入浴剤を使った後、洗い流してますか?洗い流したい危険な成分とは。1ヶ月ごとに変えたい日本古来からの12ヶ月季節湯のススメ。
仕事や家事が終わってからのバスタイム
お風呂大好きの日本人(特に女性)にとっては、至高の時間ですよね。
そんな時、入浴剤でほっこり・・・
なんて方も多いのではありませんか。
また、入浴剤は洗い流さないことが常識です…が…
ちょっと待ってください!!
その入浴剤に含まれる成分、
洗い流さなくて本当に大丈夫ですか?
入浴剤の中には、有効成分だけではなく様々な成分が入っています。
ここで大手3社の成分表を比較してみましょう。
A社 | B社 | C社 |
---|---|---|
【有効成分】 炭酸水素ナトリウム 【その他の成分】 グリシン、ハチミツ、レモンエキス、ビタミンC、酢酸トコフェロール(ビタミンE)、リボフラビン(ビタミンB2)、プロピレングリコール、サリチル酸、無水ケイ酸、香料、黄202(1)、黄4 |
【有効成分】 炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム(無水) 【その他の成分】 フマル酸、PEG6000、ブドウ糖、グリシン、酸化マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、デキストリン、ケイ酸Ca、香料、黄4 |
【有効成分】 乾燥硫酸ナトリウム、炭酸水素Na 【その他の成分】 L-グルタミン酸ナトリウム、ホホバ油、デキストリン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、無水ケイ酸、香料、黄202(1)、青1 |
上記の表の赤字であらわされている成分が、肌から吸収されることによって私たちの体に害を及ぼすとされる成分なのです。
プロピレングリコール
発がん性物質。アレルギーを引き起こします。
乳化剤や保湿剤、殺菌剤として使用されます。
分子量が非常に小さく、私たちの皮膚のバリア機能を壊し、他の科学物質が皮膚から進入する手助けをします。
サリチル酸
妊婦に禁忌は医薬品として取り扱われています。染色体異常を誘発する物質で臓器への影響と生殖機能、胎児などへも影響します。
香料
合成化学物質の香料は、アレルギーを引き起こすことがあります。「隣人の洗濯物のにおいがきつくて頭痛や吐き気がする。窓を開けられず換気扇も回せない。」その香りで体に異変をきたす人が増えています。『香害』という新しい害について。
タール系色素
≪黄202(1)、黄4、青1≫癌やアレルギーを引き起こす要因と考えられています。
また、甲状腺に異常を生じる要因とも疑われています。
赤色2号、3号は日本では認可、アメリカでは禁止されています。
青色1号は、日本では認可、EU諸国では禁止されています。
赤色104号、105号、106号は、日本以外のほとんどの国で禁止されています。
お風呂の中では全身無防備です
ハダカなんですから当たり前ですよね。
そんな無防備な私たちの肌に、毎日毎日皮膚からこれらの様な成分が吸収されてしまったら…
私たちの体は下の図の倍率で肌から成分を吸収します。
それでもまだ、入浴剤を安心して使えますか?
もちろん入浴を探せば、オーガニックなものも手に入ります。
が
季節湯で12か月の日本の四季を感じてみるというのはいかがでしょうか。
日本古来の季節湯をご存知ですか
季節湯と言えば、冬至の時期の柚子湯や、端午の節句の菖蒲湯が思い起こされます。
ですが、実は日本には四季に応じた季節湯があるのです。
1月 松湯
松には精油成分が大量に含まれています。(松ヤニなども有名ですよね)
その成分で体が温まり、鎮痛、強壮、血行促進などの作用があるため、冷え性や肩こり、神経痛、疲労回復などの効果が期待できます。
【松湯の作り方】
1. 葉はその都度、生のまま用います。葉だけを使い、樹脂が残らないようにぬるま湯でよく洗い落とします。
2. 汚れを洗い落とした生の葉100gを、水から15分くらい煮出します。
3. 布でこし、煮汁だけを風呂に入れてかき混ぜます。
良く洗った葉を湯船に浮かべても、天然の森林アロマが味わえますね。
2月 大根湯
大根湯というと、風邪で喉が痛いときに飲む「大根湯」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実は大根湯は、入浴しても効能があるのです。
