【初心者向け】ヴィーガン生活の始め方|最初に揃えておきたい、お役立ちヴィーガン食材5つ
肉や魚はもちろんのこと、卵、乳製品も一切摂らない
ストイックな食生活を送る人のことを「ヴィーガン(完全菜食主義者)」と呼びます。
限られた食材で計画的な食生活を送るヴィーガンの食事をつまらないものと感じますか?
また日々、ヴィーガン料理を用意するのは大変そうだと思いますか?
いえいえ、実際はそんなことないようですよ。
確かに皆さんのイメージ通り、
ヴィーガンの食生活では食べられるものが限られてしまいますし、栄養も何かと偏りがちです。
しかし、ヴィーガンの人たちは、食べられる材料を上手に活用するだけでなく、効率的に栄養が摂れる優秀な食材をしっかりと選んで、特にストレスもなく食事を楽しんでいるのです。
もし、ヴィーガンの食生活を始めてみたいのに大変そうだというイメージがあって踏みとどまっている方がいたら、
まずはヴィーガンのお気に入り食材をチェックしてみると良いかもしれません。
きっと肩の力を抜いてヴィーガン生活を続けられるヒントが得られるはずです。
今回は、そんなヴィーガンライフをスタートする上でキッチンにまずは常備しておきたい必須食材を5種類ご紹介します!
ヴィーガンの必須食材1.貴重なたんぱく源の「豆類」
たんぱく質はヴィーガン生活を送る上で不足しがちな栄養素の一つです。
日本人が1日に必要なたんぱく質は、14歳以上で平均50gと言われています。
肉、魚、卵などを摂らないヴィーガンが効率的にたんぱく質を取るためには、たんぱく質が豊富に含まれている
豆類が欠かせません。
以下の3つは、その中でも特に人気の高い豆類です。
◆ひよこ豆
骨や筋肉、皮膚に必要なたんぱく質を豊富に含んでおり、100g中に8.81gのたんぱく質が含まれていると言われています。
1カップ(240ml,164g)のひよこ豆で14.4g、1日に必要なたんぱく質の1/3の量を摂れます。(*1)
しかも、サラダに入れても、スープやカレーに入れても美味しくて、使い勝手が抜群。
乾燥豆だけではなく缶詰もあり、手頃な価格で手に入るので、キッチンにストックしている人がほとんどです。特に缶詰は、缶から出したら水でサッとゆすぎ、スープやカレーに入れるだけで使え、特別な下準備は不要です。
実は私もひよこ豆の缶詰の大ファンなんです。カレーのなどでチキンのか代わりにひよこ豆1缶に使うこともよくあります。それでも肉に相当する、食べ応えある一品に仕上がりますよ。
◆レンズ豆
豆の中でも特にたんぱく質が豊富に含まれており、1カップ(240ml,198g)の調理後のレンズ豆で17.9gのたんぱく質が摂取できます。(*2)。これは、前述のひよこ豆より多いたんぱく量ですね。また、レンズ豆には鉄分の他、ポリフェノールも含まれています。
スープや煮込み料理に使うのがおすすめ。缶詰として簡単に料理に利用できます。
個人的には「ダール」というレンズ豆をスパイスで煮込んだカレーがお気に入りです。私はインド料理レストランで食べてから、すっかりダールの虜になってしまいました。インドではとてもポピュラーな食材でレシピも多いので、ぜひ試して頂きたい一品です。
◆大豆
大豆ではやはり外せません。たんぱく質が豊富なだけではなく、体内で合成できないアミノ酸9種がバランス良く含まれています。海外では日本のように大豆そのものを煮て食べる習慣はあまりありませんが、豆腐やテンペは世界中のヴィーガンに欠かせない食材です。豆腐は「TOFU」とそのまま発音し、既に海外でもかなりポピュラーな食材になりました。
食べ応えがあり、手軽に肉の代わりにできるので、様々なレシピに応用できるのも魅力です。
私自身は、一般に鶏肉を使う料理で、鶏肉の代わりに豆腐1丁に使うことが多くなっています。
(水切りをした木綿豆腐をあらかじめ焼いておくと煮崩れせず、その後の調理も簡単、食感も良いですよ)。
これも個人的な感想ですが、この調理法を始めてから、料理がとても楽になりました。
ヴィーガンレシピを毎回調べなくて済みますし、食べたいと思う料理を簡単に再現できるんです。
肉を豆腐に変えても、食べ応えはそのままです。たんぱく源を肉ではなく豆腐にすることで、身体がとてもに楽になるのを感じました。
ヴィーガンの必須食材2.ミネラル豊富な「穀物・全粒穀物類」
「穀物類」とは基本的に米、小麦、トウモロコシ、キビなどのイネ科の植物を指し、穀物類の中でも精白せずに穀物の種や皮など全てを除去していないものを「全粒穀物類」といいます。
全粒穀物類は、ミネラル、ビタミン、食物繊維等を豊富に含んでおり(*3)、
