小麦が体に悪い本当の理由|今日食べた小麦の漂白剤大丈夫ですか?臭素酸カリウム・過酸化ベンゾイル..EUで使用禁止の小麦漂白剤の実態
かつての主流だった米の消費量はこの50年で半分にまで減り、
食の欧米化や生活スタイルの変化に伴い、日本は米食から小麦食に大きくシフトしました。
小麦食はパンのみならず、うどんなどの麺類、餃子、天ぷら、菓子類など、
多種多様に形を変え、私たちの周りに存在します。
米の自給率は98%なのに比べ、
増えて来た小麦の自給率は12%。
つまり小麦食に使われる小麦をほぼ輸入に頼っています。
例えば日本の輸入元の一つであるカナダ。
私もカナダへ来て初めて目にしたのですが、
市販されている小麦粉にはBleached(漂白)とUnbleached(無漂白)が売られています。
小麦粉の漂泊は長期にかかる熟成期間を短縮し、保存期間を延ばすことが目的とされています。
日本も昔は小麦粉を漂白して販売していました。
現在は漂白はされていないと考えられていますが、
あくまで生産側の自粛、つまり自主規制によるものです。
また、小麦粉そのものは漂白されていないにしても、
原料に輸入小麦粉を使用した加工品や、焼き菓子などになれば、漂白かどうかまではわかりません。
あなたの身の回りにある小麦製品は漂白されていない物だと言い切れるでしょうか?
自給率はなんと12%!意外と知らない日本の小麦事情
日本は小麦の90%を輸入に頼っています。
これは日本の小麦粉自給率が12%(平成30年度)という低さから、
小麦粉を使用した製品は国内産小麦のみでは賄えないという現実があります。
参考 農林水産省
主な輸入国はアメリカとカナダ、オーストラリア。
アメリカとカナダだけで80%を超えます。
こうした輸入小麦を国内で製粉し、販売されています。
主な小麦粉の種類と原料国は以下のようになります。
種類 | 用途例 | 原産国 |
強力粉 | パン、中華めん、餃子の皮 | カナダ、アメリカ、オーストラリア |
中力粉 | うどん、即席麺、ビスケット、和菓子 | 国内産、 オーストラリア |
薄力粉 | 洋菓子、和菓子、てんぷら粉 | アメリカ |
デュラムセモリナ | パスタ類 | カナダ |
輸入小麦にはポストハーベストの危険性が潜んでいます。
2017年には小麦のグリホサート残留基準値が30ppmに緩和されました。
日本の輸入元であるアメリカ、カナダ両国のグリホサート残留率はとても高い現状にあります。
これは収穫直前に散布し実を一気に乾燥させることで収穫する方法が取られるため、
残留率が高くなると見られています。
つまり、小麦自体はGMOでなくても、プレハーベスト農薬として
グリホサートを使用している小麦である可能性は高いのです。
そうした小麦を日本は輸入し、加工され、食卓に届けられています。
▽グリホサートに関してはこちらもご覧ください
発がん性が指摘され健康被害の訴訟が相次ぐ農薬グリホサートが大手製粉会社3社の小麦粉から検出か。 その毒性と消費者が食の安全を守るためにできることとは?
実は漂白小麦だらけ!?あなたの周りに潜む漂泊小麦粉
小麦だけではなく、調整されたものや加工されたものも輸入されています。
既に海外工場などで調整・加工されたものは、現地の小麦粉を使用している可能性が高いでしょう。
では、その加工地では、無漂白の小麦粉を使用しているのでしょうか?
輸入されている麦加工品
・小麦粉調製品=製菓、製パン、冷凍食品原料として(加糖、無糖)・パスタ
・ビスケットなど
・ケーキミックス
・パン
・うどん、そうめんなど
小麦粉を使用した加工食品
・うどん・パン
・焼き菓子(ケーキやクッキーなどの洋菓子)
・和菓子
・天ぷら
・冷凍食品(餃子やたこ焼きなど)
また、小麦粉を主とし、ミックス粉として販売されている物は、どこの小麦を使っているのでしょう?