昔から大根湯は農村地帯で民間療法として使用されてきました。
入浴する大根湯は干した大根の葉を使いますが、干した大根の葉には温泉成分と同じ成分が多く含まれ、保温効果を高める働きがあるのです。
【大根湯の作り方】
1.大根1本分の葉を風通しのよい日陰に吊して2~10日間乾燥させます。
2.干した大根の葉を細かく刻んで布袋につめて、風呂に入れます。
3月 よもぎ湯
よもぎは古くから厄除けの効能があるとされてきましたが、『ハーブの女王』と呼ばれるほどその効能は絶大です。
「よもぎ蒸し」やお灸のもとのもぐさとしても有名で、様々な美容と健康の場で使用されてきました。
よもぎの葉には血行促進機能があり、冷え性や肩こり、神経痛、疲労回復、腰痛などに効果が期待できます。
また、殺菌、収れん作用があるため、切り傷や殺傷、アトピーの改善などにも効果が期待できると言われています。
【よもぎ湯の作り方】
よもぎ湯は乾燥した葉はもちろん、生の葉でも作れますので、お気軽に作って入浴してください。
《生のものを煮出して作る場合》
1.鍋にお水をはり、汚れをしっかり落としたよもぎを、5~10本細かく刻んで入れていきます。
2.5~10分経ったらヨモギを取り出します。
3.煮汁をお湯の中に入れてよくかき混ぜます。
《乾燥した葉を使う場合》
1.よもぎは、6~7月によく育った葉を摘み取り、水洗いして陰干しします。
2.約30gを布袋に入れて浴槽に入れます。
4月 桜湯
桜湯というと思い浮かべられるのは、結納などの慶事に出される飲み物ですが、入浴剤としては桜の樹皮を使います。
桜の樹皮を煮出した桜湯には、湿疹、打ち身などの炎症抑える働きがあります。
【桜湯の作り方】
1.樹皮をはぎとり、刻んで日干しにしておきます。( ソメイヨシノ、ヤマザクラ、オオシマサクラいずれでも)
2.乾燥した樹皮50gを布袋に入れます。
3.布袋を鍋に入れ、水から15~20分間煮出します。
4. 煮汁は布袋ごと浴槽に入れます。
公共の樹木や山の桜を傷つけることは犯罪ですが、
桜の樹皮は、漢方薬品店や工芸品材料を取り扱う店舗でも手に入ります。
また、花屋さんでも購入できますので、花を堪能してから桜湯を楽しむのも良いでしょう。
5月 菖蒲湯
菖蒲は昔から病邪を払う薬草だと考えられていました。
中国の書物にも、古くから中国の人々が長寿や健康を願って菖蒲を用いていたと記されているくらい、歴史の古いものです。
昔から端午の日というのは春から夏への変わり目と考えられおり、体調を崩しやすいものだとされていました。
そこで端午の日には、菖蒲酒、菖蒲湯、菖蒲刀など、菖蒲を用いる習俗が多いようです。
また江戸時代に入り武家社会の世になると「菖蒲」と「尚武」をかけて、5月5日を尚武の節日として祝うようになったのが端午の節句の始まりだと言われています。
その結果、今日でも5月5日には菖蒲湯に入る習慣が受け継がれているのだと言います。
また菖蒲にはアサロンやオイゲノールという精油成分が多く含まれているため、血行促進効果が大きく、腰痛や神経痛、冷え性、肩こりなどを和らげる効果が期待できます。
【菖蒲湯の作り方】
菖蒲というと美しい花を思い浮かべるかと思いますが、菖蒲湯に使う葉は『サトイモ科』も菖蒲を使います。間違えないようにしましょう。
また、菖蒲は端午の節句が近くなると、花屋さんやスーパーで購入することができます。
《菖蒲をそのまま湯船に入れる場合》
1.菖蒲は10本程度を輪ゴムで重ねておきます。
2.湯沸かし式の場合は、水のうちから菖蒲を入れ、高めの温度で沸かします。
3.給湯式の場合は、お湯を張る前から菖蒲を入れ、高めの温度を設定します。
《菖蒲をそのまま湯船に入れない場合》
1.菖蒲の葉を、1本程度細かく刻みます。
この時、菖蒲の葉は生のまま使います。
2.刻んだ菖蒲の葉をタオルや綿の袋に入れます。
3.袋を洗面器などに入れ、熱湯を注ぎます。
4.10~15分ほど置き、精油を抽出します。
5.袋ごと抽出した液を浴槽に入れます。
菖蒲は葉の部分にアロマ効果があるので、残った葉も浴槽に入れて楽しみましょう。
6月 ドクダミ湯
どくだみは「重薬」、「十薬」とも呼ばれ、多くの効能をもち、日本三大薬草の一つとして万病に効く薬草として有名です。
どくだみの茎葉には利尿、解熱、解毒、消炎、抗菌作用があるため、あせも・湿疹などの吹き出物、水虫・かぶれに効果があると言われます。