一般には精白されたものよりも、健康上のメリットが多いと言われています。
精白されたものを使うか全粒のものを使うかは好みによりますが、いずれにせよヴィーガンにとっては毎日活用しやすい、貴重な食材の一つとなります。
他にイネ科の穀類ではありませんが、擬穀類(ぎこくるい)の「キヌア」もおすすめです。
◆キヌア
キヌアは世界的に知られた、健康に良い食材です。9種の必須アミノ酸がすべて含まれる数少ない食品の一つで、たんぱく質、食物繊維、ミネラル、鉄分も豊富な、言うことなしのパーフェクトな食材のキヌア。
1カップ(240ml,185g)の調理済みキヌアにはタンパク質8gと食物繊維5gが含まれています。
さらに、1日に摂取が推奨されている量の15%相当の鉄分、19%相当の葉酸(*4)も含まれています。
炭水化物は39g(これは白米の半分程度、カロリーは222kcal)と意外に多いため、炭水化物を控えている方は多く食べ過ぎないようにすることがおすすめです。
一般的、キヌアは乾燥した状態でスーパーで売られています。日本でも手に入りやすく、人気の高さが伺えます。
茹でて使うことが多いのですが、私はいつも友人に教えてもらったフライパンを使った方法で茹でています。
〈キヌアの茹で方〉
1カップのキヌアを目の細かいざるで洗い、オリーブオイルを薄くひいたフライパンで1分程度、中火で炒めます。
1.5カップの水を加えて沸騰したら、蓋をして15分程度そのままに。火を止めたら5分程度放置しましょう。
良く冷ましてから保存容器に入れて冷蔵庫に入れれば、使いたいときに使えますよ。
茹でたキヌアはあまり日持ちしないので、私は3日以内には食べきるようにしています。
ちなみに、キヌアは水を吸うと3~4倍位に増量します。1カップ分のキヌアを調理するとかなりの量になります。
食べ方や、食べる人の人数で調整してください(キヌア:水=1:1.5 で調理すれば大丈夫です)。ふっくら、プチプチした食感がとても楽しいですし、香りもそんなに強くないので、食べやすいと思います。
北米ではサラダに使うのがポピュラーですが、ひき肉の代わりに使ったり、ごはんの代わりにする人もいます。我が家では、普段のサラダにキヌア、先ほども紹介したひよこ豆、ナッツ、ドライクランベリーを入れています。特に、キヌアとひよこ豆の相性は抜群です。どんなドレッシングにも合いますよ。
ヴィーガンの必須食材3.上質な脂肪が得られる「ナッツ類」
脂肪分が多く含まれるため高カロリーなナッツは、食べ過ぎなければ、良質な脂肪分や抗酸化物質の他、
ミネラルやビタミンも摂れる優秀な食材です。
上質な脂質である「不飽和脂肪酸」は、体内で合成できないので食事の中で摂取していかなければいけません。
しかし、良質な脂肪酸が多く含まれる食材はそれほど多くなく、
脂ののった魚、植物性油のほかに、ナッツがその代表。
そうなると、おのずとヴィーガンはナッツを意識的に摂ることになります。
ここでは、日本で手に入手しやすく、使い勝手も良い「アーモンド」、「カシューナッツ」。「くるみ」を紹介します。
◆アーモンド
ナッツの中でもカルシウムを最も多く含むアーモンド。食物繊維、ビタミンEやマグネシウムも豊富です。そのまま食べてももちろん美味しいですが、その他、お菓子に使ったり、サラダに入れたりするのが人気です。
◆カシューナッツ
鉄分、マグネシウムが豊富で、魚にも豊富に含まれる不飽和脂肪酸も摂ることができます。そんなカシューナッツは、クリーム系のソースを作る時に一役買ってくれる優れもの。
牛乳や生クリームで作るパスタソースも、カシューナッツを使うことでそれに近いものができ、
「ヴィーガンだから…」と諦めることなく、好きな料理を楽しめます。
生のカシューナッツを一晩水につけて水を切ったら、ミキサーやフードプロセッサーで水、塩またはアガぺシロップを合わせます。
冷蔵庫で数日保存できますが、すぐに使うことをおすすめします
(生のカシューナッツはカビがはえやすいので管理にも注意が必要です)。
<牛乳不使用・ヴィーガン仕様!超簡単カシューミルク・カシュークリームの作り方>
◆くるみ
くるみは青魚に多く含まれるオメガ3が豊富なだけでなく、抗酸化物質、ポリフェノールも多く含まれています。食感が良く、味や香りにクセが少ないので、ヴィーガン用のバーガーパティのレシピには、くるみがよく登場します。
(*5)
くるみは和食でもよく使われ、くるみ味噌、くるみの和え物などを楽しめます。
和食の他の食材にも合わせやすいので、ナッツ類の中でも特に私たち日本人の食生活に取り入れやすのかもしれませんね。