冷凍食品やミックス粉など、日本で加工している場合でも
ラベル表記の原材料欄に小麦粉としか表記がない場合は輸入小麦の可能性は高いと見て良いでしょう。
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小麦粉を漂白する化学物質には
発がん性が認められている物も
輸入小麦の大元であるアメリカ・カナダでは、
小麦粉漂白は未だ行われており、認可されている食品添加物も多くあります。
アメリカ・カナダで一般的に小麦粉の漂泊に使用される物質には、
日本では禁止されている物もあります。
その一方で、アメリカ・カナダでは使用されない物質を、
日本では食品添加物と認め使用を許可している物もあります。
アメリカでFDA認可されているもの
・アゾジカーボンアミド・過酸化ベンゾイル
・二酸化窒素
・二酸化塩素
・塩素ガス
参考 FDA
カナダで認可されているもの
・過酸化アセトン・過硫酸アンモニウム
・アスコルビン酸
・アゾジカーボンアミド
・過酸化ベンゾイル
・塩素
・二酸化塩素
・L-システイン塩酸塩
参考 カナダ政府保健局
日本でも食品添加物として認可されているもの
過酸化ベンゾイル(希釈過酸化ベンゾイルとして)臭素酸カリウム
過硫酸アンモニウム
二酸化塩素
L-システイン塩酸塩
参考 日本食品添加物協会
小麦粉を漂白する理由の一つとして、小麦は熟成させることで品質が安定します。
その安定プロセスには保存期間と保管場所が必要になります。
無漂白の場合は空気に触れさせ熟成を促しますが、より早い品質の安定化を求め、
熟成させる代わりに酸化剤を使用し、小麦粉の酸化を速める目的で漂白が行われるようになりました。
現在の日本では行われていないとありますが、これは業界全体の自粛によるもの。
法律で規制しているわけではないので、
認められた食品添加物による漂白が行われている可能性はゼロとは言い切れません。
漂白剤として使用される食品添加物とは
過酸化ベンゾイル
アメリカでもカナダでも食品添加物として認められている過酸化ベンゾイル。ニキビの治療薬として使用され、臭素酸カリウムと同様に小麦粉に使用される食品添加物です。
抗菌や漂白の役目を持ち、日本では希釈過酸化ベンゾイルとして小麦粉にのみ使用を許されています。
(小麦粉1kgにつき0.30g以下)
アゾジカーボンアミド
これも同じくアメリカでもカナダでも食品添加物として小麦粉の品質改善に使用されます。EUや日本では認可されておらず、WHOは発がん性などを判断する材料は十分でないとしながらも、
パン工場や製粉工場など長期間暴露の可能性がある人に対しては喘息や皮膚疾患が起こるとも指摘しています。
※日本、EU、オーストラリアでは食品添加物としての使用は禁止
臭素酸カリウム
パンの品質が向上するとして使用されていましたが、1982年にパン以外への使用禁止(小麦粉1kgに対し30mgまで)とされた経緯があります。
国際がん研究機構(IARC)ではヒトに対して発がんのおそれがあるとされる2Bにグループ分けされています。
また、FAO/WHO合同の食品添加物専門委員会(JECFA)では「遺伝子障害性発がん性物質」とし、
小麦粉処理への使用は容認できないとしています。
*FAO-国際連合食糧農業機関
イギリス、カナダ、EUでは食品への使用は禁止されていますが、
アメリカでは全面禁止にはなっていないものの、ラベル表示を設定している州は多くあります。
日本ではパン以外への使用は禁止されつつも残存が発見され、
1997年以降は自粛の波が押し寄せ、ほぼ使用はされていないと見られていますが、
添加物としては認定されているままです。
臭素酸カリウムは熱に弱く、パンとして焼きあがった後には検出されることがありません。
また、使用基準を「焼成後のパンから未検出であること」を条件にした事で表示義務を免れる事になります。
つまり、万が一使用されていても表示義務はないため、
真偽はわからないと言っても過言ではありません。
二酸化塩素
塩素の酸化物で、殺菌や滅菌を目的とし、水道水の消毒や食品添加物として小麦粉やパン用の漂白や品質改善目的で使用されています。
食品衛生法では漂白剤として小麦粉への使用(10-20ppm)が許可されており、
酸化力(=除菌力)が塩素より約2.6倍強いとされています。
日本では製粉業界自体が漂白を自粛し、無漂白を表明する企業もあります。
国内産小麦や無漂白と表記があれば、恐らく漂白はされていないでしょう。
ですが、小麦をほぼ輸入している日本。
全ての小麦関連製品を国内産だけで賄う事は到底無理です。
となれば、輸入小麦を表示義務のない臭素酸カリウムで漂泊しても、
加工品原料として調整粉や小麦粉となった状態で輸入し活用していても消費者にはわからなくなるわけです。
これは冷凍食品や加工品などの加工場が海外である場合も同じです。
小麦粉は国産やオーガニック、無漂白表記のものを選ぼう
普段の食事を振り返ってみて下さい。
小麦を使った食事をどれだけ食べていますか?
外食をすることもあるでしょう。
その場合の小麦はどこから来ているのか考えたことはありますか?
全てを避ける事は出来ませんし、調べるにも限界があります。
ならば、出来る範囲だけでも、国産やオーガニック・無漂白表記のあるものを使用しましょう。
また、加工品や調整粉などに頼らず、安心・安全なものを使用し、
自分で手をかける事が食への不安を取り除く近道です。
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