また、新陳代謝を高め毛細血管を強化するため、血行不良にも効果があります。
【ドクダミ湯の作り方】
1. 生の茎や葉を水洗いして、適当な大きさに刻みます。
2. 布袋(ガーゼの袋、ティーバッグ等)に詰め、湯沸かし式の浴槽では、入れて水から沸かします。
給湯式の浴槽では、湯を張る前に浴槽におきます。
3. 袋の中の成分を揉み出しながら入浴すると効果的です。
生のドクダミが手に入らない場合は、ドクダミ茶のパックでも代用可能です。
ムシムシして汗をかきやすく、あせもやニキビなどが気になるこの時期に、血行促進や抗菌作用のあるドクダミ湯はまさにぴったりですね。
是非一度お試しください。
7月 桃湯
土用の日といえば『うなぎ』ですが、同じように江戸時代から親しまれてきた習慣に『夏の土用は桃湯(もも湯)に入る』というものがあります。
桃の葉にはタンニンなど消炎・解熱に有効な成分が含まれるうえに、収れん作用があるため、強い紫外線による日焼けや、あせも・しっしん・虫さされなどの夏のお肌のトラブルに効果的と言われています。
つまり、夏の桃湯はいい伝えだけでなく、効能的にもとても理にかなったものなのです。
【桃湯の作り方】
桃は、実・葉・種・花と、すべてに栄養や効能が含まれており、捨てる部分がないといわれる優れた植物です。
とくにお肌によいのが葉の部分です。
生の葉を使って、簡単に桃湯を楽しんでみましょう。
1. 生の葉30~40枚を布袋に詰めます。
2. 布袋を鍋に入れて15~20分煮だします。
3. 煮汁ごと風呂に入れます。よくかき混ぜてから入浴します。
また同じように乾燥させた桃の葉でも効能が得られます。
大量に桃の葉が手に入った場合は、乾燥させた葉で、長く桃湯を楽しんでみましょう。
8月 ミント(薄荷)湯
日本古来の和薄荷(わはっか)は、西洋のペパーミントに香りが似ているので混同されがちですが、
ペパーミントに比べてメントールの含有量が圧倒的に多いのが特徴です。
夏になると、入浴剤、シャンプー、コンディショナーなどのアメニティーで清涼感を前面に出したメントール系の香りの商品が多く出てきますよね。
メントールのスーッとする成分から体を冷やすと思われがちですが、実はこの成分は体内に取り込まれると末梢血管を広げて温める働きがあるのが特徴なのです。
【ミント(薄荷)湯の作り方】
1. 生の葉の地上部分をつみとります。
(よく洗って虫がついていれば取ります)
2. そのまま用いる場合は両手いっぱい程、陰干して乾燥したものなら2つかみ分(30g)を布袋やティーバッグに入れます。
3. 上から1升(約2リットル)の熱湯をかけて15~20分ほど蒸らします。
その汁と袋を風呂に入れ、よくかき混ぜます。
※薄荷油を使用する場合は、ソルトやクレイなどにかけて使ってください。
※ 生の薄荷葉がない場合は、「薄荷茶」で代用可能です。
体は温まるのに、メントールの作用で入浴後のお肌は汗も引いてスッキリ!というミント湯は、まさにこの時期にピッタリですね。
オススメの農薬不使用ハッカオイルもCHECK
9月 菊湯
9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれます。
中国の陰陽思想では、偶数を陰数、奇数を陽数と考え、陽数は人間に活力を与えるものといわれていました。
とくに陽数の重なる日である1月1日、3月3日、 5月5日、7月7日を節句として盛大に祝い、なかでも陽数の最大値である「9」が重なる9月9日は、たいへんめでたい日とされ、「重陽の節句」とされたのです。
別名で、菊の節句とも呼ばれ、日本でも平安時代から、厄払いや長寿を祈願して菊を酒に浮かべて飲む「菊酒」の風習がありました。
菊にはカンフェンというアロマ成分があり、血行促進や保温効果があります。
これらは肩こりや腰痛、保湿などに良いとされています。
【菊湯の作り方】
菊湯で使うのは、一般的に野生で多くみられるリュウノウギクという種類です。1. リュウノウギクは、秋に花が咲いている時に地上部を刈り取り、茎ごと陰干しにしておきます。
2. 15gほどを布袋に入れます。
3. 上から約2リットルの熱湯をかけて15~20分ほど蒸らし、その煎剤を汁ごと風呂に入れ、よくかき混ぜます。
(そのまま湯船に浮かべてもOK)
※生の菊花が無い場合は「菊花茶」で代用可能OKです。