ヴィーガンの必須食材4.種類豊富な植物性ミルク
牛乳を飲まないヴィーガンですが、国の食文化によってはミルクがどうしても欠かせない場合があります。
特に北米では、シリアル、オートミール、コーヒー、紅茶な、ミルクを使う機会がとにかく多く、牛乳に代わる飲み物がとても重要になってきます。
現在は牛乳の代替品としての「植物性ミルク」がとても種類豊富になり、自分に合った商品を見つけやすくなり、料理や用途に合わせた使い分けも可能になりました。植物性ミルクの代表的なものを幾つかご紹介してみようと思います。
◆ソイミルク
豆類の箇所でもお伝えした通り、ソイミルクの原料である大豆にはたんぱく質が豊富に含まれます。日本でも広く親しまれている「豆乳」は、数ある植物性ミルクの中でも濃厚でリッチな味わい。
コーヒーや紅茶などの飲み物に入れることも多く、「ソイラテ」は日本でも人気がありますよね。私もソイミルクは必ず常備しています。大豆由来の独特の香りがあるため香りが強い料理以外にはやや使いにくいのですが、コーヒー、紅茶などの飲み物には必ずソイミルクを使います。
◆アーモンドミルク
アーモンドミルクは植物性ミルクの中でも牛乳に最も近い量のビタミンやミネラルを含んでおり、代用にはぴったりと言われています。また、牛乳同様に、1日に推奨されているカルシウム摂取量の30%を摂ることができるとも言われています。
このカルシウム量を牛乳や植物性のミルク抜きで摂取することはとても難しいでしょう(*6)。アーモンドミルクは、ヴィーガンがカルシウムを効率的に摂る上で欠かせない存在なのかもしれません。
無糖のものは甘味がなく、甘いものが苦手な方におすすめ。風味はクセがなくさっぱりとしているので、様々な用途で使うことができますよ。
コーヒーはもちろん、すっきり飲みたいコールドドリンクにも合います。
クリームスープを作る時にも使えます。
無糖が苦手な方は、加糖のものやバニラ味などを選ぶといいと思います。すっきり感はそのままに、より飲みやすくなります。
◆カシューミルク
栄養価が高いカシューナッツから作られ、とても人気があります。クリーミーな舌触りが特徴で、旨味、甘みも感じられます。そのため、飲み物などに合わせる他、クリーム系の料理やアイスクリームに使われることもあるようですよ。
私も一度、カシューミルクを使ったラテを試したことがあります。とても濃厚で、他の植物性のミルクで作ったラテよりもしっかりとした印象でクリーム系の料理に使われるのも頷けました。
通常は濃厚でカロリーが高いココナッツミルクを使う料理や菓子を作る際に、カロリーが低めのカシューミルクに代える人が
多く、カロリーが気になっている方にもおすすめです。
北米ではかなりの人気を誇るカシューミルクですが、残念ながら、日本ではまだ店頭に売っていることが少ないようです。
ネットショッピングを利用するか、手作りをするとよいかもしれません。
<牛乳不使用・ヴィーガン仕様!超簡単カシューミルク・カシュークリームの作り方>
ヴィーガンの必須食材5.チーズ代わりになる
「ニュートリショナル・イースト」
最後にご紹介するのが「ニュートリショナル・イースト」、ご存知でしょうか。
酵母の一種で、パン作りなどに使うものと似ていますが、加熱し、乾燥させることで発酵しなくなります。
ビタミン(ビタミンB12など)、ミネラル、たんぱく質が豊富で、しかもデイリーフリー(非乳製品)、グルテンフリー(*7)。
乳製品やグルテンのアレルギーがあっても安心して使うことができます。
そしてもう一つヴィーガンにとって「ニュートリショナル・イースト」の魅力は「チーズの風味がする」ということ。
ヴィーガンの食生活を実践する中で、チーズが恋しくなる方は少なくありません。また国の食文化によってはチーズをよく使い、食生活とチーズを切り離すことが難しいケースもあります。
そんな時はニュートリショナル・イーストを使えば、「チーズを使った料理を我慢しなければいけない」というストレスが軽減され、より食事を楽しむことができます。
見た目は、濃い黄色のフレーク状のもので、チーズの代わりに料理の上に振りかけ、温めて使います。温めると独特の(チーズ風味の)よい香りが冷めている時よりも強く感じられることでしょう。野菜炒めに混ぜたり、ピザ、ピザトーストのチーズ代わりにと、様々な料理に使えます。
そのままでも食べられるので、サラダにかけることもできますし、ローストポテトなどに振りかけても美味しいです。冷蔵庫に入れておけば日持ちもするのも魅力ですよね。
