パン業界が乳化剤・イーストフードの安全性を主張して不使用の強調表示撤廃!?国の基準に基づいて製造されたパンは本当に安全なの?
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突如、イーストフード・乳化剤不使用表示に異議を唱えた大手パンメーカーの真意とは?
コーヒーや紅茶との相性も抜群で柔らかく、焼くと香ばしいパンは、
手軽に私たちのお腹を満たしてくれる食べ物ですよね。
コンビニやスーパーに行けば、
オーソドックスな食パンから菓子パン・ランチパンまで何でも揃っています。
これらのパンに使われている代表的な添加物といえば、
乳化剤やイーストフードですが皆さんはその使用目的をご存知ですか?
以下が、日本で使用されている乳化剤とイーストフードの概要です。
イーストフード
パンが発酵するのに必要なイースト(微生物)の活動を活発にする添加物。塩化マグネシウム・炭酸アンモニウムなど16種類の添加物を混ぜて使用。
乳化剤
大豆レシチンや卵黄レシチンを原料とする、水と油を混ぜ合わせる目的で使用されている。
出典:社団法人日本食品衛生協会 食品添加物使用基準便覧 第40版
左巻健男監修 食品添加物キャラクター図鑑
このイーストフードと乳化剤不使用を謳った食パン、スーパーなどで良く見かけますよね?
イーストフードや乳化剤を使った食パンに比べ、
安全性が高く健康的な印象を持っている方も多いでしょう。
ところが今年6月、
これまで「イーストフード・乳化剤不使用」を謳ってこなかった山崎製パンの検査により、
新たな事実が発覚しました。
イーストフード・乳化剤不使用のパンに潜む裏側
山崎パンが行った検査によりイーストフード・乳化剤不使用を強調表示している食パンから、イーストフードと乳化剤の代替原材料が検出されたのです。
この指摘を受けてイーストフード・乳化剤不使用を謳いながら、
代替原料を使用してきた他社はこれまでの表示のあり方を見直すことを表明しました。
また大手パンメーカーにより運営されている社団法人日本パン工業会は、
6月に乳化剤・イーストフード不使用の強調表示を自粛することを表明しました。
この強調表示中止は山崎製パンの
「乳化剤・イーストフードは、国が定めた安全基準にのっとって使用されているため、安全である。
強調表示を行うことで、乳化剤とイーストフードが危険であるような印象を消費者に与える。」
という主張を全面的に認めた内容です。
参考:「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示に関する当社の見解
敷島製パン株式会社(Pasco)2019.06.21『イーストフード、乳化剤不使用』等の強調表示と今後の取り組みについて
乳化剤とイーストフード不使用を謳いながらも、
強調表示を行っていた他社実状を明らかにしているという意味で
山崎パンの指摘は、意義があるものです。
しかし、国の基準に乳化剤やイーストフードの安全性は本当に確かなのでしょうか。
検証してみたいと思います。
イーストフードと乳化剤ってぶっちゃけ安全なの?問題は食品表示のあり方だけ?
まず日本でイーストフードとして使用されていた
臭素酸カルシウムの安全についてみてみましょう。
臭素酸カルシウムは、日本では
パンをふっくら柔らかくするために原材料の一部として使用されていました。
しかし、1980年、WHOとFAOの合同機関が、
その発ガン性を認め使用に警笛を鳴らしたことにより、
一時期日本でも危険性が認知され、日本パン工業会に自主規制が行われました。
しかし、メーカーによる公式な使用中止の発表はありません。
イーストフードは具体的な原材料表示が義務化されていない為、
私たち消費者は、具体的な原材料名を確認することはできないのです。
また乳化剤は、原材料となる大豆レシチンや卵黄レシチンに
遺伝子組み換えの物が含まれている可能性があります。
出典:増尾 清著 改正JAS法で変わった食品表示の見方・生かし方
日本生活協同組合連合会 食品表示のQ&A 臭素酸カリウムについてのQ&A
アメリカでは、2000年にドイツのバイエル社が開発した
遺伝子組み換えトウモロコシが一般の食品に混入したことにより、
腹痛・下痢・アトピー性皮膚炎などの症状が発生しています。
出典:アンディ・リーズ著 白井和弘訳 遺伝子組み換え食品の真実
現在、日本でも既に遺伝子組み換え技術の開発が企業によって行われていることや、
遺伝子組み換え大豆栽培世界第5位のカナダから大豆を輸入していることは、
以前こちらの記事でもお伝えしましたよね。
既にあなたの身近にはこびる遺伝子組み換え食品の実態と、承認済み遺伝子組換え作物一覧。大豆が危ない。TPP発効で食の安全が変化する中、これから日本はどうなっちゃうの?実態とあなたにできる対策。
どんなパンなら安全?私たち消費者ができることは?
日本のイーストフードと乳化剤の安全性は、
消費者や専門家の間でも意見が割れており非常に曖昧な状態となっています。
しかし、過去に国際機関が警笛を鳴らしていたイーストフードを日本のメーカーが使用してきたことや、
遺伝子組み換え食品の規制・表示のあり方を考えれば、疑問を感じるのは当然ではないでしょうか。
予防原則に基づいて、
私たちが自分たちの健康を守るために、出来ることは何でしょうか?
まずは原材料をメーカーやベーカリーに問い合わせましょう。
ではイーストフードや乳化剤を使用している可能性があるのは、
大手パンメーカーだけでしょうか?
食品表示のあり方が曖昧なのは、ベーカリーなどで販売されているパンも同じですよね。
日本の食品表示は、私たちの税金で運営されているにも関わらず、
情報公開が徹底されず簡素化されたものになってしまっています。
それでも、私たち消費者には自分たちが口に運ぶ物について知る権利があります。
パンを買う時は、大手メーカー・ベーカリー、
どれの場合も原材料は具体的に何を使っているか必ず確認するようにしましょう。
あなたが勇気を出して疑問を伝え、
添加物について尋ねることが、パンメーカーやベーカリーの安全への意識を高めることに繋がります。
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モルトなどを天然の酵母を原料としたパンが伝統として伝わっています。
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遺伝子組み換えの心配も少なく手軽に短時間で美味しいパンを焼くことができます。
食品添加物について具体的な表示をするのは、パンメーカーの責務です。
日本のパンメーカーが、
イーストフード・乳化剤を使用する目的は大量生産のパンを高品質で安定的に消費者に届けることです。
柔らかくて美味しいパンを大量生産するには、こうした添加物は必要なものなのかもしれません。
しかし過去に国際機関で、危険性が指摘された添加物を使用していた経緯があれば、
消費者が不安を感じるのは当然です。
本当に安全な原材料を使ったパンならば、ただ安全性を強調するのではなく、
使用されている添加物の名称を具体的に表示することが、消費者に対する責任です。
日本にも厳格な食品表示と、
原材料のトレーサビリティ制度が必要な時が来ているのではないでしょうか。
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