で洗っている理由。
野菜を食器洗い洗剤で洗うことは、
お米を研ぐときに食器洗い洗剤を入れるのと同じぐらい、NG行為ですよね。
しかし過去には、「野菜を洗剤で洗いなさい」と、
厚生省(現在の厚生労働省)が通達を出していた時期があったのです。
なぜ、厚生省(現在の厚生労働省)が通達を出したのでしょうか?
それには当時の農業方法が関係していました。
昭和30年代の衛生状況
それは第2次世界大戦の敗戦から立ち直り始めた時期。当時の農業では、人糞を肥料にしていました。
食器はクレンザーや石鹸で洗浄していましたが、
野菜は水洗いだけで済まされていました。
しかし、
人糞に含まれる寄生虫の卵は水洗いだけでは取れず、寄生虫による被害が続出。
水洗いでの寄生虫の保有率は約30%もあったのです。
そこで当時の小学生は寄生虫を体内から除く薬を、
定期的に学校で飲むことになりました。
その頃ライオン油脂が「ライポンF」という洗剤を開発。
国立衛生試験所での寄生虫卵除去試験、急性毒性試験を経て
野菜・食器洗い用の洗剤として発売を開始しました。
さらに昭和31年9月には厚生省が「野菜類・食器等の合成洗剤による洗浄について」という通達を、
出したことで、食器用洗剤で洗うという常識が広がったのです。
しかし、その「常識」が、今はありませんね。
何故でしょうか?
野菜を洗剤で洗わなくなった理由
化学肥料の導入や集団駆虫の効果によって野菜に寄生虫がつく可能性がほとんど無くなったこと。もう一つは琵琶湖富栄養化に家庭用洗剤が大きく影響されているとのことで、
洗剤よりも石鹸を使うことが推奨されたのです。
琵琶湖富栄養化とは?
1970年代から琵琶湖では藻や赤潮が増えて、環境汚染が問題になり、その原因がリンを含んだ合成洗剤が原因とされ、
1979年に「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」が成立しました。
多くは洗濯用洗剤がやり玉に挙がりましたが、「合成洗剤」追放は全国に広まりました。
その他の政策も色々実施されたため2000年には、
琵琶湖の環境問題は「エコキッチン革命」とよばれる方針に方向転換しました。
現在も琵琶湖は滋賀、京都、大阪の水源です。
水のろ過装置の進歩により、大阪市は一時水道水をミネラルウォーターとして販売したこともあります。
滋賀県民のつらいところは、水道料金はそれほど高くありませんが、
下水料金は水道料金と同じになっています。
また琵琶湖に並び、隅田川も汚れていることで有名でした。
現在は鮎がいるほどキレイになりましたね。
これは洗剤とは関係なく、ろ過機能の進化によるものです。
隅田川を管理している職員に聞くと「その鮎は食べない方がいい」と仰っていました。
それは、大量の雨が降ったときには、道路の雨水が浸入する可能性があるからだそうです。
国内の野菜は安全?
農薬も国が安全性を保証したものしか使えません。それ以外の農薬を使った場合には犯罪となります。
農業協同組合は色々問題を抱えていますが、
農薬の安全性を保証するという点では重要な役割を果たしているのです。
輸入野菜は農薬のロシアンルーレット!?
悲しいことに、自給率の低さで世界ランキング上位の日本。
日々の買い物でも、国産のものよりも、
海外産の果物を見るこ事の方が、多いのではないでしょうか?