ただ、一般的なスーパーなどではなかなか販売していないため、日本でもネットショッピンなどで入手するとよいでしょう。価格はちょっと高めですが、使い勝手がよく、簡単にチーズの代わりになるので、チーズ好きなヴィーガンの方は一度試すと手放せなくなるようですよ。
まずは必須食材を揃えて、ヴィーガン生活を楽しくスタート
ヴィーガン生活を送る上では、動物性食材を摂らないことで、たんぱく質、カルシウム、オメガ3、鉄分、ビタミンB12(*8)などの栄養素が不足しがちになります。
しかし、健康に楽しく生活するためには、そういった不足栄養素を何かの形で補わなければいけません。
今回ご紹介した5種類の必須食材は、ヴィーガン生活での不足栄養素を効率的にも摂取くできる食材でありながら、料理の幅もぐっと広げてくれる、とても便利な食材です。しかも、調理の手間があまりかからず、ストレスフリーなヴィーガン生活を実現する上での心強い味方になります。
ヴィーガン生活を始めてみたいというみなさんは、まず、これらの5種類の必須食材をキッチンに準備することからスタートしてみてはいかがでしょうか。
オーガニック食品やコスメをお得に買えるオーガニックストアIN YOU Market
IN YOU Market快適なヴィーガン生活のために!IN YOU Marketのおすすめアイテム
自然栽培テンペ (大豆発酵食品)|INYOU Market限定!流通ほぼゼロな希少性。完全手創りオリジナル。農薬・添加物不使用!お肉代わりのメイン料理に使える万能発酵食材。
¥ 6,112 (税抜)
完全手創りオリジナル。農薬・添加物不使用!お肉代わりのメイン料理に使える万能発酵食材。
自然栽培テンペ (大豆発酵食品)【シリアル】|INYOU Market限定!国内流通ほぼゼロな希少性。完全手創りオリジナル。農薬・添加物不使用!お肉代わりのメイン料理に使える万能発酵食材。
¥ 4,812 (税抜)
こちらの記事もおすすめです!
ヴィーガンの生活は健康に悪くて危険って本当?何かと誤解されがちなヴィーガンを安全・健康的に実践する方法をお伝えします。添加物なし!簡単ヴィーガンカレールーの作り方
絶品ヴィーガンサンドイッチの作り方。アメリカで食べた衝撃的な美味しさを完全再現!
参考文献:
*1 Medical News Today, What are the benefits of chickpeas?
https://www.medicalnewstoday.com/articles/280244.php
*2 Healthline, Lentils: Nutrition, Benefits and How to Cook Them
https://www.healthline.com/nutrition/lentils
*3 Oregon State University, 全粒穀物
https://lpi.oregonstate.edu/jp/mic/食品と飲料/全粒穀物
*4 Healthline, 11 Proven Health Benefits of Quinoa
https://www.healthline.com/nutrition/11-proven-benefits-of-quinoa
*5 Fastachi, The Health Benefits of Nuts
https://www.fastachi.com/nuts_health_benefits
*6 Chatelaine.com, The Real Health Benefits of Almond Milk
https://www.chatelaine.com/health/almond-milk-nutrition-health-benefits/
*7 Medical News Today, What are the Benefits of Nutritional Yeast
https://www.topnewsphil.com/medical-news-today-what-are-the-benefits-of-nutritional-yeast/
*8 Vitavibes, Attention, Vegahttps://www.vitacost.com/blog/food-nutrition/nutrition/attention-vegans-are-these-6-nutrients-missing-from-your-diet.htmln: Are These 6 Nutrients Missing From Your Diet?
この記事が気に入ったら
いいね!しよう