「菊花茶」は台湾や中国茶専門店などで入手できます。
食用の菊の花も用いることができます。
10月 生姜湯
生姜というと、体を温めてくれるイメージですね。
日本では風邪の引き初めに砂糖やはちみつを生姜とお湯で溶いた「生姜湯」を飲みますが、中国ではスープや粥に生姜を入れて食し、スウェーデンでは、生姜&ハチミツ入りのビールを飲み、インドではこしょう入りのハチミツを生姜につけてなめるそうです。
これは生姜に含まれている辛味成分と精油成分が、血行を促進させて身体を温める効果があるからです。
また生姜の辛味成分には、防腐・抗菌作用と抗酸化作用があるほか消化を助ける働きもあります
だんだんと冬に向かうこの時期に、生姜湯で体の芯から温まって風邪予防をしてみましょう。
【生姜湯の作り方】
1.生の生姜1~2片を皮ごとすりおろします。包丁で細かく刻んでもかまいません。
2.ガーゼやフキンなどの布を袋状にし、その中にすりおろした生姜を入れます。
生姜をすりおろした時の汁も染み込ませてしまいましょう。
市販のお茶パックを利用しても簡単に作れますが、
長時間湯船に漬けていると破れやすくなることがあるので注意してください。
3.しょうがを入れた袋は、入浴する15分ほど前に湯船に入れておきます。
肌の弱い方は入浴中に皮膚に長時間触れると刺激が強すぎる場合がありますので、
湯船に入る前に取り出しても良いでしょう
11月 蜜柑湯
古くから蜜柑湯(みかん湯)の風呂に入ると「身体がよく温まり、風邪を引かない」といわれています。
その秘密は果皮にあります。
果皮には、柑橘類特有の爽やかな香気を放つリモネンという精油成分が含まれています。
リモネンは血行促進作用があるので、蜜柑湯に入るといつまでも身体は温かく、湯冷めしません。
身体があたたまるため、寝つきもよくなります。
また果皮は、クエン酸やビタミンCも含んでいるので、美肌効果があります。
甘く爽やかな香りを楽しみながら、美しくなれるのですから、女性にはうれしい風呂なのです。
【蜜柑湯の作り方】
1. 果皮を陰干ししておきます。2. 蜜柑20個分の皮を、ガーゼか木綿の袋に入れ、風呂に浸して入浴します。
《生のミカンの場合》
皮5~6個分を熱湯消毒して、ガーゼ化木綿の袋に入れてそのまま浮かべます。
※乾燥したミカンの皮は「陳皮(チンピ)」という名称で、漢方薬店などでも入手できます。
12月 柚子湯
四季を通じて一番有名な季節湯が『柚子湯』ではないでしょうか。
日本では、江戸時代頃より冬至に柚子を浮かべた湯舟に入浴する習慣があり「ゆず湯に入れば風邪を引かない」と言われています。
冬至と柚子との関連は必ずしも明らかではありませんが、柚子湯の習慣は銭湯の登場以後のことであり、一説に湯治(とうじ)と冬至(とうじ)との語呂合わせで、身体息災であれば融通(ゆうずう)が利くとのこじつけであるといわれています。
柚子湯には、ユズの皮を用います。
ユズは、リモネンやα-ピネンなどを成分として含有し、抗菌、消炎、血行促進作用があります。
ちょうど冬至の頃に悩まされるような冷え、ひび、あかぎれ、風邪などに効果があるとされています。
【柚子湯の作り方】
柚子の実2~3個をそのまま浴槽に浮かべるだけで簡単に柚子湯を楽しめます。※香りが少ないようなら実の数を多くしてください。
皮や実を切ったり、果汁を絞り入れると肌がぴりぴりする場合もあるので、注意してください。
12ヶ月の季節湯いかがでしたでしょうか
お風呂の中でも四季、12か月それぞれの季節感と効能が楽しめるのではないかと思います。
さすが先人の知恵と感心しかりです。
是非参考にしていただいて、MY温泉をお楽しみください。
IN YOU Maketオススメのバスグッズ
オススメの記事
「家庭のお風呂が温泉に」との謳い文句で販売される入浴剤に潜む危険性。入浴剤にもなるクレイで、デトックス効果抜群の「クレイバス」のやり方。1週間で体の冷えが解消された!昔ながらの「ヘチマ」を活用して、入浴時にたった5分間で簡単すぎる時短健康法「ボディドライブラッシング」の驚くべき効果と方法。
シャワーを15分浴びるだけで水道水1リットル分の塩素を浴びることになる!?入浴時に気をつけたい思わぬ落とし穴と対策。
参考HP;湯の国/お風呂12ヶ月
参考HP;日本お風呂倶楽部/温泉トリビア
本物のオーガニックが見つかるオーガニックショップ
この記事が気に入ったら
いいね!しよう