日本では、輸入する際に違法な農薬が使われていないか、
寄生虫がいないかは税関が調べることになっていますが、
全てを調査することはできません。
そのため、私は輸入野菜を食べる際は、食品用洗剤で洗うようにしています。
もちろん残留してもいいレベルの無添加・オーガニック洗剤で洗ってくださいね。
料理法の問題
生で食べる事が禁止されている牛レバー、豚肉を切った包丁でそのまま野菜を切って、
サラダを作ると食中毒や、最悪の場合E型肝炎になる可能性もあります。
<生レバーの禁止>
生レバーによるO-157の集団感染によって大きく報道されたのでご存じの方も多いと思います。
O-157は料理人の手や包丁がO-157に汚染されているだけではそれを防げばいいのですが、
牛レバーの内部にO-157gが存在する可能性があり、そのO-157を消す方法が過熱しかないためです。
そのため、2012年から食品衛生法の改正で禁止となりました。
豚肉
豚肉は元々よく火を通して食べるという風潮がありました。これは豚肉には寄生虫が付きやすいということからです。
これはある意味、親豚の環境を良くすることで無くすことが可能です。
サルモネラ菌などによる食中毒も禁止理由にしていますが、
平成16年から平成25年の10年間の発生件数は10件で、調理場が清潔であれば問題にはなりません。
それよりもE型肝炎のリスクが問題です。
2000年頃から国内でE型感染に感染する人の報告がありました。
そのため、E型肝炎とブタの研究が進み、ブタの40%弱がE型肝炎に無症状で感染し、
抗体ができていることの報告があり、平成27年6月12日に食品衛生法が改正されて、
ブタ肉(内臓を含む)の生食用に売ったりすると罰せられることになりました。
「中心部の温度が63℃で30分間以上もしくは75℃で1分間以上」に、
中心部温度がなる必要があるとされています。
「豚しゃぶ」は、「牛しゃぶ」のように赤身が残る状態では危険です、1分は熱湯につけましょう。
豚に対する余談
ブタは人間の臓器と大きさが同じなので、1型糖尿病の特効薬として、
ブタ膵臓のランゲルハンス島(インスリンを分泌する細胞)の移植が、
かつて実行可能の寸前まで行きました。
しかし、ブタのRNAのなかに人にはウイルスとして働くことが発表され、
研究は中止となりました。
食器洗い用の洗剤はつかえるのか
輸入野菜や輸入果物の場合には、水洗いだけでなく洗剤を用いた方がいいかもしれません。
先ほども伝えた通り、その場合は、
必ず残留してもいい安全レベルのものをお使いになってください。
合成界面活性剤が含まれるものを使うことは危険ですので、お勧めできません。
しかし、もっとも「そこまでするくらいなら、買わない方がいい」
というご意見がありそうですが・・。
旅行のお土産には野菜・果物は持ち込むことができないので、
それほど気にする必要は無いのかもしれませんね。
輸送の問題
リンゴなどは果物同士がぶつかるとその部分が傷む可能性があるのでワックスを使っている場合があります。
日本の場合には丁寧にプラスチック製のかごのようなものでくるむか、
紙製品で固定しているのでほとんど問題ありません。
高級品ほど紙以外の自然分解しないもので包んであるので、別の意味で環境にダメージを与えます。
外国の場合にはワックスが前
提で、海外生活ではズボンでこすってから食べるシーンが定番ですよね。
海外産のものは勿論、リンゴは有機のものを除いては、皮を剥いて食べる事をおすすめします。
カット野菜は安全?
一人暮らしや介護をしながら自分の食事を作っているときには、カット野菜は複数の野菜を買ってサラダにするよりも、
コストと手間がかかりません。最近では「洗う必要がありません」と記載されたものもあります。
カット野菜の殺菌方法は3種類
1.次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸し水で洗浄し、お酢やフマル酸などで病原菌の繁殖をおさえ、最後に水切りをするケースがあります。
しかしこの方法は主に飲食店で使われる方法ですが、
オーガニック的な観点では、栄養価も落ちますしリスクも少なからずあるので、お勧めできません。
2.オゾンを溶かした水で殺菌。水道水の殺菌にも使われているので安全性が高いと思われます。
3.電解水での殺菌です。弱酸性電解水は次亜塩素酸ナトリウムと比べて、
殺菌効果は同レベルです。
すすぐ必要がないので電解水の値段を別にすると処理そのものは低コストで済みます。
国の方ではカット野菜を推薦しているようですが、
カット野菜も薬剤で洗浄されることが非常に多いので、
しつこいようですが、私は避けることをお勧めします。
▼ カット野菜の害に関してはこちらをご覧下さい。
食中毒か健康か?!市販のカット野菜や果物、サラダの殺菌洗浄に用いられる次亜塩素酸ナトリウム(塩素)は腸内細菌叢を破壊する!
やはり当たり前ではありますが、
ベストな方法としては、基本的に日々、無農薬野菜を、選ぶことでしょう。
まとめ
海外産の食品がスーパーに並びがちな日本では、もし最悪そのようなものを買わざるを得ないケースにおいては、
野菜・果実は洗剤でも洗えるが電解水で洗うのがおすすめです。
手軽さ・安さだけで買い物をする時代はもうじき、終わります。
今後は消費者が賢くなり、体のことはもちろん、
環境も配慮した上で、オーガニックを選んでいくと良いかもしれません。
参考資料
寄生虫や農薬・・・見えない汚れを除去 昭和30年代の日本の衛生環境の改善に大きく貢献した台所用合成洗剤「ライポンF」
Mother Lake びわ湖の滋賀県では、いま…
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